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レブラミドカプセル2.5mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○多発性骨髄腫
  • ○5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
  • ○再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
  • ○再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫

用法・用量

  • <多発性骨髄腫>

    • デキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>

    • 通常、成人にはレナリドミドとして1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫>

    • 通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫>

    • リツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回20mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして最大12サイクルまで投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤はサリドマイド誘導体である。本剤はヒトにおいて催奇形性を有する可能性があるため、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には決して投与しないこと。[2.1、9.5参照]
  • 1.2 本剤の胎児への曝露を避けるため、本剤の使用については、適正管理手順(以下、「本手順」)が定められているので、関係企業、医師、薬剤師等の医療関係者、患者やその家族等の全ての関係者が本手順を遵守すること。[2.2、9.5参照]
  • 1.3 妊娠する可能性のある女性に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で投与を開始すること。また、投与開始予定4週間前から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認するとともに定期的に妊娠検査を行うこと。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに本剤の投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。[9.4.1、9.5参照]
  • 1.4 本剤は精液中へ移行することから、投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認すること。また、この期間中は妊婦との性交渉は行わせないこと。[9.4.2、16.3参照]
  • 1.5 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること。
  • 1.6 深部静脈血栓症及び肺塞栓症の発現が報告されているので、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[1.1、9.5参照]
  • 2.2 適正管理手順を遵守できない患者[1.2、9.5参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 深部静脈血栓症のリスクを有する患者
深部静脈血栓症が発現、増悪することがある。[1.6、11.1.1参照]
9.1.2 骨髄抑制のある患者
重篤な好中球減少症及び血小板減少症が発現することがある。[7.6、7.7、7.9、7.11、8.2、11.1.3参照]
9.1.3 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者
移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病が発現するおそれがある。
9.1.4 サリドマイドによる重篤な過敏症の既往歴のある患者
9.1.5 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3、11.1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
投与量及び投与間隔の調節を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。副作用が強くあらわれるおそれがある。また、腎機能障害が悪化することがある。[7.1、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与開始4週間前及び本剤投与開始3日前から投与開始直前までに妊娠検査を実施し、妊娠していないことを確認後に投与を開始すること。また、本剤の治療中は4週間を超えない間隔で、本剤の投与終了の際は本剤投与終了時及び本剤投与終了4週間後に妊娠検査を実施すること。投与開始予定4週間前から投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認すること。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに本剤の投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。[1.3、9.5参照]
9.4.2 男性には、投与終了4週間後まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)させ、避妊を遵守していることを十分に確認すること。また、この期間中は妊婦との性交渉は行わせないこと。[1.4、16.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。カニクイザルでの生殖発生毒性試験では、妊娠中にレナリドミドを投与された母動物の胎児に奇形が認められた。レナリドミドはヒトで催奇形性を有する可能性がある。[1.1-1.3、2.1、2.2、9.4.1、11.1.18参照]
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与開始から投与中止4週間後までは、献血、精子・精液の提供をさせないこと。[16.3参照]
8.2 本剤の投与により重篤な好中球減少症及び血小板減少症等の骨髄抑制が発現することがあるため、定期的に血液学的検査を行うこと。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用も考慮すること。[7.6、7.7、7.9、7.11、9.1.2、11.1.3参照]
8.3 本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.5、11.1.4参照]
8.4 海外臨床試験において、疲労、めまい、傾眠、霧視、錯乱が報告されているので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作を避けるよう注意すること。
8.5 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、腫瘍量の多い患者では、血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.8参照]
8.6 甲状腺機能低下症があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.12参照]
8.7 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.17参照]
8.8 本剤の投与により、疼痛、発熱、皮疹等を伴うリンパ節の腫大等を特徴とする腫瘍フレアがあらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調剤時の注意
