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レベトールカプセル200mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○インターフェロン ベータとの併用による次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善

    • (1)血中HCV RNA量が高値の患者
    • (2)インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
  • ○ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用による、前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

用法・用量

  • 通常、成人には、下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。
    本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行うこと。
    • <インターフェロン ベータ又はソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>

      患者の体重リバビリンの投与量
      1日の投与量朝食後夕食後
      60kg以下600mg200mg400mg
      60kgを超え80kg以下800mg400mg400mg
      80kgを超える1,000mg400mg600mg

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤では催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.1、9.4.1、9.5参照]
  • 1.2 本剤では催奇形性及び遺伝毒性が報告されているので、妊娠する可能性のある女性に投与する場合には、本剤投与中及び最終投与後9ヵ月間において避妊するよう指導すること。[9.4.1、15.2.3参照]
  • 1.3 本剤では催奇形性及び遺伝毒性が報告されており、本剤の精液中への移行が否定できないことから、パートナーが妊婦、妊娠している可能性又は妊娠する可能性のある男性に投与する場合には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊するよう指導すること。[9.4.2、15.2.3参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 妊婦、妊娠している可能性のある女性又は授乳中の女性[動物実験で催奇形性作用及び胚・胎児致死作用が報告されている。][1.1、9.5、9.6参照]
  • 2.2 本剤の成分又は他のヌクレオシドアナログ(アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.3 コントロールの困難な心疾患(心筋梗塞、心不全、不整脈等)のある患者[貧血が原因で心疾患が悪化することがある。][7.5、7.6、11.1.1、11.1.9、11.1.15参照]
  • 2.4 異常ヘモグロビン症(サラセミア、鎌状赤血球性貧血等)の患者[貧血が原因で異常ヘモグロビン症が悪化することがある。][11.1.1、11.1.15参照]
  • 2.5 慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。][9.2.1、16.6.1参照]
  • 2.6 重度のうつ病、自殺念慮又は自殺企図等の重度の精神病状態にある患者又はその既往歴のある患者[うつ病が悪化又は再燃することがある。][8.4、11.1.6参照]
  • 2.7 重篤な肝機能障害患者[9.3.1、16.6.2参照]
  • 2.8 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある。][11.1.4参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
<インターフェロン ベータとの併用の場合>
9.1.1 投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満あるいは好中球数が2,000/mm3未満の患者
<併用薬剤共通>
9.1.2 心疾患(ただしコントロールの困難な心疾患(心筋梗塞、心不全、不整脈等)を除く)又はその既往歴のある患者
貧血により心機能の異常、冠状動脈疾患が悪化又は再燃する可能性がある。[7.5、7.6、11.1.1、11.1.15参照]
9.1.3 痛風又はその既往歴のある患者
血清尿酸濃度の上昇が報告されている。
9.1.4 アレルギー素因のある患者
9.1.5 高度の白血球減少又は血小板減少のある患者
白血球減少又は血小板減少が更に悪化することがあり、感染症又は出血傾向を来しやすい。[11.1.2、11.1.3参照]
9.1.6 中枢・精神神経障害又はその既往歴のある患者
中枢・精神神経症状が悪化又は再燃することがある。[8.4、11.1.6参照]
9.1.7 自己免疫疾患(ただし自己免疫性肝炎を除く)の患者又はその素因のある患者
疾患が悪化又は顕性化することがある。[8.3、8.10、11.1.4参照]
9.1.8 高血圧症の患者
脳出血を含む脳血管障害が生じたとの報告がある。なお、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。[11.1.17参照]
9.1.9 糖尿病又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者
糖尿病が増悪又は発症しやすい。また、高血圧症及び糖尿病の両疾患を合併する患者では脳出血が生じるリスクが高いので注意すること。[8.7、11.1.12参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 慢性腎不全又はクレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。[2.5、16.6.1参照]
9.2.2 軽度又は中等度の腎機能障害のある患者(クレアチニンクリアランスが50mL/分以下の腎機能障害のある患者を除く)
本剤の血中濃度が上昇し、重大な副作用が生じることがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。肝予備能が低下している可能性があり、重大な副作用が生じることがある。[2.7、16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性
本剤投与中及び最終投与後9ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明し、避妊するよう指導すること。また、投与直前の妊娠検査結果が陰性であることを確認後に投与を開始すること。なお、妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を毎月1回実施すること。[1.1、1.2、9.5、15.2.3参照]
9.4.2 パートナーが妊婦、妊娠している可能性又は妊娠する可能性のある男性
本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊するよう指導すること。精液中への本剤の移行が否定できないことから、その危険性を患者に十分理解させること。[1.3、9.5、15.2.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている。[1.1、2.1、9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。[2.1参照]
9.7 小児等
小児等に対する臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。国内で実施した臨床試験において、高齢者では、高度の臨床検査値異常等の発現頻度及び減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている。

