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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • BRAF遺伝子変異を有する悪性黒色腫
  • BRAF遺伝子変異を有する切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • ○標準的な治療が困難なBRAF遺伝子変異を有する進行・再発の固形腫瘍(結腸・直腸癌を除く)
  • BRAF遺伝子変異を有する再発又は難治性の有毛細胞白血病

用法・用量

  • <悪性黒色腫>

    • 通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。ただし、術後補助療法の場合には、トラメチニブと併用し、投与期間は12ヵ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <非小細胞肺癌、有毛細胞白血病>

    • トラメチニブとの併用において、通常、成人にはダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <固形腫瘍>

    • トラメチニブとの併用において、通常、ダブラフェニブとして以下の用量を1日2回、空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
      • ・成人には、1回150mg
      • ・小児には、体重に合わせて次の用量
        体重26kg以上38kg未満38kg以上43kg未満43kg以上51kg未満51kg以上
        1回投与量75mg100mg125mg150mg

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。[8.4、11.1.3参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害患者
本剤の曝露量が増加する可能性がある。[8.6、11.1.4参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は避妊を行うよう指導すること。マウス、ラット及びイヌでは雄性生殖器に悪影響が認められている。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験では、ラットにおいて母動物の体重増加量・胎児体重の低値、骨化遅延が20mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約0.3倍)以上の群でみられ、黄体数・着床数の低値、着床前・後死亡率の高値、生存胎児数の低値、心室中隔欠損及び胸腺分離が300mg/kg/日(臨床曝露量(AUC)の約1.9倍)群で認められている。[2.2、9.4.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
<悪性黒色腫、非小細胞肺癌、有毛細胞白血病>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<固形腫瘍>
低出生体重児、新生児、乳児を対象とした臨床試験は実施していない。また、6歳未満の患者に対する本剤の用法及び用量について、十分な検討は行われていない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 発熱が高頻度に認められ、重度の脱水、低血圧を伴う例も報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬や解熱剤の投与など適切な処置を行い、感染症等の有無を評価すること。解熱剤で効果が不十分な場合には、経口ステロイド剤の投与を検討すること。[7.4参照]
8.2 有棘細胞癌(皮膚の扁平上皮癌)、新たな原発性悪性黒色腫があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.1参照]
8.3 皮膚以外の部位に悪性腫瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[11.1.2参照]
8.4 心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には、患者の心機能を確認すること。本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること。[9.1.1、11.1.3参照]
8.5 ぶどう膜炎(虹彩炎を含む)等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
8.6 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。[9.3.1、11.1.4参照]