脱カプセルをしないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.2.2 カプセルを噛み砕いたり、開けたりせずに服用するよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 腎機能障害患者では、本剤の血中濃度が上昇することが報告されているため、投与量及び投与間隔の調節を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。[9.2、16.6.1参照]
7.2 高脂肪食摂取後の投与によってAUC及びCmaxの低下が認められることから、本剤は高脂肪食摂取前後を避けて投与することが望ましい。[16.2.1参照]
7.3 血小板減少又は好中球減少を除くGrade 3又は4の副作用(GradeはCTCAEに基づく)が発現した場合には、本剤の休薬か中止を考慮すること。投与の再開は、患者の状態に応じて判断すること。
<多発性骨髄腫>
7.4 本剤を含むがん化学療法は、「17.臨床成績」の項の内容、特に、用法・用量を十分に理解した上で行うこと。
7.5 本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
7.6 血小板減少又は好中球減少が発現した場合には、下表を参照し本剤の休薬等を考慮すること。[8.2、9.1.2、11.1.3参照]
未治療の多発性骨髄腫での血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安
血小板数/好中球数治療中の処置及び再開時の減量の目安
血小板減少25,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後50,000/μL以上に回復した場合には、本剤を休薬前の投与量から5mg減量して再開。
なお、休薬前の投与量が5mgの1日1回投与の場合は、本剤2.5mgを1日1回投与で再開。
好中球減少500/μL未満に減少又は発熱性好中球減少症(1,000/μL未満に減少及び体温38.5℃以上の場合)本剤を休薬する。
その後1,000/μL以上に回復した場合には、本剤を休薬前の投与量から5mg減量して再開。
なお、休薬前の投与量が5mgの1日1回投与の場合は、本剤2.5mgを1日1回投与で再開。
本剤を減量した後、医師により骨髄機能が回復したと判断される場合には用量を5mgずつ増量(2.5mg投与の場合は5mgへ増量)することができる。ただし、開始用量を超えないこと。
再発又は難治性の多発性骨髄腫での血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安
血小板数/好中球数治療中の処置及び再開時の減量の目安
血小板減少30,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後30,000/μL以上に回復した場合には、本剤15mgを1日1回投与で再開。
休薬2回目以降、再度30,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後30,000/μL以上に回復した場合には、本剤を前回投与量から5mg減量して1日1回で再開。
好中球減少1,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
・その後1,000/μL以上に回復(ただし、副作用は好中球減少のみ)した場合には、本剤25mgを1日1回投与で再開。
・その後1,000/μL以上に回復(ただし、好中球減少以外の副作用を認める)した場合には、本剤15mgを1日1回投与で再開。
休薬2回目以降、再度1,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後1,000/μL以上に回復した場合には、本剤を前回投与量から5mg減量して1日1回で再開。
<5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
7.7 血小板減少又は好中球減少が発現した場合には、下表を参照し本剤の休薬等を考慮すること。[8.2、9.1.2、11.1.3参照]
血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安
血小板数/好中球数治療中の処置及び再開時の減量の目安
血小板減少25,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
次のいずれかの場合には、本剤を休薬前の用量から1用量レベル注)下げた用量で再開。
・測定値が50,000/μL以上に回復した場合。
・7日以上の間隔をあけて測定値が2回以上25,000/μLから50,000/μLであった場合。
好中球減少500/μL未満に減少本剤を休薬する。
測定値が500/μL以上に回復した場合には、本剤を休薬前の用量から1用量レベル注)下げた用量で再開。
注)再開時の用量レベル
用量レベル本剤の用法・用量
開始用量1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
用量レベル11日1回5mgを連日経口投与する。
用量レベル22日に1回5mgを経口投与する。
用量レベル31週間に2回5mgを経口投与する。
<再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫>
7.8 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.9 血小板減少又は好中球減少が発現した場合には、下表を参照し本剤の休薬等を考慮すること。[8.2、9.1.2、11.1.3参照]
血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安
血小板数/好中球数治療中の処置及び再開時の減量の目安
血小板減少25,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
測定値が50,000/μL以上又は本剤投与前の測定値のいずれかまで回復した場合には、本剤を次の用量で再開。
・10,000/μL未満に減少又は血小板輸血を必要とする出血を伴う血小板減少の場合には、休薬前の用量から1用量レベル注)下げた用量。
・上記以外の場合には、休薬前の用量と同量。
好中球減少500/μL未満に減少本剤を休薬する。
測定値が1,000/μL以上又は本剤投与前の測定値のいずれかまで回復した場合には、本剤を次の用量で再開。
・発熱性好中球減少症[好中球数500/μL未満かつ体温38.5℃以上の発熱(適切な抗生剤による治療にもかかわらず、5日以上持続)]の場合には、本剤を休薬前の用量から1用量レベル注)下げた用量。
・上記以外の場合には、休薬前の用量と同量。
注)再開時の用量レベル
用量レベル本剤の用法・用量
開始用量1日1回25mgを連日経口投与する。
用量レベル11日1回20mgを連日経口投与する。
用量レベル21日1回15mgを連日経口投与する。
用量レベル31日1回10mgを連日経口投与する。
<再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫>
7.10 リツキシマブ(遺伝子組換え)の投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容、特に用法・用量を十分に理解した上で投与すること。
7.11 血小板減少又は好中球減少が発現した場合には、下表を参照し本剤の休薬等を考慮すること。[8.2、9.1.2、11.1.3参照]
血小板減少/好中球減少発現時の休薬等の目安
血小板数/好中球数治療中の処置及び再開時の減量の目安
血小板減少50,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後50,000/μL以上に回復した場合には、本剤15mgを1日1回投与で再開。
休薬2回目以降、再度50,000/μL未満に減少本剤を休薬する。
その後50,000/μL以上に回復した場合には、本剤を前回投与量から5mg減量して1日1回で再開。
好中球減少1,000/μL未満が7日以上持続
又は
発熱性好中球減少症(1,000/μL未満に減少及び体温38.5℃以上の場合)
又は
500/μL未満に減少
本剤を休薬する。
その後1,000/μL以上に回復した場合には、本剤15mgを1日1回投与で再開。
休薬2回目以降、再度以下の事象が発現
1,000/μL未満が7日以上持続
又は
発熱性好中球減少症(1,000/μL未満に減少及び体温38.5℃以上の場合)
又は
500/μL未満に減少
本剤を休薬する。
その後1,000/μL以上に回復した場合には、本剤を前回投与量から5mg減量して1日1回で再開。

