今日の臨床サポート

強膜炎

著者: 北市伸義1) 北海道医療大学病院眼科

著者: 有賀俊英2) 有賀眼科医院

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2020/09/03
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 前部強膜炎についてはできるだけ原因検索を進めつつ抗炎症治療を行う。
  1. 後部強膜炎についてはしばしば診断が難しく、またステロイド全身投与が必要なケースも多いため専門医へのコンサルトが推奨される
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
北市伸義 : 特に申告事項無し[2021年]
有賀俊英 : 未申告[2021年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行いフォーマットの変更を行った。

病態・疫学・診察

疾患情報  
  1. 強膜炎とは、上強膜・前部強膜・後部強膜の炎症により充血、疼痛などの症状を来す疾患である。
  1. 前部の上強膜炎・強膜炎と後部強膜炎に大別されるが、通常単に強膜炎という場合は前部強膜炎のことを指す。
  1. 明確な診断基準は存在しないが、上強膜炎は角膜輪部付近に限局して結膜充血と上強膜充血がみられる。
  1. 強膜炎は深部強膜の炎症であり、上強膜炎より深部の血管が充血する。びまん性、結節性、壊死性の3種に大別される。
 
びまん性強膜炎

出典

img1:  著者提供
 
 
 
結節性強膜炎

出典

img1:  著者提供
 
 
 
壊死性強膜炎

出典

img1:  著者提供
 
 
 
  1. 好発年齢は地域によって違い、欧米では40歳代、わが国では50歳代に多いが40歳以下も約3割存在する。インドでは20歳代に多い。
  1. 上強膜炎、強膜炎ともに、主な症状は充血、疼痛である。
  1. 上強膜炎は、点眼治療に比較的よく反応し、自然治癒も存在する。
  1. 強膜炎は点眼治療に抵抗する例もあり、しばしばステロイド薬の全身投与やときに免疫抑制薬なども必要となる。
  1. 壊死性強膜炎では、程度により観血的手術も必要となる。
  1. 一般には予後良好であるが、治療に抵抗する壊死性強膜炎や、外科手術誘導性壊死性強膜炎などは予後不良な例も存在する。
 
  1. 後部強膜炎は充血、疼痛のほか網脈絡膜、視神経などへの炎症の波及によっては視力低下などが起きる。
  1. 診断には、CT、MRIやBモードエコー検査などで後部強膜の肥厚を確認することが重要である。
ステロイド薬の全身投与が治療の基本となる。
 
後部強膜炎

出典

img1:  著者提供
 
 
問診・診察のポイント  
  1. 疼痛や繰り返す充血の既往を確認する。

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