8.重要な基本的注意

<併用薬剤共通>
8.1 本剤の投与により、貧血(溶血性貧血等)を起こす可能性があることから、患者に対し貧血に関連する副作用(めまい等)の発現の可能性について十分説明すること。[11.1.1、11.1.15参照]
<インターフェロン ベータとの併用の場合>
8.2 ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査は、投与開始後1週間は2~3日に1回、以後投与開始後4週間までは毎週、その後は4週間に1回程度実施すること。[7.4、7.5、11.1.1-11.1.3、11.1.10、11.1.11参照]
8.3 甲状腺機能異常があらわれることがあるので甲状腺機能検査は12週間に1度実施すること。[9.1.7、11.1.4参照]
8.4 抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。[2.6、9.1.6、11.1.6参照]
8.5 重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.3参照]
8.6 間質性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。[11.1.8参照]
8.7 糖尿病が増悪又は発症することがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行うこと。[9.1.9、11.1.12参照]
8.8 ネフローゼ症候群があらわれることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.11参照]
8.9 網膜症があらわれることがあるので、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、視力低下、視野中の暗点が出現した場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。[11.1.14参照]
8.10 自己免疫現象によると思われる症状・徴候があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[9.1.7、11.1.4参照]
8.11 溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.10参照]
<ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>
8.12 貧血があらわれることがあるので、ヘモグロビン量を定期的に測定するなど観察を十分に行うこと。[11.1.15参照]
8.13 高血圧があらわれることがあるので、投与中は血圧の推移等に十分注意すること。[11.1.16参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

<併用薬剤共通>
7.1 C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に対する本剤の単独療法は無効である。
7.2 本剤の投与期間は、臨床効果(HCV RNA、ALT等)及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定すること。特に好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の推移に注意し、本剤の減量あるいは中止基準に従うこと。
<インターフェロン ベータとの併用の場合>
7.3 インターフェロン ベータは、通常、成人には1日600万国際単位で投与を開始し、投与後4週間までは連日、以後週3回静脈内投与又は点滴静注する。
7.3.1 セログループ1[ジェノタイプI(1a)又はII(1b)]で血中HCV RNA量が高値の患者における通常の投与期間は48週間である。なお、24週間以上の投与で効果が認められない場合、投与の中止を考慮すること。[17.1.2参照]
7.3.2 それ以外の患者における通常の投与期間は24週間である。[17.1.1参照]
7.4 下表の臨床検査値を確認することが望ましい。国内臨床試験において、リバビリンとして体重あたり1日13mg/kgを超える量を投与した場合、貧血の発現頻度の増加が認められた。[8.2、10.2参照]
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
検査項目投与前値
白血球数4,000/mm3以上
血小板数100,000/mm3以上
ヘモグロビン濃度12g/dL以上
7.5 投与中は、定期的に血液学的検査を実施し、好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の低下が認められた場合には、下表を参考にして用量を変更すること。[2.3、8.2、9.1.2、10.2参照]
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善[インターフェロン ベータ併用時の用量調整]
検査項目数値本剤インターフェロン ベータ
白血球数1,500/mm3未満変更なし半量に減量
1,000/mm3未満中止
好中球数750/mm3未満変更なし半量に減量
500/mm3未満中止
血小板数50,000/mm3未満変更なし半量に減量
25,000/mm3未満中止
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往なし)
10g/dL未満減量
600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
変更なし
8.5g/dL未満中止
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往あり)
10g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続減量
600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
変更なし
8.5g/dL未満、又は減量後、4週間経過しても12g/dL未満中止
<ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>
7.6 投与中は、定期的に血液学的検査を実施し、好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の低下が認められた場合には、下表を参考にして用量を変更すること。
なお、投与を再開する場合には、臨床検査値が下表の中止基準を上回ったことを確認すること。また、血小板数の減少による投与中止後の本剤の再開は、下表を参考にすること。[2.3、9.1.2、10.2参照]
C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善[ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤併用時の用量調整]
検査項目数値本剤
好中球数500/mm3未満中止
血小板数50,000/mm3未満中止
25,000/mm3未満中止(再開不可)
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往なし)
10g/dL未満減量
600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
8.5g/dL未満中止
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往あり)
10g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続減量
600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日
8.5g/dL未満、又は減量後、4週間経過しても12g/dL未満中止
C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善[ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤併用時の用量調整]
検査項目数値本剤
好中球数500/mm3未満中止
血小板数50,000/mm3未満中止
25,000/mm3未満中止(再開不可)
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往なし)
投与開始1~4週時
11g/dL未満
減量
600mg/日→200mg/日
800mg/日→400mg/日
1,000mg/日→400mg/日
投与開始5週時以降
10g/dL未満
8.5g/dL未満中止
ヘモグロビン濃度
(心疾患又はその既往あり)
投与開始1~4週時
11g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続
減量
600mg/日→200mg/日
800mg/日→400mg/日
1,000mg/日→400mg/日
投与開始5週時以降
10g/dL未満、又は投与中、投与前値に比べ2g/dL以上の減少が4週間持続
8.5g/dL未満、又は減量後、4週間経過しても12g/dL未満中止

