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フエロン注射用100万、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○膠芽腫,髄芽腫,星細胞腫,
  • ○皮膚悪性黒色腫,
  • ○HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善,
  • ○C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善,
  • ○リバビリンとの併用による以下のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善,

    • (1)血中HCV-RNA量が高値の患者
    • (2)インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
  • ○C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)

用法・用量

  • <膠芽腫,髄芽腫,星細胞腫>

    • 局所投与

      • 添付溶解液の適量に溶解し,通常,成人は1日100万~600万国際単位を髄腔内(腫瘍内を含む)に投与する。なお年齢,症状により適宜増減する。
    • 点滴静注

      • 生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し,通常,成人は1日100万~600万国際単位を点滴静注する。なお年齢,症状により適宜増減する。
  • <皮膚悪性黒色腫>

    • 添付溶解液の適量に溶解し,通常,成人は病巣あたり1日1回40万~80万国際単位を腫瘍内又はその周辺部に投与する。
      1日総投与量は100万~300万国際単位とする。なお腫瘍の大きさ,状態および年齢,症状により適宜増減する。
  • <HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善>

    • 静脈内投与又は点滴静注

      • 生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し,通常,成人は1回300万国際単位を初日1回,以後6日間1日1~2回,2週目より1日1回静脈内投与又は点滴静注する。
  • <C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>

    • 静脈内投与又は点滴静注

      • 使用にあたっては,HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。
        生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し,通常,成人は1回300万~600万国際単位を1日1回連日静脈内投与又は点滴静注する。
  • <リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>

    • 静脈内投与又は点滴静注

      • 使用にあたっては,HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。
        生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し,通常,成人は1日600万国際単位で投与を開始し,投与後4週間までは連日,以後週3回静脈内投与又は点滴静注する。
  • <C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)>

