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ニフレック配合内用剤

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 大腸内視鏡検査、バリウム注腸X線造影検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除

用法・用量

  • 本品1袋を水に溶解して約2Lとし、溶解液とする。
  • 通常、成人には、1回溶解液2~4Lを1時間あたり約1Lの速度で経口投与する。ただし、排泄液が透明になった時点で投与を終了し、4Lを超えての投与は行わない。
  • <大腸内視鏡検査前処置>

    • ○検査当日に投与する場合

      • 当日の朝食は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約4時間前から投与を開始する。
    • ○検査前日に投与する場合

      • 前日の夕食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、夕食後約1時間以上経過した後、投与を開始する。ただし、前日の朝食、昼食は残渣の少ないもの、夕食は固形物の入っていない液状食とする。
  • <バリウム注腸X線造影検査前処置>

    • 検査当日の朝は絶食(水分摂取のみ可)とし、検査開始予定時間の約6時間前から投与を開始する。通常、成人には、溶解液の投与開始時にモサプリドクエン酸塩として20mgを溶解液(約180mL)で経口投与する。また、溶解液投与終了後、モサプリドクエン酸塩として20mgを少量の水で経口投与する。
  • <大腸手術前処置>

    • 手術前日の昼食後は絶食(水分摂取のみ可)とし、昼食後約3時間以上経過した後、投与を開始する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により、腸管内圧上昇による腸管穿孔を起こすことがあるので、排便、腹痛等の状況を確認しながら、慎重に投与するとともに、腹痛等の消化器症状があらわれた場合は投与を中断し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について慎重に検討すること。特に、腸閉塞を疑う患者には問診、触診、直腸診、画像検査等により腸閉塞でないことを確認した後に投与するとともに、腸管狭窄、高度な便秘、腸管憩室のある患者では注意すること。[2.1、7.1、7.2、8.1、8.1.2、8.1.3、9.1.1、9.1.2、11.1.2参照]
  • 1.2 本剤の投与により、ショック、アナフィラキシー等があらわれるおそれがあるので、自宅での服用に際し、特に副作用発現時の対応について、患者に説明すること。[8.4.4、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 胃腸管閉塞症及び腸閉塞の疑いのある患者[腸管穿孔を起こすおそれがある。][1.1、8.1、11.1.2参照]
  • 2.2 腸管穿孔のある患者[腹膜炎その他重篤な合併症を起こすおそれがある。]
  • 2.3 中毒性巨大結腸症のある患者[穿孔を引き起こし腹膜炎、腸管出血を起こすおそれがある。][8.1、11.1.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 腸管狭窄又は高度な便秘の患者
腸閉塞及び腸管穿孔を起こすおそれがある。[1.1、8.1、11.1.2参照]
9.1.2 腸管憩室のある患者
腸管穿孔を起こしたとの報告がある。[1.1、8.1、11.1.2参照]
9.1.3 腹部手術歴のある患者
腸閉塞を起こしたとの報告がある。[8.1、11.1.2参照]
9.1.4 狭心症、陳旧性心筋梗塞の患者
本剤投与により体が冷えるため、まれに胸痛を起こすおそれがある。
9.1.5 誤嚥を起こすおそれのある患者(高齢者、嚥下が困難な患者等)
嚥下性肺炎、呼吸困難等を起こすことがある。[9.8.1参照]
9.1.6 糖尿病用薬を投与中の患者
糖尿病用薬により血糖をコントロールしている患者については、検査前日の本剤投与は避け、検査当日に十分観察しながら本剤を投与すること。また、糖尿病用薬の投与は検査当日の食事摂取後より行うこと。食事制限により低血糖を起こすおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
まれに嘔吐があらわれることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 投与速度を遅くし、水分補給を積極的に行うなど、十分観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。[7.3、9.1.5参照]
9.8.2 腸管穿孔、腸閉塞を起こした場合は、より重篤な転帰をたどることがある。[8.1、11.1.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 まれに腸管穿孔、腸閉塞、虚血性大腸炎及びマロリー・ワイス症候群を起こすことがある。腸管穿孔及び虚血性大腸炎は腸管内圧上昇により発症し、マロリー・ワイス症候群は胃内圧上昇あるいは嘔吐、嘔気により発症するので、投与に際しては次の点に留意すること。特に高齢者の場合は十分観察しながら投与すること。[1.1、2.1、2.3、9.1.1-9.1.3、9.8.2、11.1.2、11.1.4、11.1.5参照]
8.1.1 患者の日常の排便の状況を確認し、本剤投与前日あるいは投与前にも通常程度の排便があったことを確認した後投与すること。
8.1.2 短時間での投与は避ける(1L/時間をめどに投与すること)とともに、腸管の狭窄あるいは便秘等で腸管内に内容物が貯溜している場合には注意して投与すること。[1.1、7.2、11.1.2参照]
8.1.3 本剤の投与により排便があった後も腹痛、嘔吐が継続する場合には、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、腸管穿孔等がないか確認すること。[1.1、11.1.2参照]
8.2 排便に伴う腸管内圧の変動により、めまい、ふらつき、一過性の血圧低下等が発現することがあるので、十分に観察しながら投与すること。
8.3 本品の溶解液に他成分や香料を添加した場合、浸透圧や電解質濃度が変化したり、腸内細菌により可燃性ガスが発生する可能性があるので添加しないこと。[14.1.2参照]
8.4 自宅で服用させる場合は、次の点に留意すること。
8.4.1 患者の日常の排便の状況を確認させるとともに、前日あるいは服用前に通常程度の排便があったことを確認させ、排便がない場合は相談するよう指導すること。
8.4.2 副作用があらわれた場合、対応が困難な場合があるので、一人での服用は避けるよう指導すること。
8.4.3 飲み始めのコップ2~3杯目までは、特にゆっくり服用させ、アナフィラキシーの徴候に注意するよう指導すること。
8.4.4 消化器症状(腹痛、嘔気、嘔吐等)やショック、アナフィラキシー等の本剤の副作用についての説明をし、このような症状があらわれた場合は、服用を中止し、直ちに受診する旨を伝えること。また、服用後についても、同様の症状があらわれるおそれがあるので、あらわれた場合には、直ちに受診する旨を伝えること。[1.2、11.1.1-11.1.5参照]
8.5 薬剤の吸収に及ぼす影響
本剤による腸管洗浄が経口投与された薬剤の吸収を妨げる可能性があるので、投与時間等に注意すること。また、薬剤の吸収阻害が臨床上重大な問題となる薬剤を投与中の患者については、院内で十分観察しながら投与すること。
8.6 本剤をバリウム注腸X線造影検査の前処置に用いる際には、モサプリドクエン酸塩水和物の電子添文に記載されている重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本品は1袋全量を水に溶解し、約2Lの溶解液とした後投与すること(1袋中の各成分が均一に混合されていないため、必ず1袋をまとめて溶解すること)。
溶解液の電解質濃度
イオンNaKClHCO3SO42-
濃度(mEq/L)12510352080
溶解液の特徴
pH浸透圧比
無色澄明約8.0約1
14.1.2 本品の溶解液に他成分や香料の添加をしないこと。[8.3参照]
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 溶解液(約180mL)をコップに移し、1時間にコップ6杯(約1L)をめどとすること。
14.2.2 多くの場合約1Lを投与したころから排便が始まり、以後数回の排便が生じるが、投与は排泄液がほぼ透明になるまで続ける。ただし、4Lを上限とする。投与終了後も数回排便が生じることがある。
14.3 バリウム注腸X線造影検査の実施時の注意
検査に使用するバリウム造影剤の濃度は110W/V%以上にすることが望ましい。濃度が110W/V%より低い場合は腸管へのバリウム造影剤の付着が不十分となる可能性がある。
14.4 薬剤調製後の保存時の注意
溶解後速やかに使用することが望ましいが、やむを得ずすぐに使用できない場合には、冷蔵庫内に保存し、48時間以内に使用すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 排便、腹痛等の状況を確認しながら慎重に投与すること。[1.1参照]
7.2 約1Lを投与しても排便がない場合には、腹痛、嘔気、嘔吐のないことを必ず確認したうえで投与を継続し、排便が認められるまで十分観察すること。
2Lを投与しても排便がない場合は投与を中断し、腹痛、嘔吐等がないことを確認するとともに、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、投与継続の可否について、慎重に検討すること。[1.1、8.1.2参照]
7.3 高齢者では特に時間をかけて投与すること。[9.8.1参照]
7.4 本剤をバリウム注腸X線造影検査に用いる際には、2回目のモサプリドクエン酸塩水和物を投与した後はバリウム注腸X線造影検査までは飲食物の摂取を行わないこと。