5.効能又は効果に関連する注意

<併用薬剤共通>
5.1 C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善に対する本剤の併用にあたってはHCV RNAが陽性であること、及び組織像又は肝予備能、血小板数等により慢性肝炎又は代償性肝硬変であることを確認すること。
<インターフェロン ベータとの併用の場合>
5.2 血中HCV RNA量が高値のC型慢性肝炎に本剤を用いる場合、血中HCV RNA量がRT-PCR法で105IU/mL以上又はb-DNA法で1Meq./mL以上であることを確認すること。
<ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>
5.3 C型代償性肝硬変患者に対する治療は、ウイルス血症の改善を目的としたものであり、本併用療法によりウイルス学的効果が得られた場合であっても、肝硬変が治癒するものではないため、肝硬変に対する適切な処置は継続すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(6名)に本剤200、400、600、800、1,000及び1,200mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度のCmaxについては200~800mg、AUC0-tについては200~1,000mgの用量範囲でそれぞれ線形性が認められ、それ以上の投与量では吸収の頭打ちが示唆された。
16.1.2 反復投与
C型慢性肝炎患者(15名)に本剤400mg(800mg/日)を朝夕食後に1日2回48週間、ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(以下:PEG-IFNα-2b)の1.5μg/kg週1回皮下投与との併用により、反復経口投与したときの血清中未変化体濃度を以下の図表に示した。血清中未変化体濃度は投与開始後8週目までに定常状態に到達し、Cmax、Cmin及びAUC0-12hrに基づく累積係数はそれぞれ6.53、12.2及び9.42であった。定常状態に到達後の消失半減期は286時間であった。
図1 C型慢性肝炎患者における血清中濃度(平均値±標準偏差)
表1 C型慢性肝炎患者における薬物動態パラメータ
tmax(hr)Cmax(μg/mL)Cmin(μg/mL)AUC0-12hr(μg・hr/mL)t1/2(hr)CL/F(L/hr)Vd/F(L)
定常状態(N=14)††3.003.332.4232.528612.7§5374§
初回投与(N=15)3.330.6040.2214.0227.137.81472
累積係数6.53§12.2§9.42§
†投与間隔間のAUC††投与期間の途中から朝食後服用量のみ400mg→200mgに変更し、1日投与量を800mg→600mgに減量した症例(3例)を含む。§上記減量症例を含まない11例の平均
16.1.3 静脈内投与時
健康成人男性(6名)にリバビリン溶液150mgを急速静脈内投与したとき、血漿中未変化体の全身クリアランス(CL)は40.5L/hr、定常状態における見かけの分布容積(Vss)は241Lであった。同一被験者に本剤400mgを空腹時に経口投与したときのAUCとの比較によって算出した絶対バイオアベイラビリティ(経口投与時のAUC/静脈内投与時のAUC)は64%であった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男女(17名)に本剤600mgを食後又は空腹時に単回経口投与したとき、食後投与時ではCmax及びAUCが約70%上昇し、tmaxの遅延が認められた(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
ヒト血漿蛋白と本薬との結合は全く認められず、非結合率はほぼ100%であった(in vitro)。
16.3.2 血球移行
健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、赤血球中放射能濃度は血液(全血)中放射能濃度の約2倍の値を示したことから、血中放射性成分の大部分は赤血球中に存在しているものと推察された(外国人データ)。
16.3.3 組織内分布
ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを1日1回21日間反復経口投与したとき、組織中放射能濃度は血球を除く殆どの組織で投与7日目までに定常状態に到達し、全身組織への広範な放射能分布が認められた。組織中放射能濃度は肝臓で最も高く、次いで腎臓、心臓、筋肉、肺、脾臓、膵臓、腸間膜リンパ節、前立腺、膀胱、骨髄に高濃度に分布した。
16.3.4 胎盤・胎児移行
妊娠ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、胎児組織中への放射能の移行が認められた。
16.4 代謝