    • 静脈内投与又は点滴静注

      • 使用にあたっては,HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。
        生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し,通常,成人は1日600万国際単位で投与を開始し,投与後6週間までは1日300万~600万国際単位を連日,以後1日300万国際単位を週3回静脈内投与又は点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与により間質性肺炎,自殺企図があらわれることがあるので,患者に対し副作用発現の可能性について十分説明すること。[11.1.1、11.1.2、11.1.24、11.1.26参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が増悪するおそれがある。][9.1.7参照]
  • 2.2 小柴胡湯を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.3 本剤の成分及びウシ由来物質に対し,過敏症の既往歴のある患者
  • 2.4 ワクチン等生物学的製剤に対し,過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 アレルギー素因のある患者
9.1.3 心疾患又はその既往歴のある患者
心疾患が悪化するおそれがある。
9.1.4 高血圧症を有する患者
脳出血がみられたとの報告がある。
9.1.5 高度の白血球減少又は血小板減少のある患者
白血球減少又は血小板減少が悪化するおそれがある。
9.1.6 精神神経障害又はその既往歴のある患者
精神神経障害が悪化するおそれがある。
9.1.7 自己免疫疾患(ただし自己免疫性肝炎を除く)又はその素因のある患者
自己免疫疾患が悪化するおそれがある。[2.1参照]
9.1.8 糖尿病又はその既往歴,家族歴のある患者,耐糖能障害のある患者
糖尿病が増悪又は発症しやすい。
9.1.9 喘息又はその既往歴のある患者
喘息が増悪又は再発することがある。
9.1.10 間質性肺炎の既往歴のある患者
間質性肺炎が増悪又は再発することがある。[8.7参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
腎障害が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
肝障害が悪化するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
<リバビリンとの併用の場合>
9.4.1 リバビリンの添付文書「1.警告」の避妊に関する注意について,その指示を徹底すること。
9.5 妊婦
<本剤単独の場合>
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
<リバビリンとの併用の場合>
9.5.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性にはリバビリンを併用しないこと。リバビリンの動物実験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎児致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている。
9.6 授乳婦
<リバビリンとの併用の場合>
9.6.1 授乳を避けさせること。リバビリンの動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
用量に注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 本剤の投与中は血液学的検査(白血球,血小板等,投与初期では2~3日に1回),肝機能検査(AST,ALT等),尿検査(蛋白尿)及び腎機能検査を定期的に行い,治療の継続が困難と認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。[11.1.7、11.1.8、11.1.18、11.1.19、11.1.20、11.1.22、11.1.29、11.1.33参照]
8.2 糖尿病が増悪又は発症することがあり,昏睡に至ることがあるので,定期的に検査(血糖値,尿糖等)を行うこと。[11.1.3、11.1.30参照]
8.3 溶血性尿毒症症候群(血小板減少,溶血性貧血,腎不全を主徴とする)があらわれることがあるので,定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板,赤血球,末梢血液像等)を行うこと。[11.1.9、11.1.28参照]
8.4 網膜症があらわれることがあるので,網膜出血,軟性白斑及び糖尿病網膜症の増悪に注意し,定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行うこと。視力低下,視野中の暗点が認められた場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導すること。[11.1.14、11.1.32参照]
8.5 過敏症等の反応を予測するため,使用に際しては十分な問診を行うとともに,あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。
8.6 本剤の投与初期において,一般に発熱がみられる。その程度は個人差が著しいが高熱を呈する場合もあるので,発熱に対してあらかじめ十分配慮すること。
8.7 間質性肺炎の既往歴のある患者に使用するにあたっては,定期的に聴診,胸部X線等の検査を行うなど,十分に注意すること。[9.1.10参照]
8.8 間質性肺炎があらわれることがあるので,咳嗽,呼吸困難等があらわれた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与えること。[11.1.1、11.1.26参照]
8.9 本剤の投与にあたっては,抑うつ,自殺企図をはじめ,躁状態,攻撃的行動,不眠,不安,焦燥,興奮,攻撃性,易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ,これらの症状があらわれた場合には直ちに連絡するよう注意を与えること。[11.1.2、11.1.24参照]
8.10 間歇投与又は投与を一時中止し,再投与する場合は,慎重に投与すること。
<HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善>
8.11 本剤の使用にあたっては,初日300万国際単位を1回のみ投与し,発熱等患者の状態を十分観察すること。
<C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>
8.12 本剤の使用にあたっては,初日300万~600万国際単位を1回投与し,発熱等患者の状態を十分観察すること。
<リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>
8.13 C型慢性肝炎で本剤をリバビリンと併用する場合,本剤単独投与で認められている副作用があらわれる可能性があるので,十分注意すること。
8.14 本剤の使用にあたっては,初日600万国際単位を1回投与し,発熱等患者の状態を十分観察すること。
8.15 ヘモグロビン濃度,白血球数,好中球数及び血小板数の検査を投与開始後1週間は2~3日に1回,以後投与開始後4週間までは毎週,その後は4週間に1回程度を目安として,投与間隔に応じた頻度で実施すること。本剤をリバビリンと併用する場合,投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満あるいは好中球数が2,000/mm3未満の患者で,減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている。
