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ケタラール静注用50mg、他

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 手術、検査および処置時の全身麻酔および吸入麻酔の導入

用法・用量

  • 通常、ケタミンとして、初回体重1kg当り1~2mgを静脈内に緩徐(1分間以上)に投与し、必要に応じて、初回量と同量又は半量を追加投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 脳血管障害、高血圧(収縮期圧160mmHg以上、拡張期圧100mmHg以上)、脳圧亢進症及び重症の心代償不全の患者[一過性の血圧上昇作用、脳圧亢進作用がある。]
  • 2.3 痙攣発作の既往歴のある患者[痙攣を誘発することがある。]
  • 2.4 外来患者[麻酔前後の管理が行き届かない。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 急性・慢性アルコール中毒の患者
一般に麻酔がかかりにくい。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔と同様に適応、投与法、用量は医師が判断し、麻酔開始より患者が完全に覚醒するまで、患者の全身状態を専任の医師が注意深く監視すること。
また、呼吸・循環管理等ができるような整備された手術の状態で使用すること。
8.2 麻酔を行う際にはあらかじめ絶食させておくこと。
8.3 麻酔前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具を手もとに準備しておくこと。
8.4 麻酔を行う際には原則として麻酔前投薬を行うこと。
8.5 手術が内臓の痛覚路への侵襲を含む場合、他の鎮痛剤を併用すること。
8.6 本剤には筋弛緩作用がほとんどないので、開腹術等には、筋弛緩剤の併用がすすめられる。
8.7 本剤による麻酔時には咽喉頭反射が維持されているので、咽喉頭に機械的刺激を与えないこと。従って、咽頭、喉頭及び気管支の手術、処置には筋弛緩剤の使用その他の方法により反射を除くこと。
8.8 麻酔中は気道に注意して呼吸・循環に対する観察を怠らないこと。
8.9 麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 バルビツール酸系薬物のナトリウム塩及びジアゼパムと混合すると沈殿を生じるので、同じ注射筒を使用しないこと。
14.1.2 本剤は静注用にのみ使用すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 麻酔方法
本剤の用法及び用量は患者の感受性、全身状態、手術々式、麻酔方法等に応じてきめるが、一般に行われている方法を示すと次のとおりである。
手術の少なくとも6時間前から絶飲絶食とし、アトロピン硫酸塩水和物等の前投薬を行い、次いで本剤の1回量を緩徐に静注する。麻酔の維持には、本剤の追加投与を行うが、手術の時間が長くなる場合には点滴静注法が用いられる。投与速度は最初30分間が0.1mg/kg/分、それ以後は0.05mg/kg/分を一応の基準として、必要に応じ若干これを増減し、手術終了の30分前に投与を中止する。なお、手術の種類によっては、吸入麻酔剤に切り替える。また必要によりスキサメトニウム塩化物水和物等の筋弛緩剤を併用する。
7.2 作用発現及び持続
健康成人に通常用量を静注した場合、30秒~1分で手術可能な麻酔状態が得られ、作用は5~10分前後持続する。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性6例にトリチウム標識ケタミン1mg/kgを静注したところ、トリチウム活性は二相性を示し、第一相(組織からの再分布)は投薬後3~5分以内に0.4~0.7μg/mL、第二相(代謝物)は1~2時間に0.6~0.7μg/mLに達した。未変化のケタミン血中濃度は静注後速やかに0.27~0.37μg/mLに達し、その生物学的半減期は4時間であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
In vitroにおいて、成人血漿における血漿蛋白結合率は47%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ケタミンの主代謝経路は、肝臓においてチトクロームP450によりノルケタミンとなる。また、ヒドロオキシノルケタミンやデヒドロノルケタミンなどに変化するが、薬理活性はほとんどない。ノルケタミンだけがケタミンの1/3~1/5の麻酔作用をもつ。
16.5 排泄
健康成人男性6例にトリチウム標識ケタミン1mg/kgを静注したところ、5日後迄に91%が尿中に、3%が糞便中に排泄された(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経系抑制剤
バルビツール酸系薬剤、向精神薬、麻薬性鎮痛剤等
覚醒が遅延することがあるので、減量するなど注意すること。本剤の作用が増強されるためと考えられる。
ツボクラリン本剤がツボクラリンの筋弛緩作用を増強させることがある。本剤がツボクラリンの蛋白結合を阻害すると考えられている。
β-遮断剤血圧下降作用が増強するおそれがある。また、一般にβ-遮断剤を投与中の患者は高血圧症の場合が多いので、本剤の一過性の血圧上昇作用に注意すること。本剤の二次的な血圧下降作用が増強される。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 急性心不全(頻度不明)
11.1.2 呼吸抑制(2.5%)、無呼吸(頻度不明)、舌根沈下(頻度不明)
過量投与した場合及び静注速度が速い場合に起こることがあるので、静脈内投与に際しては、1分以上時間をかけて緩徐に注射すること。
なお、呼吸抑制の症状があらわれた場合には、補助呼吸を行うなど適切な処置を行うこと。
11.1.3 痙攣(0.4%)
喉頭痙攣、声門痙攣又は全身痙攣等が起こることがあるので、このような症状があらわれた場合には筋弛緩剤を投与の上、気管内挿管のもとに調節呼吸を行うなど、適切な処置を行うこと。
11.1.4 覚醒時反応(頻度不明)
夢のような状態、幻覚あるいは興奮、錯乱状態等が起こることがあり、通常数時間で回復するが、まれに24時間以内に再び起こることがある。
覚醒時反応を防ぐには、回復期の早期に患者に話しかけたりするような不必要な刺激は避け、完全に覚醒するまで患者のバイタルサインを監視するなど、全身状態の観察を十分に行うこと。また、ジアゼパム、ドロペリドール等の前投薬を行うことが望ましい。
興奮、錯乱状態等の激しい覚醒時反応に対する処置としては、短時間作用型又は超短時間作用型バルビツール酸系薬剤の少量投与、あるいはジアゼパム投与を行うことが望ましい。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1.5%以上1.5%未満頻度不明
循環器不整脈、低血圧徐脈、血圧下降注)、血圧上昇注)
呼吸器過呼吸
中枢神経系頭痛筋緊張亢進、不随意運動、めまい・ふらつき
精神神経系興奮、精神症状呻吟
感覚器流涙複視、眼振、眼内圧上昇
過敏症発疹皮膚紅斑
消化器悪心・嘔吐、食思不振唾液分泌過多口渇、腹痛
その他発熱、発汗、悪寒顔面潮紅しゃっくり、なきじゃくり、眼瞼浮腫

注)血圧上昇作用は一過性で、二次的に血圧降下を招く場合がある。

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