今日の臨床サポート

鉄欠乏性貧血

著者: 猪口孝一 日本医科大学附属病院 血液内科

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2019/01/29
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 鉄欠乏性貧血は最も頻度の高い貧血であり、さまざまな要因から鉄欠乏が進行することにより生ずる小球性低色素性貧血を特徴とする。鉄欠乏性貧血の治療にあたっては、鉄欠乏の原因を明らかにすることが肝要である。
  1. 鉄欠乏性貧血は貧血の約70%を占めており、日常診療で遭遇する疾患である。
  1. 貧血症状(易疲労感、動悸、息切れ、眩暈、異嗜味症、嚥下困難)や、貧血の身体所見(顔色、眼瞼結膜、舌・口角炎、匙状爪、脾腫)を認めることがある。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
猪口孝一 : 奨学(奨励)寄付など(医療法人社団康心会)[2021年]
監修:木崎昌弘 : 講演料(ブリストル・マイヤーズスクイブ,ヤンセンファーマ,ノバルティスファーマ,セルジーン,MSD,小野薬品,武田薬品,大日本住友製薬),研究費・助成金など(武田薬品),奨学(奨励)寄付など(協和キリン,中外製薬,武田薬品,小野薬品,第一三共)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 鉄剤の適正使用による貧血治療指針 改訂第3版、2015
に基づき改訂を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報  
  1. 診断のための検査としては、ヘモグロビン、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球血色素量(MCH)、平均赤血球血色素濃度(MCHC)、血清鉄、不飽和鉄結合能(UIBC)、総鉄結合能(TIBC)、血清フェリチン値を測定し、貧血と貯蔵鉄の欠乏を評価する[1]
  1. 鉄欠乏性貧血の診断基準:<図表>
  1. 鉄はヘモグロビンの構成成分であるため、不足することによりヘモグロビンの産生ができなくなり貧血を来す。鉄が不足する原因としては、摂取不足、吸収障害、出血での鉄の喪失などがあるため、原因検索をする必要がある。
  1. 疾患の頻度は高く、全貧血の約70%が鉄欠乏性貧血といわれている。また、成人男性では2%以下とされるが、日本人女性では8~10%の罹患率があるといわれている。
  1. 治療対象となる鉄欠乏性貧血の目安は、ヘモグロビン10.0g/dl未満、血清フェリチン12ng/mL未満である( エビデンス )。鉄剤投与後、数日で網赤血球の増加がみられ、ヘモグロビンは6~8週で正常化する。
  1. 鉄剤投与の中止時期は、貧血が改善し、かつ、血清フェリチンが正常化したときである。 エビデンス 
問診・診察のポイント  
  1. 貧血症状(易疲労感、動悸、息切れ、眩暈、異嗜味症、嚥下困難)を確認する。

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