本剤の体内からの消失に関わる主要な代謝経路は、ribofuranosyl基の脱離及び3位側鎖(carboxamide)の加水分解であり、代謝物として1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide(TCONH2)、1-β-D-ribofuranosyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(RTCOOH)及び1H-1,2,4-triazole-3-carboxylic acid(TCOOH)が確認されている。本剤の薬効に関与しているもう一つの代謝経路は、ribofuranosyl基5'位のリン酸化であり、代謝物としてリバビリン一リン酸(RMP)、リバビリン二リン酸(RDP)及びリバビリン三リン酸(RTP)が確認されている。これらのリン酸化体は組織細胞中にのみ存在し、細胞外(血漿、尿)には認められない。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝実験の結果、上記のいずれの代謝経路についても、チトクロムP450系の介在は否定されている。
16.5 排泄
16.5.1 尿・糞中排泄
健康成人男性(6名)に14C-標識リバビリンカプセル604mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後14日目までの尿及び糞中放射能排泄率はそれぞれ61%及び12%であった。同時点までの尿中未変化体排泄率は投与量の17%であり、尿中放射能に占める割合は約27%であった(外国人データ)。
16.5.2 胆汁中排泄
ラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの胆汁中放射能排泄率は投与量の0.8%未満であった。
16.5.3 乳汁中への移行
授乳中のラットに14C-標識リバビリン溶液20mg/kgを単回経口投与したとき、放射能濃度の母乳/血漿比は0.6~1.3であり、本薬又は代謝物の乳汁中への移行性が認められた。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者(18名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。腎機能障害患者では、クレアチニンクリアランスに応じた全身クリアランス(CL/F)の低下が認められている(外国人データ)。[2.5、9.2.1、9.2.2参照]
表2 腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
CLcr(mL/分)患者数Cmax(μg/mL)AUC0-t(μg・hr/mL)CL/F(L/hr)CLr(L/hr)
≧906名0.6309.6553.27.74
61~906名0.82117.529.84.31
31~606名0.73220.424.22.15
10~306名1.1631.713.00.696
CLcr:クレアチニンクリアランスCL/F:全身クリアランスCLr:腎クリアランス
人工透析依存の腎不全患者(6名)に本剤400mgを空腹時に単回経口投与したとき、人工透析クリアランス(CLhd=4.04L/hr)はクレアチニンクリアランスが61~90(mL/分)の腎機能障害患者の腎クリアランス(4.31L/hr)にほぼ相当する値であったが、血漿中未変化体濃度について人工透析による明らかな変化は認められなかった(外国人データ)。[2.5参照]
16.6.2 肝機能障害患者
肝機能障害患者(17名)に本剤600mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度のパラメータを下表に示した。肝機能障害患者では肝機能障害の重症度に応じたCmaxの上昇が認められたが、Tmax及びAUC0-tに明らかな変化は認められなかった(外国人データ)。[2.7、9.3.1参照]
表3 肝機能障害患者における薬物動態パラメータ
肝機能患者数Tmax(hr)Cmax(μg/mL)AUC0-t(μg・hr/mL)
正常6名1.330.64315.2
軽度5名1.600.88613.0
中等度7名1.291.0514.2
重度5名1.601.2718.4
16.7 薬物相互作用
16.7.1 チトクロムP450系への影響
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro阻害実験の結果、CYP3A4、2D6、1A2、2E1、2C9/10の各P450分子種についてリバビリン添加による阻害作用は認められなかった。
ラットにリバビリン溶液を1日1回7日間反復経口投与したとき、120mg/kgまでの投与量では肝薬物代謝酵素系への誘導作用は認められなかった。
16.7.2 PEG-IFNα-2bの影響
C型慢性肝炎患者(12~17名)を対象とした本剤600~1,200mg/日の1日2回経口投与とPEG-IFNα-2b 0.35、0.7又は1.4μg/kg週1回皮下投与との併用による4週間反復投与試験において、薬物動態学的相互作用を示唆する所見は認められなかった(外国人データ)。
16.7.3 水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム併用の影響
健康成人男女(12名)に本剤600mgを空腹時に単独又は水酸化マグネシウム・水酸化アルミニウム含有製剤と併用したとき、併用時ではCmax、AUC0-tがそれぞれ3.3%、13.7%減少したが、Tmaxに影響は認められなかった(外国人データ)。