5.効能又は効果に関連する注意

<多発性骨髄腫及び5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
5.1 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
<5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
5.2 国際予後判定システム(International prognostic scoring system:IPSS)によるリスク分類の中間-2リスク及び高リスクに対する有効性及び安全性は確立していない。
<再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫>
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤3用量(5mg注)、10mg、20mg注))を単回経口投与したときの本剤の血漿中濃度推移と薬物動態パラメータは以下のとおりであり、本剤の血漿中濃度は投与約0.5~1時間後に最高値に達し、t1/2は約2~3時間であった。
単回経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
薬物動態パラメータ
用量5mg注)(7例)10mg(7例)20mg注)(7例)
Cmax(ng/mL)113±35227±46521±195
AUC(ng・h/mL)345±59727±1151462±174
tmax(h)1.0(0.50,2.5)1.0(0.50,1.0)0.50(0.50,1.5)
t1/2(h)2.28±0.482.36±0.412.24±0.42
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)
16.1.2 反復投与
<多発性骨髄腫>
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に本剤10mg注)及び25mgを単回経口投与及び反復経口投与したときの本剤の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、本剤の血漿中濃度は投与約0.5~1時間後に最高値に達し、t1/2は約2~3時間であった。また、反復投与による蓄積性は認められなかった。
薬物動態パラメータ
用量10mg注)(3例)25mg(6例)
投与方法単回投与反復投与単回投与反復投与
Cmax(ng/mL)330±116316±69642±163721±109
AUCτ(ng・h/mL)1063±3001050±3002835±10592892±952
tmax(h)0.93(0.50,1.0)0.5(0.45,1.0)1.0(0.43,2.0)0.97(0.45,1.5)
t1/2(h)2.57±0.652.45±0.423.20±0.833.26±1.02
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)
<5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群>
5番染色体長腕部q31q33欠失を有し低リスク又は中間-1リスクの骨髄異形成症候群による貧血症状を伴う骨髄異形成症候群患者に本剤10mgを単回経口投与及び反復経口投与したときの本剤の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、本剤の血漿中濃度は投与2.5時間及び2.9時間後にそれぞれ最高値に達し、t1/2はそれぞれ3.3時間及び3.7時間であった。また、反復投与による蓄積性は認められなかった。
薬物動態パラメータ
投与方法単回投与(6例)反復投与(5例)
Cmax(ng/mL)145±56.0155±46.6
AUCτ(ng・h/mL)925±344a936±355
tmax(h)2.52(1.00,5.95)2.93(1.00,4.00)
t1/2(h)3.33±0.81a3.70±1.20
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)a:5例
<再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫>
再発又は再燃の成人T細胞白血病リンパ腫患者に本剤25mgを単回経口投与及び反復経口投与したときの本剤の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、本剤の血漿中濃度は投与約1時間後に最高値に達し、t1/2は約3.5時間であった。また、反復投与による蓄積性は認められなかった。
薬物動態パラメータ
投与方法単回投与(6例)反復投与(5例)
Cmax(ng/mL)503±80.8498±91.3
AUCτ(ng・h/mL)2755±10782868±1033
tmax(h)1.06(0.92,2.00)1.03(1.00,2.17)
t1/2(h)3.51±1.043.71±0.95
