今日の臨床サポート

強直性脊椎炎(体軸性脊椎関節炎)

著者: 小林茂人 順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 内科

監修: 上阪等 千葉西総合病院 膠原病リウマチセンター

著者校正/監修レビュー済:2021/09/01
参考ガイドライン:
  1. 2016 update of the ASAS-EULAR management recommendations for axial spondyloarthritis. Ann Rheum Dis. 2017 Jun;76(6):978-991.
  1. 2019 Update of the American College of Rheumatology/Spondylitis Association of America/Spondyloarthritis Research and Treatment Network Recommendations for the Treatment of Ankylosing Spondylitis and Nonradiographic Axial Spondyloarthritis. Arthritis Care Res (Hoboken). 2019 Oct;71(10):1285-1299.
  1. Treating axial spondyloarthritis and peripheral spondyloarthritis, especially psoriatic arthritis, to target: 2017 update of recommendations by an international task force. Ann Rheum Dis. 2018 Jan;77(1):3-17.
  1. 厚生労働省難病情報センター:強直性脊椎炎(指定難病271)
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を正しく理解する。
  1. 診断は、さまざまな臨床徴候などに基づき、除外・鑑別診断を行ってから判断する。
  1. 分類基準の基準項目は、診断の参考にはなるが、分類基準のチェックリストだけに合わせて診断してはならない。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小林茂人 : 研究費・助成金など(ファイザー株式会社)[2021年]
監修:上阪等 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」の記載を追加した。
  1. IL-17阻害薬治療を加えた。
  1. ACRの治療推奨をアップデートした。
  1. axSpAの臨床経過・自然史を追加した。

分類

脊椎関節炎(spondyloarthritis、SpA)の分類  
  1. 脊椎関節炎(spondyloarthritis: SpA)はいくつかの疾患のグループ名であり、以前は血清反応陰性脊椎関節炎(seronegative spondyloarthritis)と言われていた。SpAに属する疾患は、強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis: AS)、反応性関節炎(reactiv arthritis: ReA)、乾癬性関節炎(psoriatic arthritis: PsA)、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease: IBD)に伴う脊椎関節炎(IBD-SpA)、分類不能脊椎関節炎(undiffertentiated SpA: uSpA)である。<図表>
  1. 脊椎関節炎の特徴:
    SpAの特徴は、古くは関節リウマチ(RA)と区別する目的で確立された。つまり、1) 血清のRFは陰性である。2) RAで認められる皮下結節やその他の関節外病変は認めない。SpAがRAとは異なることが明らかになり、3) 体軸関節炎を伴う(その症状は炎症性腰背部痛)、4) 末梢性関節炎を伴う(ASでは下肢を中心に、非対称性、4カ所以下の関節炎)、5) 付着部炎・指趾炎を伴う、6) 家族性発症が認められ、HLA-B27が重要である、7) 乾癬、炎症性腸疾患、前部ぶどう膜炎などの関節外症状を認めるがSpAの特徴として知られている。
  1. ASAS(Assesment of SpondyloArthritis international Society)によって、SpAを体軸病変が優位な疾患を体軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis: axSpA)、末梢関節病変が優位な疾患を末梢性脊椎関節炎(peripheral spondyloarthritis: pSpA)と大きく分類した。前者のaxSpAには、ASと「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」が存在し、後者のpSpAには、PsA、ReA、IBD-SpA、uSpAが存在する。<図表>
  1. 注意すべきことは、pSpAは「分類名」であり、疾患名や診断名ではないので臨床の現場では区別しなければならない。これはpSpAに分類されるPsA、ReA、IBD-SpA間では、病因・病態が異なり、治療方針や治療の注意点などが異なるためである。一方、axSpAでは、“ankylosing(強直性)”というイメージの良くない言葉を外す目的から、ASを“radiographic axial SpA(r-axSpA)”と呼ぶことが欧州から提唱されている。
  1. X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(non-radiographic axial SpA: nr-axSpA):
    以前から用いられてきたASの分類基準は改定Now York基準である。仙腸関節のX線所見は、この基準によってはじめてASと分類される。実際には、このX線基準を満足するには長い時間が必要になる。生物学的製剤の効果が認識され、早期発見・早期治療の目的にてX線基準を満たさない状態のASが注目され、nr-axSpAと分類された。これまでのASの疾患スペクトラムの中に位置するが、実際には1)ASの前段階の症例、2)非定型的な症例、3)症状が軽度な症例、など特徴が指摘されている。実際には、ASと比べ女性が多い、HLA-B27保有者が少ないなどが報告されている。nr-axSpAに関する診断のためのガイダンスを表(<図表>)に示す。
 
