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エレンタール配合内用剤

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 本剤は、消化をほとんど必要としない成分で構成されたきわめて低残渣性・易吸収性の経腸的高カロリー栄養剤でエレメンタルダイエット又は成分栄養と呼ばれる。一般に、手術前・後の患者に対し、未消化態蛋白を含む経管栄養剤による栄養管理が困難な時用いることができるが、とくに下記の場合に使用する。
    • ○未消化態蛋白を含む経管栄養剤の適応困難時の術後栄養管理
    • ○腸内の清浄化を要する疾患の栄養管理
    • ○術直後の栄養管理
    • ○消化管異常病態下の栄養管理(縫合不全、短腸症候群、各種消化管瘻等)
    • ○消化管特殊疾患時の栄養管理(クローン氏病、潰瘍性大腸炎、消化不全症候群、膵疾患、蛋白漏出性腸症等)
    • ○高カロリー輸液の適応が困難となった時の栄養管理(広範囲熱傷等)

用法・用量

  • 通常、エレンタール配合内用剤80gを300mLとなるような割合で常水又は微温湯に溶かし(1kcal/mL)、鼻腔ゾンデ、胃瘻、又は腸瘻から、十二指腸あるいは空腸内に1日24時間持続的に注入する(注入速度は75~100mL/時間)。また、要により本溶液を1回又は数回に分けて経口投与もできる。
    標準量として成人1日480~640g(1,800~2,400kcal)を投与する。なお、年令、体重、症状により適宜増減する。
    一般に、初期量は、1日量の約1/8(60~80g)を所定濃度の約1/2(0.5kcal/mL)で投与開始し、患者の状態により、徐々に濃度及び投与量を増加し、4~10日後に標準量に達するようにする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重症糖尿病、ステロイド大量投与の患者で糖代謝異常が疑われる場合[高血糖があらわれるおそれがある。]
  • 2.3 妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性へのビタミンA5,000IU/日以上の投与[9.5.1参照]
  • 2.4 アミノ酸代謝異常のある患者[高アミノ酸血症等を起こすおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 小腸広範囲切除により起こる短腸症候群の患者
下痢を起こさぬように特に注意すること。また、術後4日目ごろをめどに慎重に投与を開始すること。本手術後は特に腸管の吸収能力が低下している可能性がある。
9.4 生殖能を有する者
[9.5.1参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊娠3ヶ月以内又は妊娠を希望する女性
ビタミンA5,000IU/日以上は投与しないこと。投与する場合は用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある。[2.3、9.4参照]
9.5.2 妊婦(妊娠3ヶ月以内の女性を除く)
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
投与量、投与速度に注意して投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は脂肪含有量を必要最小限に抑えてあるため、特に小児への投与あるいは長期間単独投与の時、総投与量が少ない場合はまれに脂肪酸欠乏が生じることがあるので、このような場合には脂肪の補給を要する。
8.2 本剤は成人の必要最少量の電解質を含んでいるが、病態によっては必要量が異なるため、本剤投与により電解質の過多を生じることがある。そのような場合は、必要に応じて本剤の投与量の調節等の処置を行うこと。
8.3 ビタミン、電解質及び微量元素の不足を生じる可能性があるので、必要に応じて補給すること。長期投与中にセレン欠乏症(心機能の低下、爪白色変化、筋力低下等)があらわれたとの報告がある。
8.4 経管投与患者においては、投与濃度が濃すぎる又は投与速度が速すぎると、投与終了後にダンピング症候群様の低血糖があらわれることがあるので、投与濃度、投与速度に注意すること。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
容器に常水又は微温湯を約250mL入れ、本剤1袋を加えて速やかに攪拌する。この場合、溶解後の液量は約300mL(1kcal/mL)となる。
14.2 薬剤調製後の注意
本剤は用時調製するが、調製後12時間以内に使用すること。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 投与時
(1)本剤を用いて調製した液剤は、静注してはならない。
(2)鼻腔ゾンデによる持続注入を行う際、ゾンデ末端の留置位置、注入速度、患者の状態によってはまれに逆流を生じることがあるので、ゾンデ末端の留置位置及び注入速度に注意すること。
14.3.2 投与濃度、投与速度
本剤を用いて調製した液剤の標準濃度は1kcal/mL(80g/300mL)、標準注入速度は100mL/時間であるが、小児又は投与初期の患者に対しては下痢等の副作用が生じないように低濃度、低速度から行い、段階的に維持量へ移行していくことが望ましい。
14.3.3 その他
可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない栄養セット及びフィーディングチューブ等を使用することが望ましい。

16.薬物動態

16.2 吸収
14Cでラベルしたアミノ酸、デキストリン、ビタミンB6を各々含む本剤をFischer系雄性ラットに投与した結果、各成分は良好に吸収され、それぞれ蛋白構成成分、エネルギー源等として正常に利用されていることが推察された。

重大な副作用 

次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 低血糖(0.1%未満)
投与終了後にダンピング症候群様の低血糖(倦怠感、発汗、冷汗、顔面蒼白、痙攣、意識低下等)があらわれることがある。[8.4参照]
注):発現頻度は、使用成績調査を含む。

その他の副作用 

次のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満
消化器下痢腹部膨満感、悪心、嘔吐、腹痛
肝臓血中AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇LDH上昇、γ-GTP上昇
腎臓血中尿素窒素の上昇
糖・脂質代謝血糖値の上昇中性脂肪上昇
自律神経系発汗
皮膚発疹
その他発熱

注):発現頻度は、使用成績調査を含む。

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