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献血ポリグロビンN10%静注2.5g/25mL、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○低又は無ガンマグロブリン血症
  • ○重症感染症における抗生物質との併用
  • ○特発性血小板減少性紫斑病(他剤が無効で、著明な出血傾向があり、外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合)
  • ○川崎病の急性期(重症であり、冠状動脈障害の発生の危険がある場合)

用法・用量

  • <効能共通>

    • 本剤は、効能又は効果に応じて以下のとおり投与する。なお、直接静注する場合は、きわめて徐々に行うこと。
  • <低又は無ガンマグロブリン血症>

    • 通常、1回人免疫グロブリンGとして200~600mg(2~6mL)/kg体重を3~4週間隔で点滴静注又は直接静注する。患者の状態に応じて適宜増減する。
  • <重症感染症における抗生物質との併用>

    • 通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500~5,000mg(25~50mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして50~150mg(0.5~1.5mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。症状に応じて適宜増減する。
  • <特発性血小板減少性紫斑病>

    • 通常1日に、人免疫グロブリンGとして400mg(4mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜増減する。
  • <川崎病の急性期>

    • 通常1日に、人免疫グロブリンGとして200mg(2mL)/kg体重を5日間点滴静注又は直接静注、もしくは2,000mg(20mL)/kg体重を1回点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて5日間投与の場合は適宜増減、1回投与の場合は適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
9.1.2 IgA欠損症の患者
抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。
9.1.3 脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。[11.1.6参照]
9.1.4 血栓塞栓症の危険性の高い患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。[11.1.6参照]
9.1.5 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.6 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2.1参照]
9.1.7 心機能の低下している患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。大量投与により、心不全を発症又は悪化させるおそれがある。[11.1.7参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎障害のある患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。腎機能を悪化させるおそれがある。[11.1.4参照]
9.2.2 急性腎障害の危険性の高い患者
適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。[11.1.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。[8.2.1参照]
9.7 小児等
9.7.1 投与速度に注意するとともに、経過を十分に観察すること。ショック等重篤な副作用を起こすことがある。[7.1、14.2.7参照]
9.7.2 低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、一般に脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者がみられ、血栓塞栓症を起こすおそれがある。[11.1.6参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の原材料となる血液は、問診等の検診により健康状態を確認した国内の献血者から採血し、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)及びヒトパルボウイルスB19についての血清学的検査及び肝機能(ALT)検査に適合したものである。さらに、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。
また、製造工程では、コーンの低温エタノール分画法によりウイルスを不活化・除去し、リン酸トリ-n-ブチル/コール酸ナトリウム処理、pH4の条件下での液状インキュベーション処理によりウイルスを不活化している。
本剤には上記のような各種検査やウイルスの不活化・除去などの安全対策を講じているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
8.2.1 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.5、9.1.6、9.5参照]
8.2.2 現在までに本剤の投与により、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分に検討の上投与すること。
8.3 本剤は抗A及び抗B血液型抗体を有する。したがって、血液型がO型以外の患者に大量投与したとき、溶血性貧血を起こすことがある。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 他の製剤と混注しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 凍結した溶液は使用しないこと。
14.2.2 不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと。
14.2.3 ゴム栓に針を挿入する際に、斜めに刺したり、あるいは、ねじって刺すとゴム片が薬液中に混入するおそれがあるので、ゴム栓への針刺はゴム栓に垂直に、ゆっくりと刺すこと。ゴム片が混入した場合には使用しないこと。
14.2.4 本剤をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生する可能性がある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。
14.2.5 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。乳幼児において、点滴静注時に血管外へ漏れ、投与部位を中心に皮膚潰瘍、皮膚壊死があらわれた例が報告されている。
14.2.6 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない。
14.2.7 投与速度
<効能共通>
(1)初日の投与開始から30分間は0.01~0.02mL/kg/分で投与し、副作用等の異常所見が認められなければ、0.03~0.06mL/kg/分まで徐々に投与速度を上げてもよい。2日目以降は、前日に耐容した速度で投与することができる。[7.1、9.7.1参照]
<川崎病の急性期>
(2)2,000mg(20mL)/kgを1回投与する場合には、基本的には(1)の投与速度を遵守することとするが、目安としては6時間以上かけて点滴静注とすること。[7.1、9.7.1参照]

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 急速に注射すると血圧降下を起こす可能性がある。特に低又は無ガンマグロブリン血症の患者には注意すること。[9.7.1、14.2.7参照]
<低又は無ガンマグロブリン血症>
7.2 血清IgGトラフ値を参考に、基礎疾患や感染症などの臨床症状に応じて、投与量、投与間隔を調節する必要があることを考慮すること。
<川崎病の急性期>
7.3 追加投与は、本剤投与における効果不十分(発熱の持続等)で症状の改善が見られない等、必要と思われる時のみに行うこと。本剤の効果不十分の症例に対する追加投与に関しては有効性、安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

<重症感染症における抗生物質との併用>
5.1 適切な抗菌化学療法によっても十分な効果の得られない重症感染症を対象とすること。
<特発性血小板減少性紫斑病>
5.2 本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
5.3 小児の急性特発性血小板減少性紫斑病は多くの場合自然寛解するものであることに留意すること。
<川崎病の急性期>
5.4 発病後7日以内に投与を開始することが望ましい。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
ポリグロビンN(5%製剤:バイエル薬品株式会社)の臨床試験の成績によると低又は無ガンマグロブリン血症患者に81~469mg/kgを静脈内投与した場合、半減期は平均28.6日である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
非経口用生ワクチン
麻疹ワクチン
おたふくかぜワクチン
風疹ワクチン
これら混合ワクチン
水痘ワクチン
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3カ月以上延期すること。また、生ワクチン接種後14日以内に本剤を投与した場合は、投与後3カ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましい。なお、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、川崎病に対する大量療法(200mg/kg以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6カ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11カ月以上)延期すること。本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現頻度は、使用成績調査を含んでいる。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(0.1~5%未満)
呼吸困難、頻脈、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 肝機能障害、黄疸(0.1~5%未満)
AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.1.3 無菌性髄膜炎(頻度不明)
大量投与により無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがある。
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.2.1、9.2.2参照]
11.1.5 血小板減少(頻度不明)
11.1.6 血栓塞栓症(頻度不明)
大量投与例で、血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがある。中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.3、9.1.4、9.8参照]
11.1.7 心不全(頻度不明)
主として川崎病への大量投与例で、循環血液量過多により心不全を発症又は悪化させることがある。呼吸困難、心雑音、心機能低下、浮腫、尿量減少等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現頻度は、使用成績調査を含んでいる。

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒蕁麻疹
循環器徐脈
血液好中球減少、好酸球増多溶血性貧血白血球減少
消化器嘔気嘔吐
その他発熱、頭痛体温低下
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