脊椎関節炎の分類

参考文献:
  1. Han C, Robinson DW Jr, Hackett MV, Paramore LC, Fraeman KH, Bala MV. Cardiovascular disease and risk factors in patients with rheumatoid arthritis, psoriatic arthritis, and ankylosing spondylitis. J Rheumatol. 2006 Nov;33(11):2167-72. Epub 2006 Sep 1. PMID: 16981296.
  1. Erbil J, Espinoza LR. Nonradiographic axial spondyloarthritis background and confounding factors of this new terminology: an appraisal. Clin Rheumatol. 2015 Mar;34(3):407-11. doi: 10.1007/s10067-014-2787-8. Epub 2014 Oct 1. PMID: 25270567.
  1. Zeidler H, Amor B. The Assessment in Spondyloarthritis international Society (ASAS) classification criteria for peripheral spondyloarthritis and for spondyloarthritis in general: the spondyloarthritis concept in progress. Ann Rheum Dis. 2011 Jan;70(1):1-3. doi: 10.1136/ard.2010.135889. PMID: 21163805.
  1. Raychaudhuri SP, Deodhar A. The classification and diagnostic criteria of ankylosing spondylitis. J Autoimmun. 2014 Feb-Mar;48-49:128-33. doi: 10.1016/j.jaut.2014.01.015. Epub 2014 Feb 16. Review. PubMed PMID: 24534717.

出典

img1:  著者提供
 
 
 
X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)のガイダンス:
  1. ASの改訂ニューヨーク基準のX線基準を満足しないnr-axSpAに関しては、国際的には概念や定義しかなく、診断のためのガイダンスがない。このため、厚生労働省研究班で診断のためのガイダンスを作成した[1]。重要なことは、第2項目に記載してある鑑別・除外疾患を除外することである。なお、nr-axSpAは指定難病の枠には入らない。
 
わが国におけるnr-axSpAの診断ガイダンス(厚生労働科学研究班*による)

*:厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)「強直性脊椎炎に代表される脊椎関節炎の疫学調査・診断基準作成と診療ガイドライン策定を目指した大規模多施設研究」班

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文献 

著者: Josef S Smolen, Monika Schöls, Jürgen Braun, Maxime Dougados, Oliver FitzGerald, Dafna D Gladman, Arthur Kavanaugh, Robert Landewé, Philip Mease, Joachim Sieper, Tanja Stamm, Maarten de Wit, Daniel Aletaha, Xenofon Baraliakos, Neil Betteridge, Filip van den Bosch, Laura C Coates, Paul Emery, Lianne S Gensler, Laure Gossec, Philip Helliwell, Merryn Jongkees, Tore K Kvien, Robert D Inman, Iain B McInnes, Mara Maccarone, Pedro M Machado, Anna Molto, Alexis Ogdie, Denis Poddubnyy, Christopher Ritchlin, Martin Rudwaleit, Adrian Tanew, Bing Thio, Douglas Veale, Kurt de Vlam, Désirée van der Heijde
雑誌名: Ann Rheum Dis. 2018 Jan;77(1):3-17. doi: 10.1136/annrheumdis-2017-211734. Epub 2017 Jul 6.
Abstract/Text Therapeutic targets have been defined for axial and peripheral spondyloarthritis (SpA) in 2012, but the evidence for these recommendations was only of indirect nature. These recommendations were re-evaluated in light of new insights. Based on the results of a systematic literature review and expert opinion, a task force of rheumatologists, dermatologists, patients and a health professional developed an update of the 2012 recommendations. These underwent intensive discussions, on site voting and subsequent anonymous electronic voting on levels of agreement with each item. A set of 5 overarching principles and 11 recommendations were developed and voted on. Some items were present in the previous recommendations, while others were significantly changed or newly formulated. The 2017 task force arrived at a single set of recommendations for axial and peripheral SpA, including psoriatic arthritis (PsA). The most exhaustive discussions related to whether PsA should be assessed using unidimensional composite scores for its different domains or multidimensional scores that comprise multiple domains. This question was not resolved and constitutes an important research agenda. There was broad agreement, now better supported by data than in 2012, that remission/inactive disease and, alternatively, low/minimal disease activity are the principal targets for the treatment of PsA. As instruments to assess the patients on the path to the target, the Ankylosing Spondylitis Disease Activity Score (ASDAS) for axial SpA and the Disease Activity index for PSoriatic Arthritis (DAPSA) and Minimal Disease Activity (MDA) for PsA were recommended, although not supported by all. Shared decision-making between the clinician and the patient was seen as pivotal to the process. The task force defined the treatment target for SpA as remission or low disease activity and developed a large research agenda to further advance the field.

© Article author(s) (or their employer(s) unless otherwise stated in the text of the article) 2018. All rights reserved. No commercial use is permitted unless otherwise expressly granted.
PMID 28684559  Ann Rheum Dis. 2018 Jan;77(1):3-17. doi: 10.1136/annrhe・・・

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