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ダラザレックス点滴静注100mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 多発性骨髄腫

用法・用量

  • 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはダラツムマブ(遺伝子組換え)として、1回16mg/kgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、以下のA法又はB法の投与間隔で点滴静注する。なお、初回は分割投与(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として、1回8mg/kgを1日目及び2日目に投与)することもできる。
    • A法

      • 1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
    • B法

      • 1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 慢性閉塞性肺疾患若しくは気管支喘息のある患者又はそれらの既往歴のある患者
本剤の投与後処置として気管支拡張剤及び吸入ステロイド剤の投与を考慮すること。本剤投与後に遅発性を含む気管支痙攣の発現リスクが高くなるおそれがある。
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗体陽性の患者
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[8.4、11.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。男性の受胎能に対する影響は検討されておらず不明である。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では一般に生理機能が低下している。臨床試験において、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者のうち65歳未満と比較して65歳以上で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎、敗血症であった。造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者において、75歳未満と比較して75歳以上で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎であった。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]
8.2 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験結果が偽陽性となる可能性がある。当該干渉は本剤最終投与より6ヵ月後まで持続する可能性がある。このため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査の実施をすること。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること。[12.1参照]
8.3 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4参照]
8.4 本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2、11.1.3参照]
8.5 本剤の使用にあたっては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)配合皮下注製剤との取り違えに注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤が無色から黄色であることを確認する。不透明粒子や変色又は異物が認められた場合は使用しないこと。
14.1.2 無菌環境下において、日局生理食塩液の点滴バッグ又は容器より、追加する本剤と同量抜き取る。
14.1.3 本剤を必要量抜き取り、日局生理食塩液の点滴バッグ及び容器に本剤を加える。ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン混合製又はエチレンビニルアセテートの点滴バッグ及び容器を用いること。希釈は無菌環境下で行うこと。未使用残液については適切に廃棄すること。
14.1.4 穏やかに混和し、振盪又は凍結させないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤投与前に粒子や変色の有無を目視で確認すること。本剤はタンパク質であるため、本剤の希釈液は半透明又は白色の粒子が認められる可能性がある。不透明粒子や変色又は異物が認められた場合は使用しないこと。
14.2.2 本剤は保存剤を含んでいないため、室内光下にて室温のもと、本剤の希釈液は投与時間も含め15時間以内に投与すること。
14.2.3 希釈後直ちに投与しない場合は、遮光下にて2℃~8℃で24時間保管することができる。冷凍しないこと。
14.2.4 本剤の希釈液を投与する際は、パイロジェンフリー(エンドトキシンフリー)で蛋白結合性の低いポリエーテルスルホン、ポリスルホン製のインラインフィルター(ポアサイズ0.22μm又は0.2μm)を用いて投与すること。また、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン又はポリエチレン製で輸液ポンプを備えた投与セットを用いること。
14.2.5 他の薬剤と同じ静注ラインにて同時注入は行わないこと。
14.2.6 再利用のために、未使用残液を保管しないこと。未使用残液については適切に廃棄すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること。
7.3 ボルテゾミブ及びデキサメタゾン併用、又はボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン併用の場合、併用投与終了後も本剤単独投与を継続すること。
7.4 カルフィルゾミブ及びデキサメタゾン併用の場合、初回は本剤を分割投与すること。
7.5 本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始1~3時間前に副腎皮質ホルモン、解熱鎮痛剤及び抗ヒスタミン剤を投与すること。また、遅発性のinfusion reactionを軽減させるために、必要に応じて本剤投与後に副腎皮質ホルモン等を投与すること。[11.1.1参照]
7.6 本剤は生理食塩液を用いて希釈後の総量を1,000mLとし、50mL/時の投与速度で点滴静注を開始する。Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら希釈後の総量及び投与速度を以下のように変更することができる。ただし、投与速度の上限は200mL/時とする。
本剤の希釈後の総量及び投与速度
投与時期希釈後の総量投与開始からの投与速度(mL/時)
0~1時間1~2時間2~3時間3時間以降
初回投与1,000mL注150100150200
2回目投与
(分割投与を選択した場合は3回目投与)
500mL注2
3回目投与以降
(分割投与を選択した場合は4回目投与以降)
500mL100注3150200
注1:分割投与を選択した場合、本剤8mg/kgを希釈後の総量として500mLに調製し、1日目と2日目にそれぞれ投与すること。また、カルフィルゾミブ及びデキサメタゾン併用においては、初回の分割投与により、infusion reactionが認められた場合は、infusion reactionが認められなくなるまで3回目以降も分割投与を継続すること。注2:初回投与開始時から3時間以内にinfusion reactionが認められなかった場合、500mLとすることができる。注3:初回及び2回目(分割投与した場合は3回目)投与時に最終速度が100mL/時以上でinfusion reactionが認められなかった場合、100mL/時から開始することができる。
7.7 Infusion reactionが発現した場合、以下のように、本剤の投与中断、中止、投与速度の変更等、適切な処置を行うこと。なお、GradeはNCI-CTCAE v4.0に準じる。[11.1.1参照]
・Grade 1~3
本剤の投与を中断すること。Infusion reactionが回復した場合には、infusion reaction発現時の半分以下の投与速度で投与を再開することができる。Infusion reactionの再発が認められなかった場合は、上記の表「本剤の希釈後の総量及び投与速度」を参照し、投与速度を変更することができる。ただし、Grade 3のinfusion reactionが3回発現した場合は本剤の投与を中止すること。
・Grade 4
本剤の投与を中止すること。

