今日の臨床サポート

炎症性乳癌

著者: 山内英子 聖路加国際病院 乳腺外科

監修: 中村清吾 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科学部門

著者校正/監修レビュー済:2018/11/06
患者向け説明資料

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. 炎症性乳癌とは、乳房皮膚の発赤や浮腫を特徴とする予後の悪いタイプの乳癌で、画像上はむしろ腫瘤が認められないこともある。全乳癌のうち0.5~2%を占めるといわれる。日本での頻度は全乳癌の約1%といわれている。
  1. 診断が難しく、乳腺炎として見逃されることも多く、予後が悪いにもかかわらず治療開始が遅れることがある。
  1. 乳房の発赤を認めたら、常に炎症性乳癌を鑑別診断に入れておくことが重要であり、炎症と思われても、抗菌薬などの治療に反応しない場合には、皮膚生検も考慮したアプローチが大事である。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
山内英子 : 研究費・助成金など(国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED),栄研化学,日本イーライリリー株式会社,アストラゼネカ株式会社,MSD株式会社,中外製薬株式会社)[2021年]
監修:中村清吾 : 講演料(アストラゼネカ,第一三共,中外製薬),研究費・助成金など(CESデカルト,第一三共,シスメックス,アストラゼネカ,島津製作所,大鵬薬品工業),奨学(奨励)寄付など(エーザイ,コニカミノルタ,大鵬薬品工業,中外製薬)[2021年]

改訂のポイント:
  1. 乳癌診療ガイドライン 1治療編 2018年版
  1. 乳癌診療ガイドライン 2疫学・診断編 2018年版
に基づき確認を行った(特に新たな知見なし)。

病態・疫学・診察

疾患情報  
  1. 炎症性乳癌は、全乳癌のうち1~5%といわれるまれな病態でありながら、予後の悪いタイプの乳癌である。
  1. 診断が難しく、その臨床像が乳房皮膚の発赤や浮腫を特徴としており、乳腺炎として見逃されることも多く、予後が悪いにもかかわらず治療開始が遅れることがある。
  1. 乳房皮膚のリンパ管浸潤が組織学的に認められることもあるが、診断基準ではなく、炎症性乳癌の診断は臨床所見に基づく。
  1. 治療には、多角的な集学治療が必要であり、化学療法が先行される。
問診・診察のポイント  
  1. 炎症性乳癌の診断は臨床所見に基づくため、視触診、問診が重要である。

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