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 トラメチニブ以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 本剤投与により副作用(発熱を除く)が発現した場合には、下記の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。ただし、有棘細胞癌(皮膚の扁平上皮癌)又は新たな原発性悪性黒色腫が発現した場合には、外科的切除等の適切な処置を行った上で、休薬、減量することなく治療を継続することができる。[7.4参照]
休薬、減量及び中止基準
NCI-CTCAE注1)によるGrade判定処置
忍容不能なGrade 2又はGrade 3休薬
Grade 1以下まで軽快後、1段階減量して投与を再開
Grade 4原則投与中止
治療継続が患者にとって望ましいと判断された場合には、Grade 1以下まで軽快後、1段階減量して投与を再開
注1)NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定
用量調節の目安(成人)
用量調節段階注2)1回投与量(1日2回)
通常投与量150mg
1段階減量100mg
2段階減量75mg
3段階減量50mg
4段階減量投与中止
注2)適切な処置により副作用が管理できた場合には、減量時と逆の段階を経て増量可
用量調節の目安(小児)
用量調節段階注2)1回投与量(1日2回)
通常投与量75mg100mg125mg150mg
1段階減量50mg75mg100mg100mg
2段階減量投与中止50mg75mg75mg
3段階減量投与中止50mg50mg
4段階減量投与中止投与中止
7.4 38.0℃以上の発熱が認められた場合には、本剤を休薬すること。発熱の回復後、24時間以上発熱がない場合には、休薬前と同一の用量で投与を再開すること。38.0℃未満の発熱又は悪寒、戦慄、寝汗、インフルエンザ様症状等の発熱の初期症状の再発が認められた時点で本剤の休薬を検討すること。必要に応じて、7.3項の用量調節の目安を参考に、本剤を減量すること。本剤を休薬しても4週間以内に発熱がGrade1以下又はベースラインに軽快しない場合は、本剤の投与を中止すること。[7.3、8.1参照]
<固形腫瘍>
7.5 26kg未満の小児患者における有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、BRAF遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
<悪性黒色腫>
5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。[17.1.1-17.1.5参照]
<非小細胞肺癌>
5.3 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。[17.1.6参照]
5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
<固形腫瘍>
5.5 組織球症患者は本剤の投与対象となり得る。
5.6 臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7、17.1.8参照]
5.7 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
<有毛細胞白血病>
5.8 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人固形癌患者12例にダブラフェニブ75~150mg(ヒプロメロースカプセル)を空腹時に単回経口投与した時、血漿中ダブラフェニブ濃度は投与1.0~4.0時間後に最大となった。その後、血漿中ダブラフェニブ濃度は二相性を示して低下し、消失半減期は約5~15時間であった。Cmax及びAUC0-12hは75mg群と100mg群の間では投与量増加に伴い増加したが、100mg群と150mg群は同程度であった。反復投与後の血漿中ダブラフェニブのAUC0-12hは単回投与時と比べて約40%減少し、ダブラフェニブ代謝の自己誘導が示唆された。血漿中ダブラフェニブ濃度は、投与開始後21日目までには定常状態に達すると考えられた。外国人固形癌患者4例のマイクロドーズ試験で、ダブラフェニブ150mgを単回経口投与した時の、[14C]ダブラフェニブ50μgを単回静脈内投与に対する絶対的バイオアベイラビリティは94.5%であった。
日本人固形癌患者にダブラフェニブ150mgを単回及び反復経口投与したときの血漿中ダブラフェニブ濃度推移(平均値+標準偏差、1日目:n=6、21日目:n=5)
日本人固形癌患者にダブラフェニブ75~150mgを単回及び反復経口投与したときの血漿中ダブラフェニブの薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数(n)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)AUC0-12h(μg・hr/mL)T1/2(hr)
1日目7531.39(29.9)4.0(3.0-4.0)4.63(35.6)15.2(2,140.1)
10033.81(32.2)1.0(0.9-2.0)11.4(42.9)13.1(55.4)
15062.41(40.1)2.5(1.0-4.0)9.24(29.3)5.07(47.0)a
21日目7531.43(75.5)3.0(1.5-4.0)2.85(41.5)
10032.90(22.1)1.0(0.9-2.0)6.02(17.3)
15052.08(37.0)1.5(1.0-3.0)5.90(33.3)
幾何平均値(変動係数%)、Tmaxは中央値(最小値-最大値)a:n=5
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgを高脂肪・高カロリー食摂食後に単回経口投与した時、AUC及びCmaxは絶食下に比べてそれぞれ約31及び51%低下した。また、食後のTmax(6時間)は絶食下(2時間)に比べて遅延した。[7.2参照]
16.3 分布
ダブラフェニブのヒト血漿蛋白結合率は99.7%であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 In vitro
ダブラフェニブは主にCYP2C8及び3A4により水酸化体に代謝され、更にCYP3A4によりカルボン酸体に代謝された。また、カルボン酸体は非酵素的に脱メチル化された。
16.4.2 In vivo
血漿中には、主にカルボン酸体が検出された(血中放射能の約54%)(外国人)。その他にはt-ブチル基が酸化された水酸化体、脱カルボン酸化された脱メチル体が検出された(外国人及び日本人)。
16.5 排泄
外国人固形癌患者4例に[14C]ダブラフェニブの95mg(懸濁液)を単回経口投与した時、尿糞中には投与量の93.8%が回収された(投与後240時間)。放射能の主排泄経路は糞中(投与量の約71.1%)であり、尿中には22.7%が回収された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児
海外第I相試験(A2102試験及びX2101試験)及び国際共同第II相試験(G2201試験)に組み入れられた109例(6歳以上18歳未満)のデータを用いた母集団薬物動態解析の結果、[1]26kg以上38kg未満の患者に75mg、[2]38kg以上43kg未満の患者に100mg、[3]43kg以上51kg未満の患者に125mg、[4]51kg以上の患者に150mgをそれぞれ1日2回反復経口投与した際の、ダブラフェニブのCmax(μg/mL)及びAUC0-12h(μg・hr/mL)の中央値は、[1]1.29及び4.35、[2]1.48及び5.20、[3]1.65及び6.05並びに[4]1.50及び5.25と推定された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
ダブラフェニブはCYP2B6及び3A4を誘導した。また、ダブラフェニブはCYP2C8及び2C19を阻害した(IC50値:それぞれ8.2及び22.4μmol/L)。ダブラフェニブはPgp及びBCRPの基質であった。[10.参照]
16.7.2 In vivo
