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デルティバ錠50mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性の結核菌
  • <適応症>

    • 多剤耐性肺結核

用法・用量

  • 通常、成人にはデラマニドとして1回100mgを1日2回朝、夕に食後経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤に対する耐性菌発現を防ぐため、結核症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで投与し、適正使用に努めること。本剤の投与は、製造販売業者が行うRAP(Responsible Access Program)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において、登録患者に対して行うこと。
  • 1.2 本剤の投与によりQT延長があらわれるおそれがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査等を行い、リスクとベネフィットを考慮して本剤の投与を慎重に判断すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長が悪化するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 QT延長を起こしやすい下記の患者
・著明な徐脈のある患者
・電解質異常のある患者(低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症)
・心疾患のある患者
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長があらわれるおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 低アルブミン血症の患者
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長があらわれるおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
未変化体及び代謝物の血漿中濃度が上昇し、QT延長等の副作用が発現するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ウサギ)でデラマニドの投与により早期吸収胚の増加が報告されている。動物実験(ラット)で主代謝物の投与により、外形異常、内臓及び骨格変異の出現率の増加が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎盤通過が報告されている。[2.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
9.7.1 18歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 外国において、デラマニドを投与した小児等に、幻覚があらわれたとの報告がある。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与によりQT延長があらわれるおそれがあるので、本剤投与開始前及び本剤投与中は定期的に心電図、電解質及び血清アルブミンの検査を行うこと。[9.1.1-9.1.3、11.1.1参照]
8.2 本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として他の抗結核薬及び本剤に対する感受性(耐性)を確認し、感受性を有する既存の抗結核薬3剤以上に本剤を上乗せして併用すること。
7.2 臨床試験において継続して6箇月を超える使用経験はないため、本剤を長期に使用する場合は、リスクとベネフィットを考慮して投与の継続を慎重に判断すること。
7.3 空腹時に本剤を投与した場合、食後投与と比較してCmax及びAUCの低下が認められることから、空腹時投与を避けること。[16.2.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
健康成人に本剤100mg又は200mg注)を食後に単回及び1日1回10日間反復経口投与した時の未変化体の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図16-1及び表16-1に示す。
健康成人に本剤100mg又は200mgを1日1回食後反復経口投与した時の未変化体の血漿中濃度は10日以内に定常状態に達し、約2倍の累積がみられた。
図16-1 健康成人における本剤100mg又は200mgを食後に単回及び1日1回10日間反復投与時の血漿中濃度推移
表16-1 健康成人に本剤100mg又は200mgを食後に単回及び1日1回10日間反復投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(ng/mL)AUCa)(ng・h/mL)t1/2(h)
単回投与
100mg4.0(4.0-5.0)201.1(17.5)3,190.8(23.2)25.6(35.2)
200mg4.5(2.0-5.0)212.4(26.9)3,275.7(17.5)29.4(18.8)
反復投与
100mg4.5(4.0-5.0)327.7(16.5)4,207.5(20.9)26.4(32.3)
200mg4.0(3.0-5.0)422.0(20.1)5,230.0(16.2)33.0(10.4)
平均値(CV%)、tmaxのみ中央値(範囲)、6例
ただし、反復投与時の200mgのみ5例a)単回投与時はAUC、反復投与時はAUC24h
16.1.2 反復投与
