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ホスミシンS静注用0.5g、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌
  • <適応症>

    • 敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎

用法・用量

  • <点滴静脈内注射>

    • 通常、成人にはホスホマイシンとして1日2~4g(力価)、また小児には1日100~200mg(力価)/kgを2回に分け、補液100~500mLに溶解して、1~2時間かけて静脈内に点滴注射する。
  • <静脈内注射>

    • 通常、成人にはホスホマイシンとして1日2~4g(力価)、また小児には1日100~200mg(力価)/kgを2~4回に分け、5分以上かけてゆっくり静脈内に注射する。溶解には日局注射用水又は日局ブドウ糖注射液を用い、本剤1~2g(力価)を20mLに溶解する。
  • なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • ホスホマイシンに対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質のある患者
9.1.2 心不全、腎不全、高血圧症等ナトリウム摂取制限を要する患者
本剤は14.5mEq/g(力価)のナトリウムを含有する。[8.3、9.8参照]
9.3 肝機能障害患者
肝障害が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では、一般に腎機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。特に心不全、腎不全、高血圧症等ナトリウム摂取制限を要する高齢者に投与する場合は用量に留意するなど注意すること。[9.1.2、16.5参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
・事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
・投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
・投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.3 長期投与の患者では定期的に肝機能、腎機能、血液検査を行うことが望ましい。[9.1.2、11.1.3、11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤の溶解時に溶解熱を発生し温かくなることがあるが、品質に影響はない。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 可能な限り点滴静脈内注射により使用することが望ましい。
14.2.2 静脈炎、血管痛があらわれることがあるので、注射部位、注射方法に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。

5.効能・効果に関連する注意

<急性気管支炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<健康成人>
16.1.1 単回投与
健康成人男性3例を対象に点滴静注したときの血清中濃度、薬物動態パラメータは、以下に示すとおりであった。
対象者n投与量(g(力価))溶解液量(mL)投与時間(時間)Cmax(μg/mL)T1/2(時間)
健康成人31.0200187.31.5
健康成人32.03001157.31.8
健康成人32.0300298.31.7
図1 点滴静注後の平均血清中濃度
<成人患者>
16.1.2 単回投与
呼吸器疾患で入院中の肝・腎機能に異常の認められない成人患者6例へ静注したときの血清中濃度、薬物動態パラメータは、以下に示すとおりであった。
対象者n投与量(g(力価))溶解液量(mL)投与時間(分)Cmax(μg/mL)T1/2(時間)
成人患者61.020574注)1.7
注)投与30分後の血清中濃度
図2 静注後の平均血清中濃度
<小児>
16.1.3 単回投与
学童期の健康小児4例(体重20~37kg、平均28kg)に本剤1.0g(力価)を4分間で静注したとき、30分~1時間後の血中濃度は93.8~107μg/mL、T1/2は平均1.3時間であった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合
平衡透析法により測定したヒト血清蛋白との結合率は2.16%であった。
16.3.2 喀痰中濃度
呼吸器疾患患者5例に本剤1.0g(力価)静注後の喀痰中濃度のピークは3時間後に認められ、平均7.0μg/mLであった。
16.4 代謝
ホスホマイシンは、体内で代謝されずに、大部分が未変化体のまま、尿中に排泄される。
16.5 排泄
健康成人3例にホスホマイシンナトリウム1.0、2.0g(力価)を1、2時間で点滴静注したとき、点滴終了後10~11時間までの尿中排泄率は、95~99%であった。[9.8参照]

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも0.1%未満)
胸内苦悶、呼吸困難、血圧低下、チアノーゼ、蕁麻疹、不快感等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.2 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.3 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも0.1%未満)[8.3参照]
11.1.4 肝機能障害、黄疸(いずれも0.1%未満)[8.3参照]
11.1.5 痙攣(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~5%未満0.1%未満
肝臓AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇
血液貧血、顆粒球減少、白血球減少、好酸球増多
腎臓腎機能異常、浮腫、BUN上昇、蛋白尿、電解質異常
消化器下痢口内炎、嘔気、嘔吐、腹痛、食欲不振
皮膚発疹紅斑、蕁麻疹、そう痒感
呼吸器系咳嗽、喘息発作
神経系しびれ感、眩暈
投与部位血管痛静脈炎
その他頭痛、口渇、発赤、発熱、倦怠感、胸部不快感、胸部圧迫感、心悸亢進
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