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ケアロードLA錠60μg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

  • 通常、成人には、ベラプロストナトリウムとして1日120μgを2回に分けて朝夕食後に経口投与することから開始し、症状(副作用)を十分観察しながら漸次増量する。なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日360μgまでとし、2回に分けて朝夕食後に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、上部消化管出血、尿路出血、喀血、眼底出血等)[出血を増大するおそれがある。]
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 月経期間中の患者
出血傾向を助長するおそれがある。
9.1.2 出血傾向並びにその素因のある患者
出血傾向を助長するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
最高血漿中濃度(Cmax)及び曝露量(AUC)が増加するおそれがある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2 本剤の有効成分は「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」と同一であるが、用法・用量が異なることに注意すること。
8.3 本剤から「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」へ切り替える場合には、本剤最終投与時から12時間以上が経過した後に、「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」をベラプロストナトリウムとして原則1日60μgを3回に分けて食後に経口投与することから開始すること。また、本剤と同用量の「ドルナー錠20μg」、「プロサイリン錠20」に切り替えると、過量投与になるおそれがあるため注意すること。[16.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は徐放性製剤であるため、割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用するよう指導すること。割ったり、砕いたり、すりつぶしたりして服用すると、本剤の徐放性が失われ、過量投与となるおそれがある。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

肺動脈性肺高血圧症は薬物療法に対する忍容性が患者によって異なることが知られており、本剤の投与にあたっては、投与を少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 原発性肺高血圧症及び膠原病に伴う肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における有効性・安全性は確立していない。
5.2 肺高血圧症のWHO機能分類クラスIV注)の患者における有効性・安全性は確立していない。また、重症度の高い患者等では効果が得られにくい場合がある。循環動態あるいは臨床症状の改善がみられない場合は、注射剤や他の治療に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
注)WHO機能分類はNYHA(New York Heart Association)心機能分類を肺高血圧症に準用したものである。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤120μg又は180μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。
投与量薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax(pg/mL)Tmax(h)AUC0-48(pg・h/mL)MRT0-48(h)
本剤120μg
(n=12)
178.5±74.33.2±1.01076±3228.38±2.69
本剤180μg
(n=12)
264.5±112.93.9±1.11989±84710.70±1.60
健康成人に「ドルナー錠20μg」又は「プロサイリン錠20」40μgを食後経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。[8.3参照]
投与量薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax(pg/mL)Tmax(h)AUC0-6(pg・h/mL)
ドルナー錠、プロサイリン錠40μg
(n=12)
228.4±94.61.3±0.6462±144
16.1.2 反復投与
健康成人に本剤240μgを朝夕食後2回に分けて7日間経口投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。血漿中濃度は投与3日目に定常状態に達し、蓄積性は認められなかった。
1日用量投与日薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax(pg/mL)Tmax(h)AUC0-12(pg・h/mL)
240μg
(n=12)
1日目170.4±63.14.2±2.6810±295
7日目214.7±89.13.0±1.01225±343
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男子に単回投与クロスオーバー法で180μg投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。血漿中ベラプロストナトリウム濃度から計算した食後投与及び空腹時投与のCmax及びAUC0-48について検討した結果、いずれも同等性を示さず、食事の影響があると判断された。
投与量食事薬物動態パラメーター(平均値±SD)
Cmax(pg/mL)Tmax(h)AUC0-48(pg・h/mL)
180μg
(n=12)
あり264.5±112.93.9±1.11989±847
なし177.4±69.22.3±1.42242±1078
16.3 分布
血漿蛋白結合率は約90%であった(in vitro)。
16.4 代謝
ベラプロストナトリウムは、ヒトにおいて主にβ-酸化、15位水酸基の酸化及び13位二重結合の水素化、グルクロン酸抱合により代謝された。また、ベラプロストナトリウムは、CYP2C8によって添加量の約3%とわずかに代謝されたが、他のCYP分子種(1A2、2A6、2B6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4、4A11)では代謝されなかった(in vitro)。CYP分子種(1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、3A4)のいずれに対しても阻害を認めず、また、CYP分子種(1A2、2C9、2C19、3A4)のいずれに対しても、その活性を誘導しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人に本剤120μg又は180μgを食後経口単回投与したとき、48時間後までの尿中未変化体排泄率はそれぞれ0.87%、0.93%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者、軽度腎機能障害患者、中等度腎機能障害患者及び重度腎機能障害患者を対象に本剤120μgを空腹時経口単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであり、腎機能正常者と比較し、腎機能障害患者でCmax及びAUC0-48が増加する傾向が認められた。[9.2参照]
Cmax(pg/mL)Tmax(h)t1/2(h)AUC0-48(pg・h/mL)
腎機能正常者
(eGFR≧90mL/min/1.73m2
84.917±22.9333.3±3.414.73±9.45977.802±226.339
軽度腎機能障害患者
(60≦eGFR<90mL/min/1.73m2
119.800±36.4283.8±3.38.02±4.501252.389±427.457
中等度腎機能障害患者
(30≦eGFR<60mL/min/1.73m2
190.583±137.3294.2±1.613.76±5.451862.457±964.327
重度腎機能障害患者
(15≦eGFR<30mL/min/1.73m2
240.167±110.5123.7±0.518.82±17.151766.488±806.401
eGFR:推算糸球体濾過量n=6、平均値±SD

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝血剤
ワルファリン

抗血小板剤
アスピリン
チクロピジン

血栓溶解剤
ウロキナーゼ
出血傾向を助長することがある。相互に作用を増強することがある。
プロスタグランジンI2製剤
エポプロステノール
ベラプロスト注)
エンドセリン受容体拮抗剤
ボセンタン
血圧低下を助長するおそれがあるので、血圧を十分に観察すること。相互に作用を増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血傾向(頻度不明)
脳出血、消化管出血、肺出血、眼底出血があらわれることがある。
11.1.2 ショック(頻度不明)、失神(10%未満)、意識消失(10%未満)
血圧低下、頻脈、顔面蒼白、嘔気等が認められた場合には投与を中止すること。
11.1.3 間質性肺炎(頻度不明)
11.1.4 肝機能障害(頻度不明)
黄疸や著しいAST、ALTの上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
11.1.5 狭心症(頻度不明)
11.1.6 心筋梗塞(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
出血傾向出血傾向、皮下出血、鼻出血
血液白血球減少、白血球増多、血小板減少貧血、好酸球増多
過敏症そう痒発疹、蕁麻疹、湿疹、紅斑
精神・神経系頭痛(73.9%)、ふらつき、不眠眠気、めまい、立ちくらみ、もうろう状態、浮遊感、しびれ感振戦
消化器系嘔気(28.3%)、下痢(21.7%)、腹痛、胃不快感、嘔吐上腹部痛、食欲不振胃潰瘍、胃障害、口渇、胸やけ
肝臓ALT上昇黄疸、AST上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、Al-P上昇
腎臓血尿頻尿、BUN上昇
循環器系顔面潮紅(67.4%)、ほてり(56.5%)、動悸血圧低下、潮紅、頻脈のぼせ
その他倦怠感(28.3%)、浮腫、疼痛胸部不快感、胸痛、息苦しさ、関節痛、筋痛、顎痛、頸部痛、耳鳴、発熱、熱感、発汗、冷汗、脱力感脱毛、咳嗽、背部痛、トリグリセライド上昇、気分不良
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