多剤耐性肺結核患者に標準治療と併用して本剤1回100mgを1日2回56日間食後投与した時の未変化体の血漿中濃度は14日以内で定常状態に達した。また、QTc延長作用に主に関与している代謝物(DM-6705)の血漿中濃度は投与開始後6週間で定常状態に達した。未変化体及び代謝物(DM-6705)の薬物動態パラメータを表16-2に示す(外国人データを含む)。
表16-2 多剤耐性肺結核患者に本剤1回100mgを1日2回56日間食後投与時の薬物動態パラメータ
tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC24h(ng・h/mL)t1/2(h)
未変化体
(144例,t1/2:66例)
3.02(0.00-9.97)414(39.9)7,925(37.5)37.8(34.3)
代謝物(DM-6705)
(144例,t1/2:140例)
9.97(0.00-24.0)151(44.6)3,125(44.7)231(36.7)
平均値(CV%)、tmaxのみ中央値(範囲)、tmax及びCmaxは朝投与時の値
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤200mg注)を単回経口投与した時、食後投与時に比べ空腹時ではCmax及びAUCはそれぞれ0.53倍及び0.56倍であった。健康成人に本剤400mg注)を単回経口投与した時、標準食(555kcal、脂肪16g)投与時に比べ、高脂肪食(913kcal、脂肪54g)ではCmax及びAUCはそれぞれ2.21倍及び2.06倍であった。[7.3参照]
16.3 分布
デラマニド及びDM-6705のヒト血清蛋白結合率は、99.5%以上であった(in vitro、平衡透析法)。
16.4 代謝
デラマニドは、主として血漿中でアルブミンにより代謝される。また、ヒトチトクロームP450(CYP)分子種のうち、CYP3A4によりわずかに代謝される。DM-6705は、CYP3A4、CYP1A1、CYP2D6及びCYP2E1により代謝される。
16.5 排泄
健康成人に、14C-デラマニド100mgを食後に単回経口投与した時、糞中及び尿中にそれぞれ投与した放射能の89%及び3%が排泄された。未変化体の糞中からの回収率は投与量の53~75%であったが、尿中からは回収されなかった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 抗結核薬
健康成人において、本剤は併用したリファンピシン[R]・イソニアジド[H]・ピラジナミド[Z]のCmax及びAUCに影響を及ぼさなかったが、エタンブトール[E]のCmax及びAUCは本剤の併用によってそれぞれ27%及び23%増加した。本剤のCmax及びAUCは[R]/[H]/[Z]/[E]との併用投与により45%減少した(外国人データ)。
16.7.2 抗HIV薬
健康成人において、本剤は併用したテノホビル、ロピナビル・リトナビル及びエファビレンツのCmax及びAUCに影響を及ぼさなかった。本剤のCmax及びAUCは、テノホビル及びエファビレンツの併用により変化しなかったが、ロピナビル・リトナビルの併用でそれぞれ18%及び22%増加した(外国人データ)。
16.7.3 In vitro試験
デラマニドは、各CYP分子種活性に対する阻害作用及び誘導作用はない。また、MDR1、BCRP、OCT1、OATP1B1及びOATP1B3の各トランスポーターの基質ではなく、MDR1、BCRP、OAT1、OAT3、OCT1、OCT2、OATP1B1、OATP1B3及びBSEPの各トランスポーターも阻害しない。
注)本剤の承認された用量は、通常1回100mgを1日2回である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
QT延長を起こすことが知られている薬剤
キノロン系抗菌薬
モキシフロキサシン塩酸塩、レボフロキサシン水和物 等
クラスIA抗不整脈薬
キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩 等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン塩酸塩、ソタロール塩酸塩 等
スルピリド、イミプラミン塩酸塩、ピモジド、ハロペリドール、エリスロマイシン、コハク酸ソリフェナシン、ベダキリンフマル酸塩 等
リスクとベネフィットを考慮して本剤投与の適応を慎重に判断すること。QT延長を起こすおそれがある。併用により相加的なQT延長を起こすおそれがある。
低カリウム血症を起こすことが知られている薬剤
アミノグリコシド系抗菌薬
エンビオマイシン硫酸塩、カナマイシン硫酸塩 等
利尿剤
フロセミド、トリクロルメチアジド 等
アムホテリシンB 等
低カリウム血症を起こすおそれがある。本剤及びこれらの薬剤はQT延長の原因となる電解質異常を起こすおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 QT延長(5%以上)[8.1、9.1.1-9.1.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
精神神経系めまい、頭痛、傾眠、不眠症錯感覚、不安、振戦感覚鈍麻、嗜眠、睡眠障害、末梢性ニューロパチー、平衡障害、不快感、リビドー亢進、激越、うつ病、精神障害、精神病性障害幻覚
消化器悪心、嘔吐、腹痛胃炎、腹部不快感、食欲不振、消化不良、下痢食欲亢進、味覚異常
循環器動悸房室ブロック、期外収縮、高血圧、低血圧
血液貧血、赤血球増加、白血球減少、好酸球増加
肝臓肝機能異常高ビリルビン血症
皮膚発疹、そう痒症、ざ瘡、多汗症皮膚炎、蕁麻疹、脱毛症
その他ほてり、耳鳴、無力症、関節痛、筋痛、高尿酸血症、低カリウム血症、コルチゾール上昇呼吸困難、耳痛、眼痛、霧視、屈折障害、倦怠感、胸部不快感、胸痛、側腹部痛、四肢痛、口腔咽頭痛、喀血、コルチゾール低下咽喉刺激感、甲状腺機能低下症、筋力低下、筋痙縮
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