(注)
本剤の承認された1日投与量は600~1,000mgである。
PEG-IFNα-2b製剤は承認整理済である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヌクレオシドアナログ
(ジダノシン、アバカビル硫酸塩等)
併用により乳酸アシドーシス、肝不全が報告されていることから、本剤は乳酸アシドーシス、肝不全を増強する可能性がある。また、本剤投与終了後2ヵ月間はヌクレオシドアナログとの相互作用の可能性があるので注意すること。本剤はin vitroにおいてプリンヌクレオシドのリン酸化を促進する。また、ジダノシンとの併用により、乳酸アシドーシス、膵炎など死亡例を含むミトコンドリア毒性の発現が報告されている。
ジドブジン本剤はジドブジンの効果を減弱するおそれがある。併用する場合は、血漿中HIV RNAレベルを観察することが望ましい。HIV RNAレベルが上昇した場合には、本剤の中止等の適切な処置を行うこと。本剤はin vitroにおいてジドブジンのリン酸化を阻害する。
アザチオプリン
[7.4-7.6参照]
骨髄機能抑制が起こるおそれがある。併用する場合には、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。本剤の減量、中止については、「7.用法及び用量に関連する注意」の項を参照すること。本剤がアザチオプリンの代謝酵素であるイノシン一リン酸脱水素酵素(IMPDH)を阻害することにより、代謝産物のメチルチオイノシン一リン酸(meTIMP)が蓄積すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<インターフェロン ベータとの併用の場合>
11.1.1 貧血[赤血球減少(250万/mm3未満)(5%未満)、ヘモグロビン減少(8g/dL未満)(5%未満)、ヘモグロビン減少(8以上9.5g/dL未満)(5%以上)、ヘモグロビン減少(9.5以上11g/dL未満)(5%以上)[2.3、2.4、8.1、8.2、9.1.2参照]
11.1.2 白血球減少(2,000/mm3未満)(5%以上)、顆粒球減少(1,000/mm3未満)(5%以上)、血小板減少(50,000/mm3未満)(5%未満)[8.2、9.1.5参照]
11.1.3 重篤な肝障害(5%未満)
著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う肝障害があらわれることがある。[8.2、8.5参照]
11.1.4 自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常(5%以上)等][2.8、8.3、8.10、9.1.7参照]
11.1.5 脳梗塞(5%未満)
11.1.6 重篤なうつ状態、自殺企図、躁状態、攻撃的行動(いずれも頻度不明)
抑うつ、自殺企図があらわれることがある。また、躁状態、攻撃的行動があらわれ、他害行為に至ることがある。患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討すること。また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。[2.6、8.4、9.1.6参照]
11.1.7 せん妄、幻覚(いずれも頻度不明)
11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.6参照]
11.1.9 心不全(頻度不明)[2.3参照]
11.1.10 溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明)
血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれることがある。[8.2、8.11参照]
11.1.11 ネフローゼ症候群(頻度不明)
血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがある。[8.2、8.8参照]
11.1.12 糖尿病(1型及び2型)(頻度不明)
糖尿病が増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがある。[8.7、9.1.9参照]
11.1.13 敗血症(頻度不明)
易感染性となり、敗血症があらわれることがある。[9.1.5参照]
11.1.14 網膜症(頻度不明)
網膜出血、軟性白斑及び糖尿病網膜症の増悪に注意すること。[8.9参照]
<ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>
11.1.15 貧血(21.7%)[2.3、2.4、8.1、8.12、9.1.2参照]
11.1.16 高血圧(頻度不明)
収縮期血圧180mmHg以上又は拡張期血圧110mmHg以上に至った例も報告されている。[8.13参照]
11.1.17 脳血管障害(頻度不明)
脳梗塞、脳出血等の脳血管障害があらわれることがある。[9.1.8参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<インターフェロン ベータとの併用の場合>