8.16 甲状腺機能検査は12週間に1回実施すること。
<C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)>
8.17 本剤の使用にあたっては,初日600万国際単位を1回投与し,発熱等患者の状態を十分観察すること。
8.18 本剤の投与初期から白血球減少,好中球減少,血小板減少等があらわれるおそれがあるので,投与開始から2週間は入院して管理することが望ましい。
8.19 臨床検査値の異常が多く発現しているので十分配慮し,血液学的検査は投与開始2週間は少なくとも2~3日に1回,以後連日投与では毎週,週3回投与では4週間に1回程度,肝機能検査及び尿検査は連日投与では毎週,週3回投与では4週間に1回程度を目安として,投与間隔に応じた頻度で実施すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 調製方法
用時調製し,溶解後は速やかに使用すること。
14.1.2 アンプルカット時
添付溶解液の容器はワンポイントカットアンプルである。カット時には異物混入を避けるため,カット部分をエタノール綿等で清拭してから,アンプル枝部のワンポイントマークの反対方向へ折ること。その際,カット部分で手指を傷つけないよう十分に注意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 静脈内投与時
静脈内投与する場合は,例えば,生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液1~20mLに溶解し投与する。
14.2.2 点滴静注時
点滴静注の場合は,例えば,生理食塩液100~250mL,又は5%ブドウ糖注射液100~500mLに溶解し投与する。
14.2.3 局所投与時
局所疼痛の強い場合には,局所麻酔剤に溶解し投与することが可能である。例えば0.5~1%プロカイン塩酸塩注射液1~3mLに溶解し投与する。ただし,リドカイン注射液等は配合不可である。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤を長期投与する場合には,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,投与を行い,効果が認められない場合には投与を中止すること。
<膠芽腫,髄芽腫,星細胞腫>
7.2 2カ月間の投与を目安とし,その後の継続投与については,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,慎重に行うこと。
<皮膚悪性黒色腫>
7.3 1カ月間の投与を目安とし,その後の継続投与については,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,慎重に行うこと。
<HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善>
7.4 4週間の投与を目安とし,その後の継続投与については,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,慎重に行うこと。
<C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>
7.5 ウイルス量,セログループ,ジェノタイプ等により有効性が異なるので,用法・用量を選ぶこと。
7.6 投与期間は,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,慎重に決定する。なお,総投与量として25,200万国際単位投与しても効果が認められない場合には投与を中止すること。
<リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>
7.7 通常,成人には下記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。本剤の投与に際しては,患者の状態を考慮し,減量,中止等の適切な処置を行うこと。
患者の体重リバビリンの投与量
1日の投与量朝食後夕食後
60kg以下600mg200mg400mg
60kgを超え80kg以下800mg400mg400mg
80kgを超える1,000mg400mg600mg
7.8 本剤の使用にあたっては,ヘモグロビン濃度が12g/dL以上であることが望ましい。
7.9 本剤及びリバビリンの投与期間は,臨床効果(HCV-RNA,ALT等)及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定すること。特に白血球数,好中球数,血小板数,ヘモグロビン濃度の変動に注意し,異常が認められた場合には,用量の変更あるいは投与の中止について考慮すること。
HCVセログループ1で血中HCV-RNA量が高値の患者における通常の投与期間は48週間である。それ以外の患者における通常の投与期間は24週間である。[17.1.5、17.1.6参照]
7.10 ヘモグロビン濃度,白血球数,好中球数及び血小板数の減少が認められた場合には,下記を参考に本剤及びリバビリンの用量の変更あるいは投与の中止について考慮すること。
・ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往歴のない患者)
ヘモグロビン濃度リバビリン本剤
10g/dL未満減量
(600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日)
用量変更なし
8.5g/dL未満中止中止
・ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往歴のある患者)
ヘモグロビン濃度リバビリン本剤
10g/dL未満
又は
投与中,投与前値に比べて2g/dL以上の低下が4週間持続
減量
(600mg/日→400mg/日
800mg/日→600mg/日
1,000mg/日→600mg/日)
用量変更なし
8.5g/dL未満
又は
減量後,4週間経過しても12g/dL未満
中止中止
・白血球数,好中球数及び血小板数
検査項目数値リバビリン本剤
白血球数1,500/mm3未満用量変更なし半量に減量
好中球数750/mm3未満
血小板数50,000/mm3未満
白血球数1,000/mm3未満中止中止
好中球数500/mm3未満
血小板数25,000/mm3未満
7.11 48週(総投与量として93,600万国際単位)を超えて投与した場合の有効性,安全性は確立していない。[17.1.6参照]
<C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)>
7.12 ウイルス量,セログループ,ジェノタイプ等により有効性が異なるので,適切な用法・用量を選ぶこと。
7.13 投与期間は,臨床効果及び副作用の程度を考慮し,慎重に決定する。通常,成人は1日600万国際単位を1週間,以後1日300万国際単位を5週間連日,7週目より1日300万国際単位を週3回静脈内投与又は点滴静注し,投与期間は34~36週間(総投与量として39,900万国際単位)とする。[17.1.7参照]
7.14
白血球数,好中球数,血小板数の減少がみられた場合には,下表を参考に用量の変更,投与間隔の延長及び投与の中止について考慮すること。また,本剤の投与により蛋白尿や血清アルブミン低下があらわれるおそれがあるので,臨床検査値の異常に注意のうえ適宜減量を考慮すること。
減量又は投与間隔の延長中止
白血球数1,500/mm3未満1,000/mm3未満
好中球数750/mm3未満500/mm3未満
血小板数50,000/mm3未満25,000/mm3未満
投与の再開,変更後の用量の増量及び投与間隔の短縮に際しては,白血球数,好中球数,血小板数が上表の値に回復していることを確認すること。