(1)ケトコナゾール
外国人固形癌患者16例にCYP3A4の阻害作用を有するケトコナゾール(経口剤は国内未承認)400mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したときのダブラフェニブのAUC及びCmaxは、ダブラフェニブ単独投与に比べてそれぞれ約71及び33%増加した。[10.2参照]
(2)ゲムフィブロジル
外国人固形癌患者17例にCYP2C8の阻害作用を有するゲムフィブロジル(国内未承認)600mgの1日2回反復経口投与をダブラフェニブ75mg注)の1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは約47%増加したものの、Cmaxは変化しなかった。[10.2参照]
(3)ワルファリン
外国人固形癌患者14例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とワルファリン(S体:CYP2C9の基質、R体:CYP3A4及びCYP1A2の基質)15mg単回経口投与を併用したときのワルファリンのAUCは、ワルファリン単独投与に比べて、S体で約37%、R体で約33%減少した。また、ワルファリンのCmaxはワルファリン単独投与に比べて、S体で約18%、R体で約19%増加した。[10.2参照]
(4)ミダゾラム
外国人固形癌患者12例にダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与とミダゾラム(CYP3Aの基質)3mgの単回経口投与を併用したときのミダゾラムのAUC及びCmaxは、ミダゾラム単独投与に比べてそれぞれ約74及び61%減少した。[10.2参照]
(5)リファンピシン
外国人固形癌患者17例にCYP3A及びCYP2C8の誘導作用を有するリファンピシン600mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べて、ダブラフェニブのCmaxは27%、AUCは34%減少した。[10.2参照]
(6)ロスバスタチン
外国人がん患者16例にロスバスタチン(OATP1B1及びOATP1B3の基質)10mgの単回経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは94%、AUCは22%増加した。また、ダブラフェニブ150mgを1日2回14日間反復投与した後にロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、ダブラフェニブ非併用投与に比べて、ロスバスタチンのCmaxは156%増加、AUCは7%増加した。[10.2参照]
(7)その他の薬剤
トラメチニブ
外国人固形癌患者17例にトラメチニブ2mgの1日1回反復経口投与とダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与を併用した時、血漿中ダブラフェニブのCmax及びAUCは、ダブラフェニブ単独投与時に比べて、それぞれ約16及び23%増加した。
ラベプラゾール
外国人固形癌患者17例にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgの1日1回反復経口投与をダブラフェニブ150mgの1日2回反復経口投与と併用したとき、ダブラフェニブ単独投与に比べてダブラフェニブのAUCは3%増加し、Cmaxは12%減少した。
注)本剤の承認用法・用量は、ダブラフェニブとして1回150mgを1日2回、空腹時経口投与である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A阻害剤
ケトコナゾール(経口剤は国内未承認)
クラリスロマイシン
リトナビル等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP3A阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2C8阻害剤
ゲムフィブロジル(国内未承認)等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP2C8阻害作用のない薬剤への代替を考慮すること。やむを得ずCYP2C8阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現・増強に注意すること。これらの薬剤がCYP2C8を阻害することにより、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A及びCYP2C8誘導剤
リファンピシン等
[16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、CYP3A及びCYP2C8誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3A及びCYP2C8を誘導することにより、本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A基質
ミダゾラム
経口避妊薬(ノルエチステロン・エチニルエストラジオール等)
デキサメタゾン等
[16.7.2参照]
CYP3Aにより代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C9基質
ワルファリン等
[16.7.2参照]
CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が低下し、有効性が減弱する可能性がある。本剤がCYP2C9を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
OATP1B1及びOATP1B3基質
HMG-CoA還元酵素阻害剤(ロスバスタチン)等
[16.7.2参照]
OATP1B1及びOATP1B3の基質となる薬剤と併用する場合は、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤がOATP1B1及びOATP1B3を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注1)、注2)、注3)
11.1.1 有棘細胞癌
皮膚有棘細胞癌(0.5%、1.6%)、ケラトアカントーマ(0.2%、3.7%)、ボーエン病(0.5%、頻度不明)があらわれることがある。臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも有棘細胞癌の発現頻度に高い傾向が認められた(皮膚有棘細胞癌(5.5%、頻度不明)、扁平上皮癌(5.5%、頻度不明))注4)。[8.2参照]
11.1.2 悪性腫瘍(二次発癌)
原発性悪性黒色腫(0.1%、1.1%)等の悪性腫瘍(二次発癌)があらわれることがある。臨床試験において、有毛細胞白血病患者では他がん種の患者よりも悪性腫瘍(二次発癌)の発現頻度に高い傾向が認められた(基底細胞癌(12.7%、頻度不明))注4)。[8.3参照]
11.1.3 心障害
心不全(0.1%、0.5%)、左室機能不全(0.2%、1.4%)、駆出率減少(5.9%、4.7%)等の重篤な心障害があらわれることがある。[8.4、9.1.1参照]
11.1.4 肝機能障害
ALT(11.3%、1.6%)、AST(11.5%、0.5%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.6、9.3.1参照]
11.1.5 静脈血栓塞栓症(0.3%、頻度不明)
11.1.6 脳血管障害
脳出血(0.1%、頻度不明)、脳血管発作(いずれも頻度不明)等の脳血管障害があらわれることがある。
注1)重大な副作用の発現頻度は、トラメチニブとの併用時、本剤単独投与時の順に記載した。
注2)トラメチニブとの併用時の副作用頻度は臨床試験(MEK115306試験、MEK116513試験、F2301試験、E2201試験及びX2201試験)に基づき記載した。
注3)本剤単独投与時の副作用頻度は海外臨床試験(BRF113683試験)に基づき記載した。
注4)X2201試験の有毛細胞白血病患者(55例)で発現した副作用頻度に基づき記載した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
トラメチニブとの併用時注2)

