今日の臨床サポート

脂質異常症治療薬(薬理)

著者: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2021/07/21

概要・推奨   

  1. 高LDL血症に効果的な薬剤なのか、高TG血症に効果的な薬剤なのかを認識しておくことが重要である。
  1. 患者の訴えだけで安易に横紋融解症状と判定して投与を中止するのではなく、血液検査なども用いて客観的に判断することは重要である。
  1. 投与開始後、検査値が改善してきても、投与を開始してから3カ月ほど経過した時点から再び値が上昇するケースがあるので、そのようなケースでは食事指導の実施や薬剤の変更を考慮することは重要である。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
中原 保裕 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、小腸コレステロールトランスポーター阻害薬とスタチンの合剤を加えた。

病態・疫学・診察

イントロダクション  
まとめ:
  1. 脂質異常症の治療薬は、大きくスタチン系、陰イオン交換樹脂(レジン)、小腸コレステロール吸収阻害薬、フィブラート系薬、ニコチン酸誘導体、プロブコール、EPA(イコサペント酸エチル)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬に分類される。
  1. 一次予防では、まず生活習慣の改善(食事療法、運動療法、禁煙など)を3~6カ月行い、LDLコレステロール(C)の改善および他の危険因子の改善を試みる。それでもLDL-Cが目標値に達しない場合は、他のリスクも勘案したうえで(すなわち重症度を考えたうえで)薬物療法を選択する。高LDL-C血症治療の第1選択薬はスタチンだが、スタチンが使用しにくい状況(妊婦、妊娠の可能性がある女性、授乳中の女性、小児など)ではレジンやコレステロールトランスポーター阻害薬なども第1選択薬となる。
  1. 二次予防の場合(既に冠動脈疾患の既往のある患者)には生活習慣の改善を指導するとともに、スタチンを中心とした薬物療法を早急に開始する。
  1. LDL-Cに関しては、その値を最も下げるのがPCSK9阻害薬で、ほかにMTP阻害薬やスタチンがある。次いで、中等量下げるのがレジン、小腸コレステロール吸収阻害薬である。少量下げるのが、フィブラート系薬、ニコチン酸誘導体、プロブコールである。
  1. TGに関しては、TGの値を最も下げるのがフィブラート系薬である。ついで、中等量下げるのがニコチン酸誘導体、少量下げるのがスタチン系、小腸コレステロール吸収阻害薬、EPAである。
  1. HDL-Cに関しては、その値を中等度上昇させるのが、フィブラート系薬である。次いで、スタチン、レジン、小腸コレステロール吸収阻害薬、ニコチン酸誘導体が少量上昇させる。プロブコールは逆に中等量下げることが知られている。
  1. LDL-Cのみ高い状態では、スタチンが第1選択となり、TGのみ高い場合にはフィブラートが第1選択となる。また、LDL-CとTGが共に高い場合には、スタチンが第1選択となる。
  1. それぞれの薬剤には、注意すべき副作用がある。スタチンの投与時は横紋筋融解症や消化管症状、肝機能傷害などの副作用に注意することが必要である。同様に、レジンの投与中は、消化器症状、小腸コレステロール吸収阻害薬の投与中は、消化器症状、CK上昇、肝機能障害、フィブラートの投与中は横紋筋融解症や肝機能障害、ニコチンの投与中は顔面紅潮や頭痛、プロブコールの投与中はQT延長や消化器症状、EPAの投与中は出血傾向や発赤にそれぞれ注意を要する。
 
併用療法:
  1. スタチンとレジンの併用、スタチンとフィブラート系薬剤の併用、プロブコールとニコチン酸誘導体の併用、レジンとニコチン酸誘導体の併用、スタチンと小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の併用が脂質低下に効果があることを示す研究がある。
  1. ただし、スタチンとフィブラート系薬剤の併用の併用により横紋筋融解症のリスクが上昇するとの報告もあるため注意が必要である。特に腎機能障害例では併用投与に注意する。
  1. 家族性高コレステロール血症の場合はスタチンにPCSK9阻害薬やMTP阻害薬を併用することが、最近用いられている方法である。
 
脂質異常症の治療薬の作用点

出典

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