5.効能又は効果に関連する注意

<リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善>
5.1 本剤の使用にあたっては,HCV-RNAが陽性であること,及び組織像又は肝予備能,血小板数等により,慢性肝炎であることを確認すること。ウイルス量,セログループ,ジェノタイプ等により有効性が異なるので,適切な症例を選ぶこと。
5.2 血中HCV-RNA量が高値のC型慢性肝炎に本剤を用いる場合,血中HCV-RNA量がアンプリコア法で100KIU/mL以上であること,又はリアルタイムPCR法で5.0LogIU/mL以上であることを確認すること。
<C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)>
5.3 本剤の使用にあたっては,HCV-RNAが陽性であること,及び組織像又は肝予備能,血小板数等により,代償性肝硬変であることを確認すること。ウイルス量,セログループ,ジェノタイプ等により有効性が異なるので,適切な症例を選ぶこと。
5.4 HCVセログループ1の場合には,血中HCV-RNA量がアンプリコア法では100KIU/mL以上でないこと,又はbDNAプローブ法では1Meq/mL以上でないことを確認すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 点滴静脈内投与
腫瘍患者に,本剤3×106IU及び6×106IUを点滴静注(1時間)したとき,点滴終了直後にそれぞれ40IU/mL,96IU/mLの血清中濃度が検出され用量依存性がみられた。以後二相性で指数関数的に減少し初期相半減期は15~43分であり,後期相半減期は5.7~18.1時間であった。
また,本剤3×106IU/日を2カ月間点滴静注(1時間)したが,投与後の血中濃度は初回投与時と同様に推移し,蓄積傾向は認められなかった。
16.1.2 静脈内投与
健康成人に本剤3×106IUを静脈内投与したとき,投与終了直後に血清中濃度は最高値67IU/mLを示した。その後速やかに低下し,投与開始後45分以降は検出限界以下となった。
16.1.3 髄腔内投与
脳腫瘍患者に本剤3×106IUを髄腔内に投与したとき,髄液中には12時間後約103IU/mL,48時間後にも約102IU/mLの力価が認められ,また血清中にもわずかに検出された。
16.3 分布
ラット,マウスに静脈内投与後,15~30分で体内臓器濃度は最高に達し,3時間後にはほとんど消失した。脾臓,肝臓及び腎臓に高い活性の分布が認められたが,これらは血中濃度を越えなかった。マウスにおける皮下投与では臓器・組織への分布はほとんど認められなかった。
16.5 排泄
悪性黒色腫患者に本剤3~6×106IUを点滴静注(1時間)し,尿中排泄をみたが活性は全く検出されなかった。
ラットで尿中への活性物質の排泄を力価で追跡したが認められなかった。しかし14C-インターフェロン-βを使用した実験では72時間までに投与量の72.9%が尿中に排泄された。胆汁中排泄は少なかった。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
小柴胡湯
[2.2参照]
間質性肺炎があらわれるおそれがある。なお,類薬(インターフェロン アルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎があらわれたとの報告がある。機序は不明である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンワルファリンの作用を増強することがあるので用量を調節するなど注意すること。機序は不明である。
テオフィリンテオフィリンの血中濃度を高めるおそれがある。インターフェロン-βは肝薬物代謝酵素活性を抑制するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<本剤単独の場合>
11.1.1 間質性肺炎(0.1%未満)
発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には,速やかに胸部X線等の検査を実施し,本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.,8.8参照]
11.1.2 重篤なうつ状態(0.1%未満),自殺企図(0.1%未満),躁状態(0.1%未満),攻撃的行動(頻度不明)
抑うつ,自殺企図があらわれることがある。また,躁状態,攻撃的行動があらわれ,他害行為に至ることがある。不眠,不安,焦燥,興奮,攻撃性,易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど,投与継続の可否について慎重に検討すること。また,これらの症状が認められた場合には,投与終了後も観察を継続することが望ましい。[1.,8.9参照]
11.1.3 糖尿病(1型及び2型)(0.1~5%未満)[8.2参照]
11.1.4 自己免疫現象によると思われる症状・徴候
甲状腺機能異常(0.1~5%未満),溶血性貧血(0.1%未満),1型糖尿病の増悪又は発症(0.1%未満)等があらわれることがある。
11.1.5 ショック(0.1%未満)
11.1.6 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)
11.1.7 重篤な肝障害(0.1~5%未満)
黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う肝障害があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.8 急性腎障害(0.1%未満)[8.1参照]
11.1.9 溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明)[8.3参照]
11.1.10 脳出血(頻度不明),消化管出血(0.1%未満),球後出血(頻度不明)
11.1.11 脳梗塞(0.1%未満)
11.1.12 心不全(頻度不明),狭心症(頻度不明),心筋梗塞(0.1%未満)
11.1.13 敗血症(0.1%未満)
易感染性となり,敗血症があらわれることがある。
11.1.14 網膜症(0.1%未満)[8.4参照]
11.1.15 痙攣(頻度不明)
痙攣(全身発作,部分発作)があらわれることがあり,また意識障害を伴うことがある。
11.1.16 認知症様症状(特に高齢者)(頻度不明)
11.1.17 麻痺(0.1%未満)
11.1.18 汎血球減少(0.1~5%未満),白血球減少(2,000/mm3未満)(0.1~5%未満),顆粒球減少(1,000/mm3未満)(5%以上),血小板減少(50,000/mm3未満)(0.1~5%未満)[8.1参照]
11.1.19 ネフローゼ症候群(0.1%未満)
血清総蛋白減少,血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがある。[8.1参照]
注1)発現頻度は製造販売後調査を含む。
<リバビリンとの併用の場合>
11.1.20 貧血注)
赤血球減少(250万/mm3未満)(5%未満),ヘモグロビン減少(8g/dL未満)(5%未満),ヘモグロビン減少(8以上9.5g/dL未満)(5%以上),ヘモグロビン減少(9.5以上11g/dL未満)(5%以上)があらわれることがある。[8.1参照]
注)貧血は主に溶血性貧血
11.1.21 自己免疫現象によると思われる症状・徴候
甲状腺機能異常(5%以上)等があらわれることがある。
11.1.22 重篤な肝障害(5%未満)
著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う肝障害があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.23 脳梗塞(5%未満)
11.1.24 重篤なうつ状態(頻度不明),自殺企図(頻度不明),躁状態(頻度不明),攻撃的行動(頻度不明)
抑うつ,自殺企図があらわれることがある。また,躁状態,攻撃的行動があらわれ,他害行為に至ることがある。不眠,不安,焦燥,興奮,攻撃性,易刺激性等があらわれた場合には投与を中止するなど,投与継続の可否について慎重に検討すること。また,これらの症状が認められた場合には,投与終了後も観察を継続することが望ましい。[1.,8.9参照]
11.1.25 せん妄(頻度不明),幻覚(頻度不明)
11.1.26 間質性肺炎(頻度不明)
発熱,咳嗽,呼吸困難等の呼吸器症状,また,胸部X線異常があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.,8.8参照]
11.1.27 心不全(頻度不明)
11.1.28 溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明)[8.3参照]
11.1.29 ネフローゼ症候群(頻度不明)
血清総蛋白減少,血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがある。[8.1参照]
11.1.30 糖尿病(1型及び2型)(頻度不明)[8.2参照]
11.1.31 敗血症(頻度不明)
易感染性となり,敗血症があらわれることがある。
11.1.32 網膜症(頻度不明)[8.4参照]
11.1.33 白血球減少(2,000/mm3未満)(5%以上),顆粒球減少(1,000/mm3未満)(5%以上),血小板減少(50,000/mm3未満)(5%未満)[8.1参照]
注5)発現頻度は製造販売後臨床試験を含む。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<本剤単独の場合>
11.2.1