5%以上5%未満頻度不明
全身症状発熱注1)、悪寒(82.2%)、全身倦怠感(88.5%)、かぜ症候群インフルエンザ様症状
過敏症発疹、そう痒感蕁麻疹
血液白血球数減少(75.3%)、血小板数減少(62.1%)、顆粒球数減少(81.6%)、白血球分画異常(96.6%)、赤血球数減少(70.7%)、ヘモグロビン減少(76.4%)、ヘマトクリット減少(71.3%)、網状赤血球数減少、網状赤血球数増多(75.9%)、好酸球数増多、好中球数増多、血小板数増多出血傾向、白血球数増多
肝臓AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
腎臓蛋白尿(50.6%)、BUN上昇、血尿クレアチニン上昇、膀胱炎、頻尿、排尿障害
精神神経系頭痛・頭重(80.5%)、不眠、めまい、抑うつ、焦燥、手足のしびれ、不安意識障害、傾眠、知覚異常、振戦、無気力、歩行困難、健忘、異常感、感情不安定、耳閉、注意力障害妄想、怒り
循環器血圧上昇、動悸、潮紅、四肢冷感不整脈、血圧低下
呼吸器咳嗽、上気道炎、呼吸困難、鼻出血肺炎、鼻漏、血痰、嗄声、鼻炎、気管支炎、鼻閉
消化器食欲不振(59.2%)、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、口内・口唇炎、味覚異常腹部膨満感、口渇、歯周・歯髄・歯肉炎、歯痛、胃炎、歯の異常、排便障害、腸炎、舌炎、痔核、おくび、鼓腸放屁、腸管機能異常膵炎
皮膚湿疹、脱毛ざ瘡、発汗、皮膚乾燥、白癬、紅斑、紫斑、脂漏、爪の異常、過角化、皮膚潰瘍、毛質異常、落屑丘疹
眼底出血等の網膜の微小循環障害注2)眼痛、視力異常、結膜下出血、眼球充血、結膜炎、眼の異和感、眼そう痒症、眼精疲労、硝子体浮遊物、羞明、視覚異常、視野欠損、麦粒腫
注射部位発赤疼痛、熱感、腫脹、色素沈着、そう痒、出血
その他関節痛(58.0%)、筋肉痛、肩こり等の緊張亢進、背部・腰部痛、浮腫、胸部圧迫感、疼痛、咽頭炎、体重減少、尿糖、血清アルブミン低下(54.0%)、血清総蛋白減少、血清コレステロール上昇、血中コレステロール低下、血中尿酸上昇、血清カルシウム低下、血清無機リン低下、CRP上昇疲労、脱力感、難聴、単純疱疹、帯状疱疹、蜂窩織炎、筋痙直、手指関節拘縮、耳鳴、冷汗、不正出血、神経痛、頚部痛、易感染性、花粉症、外耳炎、耳痛、中耳炎、前立腺炎、嗅覚異常、四肢不快感、サルコイドーシス、トリグリセライド上昇、血清アミラーゼ上昇、血糖上昇CK上昇、血清カリウム上昇、ヘモグロビンA1C上昇

注1)発熱(発現頻度98.3%)に対しては解熱剤の投与等適切な処置を行うこと。
注2)飛蚊視、視力低下感等を伴うことがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤との併用の場合>

5~10%未満5%未満頻度不明
感染咽頭炎
神経系頭痛
循環器徐脈
消化器悪心、口内炎
皮膚及び皮下組織そう痒症、発疹血管性浮腫
その他倦怠感
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