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ゾラデックスLA10.8mgデポ

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○前立腺癌
  • ○閉経前乳癌

用法・用量

  • 通常、成人には本剤1筒(ゴセレリンとして10.8mg含有)を前腹部に12~13週ごとに1回皮下投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.2 授乳中の女性[9.6参照]
  • 2.3 本剤の成分又はLH-RH作動薬に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 易出血状態の患者(抗凝固剤を投与している患者等)
本剤投与の可否を慎重に判断すること。本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されている。
<前立腺癌>
9.1.2 脊髄圧迫又は尿路閉塞による腎障害を既に呈しているか、又は新たに発生するおそれのある患者[8.1参照]
<閉経前乳癌>
9.1.3 骨転移のある患者
投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。
9.4 生殖能を有する者
治療に際して妊娠していないことを確認すること。また、治療中はホルモン剤以外の避妊法を用いること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で流産又は分娩障害が認められており、また他のLH-RH作動薬による流産の報告がある。[2.1、9.4参照]
9.6 授乳婦
投与しないこと。動物実験で乳汁移行が報告されている。[2.2参照]
9.7 小児等
国内において、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 LH-RH作動薬の投与開始初期に、男性では血中テストステロンの、女性では血中エストラジオールの一過性の上昇を認める。この時期に骨性疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、前立腺癌患者において尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので、慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。[9.1.2参照]
8.2 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
8.3 本剤投与部位周囲から出血し、出血性ショックに至った例が報告されているので、血管を損傷する可能性の少ない部位を選択すること。[14.2.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 アルミパウチを開封及び取り出す際に、プランジャー(押棒)は引っ張ると抜けるので、開封部付近にプランジャー(押棒)が無いことを確認して開封し、開封部を十分広げた上で、プランジャーを引っ張らずに慎重に取り出すこと。
14.1.2 プランジャー(押棒)からクリップを外す際に、注入器本体からプランジャー(押棒)が抜けないようにすること。
14.1.3 本剤は針刺し事故防止機能付き専用注入器のため、使用前に末尾掲載の「投与方法」を確認すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与時
(1)必要に応じて投与部位にあらかじめ局所麻酔を施行する。
(2)プランジャー(押棒)を注入器本体の内側までしっかりと押し込み、デポ剤の注入と注射針カバーを作動させること。
(3)注射針カバーが十分に作動しない場合には、針刺し事故に注意しながら投与部位から注射針を抜くこと。
(4)使用後は感染防止に留意し、安全な方法で処分すること。
14.2.2 投与部位
(1)血管を損傷する可能性の少ない投与部位を慎重に選択すること。[8.3参照]
(2)投与部位は毎回変更し、同一部位への反復投与は行わないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

<閉経前乳癌>
本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
<前立腺癌>
前立腺癌患者に本剤を単回皮下投与した場合、投与後2時間に最高血清中濃度が認められた(平均7.24ng/mL)。その後速やかに減少し、投与後72時間以降、次回投与時期に至る迄(12週後)血清中濃度は低濃度に維持された。
<閉経前乳癌>
閉経前乳癌患者に本剤を単回皮下投与した場合、血漿中ゴセレリン濃度は投与後2時間に最高値(平均4.5ng/mL)を示し、その後、投与48時間後まで速やかに低下した。投与後48時間以降、血漿中ゴセレリン濃度は緩やかに低下し、投与10及び12週後においては、定量下限(0.1ng/mL)付近で推移した。
16.1.2 反復投与
蓄積性に関する特別調査(30例)にて、前立腺癌患者に本剤を12~13週ごとに継続皮下投与した場合の血清中濃度を12ヵ月にわたり観察したが、臨床的に影響を与えると考えられる蓄積性は認められなかった。
16.2 吸収
前立腺癌患者に本剤を皮下投与した場合のバイオアベイラビリティは水性注射剤に対して約58%であった。
16.3 分布
ゴセレリンの血漿蛋白結合率は20%~28%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
前立腺癌患者にゴセレリン250μg注)を水性注射液として単回皮下投与した結果、肝機能障害はゴセレリンの血中消失半減期またはクリアランスに対し統計的に有意な影響を及ぼさないことが判明した(外国人データ)。
16.6.2 腎機能障害患者
前立腺癌患者にゴセレリン250μg注)を水性注射液として単回皮下投与した結果、血中消失半減期は腎機能障害の程度に応じ延長することが認められた。正常腎機能患者における血中消失半減期は4.2時間であり、重症腎機能障害患者(Ccr10-20mL/min)における血中消失半減期は12時間であった(外国人データ)。
注)本剤の承認された投与量は、ゴセレリンとして10.8mgである。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<効能共通>
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー等の過敏症状があらわれることがある。
11.1.2 間質性肺炎(頻度不明)
11.1.3 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.4 血栓塞栓症(頻度不明)
心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。
<前立腺癌>
11.1.5 前立腺癌随伴症状の増悪(頻度不明)
本剤投与開始初期に骨性疼痛、尿路閉塞、排尿困難、脊髄圧迫等があらわれることがある。[8.1、9.1.2参照]
11.1.6 糖尿病の発症又は増悪(頻度不明)
11.1.7 心不全(頻度不明)
<閉経前乳癌>
11.1.8 高カルシウム血症(頻度不明)
骨転移のある患者で投与開始初期に、高カルシウム血症があらわれることがある。

その他の副作用 

<前立腺癌>

5%以上5%未満頻度不明
循環器血圧の変動注1)(高血圧、低血圧等)
皮膚そう痒感発疹脱毛
内分泌勃起力低下、性欲減退乳房腫脹、乳房圧痛
泌尿器排尿困難BUN上昇、クレアチニン上昇、蛋白尿
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇Al-P上昇、LDH上昇
精神神経系感覚異常(しびれ等)、幻覚、妄想、気分変調(抑うつ等)
消化器悪心、嘔吐
筋・骨格系骨性疼痛、関節痛、骨塩量の低下
血液貧血白血球減少、血小板減少
注射部位注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)
その他体のほてり(20.0%)、トリグリセライド上昇、発汗、コレステロール上昇、食欲不振、浮腫倦怠感、顔面潮紅、発熱、体重増加、鼻出血、血糖値上昇、下垂体卒中、下垂体腺腫

注1)通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること。

<閉経前乳癌>

5%以上5%未満頻度不明
循環器血圧の変動注2)(高血圧、低血圧等)
皮膚蕁麻疹、そう痒感、脱毛ざ瘡
内分泌ほてり(38.7%)、月経回復遅延白帯下、性器出血、腟乾燥感乳房緊満、性欲減退
肝臓ALT上昇AST上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
精神神経系頭痛めまい、気分変調(抑うつ等)、頭重感、不眠、感覚異常(しびれ等)いらいら感、幻覚、妄想
消化器悪心嘔吐
筋・骨格系関節痛骨塩量の低下、骨痛注3)
血液白血球減少、血小板減少貧血
注射部位注射部位反応(出血、血腫、膿瘍、硬結、疼痛等)
その他発汗更年期様症状(肩こり、食欲不振等)、浮腫、体重増加、トリグリセライド上昇、コレステロール上昇発熱、倦怠感、鼻出血、卵巣嚢胞、下垂体卒中、下垂体腺腫

注2)通常、一過性で、治療の継続又は休薬により回復するが、必要に応じて本剤投与中止等の適切な処置を取ること。
注3)骨痛には乳癌随伴症状として本剤投与開始初期にあらわれるものがある。異常が認められた場合には対症療法を行うこと。

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