16.薬物動態

16.5 排泄
健常成人男子に本剤の溶解液1L(2名)、2L(2名)、3L(2名)、4L(6名)、5L(2名)注)を投与した結果、いずれの投与量においても血清電解質、尿量及び尿中電解質に臨床上問題となるような変動は及ぼさず、糞便とともに体外に排泄された。
注)通常、成人には、1回溶解液2~4Lを1時間あたり約1Lの速度で経口投与する。ただし、排泄液が透明になった時点で投与を終了し、4Lを超えての投与は行わない。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
顔面蒼白、血圧低下、嘔吐、嘔気持続、気分不良、眩暈、冷感、じん麻疹、呼吸困難、顔面浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1.2、8.4.4参照]
11.1.2 腸管穿孔、腸閉塞、鼡径ヘルニア嵌頓(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を行い、適切な処置を行うこと。[1.1、2.1、2.3、8.1、8.1.2、8.1.3、8.4.4、9.1.1-9.1.3、9.8.2参照]
11.1.3 低ナトリウム血症(頻度不明)
嘔吐によって低ナトリウム血症をきたし、意識障害、痙攣等があらわれることがあるので、この様な症状があらわれた場合には、電解質補正等の適切な処置を行うこと。[8.4.4参照]
11.1.4 虚血性大腸炎(頻度不明)[8.1、8.4.4参照]
11.1.5 マロリー・ワイス症候群(頻度不明)
嘔吐、嘔気に伴うマロリー・ワイス症候群を起こすことがあるので、観察を十分に行い、吐血、血便等が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[8.1、8.4.4参照]
注)発現頻度は使用成績調査を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症じん麻疹、発疹
中枢・末梢神経系ふらつき感、冷感意識障害
精神神経系不眠
消化器腹部膨満感、嘔気、腹痛、嘔吐腹鳴肛門部痛
循環器胸痛
内分泌尿ケトン体陽性、尿酸値上昇低血糖発作、血糖値上昇
肝臓AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、ビリルビン値上昇、蛋白上昇、蛋白低下、Al-P上昇
腎臓尿蛋白陽性、尿潜血陽性
血液白血球減少、白血球増多血清カリウム上昇、血清カリウム低下
その他倦怠感頭痛、口渇、頻尿、胸やけ、さむけ発熱、頭重感、ほてり発赤、顔面紅潮

注)発現頻度は使用成績調査を含む。

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