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イーシー・ドパール配合錠

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • パーキンソン病・パーキンソン症候群

用法・用量

  • レボドパ未投与例の場合

    • 通常成人は初回1日量1~3錠を1~3回に分けて、食後に経口投与し、2~3日毎に1日量1~2錠ずつ漸増し、維持量として1日3~6錠を経口投与する。
  • レボドパ投与例の場合

    • 通常成人初回1日量は投与中のレボドパ量の約1/5に相当するレボドパ量(本剤1錠中レボドパ100mg含有)に切り換え、1~3回に分けて、食後に経口投与し、漸増もしくは漸減し、維持量として1日量3~6錠を経口投与する。
  • なお、年令、症状により適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者
潰瘍が悪化するおそれがある。
9.1.2 糖尿病の患者
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
9.1.3 重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
これらの症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 慢性開放隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 自殺傾向等精神症状のある患者
精神症状が悪化するおそれがある。
9.1.6 骨軟化症の患者[15.2参照]
9.1.7 25歳以下の患者[15.2参照]
9.2 腎機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)で胸骨核の癒合、過剰頸椎骨の催奇形作用が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがあり、また動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が知られている。
9.8 高齢者
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがあるので注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。[11.1.5参照]
8.2 レボドパ製剤の長期投与により、以下のような現象があらわれることがあるので、適切な処置を行うこと。
・wearing-off(up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投与回数を増すなどの処置を行うこと。
・on and off現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
8.3 前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。[11.1.4参照]
8.4 セレギリン塩酸塩等(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ずセレギリン塩酸塩等の添付文書を参照すること。
8.5 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.6 溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施すること。[11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、レボドパ服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
7.2 レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
パーキンソン病患者3例にレボドパ300mgとベンセラジド75mgの配合剤を単回経口投与したときのレボドパの血中濃度推移は以下のとおりであった。投与後2時間で最高1.5~4μg/mLを示し、3時間までのAUCは4.69±1.1μg・h/mLであった。
パーキンソン病患者に単回経口投与したときのレボドパの血中濃度推移
16.3 分布
16.3.1 組織移行性
14C-レボドパ50mg/kgとベンセラジド12.5mg/kgをラットに併用経口投与したとき、30分後の体組織への放射能分布は、胃>膵臓>甲状腺>腸>副腎>腎臓>脾臓>肺>肝臓の順であった。
16.4 代謝
パーキンソン病患者にレボドパ200mgとベンセラジド50mgの配合剤を経口投与したとき、投与後3時間の血漿中レボドパ及び3-O-メチルドパ(3-OM-DOPA)濃度はレボドパ1g単剤投与時より高値を示した。
16.5 排泄
パーキンソン病患者にレボドパ200mgとベンセラジド50mgの配合剤を経口投与したとき、投与後3時間までの尿中レボドパ排泄量はレボドパ1g単剤投与時で約0.7%であるのに対し配合剤では20~25%と増加した。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
レセルピン製剤
テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
抗精神病薬
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン等
ブチロフェノン系薬剤
ハロペリドール等
その他
ペロスピロン等
本剤の作用が減弱することがある。これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
パパベリン塩酸塩本剤の作用が減弱するおそれがある。パパベリンが線条体でのドパミン受容体を遮断する可能性がある。
鉄剤本剤の作用が減弱するおそれがある。キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
イソニアジド本剤の作用が減弱するおそれがある。機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
血圧降下剤
メチルドパ水和物
レセルピン
節遮断剤等
本剤が血圧低下を増強することがある。レボドパに血圧降下作用があるためと考えられている。
他の抗パーキンソン剤
抗コリン剤
ブロモクリプチン
アマンタジン等
精神神経系及び循環器系の副作用が増強することがある。長期投与により大脳皮質におけるアセチルコリン系感受性が亢進する。
NMDA受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれがある。これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
全身麻酔剤
ハロタン等
不整脈を起こすおそれがある。左記薬剤がカテコールアミンに対する心筋の感受性を増加させる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等を症状とする悪性症候群があらわれることがある。このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
11.1.2 幻覚(1.4%)、抑うつ(0.1%)、錯乱(0.1%未満)
11.1.3 溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)[8.6参照]
11.1.4 突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.5 閉塞隅角緑内障(頻度不明)
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。[8.1参照]
注)発現頻度は1983年1月までの副作用頻度調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
精神神経系不随意運動(顔面、口、頸部、四肢等)焦燥感、精神高揚、せん妄、不安、不眠、頭痛、頭重、めまい、眠気、筋緊張低下突発性硬直、構音障害傾眠、病的賭博、病的性欲亢進、ドパミン調節障害症候群
消化器嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、腹痛、胃部不快感、下痢、胸やけ、口内炎、腹部膨満感唾液分泌過多
泌尿器排尿異常
血液白血球減少
皮膚発疹じん麻疹様湿疹、四肢色素沈着、口唇の水ぶくれ、脱毛
循環器動悸、立ちくらみ、血圧低下不整脈
視覚異常
肝臓AST,ALT,Al-P上昇
その他発汗、胸痛、脱力・倦怠感、浮腫のぼせ感唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色(黒色等)

注)発現頻度は1983年1月までの副作用頻度調査を含む。

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