薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩 リドカイン塩酸塩 リドカイン エリスロマイシン カルバマゼピン イトラコナゾール ケトコナゾール ミコナゾール キニーネ カルシウム拮抗薬 (アムロジピンベシル酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フェロジピン、ニカルジピン塩酸塩、ニフェジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベラパミル塩酸塩、ニルバジピン等) タモキシフェンクエン酸塩 トレミフェンクエン酸塩 ブロモクリプチンメシル酸塩 シンバスタチン アトルバスタチンカルシウム水和物 クラリスロマイシン シクロスポリン タクロリムス水和物 エベロリムス シロリムス デキサメタゾン シルデナフィルクエン酸塩[バイアグラ] タダラフィル[シアリス、ザルティア] ゲフィチニブ ダサチニブ ニロチニブ イリノテカン塩酸塩水和物 ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬 (ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩等) アルプラゾラム サルメテロールキシナホ酸塩 ボセンタン水和物 コルヒチン クエチアピンフマル酸塩 シメプレビルナトリウム [2.3、9.2.1、9.3.1参照] | これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これら薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるため、充分な観察を行いながら慎重に投与し、必要に応じて減量や休薬等の適切な措置を講ずること。 | 本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
フルチカゾンプロピオン酸エステル ブデソニド トリアムシノロンアセトニド | これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。これら薬剤との併用において、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。 | 本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
イブルチニブ エンコラフェニブ | これら薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。本剤からCYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、これら薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
ベネトクラクス <再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病> | ベネトクラクスの再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期又は急性骨髄性白血病に対してベネトクラクス投与中に本剤を併用した場合、ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤がCYP3Aにおけるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
アパルタミド | アパルタミドの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。 また、本剤の血中濃度が減少するおそれがある。本剤からCYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、アパルタミドの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現や本剤の効果の減弱に十分注意すること。 | 本剤がCYP3Aによるアパルタミドの代謝を競合的に阻害するため。 また、アパルタミドがCYP3Aを誘導するため。 |
ワルファリンカリウム | ワルファリンの血中濃度に影響を与えるおそれがある。頻回なINRのモニタリングを行うことが望ましい。 | 肝薬物代謝酵素の関与が考えられるが機序不明。 |
テオフィリン エチニルエストラジオール エストラジオール安息香酸エステル | これら薬剤の血中濃度が減少するおそれがある。これら薬剤の増量が必要となる場合がある。 | 本剤がこれら薬剤の肝薬物代謝酵素を誘導するためと考えられている。 |
リファンピシン | 本剤の血中濃度が減少するおそれがある。 | リファンピシンがCYP3Aを誘導するためと考えられている。 |
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 | 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 | セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。 |
フルコナゾール ホスフルコナゾール キヌプリスチン・ダルホプリスチン | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | これら薬剤がCYP3Aにおける本剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
タバコ | 喫煙により本剤のAUCが減少するおそれがある。 | 機序不明 |
ジドブジン | 本剤との併用によりジドブジンのCmax及びAUCがそれぞれ減少するとの報告がある。 | 本剤がグルクロン酸抱合を促進するためと考えられている。 |
ラモトリギン バルプロ酸ナトリウム | これら薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 本剤がグルクロン酸抱合を促進するためと考えられている。 |
ネビラピン | 本剤の血中濃度が減少するおそれがある。 | ネビラピンがCYP3Aを誘導するためと考えられている。 |
エファビレンツ | 本剤及びエファビレンツの血中濃度が上昇するおそれがある。高頻度に有害事象が発生する可能性があるので、臨床検査値等のモニタリングを行いながら慎重に投与すること。 | 機序不明 |
リオシグアト | リオシグアトの血中濃度が上昇するおそれがある。本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること。 | 本剤のCYP1A1及びCYP3A阻害によりリオシグアトのクリアランスが低下する。 |
ジゴキシン | ジゴキシンの血中濃度が有意に増加したとの報告がある。ジゴキシンの血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 | 本剤のP-gp阻害作用によるものと考えられている。 |
ロペラミド塩酸塩 | ロペラミドの血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤のP-gp阻害作用によるものと考えられている。 |
アファチニブマレイン酸塩 | アファチニブの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤はアファチニブと同時かアファチニブ投与後に投与すること。 | 本剤のP-gp阻害作用によるものと考えられている。 |
ロスバスタチンカルシウム | ロスバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤のBCRP阻害作用が関与している可能性がある。 |
グレカプレビル・ピブレンタスビル | グレカプレビル及びピブレンタスビルの血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤のP-gp又はBCRP阻害作用によるものと考えられる。 |
トラゾドン塩酸塩 | トラゾドンの血中濃度が上昇し、悪心、めまい、低血圧、失神を起こす可能性があるので、本剤と併用する場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてトラゾドンの減量等を考慮すること。 | 本剤がCYP3Aにおけるトラゾドンの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
PR間隔を延長させる薬剤 ベラパミル塩酸塩 アタザナビル硫酸塩 等 [9.1.2、17.3.1参照] | PR間隔が延長するおそれがある。 | 本剤は軽度の無症候性PR間隔の延長が認められている。 |
エトラビリン | エトラビリンの血中濃度が低下したとの報告がある。本剤600mg1日2回との併用は推奨されない。 | 本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用によるものと考えられている。 |
ネルフィナビルメシル酸塩 [16.7.3参照] | ネルフィナビルの血中濃度が上昇するとの報告がある。 | 本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
その他のHIVプロテアーゼ阻害薬(アタザナビル硫酸塩、ダルナビル エタノール付加物等) | これら薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
マラビロク | マラビロクの血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本剤がCYP3Aによるこれら薬剤の代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |
ホスタマチニブナトリウム水和物 | ホスタマチニブの活性代謝物であるR406の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがある。併用時には患者の状態を慎重に観察して副作用の発現に十分注意し、必要に応じてホスタマチニブの減量を考慮すること。 | 本剤がCYP3Aにおけるホスタマチニブの代謝を競合的に阻害するためと考えられている。 |