5.効能又は効果に関連する注意

「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 MMY1002試験(国内試験、単剤療法注)
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者9例に、本剤8注)又は16mg/kgを初回投与し、21日間ウォッシュアウト後、第22日から1週間隔で6週にわたり反復投与(合計7回)した。本剤16mg/kg群の平均血清中濃度は、初回投与終了時に321μg/mL、1週間隔での最終(7回目)投与前に601μg/mL、投与終了時に1094μg/mLであった。
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に本剤を初回投与したときの血清中ダラツムマブ(遺伝子組換え)濃度推移(平均値±標準偏差、片対数プロット)
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者における本剤初回投与時及び1週間隔での最終(7回目、第57日)投与時の薬物動態パラメータ
第1日8mg/kg注)(N=4)16mg/kg(N=5)
Cmax(μg/mL)140(52)321(73)
AUCinf(h・μg/mL)13370(4547)122203(143037)
AUC0-7day(h・μg/mL)10156(2989)28897(6903)
T1/2(h)68(15)407(515)
V(mL/kg)65(26)72(18)
第57日8mg/kg注)(N=3)16mg/kg(N=3)
Ctrough(μg/mL)138(11)601(236)
Cmax(μg/mL)3501094(399)
AUC0-7day(h・μg/mL)36753125836(37082)
平均(標準偏差)N=2
注)承認用量は16mg/kg(併用療法)である。
16.1.2 MMY3007試験(国際共同試験、ボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン又はprednisoneとの併用療法)
未治療の多発性骨髄腫患者329例(うち日本人11例)に、本剤16mg/kgをボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン又はprednisoneとの併用療法にて1週間隔で6週、続いて3週間隔で48週、それ以降は4週間隔で反復投与した。平均血清中濃度は、初回投与終了時に267μg/mL、3週間隔での3回目投与の投与前に274μg/mL、投与終了時に596μg/mL、3週間隔での9回目投与の投与前に296μg/mL、投与終了時に636μg/mLであった。
:国内未承認
16.1.3 MMY3003試験(国際共同試験、レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用療法)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者283例(うち日本人20例)に、本剤16mg/kgをレナリドミド及びデキサメタゾンとの併用療法にて1週間隔で8週、続いて2週間隔で16週、それ以降は4週間隔で反復投与した。平均血清中濃度は、初回投与終了時に329μg/mL、1週間隔での最終(8回目)投与から1週間後(2週間隔投与への移行日)の投与前に608μg/mL、投与終了時に972μg/mL、4週間隔投与への移行から約5ヵ月後に255μg/mLであった。
16.1.4 MMY3004試験(海外試験、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者243例に、本剤16mg/kgをボルテゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法にて1週間隔で9週、続いて3週間隔で15週、それ以降は4週間隔で反復投与した。平均血清中濃度は、初回投与終了時に318μg/mL、1週間隔での7回目投与の投与前に502μg/mL、投与終了時に860μg/mL、3週間隔での最終投与から3週間後(4週間隔投与への移行日)の投与前に371μg/mL、4週間隔投与への移行から約3ヵ月後に289μg/mLであった。
16.1.5 MMY1001試験(海外試験、カルフィルゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者75例に、本剤16mg/kgをカルフィルゾミブ及びデキサメタゾンとの併用療法にて1週間隔で8週、続いて2週間隔で16週、それ以降は4週間隔で反復投与し、初回のみ分割投与(本剤8mg/kgを1日目及び2日目に投与)した。平均血清中濃度は、1日目投与終了時に156μg/mL、2日目投与前に113μg/mL、投与終了時に255μg/mL、1週間隔での最終投与から1週間後(2週間隔投与への移行日)の投与前に619μg/mL、投与終了時に951μg/mLであった。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction
アナフィラキシー、鼻閉、咳嗽、悪寒、眼障害(脈絡膜滲出、急性近視、急性閉塞隅角緑内障等)、気管支痙攣、低酸素症、呼吸困難等のinfusion reaction(46.4%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められている。異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重度のinfusion reactionが認められた場合、本剤の投与中止等の適切な処置を行うこと。[7.5、7.7参照]
11.1.2 骨髄抑制
血小板減少(17.6%)、好中球減少(16.1%)、リンパ球減少(7.0%)及び発熱性好中球減少症(1.0%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 感染症
肺炎(6.9%)や敗血症(1.3%)等の重篤な感染症や、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.4、9.1.2参照]
11.1.4 腫瘍崩壊症候群(0.3%)
異常が認められた場合には適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.3参照]
11.1.5 間質性肺疾患(0.5%)
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満5%以上5%未満
感染症及び寄生虫症上気道感染気管支炎、インフルエンザ、尿路感染、サイトメガロウイルス感染
血液及びリンパ系障害貧血白血球減少
免疫系障害低γグロブリン血症
代謝及び栄養障害食欲減退、低カルシウム血症、脱水、高血糖
神経系障害頭痛、末梢性感覚ニューロパチー、錯感覚、失神
心臓障害心房細動
血管障害高血圧
精神障害不眠症
呼吸器、胸郭及び縦隔障害呼吸困難咳嗽肺水腫
胃腸障害悪心、下痢、嘔吐便秘
筋骨格系及び結合組織障害筋痙縮、背部痛
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労発熱、悪寒無力症、末梢性浮腫
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