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エムラクリーム

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和
  • ○注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和

用法・用量

  • <成人>

    • 通常、成人には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量は10gまでとし、塗布時間は120分を超えないこと。
  • <小児>

    • 通常、小児等には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量及び塗布時間は下表を超えないこと。
      年齢(月齢)体重最大塗布量最大塗布時間
      0~2ヶ月1g60分
      3~11ヶ月5kg以下1g60分
      5kg超2g60分
      1~14歳5kg以下1g60分
      5kg超10kg以下2g120分
      10kg超10g120分

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 メトヘモグロビン血症のある患者[プロピトカインの代謝物であるo-トルイジンがメトヘモグロビンを産生し、症状が悪化するおそれがある]
  • 2.2 本剤の成分又はアミド型局所麻酔剤に対して過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者
メトヘモグロビン血症が発現しやすい。[9.7.2、11.1.3、13.参照]
9.1.2 心刺激伝導障害のある患者
症状を悪化させることがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。リドカインはヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。[7.2参照]
9.7.2 海外において、特に低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)では重篤なメトヘモグロビン血症が多く報告されている。[7.2、9.1.1、11.1.3、13.参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意
14.1.1 損傷皮膚には使用しないこと。
14.1.2 性器皮膚及び粘膜に使用しないこと。国内における使用経験がない。
14.1.3 眼に入らないように注意すること。ウサギ眼粘膜刺激試験において、結膜充血、眼瞼腫脹、角膜損傷等の重度かつ持続性のある刺激反応が認められている。
14.1.4 中耳に入らないように注意すること。ラット及びモルモットの中耳及び内耳に投与した場合、形態的及び機能的変化を示すことが報告されている。
14.1.5 注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚から除去した後、穿刺部位を消毒すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤を60分間(最大120分間。ただし、0~11ヶ月、又は1~14歳で体重5kg以下の場合は最大60分間)ODTにより塗布後、本剤を除去し、直ちにレーザー照射又は注射針・静脈留置針穿刺を行う。
7.2 小児等における本剤の塗布量は、体重、患部の大きさを考慮し、必要最小限にとどめること。また、塗布時間を遵守すること。[9.7.1、9.7.2、17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男子に本剤を顔面(頬部)に2.5g/25cm2(顔面低用量群)、5g/50cm2(顔面中用量群)、10g/100cm2(顔面高用量群)及び手背及び前腕部に各2.5g/25cm2(合計5g/50cm2)を2時間密封塗布し、リドカイン及びプロピトカインの薬物動態の検討を行った。顔面低用量群、顔面中用量群及び顔面高用量群の平均血漿中リドカイン及びプロピトカイン濃度は、3群ともおよそ塗布2時間後にピーク値が認められ、薬剤除去後、急速に低下した。
本剤を塗布したときのリドカイン及びプロピトカインの薬物動態パラメータ
測定対象投与群Cmax(ng/mL)AUC0-24h(ng・h/mL)tmax(h)t1/2(h)
リドカイン顔面低用量(2.5g/25cm242.3±27.5149.8±68.61.59±0.503.20±0.93
顔面中用量(5g/50cm262.3±15.9266.3±78.41.84±0.413.62±0.76
顔面高用量(10g/100cm298.9±21.8440.1±68.22.10±0.204.10±0.42
手背・前腕部(5g/50cm28.2±1.675.0±7.84.83±1.835.90±1.42
プロピトカイン顔面低用量(2.5g/25cm226.7±16.082.8±34.91.84±0.521.99±0.39
顔面中用量(5g/50cm235.1±8.9123.2±28.61.59±0.492.40±0.49
顔面高用量(10g/100cm260.1±8.4233.5±17.91.93±0.382.41±0.41