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(17例)に本剤25mgを高脂肪・高カロリー食の食後に経口投与したときのAUC、Cmaxは空腹時に経口投与したときと比べてそれぞれ約20%、約50%低下し、tmaxは約1.6時間延長した(外国人データ)。[7.2参照]
16.3 分布
レナリドミドの平均血漿蛋白結合率は約30%であった(外国人データ)。また、健康成人(24例)に本剤25mgを反復経口投与したとき、精液中にレナリドミドは、最終投与から24時間後に検出されたが、最終投与から72時間後には精液中にレナリドミドは検出されなかった(外国人データ)。[1.4、8.1、9.4.2参照]
16.4 代謝
In vitro試験ではレナリドミドはヒト肝ミクロソーム及び肝細胞のいずれでも酸化や抱合等の代謝は受けなかった(外国人データ)。
16.5 排泄
レナリドミドの代謝は未変化体での排泄がほとんどである。健康成人に[14C]レナリドミドを単回経口投与したとき、投与量の約82%の放射能が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者に本剤25mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、AUCは増加した(中等症~重症(透析必要)腎障害で約3~5倍)。また、腎機能の低下に伴いレナリドミドの経口クリアランス(CL/F)、腎クリアランス(CLR)は減少した(外国人データ)。[7.1、9.2参照]
腎機能障害患者に本剤25mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
腎機能正常(7例)軽症(5例)中等症(6例)重症(透析不要)(6例)重症(透析必要)(6例)
Cmax(ng/mL)605±246691±110592±177765±81.3552±140
AUC(ng・h/mL)2181±7032767±10946021±8478191±131711121±2133
tmax(h)1.0(0.50,2.0)1.0(1.0,1.0)1.0(0.50,1.5)1.5(0.50,2.0)1.3(1.0,2.0)
t1/2(h)3.34±0.883.67±0.7010.6±3.339.22±2.4415.6±1.14
平均値±標準偏差平均値は算術平均値tmaxは中央値(最小,最大)
腎機能別クレアチニンクリアランス(CLcr)実測値
正常:83~145mL/min、軽症:57~74mL/min、中等症:33~46mL/min、重症:17~29mL/min
腎機能に障害のある患者に本剤を投与する場合は、下表に示すCLcr値を参考値として本剤投与量及び投与間隔の調節を考慮すること。
腎機能障害患者に投与する際の開始用量の目安
用法・用量腎機能(CLcr)
中等症
30≦CLcr<60mL/min
重症(透析不要)
CLcr<30mL/min
重症(透析必要)
CLcr<30mL/min
多発性骨髄腫本剤10mgを1日1回投与で開始し、2サイクル終了後忍容可能な場合は15mgに増量できる。本剤15mgを2日に1回投与本剤5mgを1日1回投与
(透析日は透析後に投与)
5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群本剤5mgを1日1回投与本剤2.5mgを1日1回投与a本剤2.5mgを1日1回投与b
(透析日は透析後に投与)
再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫本剤10mgを1日1回投与で開始し、投与開始56日経過後忍容可能な場合は15mgに増量できる。本剤15mgを2日に1回投与本剤5mgを1日1回投与
(透析日は透析後に投与)
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫本剤10mgを1日1回投与で開始し、2サイクル終了後忍容可能な場合は15mgに増量できる。本剤5mgを1日1回投与本剤5mgを1日1回投与
(透析日は透析後に投与)
用法・用量はシミュレーションに基づき算出a:本剤5mgを2日に1回投与とすることもできる。b:本剤5mgを週3回投与とすることもできる。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ジゴキシン
健康成人(19例)に本剤(10mg注)1日1回)を反復経口投与後にジゴキシン0.5mgを単回経口投与したとき、本剤投与下でのジゴキシンのCmax及びAUCは本剤非投与下と比較して約14.0%増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(6例)に本剤25mgをデキサメタゾン40mgと反復併用投与したとき、本剤の薬物動態への影響は認められなかった。
