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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 磁気共鳴コンピューター断層撮影における肝腫瘍の造影

用法・用量

  • 通常、成人には本剤0.1mL/kgを静脈内投与する。

禁忌 

【警告】

  • 重篤な腎障害のある患者では、ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現のリスクが上昇することが報告されているので、腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者では、十分留意すること。[9.2.1、9.2.2、11.1.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分又はガドリニウム造影剤に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 一般状態の極度に悪い患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 気管支喘息の患者
診断上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。類薬でショック、アナフィラキシーが報告されている。[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 アレルギー性鼻炎、発疹、じん麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者[8.1参照]
9.1.4 両親、兄弟に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、発疹、じん麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者[8.1参照]
9.1.5 薬物過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
9.1.6 血清ビリルビン値が3mg/dLを超える患者
信号増強効果の減弱がみられた場合であっても、追加投与はしないこと。本剤は有機アニオン輸送担体により肝細胞に取り込まれるため、ビリルビンと競合すると考えられる。[14.1.3参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者
患者の腎機能を十分に評価した上で慎重に投与すること。排泄が遅延するおそれがある。[1.、11.1.2、16.6.1参照]
9.2.2 長期透析が行われている終末期腎障害、eGFR(estimated glomerular filtration rate:推算糸球体ろ過値)が30mL/min/1.73m2未満の慢性腎障害、急性腎障害の患者
本剤の投与を避け、他の検査法で代替することが望ましい。ガドリニウム造影剤による腎性全身性線維症の発現のリスクが上昇することが報告されている。[1.、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
生後2ヵ月超~18歳未満の小児を対象にした国際共同製造販売後臨床試験において、12例の日本人を含む52例のいずれの症例においても副作用は認められなかった。低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与にあたっては、気管支喘息等のアレルギー体質等について十分な問診を行うこと。[9.1.2-9.1.5参照]
8.2 ショック、アナフィラキシー等の重篤な副作用が発現するおそれがあるので、本剤の投与にあたっては、救急処置の準備を行うこと。また、類薬において投与開始より1時間~数日後にも遅発性副作用(発熱、発疹、悪心、血圧低下、呼吸困難等)があらわれるとの報告があるので、投与後も患者の状態を十分に観察すること。患者に対して、上記の症状があらわれた場合には速やかに主治医等に連絡するよう指導するなど適切な対応をとること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 診断上の注意
14.1.1 動物実験でリファンピシン類の投与により本剤の肝細胞への取込みが阻害され、肝実質の信号増強効果が低下することが示されている。
14.1.2 血清フェリチン値が顕著に高い患者では、本剤による肝実質の信号増強効果が減弱する可能性がある。肝臓のフェリチンが磁化率効果を示す。
14.1.3 血清ビリルビン値が3mg/dLを超える患者において、本剤投与後の肝実質の信号増強効果が減弱したとの報告がある。[9.1.6、16.6.2参照]
14.1.4 本剤をボーラス投与後にダイナミック撮像(動脈相、門脈相、平衡相)を行うことにより、造影パターンによる質的診断の情報が得られる。
14.1.5 肝細胞造影相は、本剤投与20分後から撮影可能で、信号増強効果は少なくとも2時間持続する。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は静脈内投与にのみ使用すること。
14.2.2 静脈内投与により血管痛、静脈炎があらわれることがある。
14.2.3 誤って血管外に造影剤を漏出させた場合には、発赤、腫脹、水疱、疼痛等があらわれることがあるので、注入時に十分注意すること。
14.3 薬剤投与後の注意
1回の検査にのみ使用し、余剰の溶液は廃棄すること。

5.効能又は効果に関連する注意

ガドリニウム造影剤を複数回投与した患者において、非造影T1強調MR画像上、小脳歯状核、淡蒼球等に高信号が認められたとの報告や脳の剖検組織からガドリニウムが検出されたとの報告があるので、ガドリニウム造影剤を用いた検査の必要性を慎重に判断すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子(6名)に本剤0.1mL/kgを静脈内投与したとき、ガドリニウム(Gd)は二相性で血中から消失した。(血漿中半減期:α相0.11時間、β相1.3時間)
16.5 排泄
健康成人男子(6名)に本剤0.1mL/kgを静脈内投与したとき、投与後4日目までに投与したGdの57%が尿中に、39%が糞中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
(1)血中濃度
程度の異なる腎障害患者に本剤0.1mL/kgを静脈内投与したとき、血液透析を必要とする重篤な腎障害のある患者では、健康成人に比べてAUC(0-∞)が6倍に上昇し、血漿中半減期が著明に延長した(外国人データ)。[9.2.1参照]
腎障害の程度AUC(0-∞)(μmol・h/mL)血漿中半減期(時間)
正常(N=6)160±20.41.76±0.219
中等度(クレアチニンクリアランス:30~50mL/分)(N=6)237±69.02.15±0.953
重篤(N=4)903±27520.4±6.85
平均値±標準偏差
(2)排泄
末期腎不全の患者(2名)において、本剤0.1mL/kgを静脈内投与してから1時間後に血液透析を開始し、3時間透析することにより、投与量の約30%が除去された。また、本剤は投与後6日目までに投与量の52~62%が糞中に排泄された(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
(1)排泄
程度の異なる肝障害患者各6例に本剤0.1mL/kgを静脈内投与したとき、軽度及び中等度肝障害(Child-Pugh分類A及びB)患者では、糞中への排泄率は21%と健康成人の31%と比べて低かったが、有意な肝実質の信号増強効果の減弱はみられなかった。重度肝障害(Child-Pugh分類C)患者では糞中への排泄率は6%まで低下した。血清ビリルビン値が3mg/dLを超えた患者では糞中排泄率は0.5%未満に低下し、肝実質の信号増強効果の減弱が認められた(外国人データ)。[14.1.3参照]

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難、咽・喉頭浮腫、じん麻疹、咳嗽、蒼白等)があらわれることがある。[8.2、9.1.2参照]
11.1.2 腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis、NSF)(頻度不明)
重篤な腎障害のある患者への使用後に、腎性全身性線維症を発現した症例が報告されているので、投与後も観察を十分に行い、皮膚のそう痒、腫脹、硬化、関節の硬直、筋力低下等の異常の発生には十分留意すること。[1.、9.2.1、9.2.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1~1%未満頻度不明
過敏症そう痒、発疹じん麻疹、紅斑
精神神経系頭痛、めまい
循環器血圧上昇
呼吸器呼吸困難くしゃみ
消化器悪心、嘔吐、下痢
感覚器味覚倒錯、嗅覚錯誤
投与部位注射部位反応(疼痛等)
その他血管拡張(熱感、潮紅)、錯感覚不快感、異常感、ビリルビン上昇
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