手背・前腕部(5g/50cm25.4±1.837.1±3.03.83±0.414.08±1.81
平均値±標準偏差、n=6
血漿中リドカイン濃度の経時的推移(平均値±標準偏差、n=6)
血漿中プロピトカイン濃度の経時的推移(平均値±標準偏差、n=6)
小児顔面血管腫患者7例(3~12歳)に本剤0.1~10g(10cm2あたり1g)を60分間密封塗布し、本剤除去直後の血漿中薬物濃度を測定した。平均血漿中リドカイン及びプロピトカイン濃度は、24.2±27.8ng/mL及び13.1±13.9ng/mLであり、その最大値は、年齢12歳、塗布量10g(10cm2あたり1g)の症例での血漿中リドカイン濃度79.5ng/mL、血漿中プロピトカイン濃度40.3ng/mLであった。
16.3 分布
16.3.1 リドカイン
ヒト血漿における蛋白結合率は、1~5μg/mLにおいて40.7~58.1%であり、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は0.8である。妊婦にリドカイン塩酸塩を断続的に硬膜外投与したところ、リドカイン225~1200mgの用量において、出産時の母体血中リドカイン濃度は0.0~6.7μg/mL、新生児の血中リドカイン濃度は0.0~3.6μg/mLで、胎盤を通過する。
16.3.2 プロピトカイン
ヒト血漿における蛋白結合率は、0.5~16μg/mLにおいて約30%であり、ほぼ一定であった。α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は1.1である。妊婦にプロピトカイン塩酸塩を断続的に硬膜外投与したところ、320~1260mgの用量において、出産時の母体血中プロピトカイン濃度は0.0~5.0μg/mL、新生児の血中プロピトカイン濃度は0.0~3.4μg/mLで、胎盤を通過する。
16.4 代謝
16.4.1 リドカイン
リドカインは主として肝臓でN-脱メチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX),2,6-xylidineに代謝され、投与量の約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される。
16.4.2 プロピトカイン
プロピトカインは肝臓でN-propylalanineとo-toluidineに加水分解された後、o-toluidineは6-hydroxy-o-toluidine及び4-hydroxy-o-toluidineに代謝される。
16.5 排泄
16.5.1 リドカイン
14C-リドカインを有色雄性ラットに5mg/kgの用量で単回静脈内投与したところ、投与後24時間までに投与放射能の68~72%が尿中に、13~18%が糞中に排泄された。
16.5.2 プロピトカイン
14C-プロピトカイン塩酸塩をラットに単回腹腔内投与したところ、投与後6時間までに約25%が尿中に排泄され、その大部分が代謝物であった。糞中には投与後24時間までにほとんど排泄されなかった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クラスIII抗不整脈剤
アミオダロン等
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。作用が増強することが考えられる。
サルファ剤
スルファメトキサゾール
エステル型局所麻酔薬
プロカイン、アミノ安息香酸エチル
硝酸薬
ニトログリセリン、亜硝酸アミル
メトヘモグロビン血症を起こすことがある。
チアノーゼ等の症状が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
いずれも単独投与によりメトヘモグロビン血症が報告されている。
アミド型局所麻酔剤
メピバカイン、ブピバカイン
クラスI抗不整脈薬
リドカイン、キニジン
中毒症状が相加的に起こるおそれがある。併用により中毒症状が相加的に起こることが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍の異常、意識障害等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがある。
11.1.3 メトヘモグロビン血症(頻度不明)
チアノーゼ等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、メチレンブルーを投与する等、適切な処置を行うこと。[9.1.1、9.7.2、13.参照]
注)副作用の頻度は、クリーム、パッチでの国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上注)0.1~10%未満注)頻度不明
精神神経系錯感覚浮動性めまい、感覚鈍麻、頭痛
消化器系悪心、嘔吐
皮膚紅斑、蒼白潮紅、硬結、そう痒症小水疱、発疹、蕁麻疹、接触皮膚炎、湿疹、皮膚灼熱感、皮膚炎、皮膚色素過剰、皮膚びらん、色素沈着
その他ALT(GPT)増加血腫、疼痛、変色、浮腫、倦怠感

注)副作用の頻度は、クリーム、パッチでの国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

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