健康成人(14例)にP-糖蛋白阻害剤であるキニジン硫酸塩水和物(600mg1日2回)を反復経口投与後に本剤25mgを単回経口投与したとき、本剤の薬物動態への影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人(11例)にP-糖蛋白阻害剤/基質であるテムシロリムス25mgと本剤25mgを単回併用投与したとき、本剤及びテムシロリムスの薬物動態への影響は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用法・用量(1日量)は1日1回25mg(多発性骨髄腫)、1日1回10mg(5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群)、1日1回25mg(再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫)、1日1回20mg(再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫)である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジギタリス製剤
(ジゴキシン等)
[16.7.1参照]
ジゴキシンの血漿中濃度が増加するとの報告があるので、併用する場合には注意すること。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 深部静脈血栓症(6.2%)、肺塞栓症(3.0%)[1.6、9.1.1参照]
11.1.2 脳梗塞、一過性脳虚血発作(1.5%)
11.1.3 骨髄抑制
汎血球減少症(1.1%)、好中球減少症(40.1%)、血小板減少症(19.2%)、貧血(20.4%)、発熱性好中球減少症(2.2%)等の骨髄抑制があらわれることがある。なお、血小板減少が生じた結果、消化管出血等の出血に至った症例も報告されている。[7.6、7.7、7.9、7.11、8.2、9.1.2参照]
11.1.4 感染症(22.0%)
肺炎、敗血症等の重篤な感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3、9.1.5参照]
11.1.5 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.1%)
11.1.7 過敏症
アナフィラキシー(頻度不明)、血管浮腫(頻度不明)、発疹(14.0%)、蕁麻疹(0.6%)等の過敏症があらわれることがある。
11.1.8 腫瘍崩壊症候群(0.2%)
異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行い、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.5参照]
11.1.9 間質性肺疾患(0.3%)
11.1.10 心筋梗塞、心不全、不整脈
心筋梗塞(0.4%)、心不全(1.1%)、心房細動等の不整脈(3.1%)が報告されている。
11.1.11 末梢神経障害
錯感覚(7.5%)、末梢性ニューロパチー(5.5%)、感覚鈍麻(3.3%)、筋力低下(2.2%)等の末梢神経障害が報告されている。
11.1.12 甲状腺機能低下症(0.9%)[8.6参照]
11.1.13 消化管穿孔(0.1%)
11.1.14 起立性低血圧(0.4%)
11.1.15 痙攣(頻度不明)
11.1.16 肝機能障害、黄疸(3.9%)
AST、ALT、γ-GTP上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.17 重篤な腎障害(2.2%)
腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.7参照]
11.1.18 催奇形性(頻度不明)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[9.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満
胃腸便秘(21.2%)、下痢、悪心嘔吐、口内乾燥、腹痛、消化不良、口内炎、上腹部痛腹部不快感、胃腸炎、腸炎
心臓動悸
血管低血圧高血圧、潮紅
呼吸器呼吸困難、咳嗽鼻出血、しゃっくり、口腔咽頭痛、上気道の炎症、嗄声
筋骨格筋痙縮四肢痛、関節痛、筋肉痛、背部痛筋骨格痛、骨痛、ミオパチー、筋骨格硬直、頚部痛
内分泌甲状腺機能亢進症、クッシング症候群
代謝食欲不振低カリウム血症、低カルシウム血症、高血糖、低リン酸血症脱水、低ナトリウム血症、低アルブミン血症、痛風、低蛋白血症、高カリウム血症、高クロール血症、低尿酸血症
血液好酸球増加症、白血球数増加、好塩基球増加、播種性血管内凝固
精神・神経系味覚異常浮動性めまい、振戦、不眠症、頭痛、傾眠、錯乱状態うつ病、易刺激性、不安、気分動揺、譫妄
皮膚そう痒症皮膚乾燥、紅斑、多汗、脱毛症湿疹
霧視、白内障
その他疲労(21.1%)、腫瘍フレア(10.9%)注)、無力症、末梢性浮腫発熱、体重減少、浮腫、倦怠感悪寒、CRP増加、ALP増加、挫傷、LDH増加、胸痛、体重増加、転倒、フィブリンDダイマー増加、アミラーゼ増加

注)再発又は再燃の成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象とした国内第II相試験並びに再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫患者を対象とした国際共同第III相試験結果に基づく発現頻度

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