10%以上1%~10%未満1%未満頻度不明
感染症毛包炎、膿疱性皮疹蜂巣炎、尿路感染、上咽頭炎、爪囲炎
血液好中球減少症、貧血、血小板減少症、白血球減少症
代謝食欲減退、脱水、低ナトリウム血症、低リン血症、高血糖
神経系頭痛浮動性めまい
霧視、ぶどう膜炎、視力障害網膜色素上皮剥離、網脈絡膜症、網膜剥離、眼窩周囲浮腫
心・血管高血圧、低血圧、出血(鼻出血、歯肉出血等)リンパ浮腫、徐脈、QT/QTc間隔延長心拍数減少
呼吸器咳嗽、呼吸困難肺臓炎、間質性肺炎
消化器悪心、下痢、嘔吐便秘、腹痛、口内乾燥、口内炎膵炎
肝胆道系ALP増加、γ-GTP増加
皮膚発疹、皮膚乾燥そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、紅斑、日光角化症、寝汗、過角化、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚病変、多汗症、脂肪織炎、皮膚亀裂、光線過敏症
筋骨格系関節痛、筋肉痛四肢痛、筋痙縮、血中CK増加横紋筋融解症
腎炎、腎不全、尿細管間質性腎炎、急性腎障害
全身発熱(50.1%)、疲労、悪寒、無力症末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、粘膜の炎症顔面浮腫
その他脂漏性角化症乳頭腫、アクロコルドン、過敏症

注2)トラメチニブとの併用時の副作用頻度は臨床試験(MEK115306試験、MEK116513試験、F2301試験、E2201試験及びX2201試験)に基づき記載した。

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤単独投与時注3)

10%以上1%~10%未満1%未満頻度不明
感染症鼻咽頭炎
代謝高血糖、食欲減退、低リン酸血症
神経系頭痛
心・血管QT/QTc間隔延長
ぶどう膜炎
呼吸器咳嗽
消化器悪心、嘔吐、下痢、便秘膵炎
皮膚発疹、過角化(34%)、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群そう痒症、皮膚乾燥、日光角化症、皮膚病変、紅斑、光線過敏症脂肪織炎
筋骨格系関節痛筋肉痛、四肢痛
腎不全、急性腎障害、尿細管間質性腎炎
全身疲労、発熱、無力症悪寒、インフルエンザ様疾患
その他乳頭腫、アクロコルドン、脂漏性角化症過敏症

注3)本剤単独投与時の副作用頻度は海外臨床試験(BRF113683試験)に基づき記載した。

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