5%以上0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
全身症状発熱(72.3%)注2),悪寒(18.2%),全身倦怠感(20.4%)かぜ症候群
過敏症発疹,そう痒感,蕁麻疹
血液白血球減少(18.1%),血小板減少(18.7%),顆粒球減少,白血球分画異常,貧血好酸球増多,出血傾向
肝臓AST上昇,ALT上昇Al-P上昇,LDH上昇,総ビリルビン上昇,γ-GTP上昇黄疸
腎臓蛋白尿(13.5%)BUN上昇,クレアチニン上昇,血尿,膀胱炎尿閉
精神神経系頭痛・頭重(19.6%)抑うつ,痙攣,意識障害,傾眠,不安,不眠,焦燥,めまい,知覚異常,手足のしびれ,振戦躁状態,興奮,健忘,失語,幻覚・妄想,無気力,歩行困難構語障害
循環器血圧上昇,不整脈,動悸,四肢冷感,潮紅血圧低下,チアノーゼ心筋症,心電図異常
呼吸器咳嗽,上気道炎,呼吸困難肺炎,嗄声
消化器食欲不振(12.7%),悪心・嘔吐下痢,腹痛,消化不良,便秘,腹部膨満感,口内・口唇炎,口渇,歯周炎,歯痛,味覚異常胃潰瘍,胃炎潰瘍性大腸炎
皮膚湿疹,脱毛,発汗,ざ瘡丘疹乾癬悪化,白斑注3)
眼底出血等の網膜の微小循環障害注4),眼痛,視力異常,眼球充血,結膜下出血,眼の異和感
注射部位疼痛,発赤,熱感,腫脹色素沈着潰瘍注3)
その他関節痛(10.8%),血清アルブミン低下耳鳴,筋肉痛,肩こり等の緊張亢進,腰痛,浮腫,胸部圧迫感,疼痛,咽頭炎,疲労,脱力感,単純疱疹,血清総蛋白減少,トリグリセライド上昇,血清コレステロール上昇,血中コレステロール低下,血糖上昇難聴,易感染性,帯状疱疹,腹水,体重減少,嗅覚錯誤,蜂窩織炎,筋痙直,関節炎,月経異常,膿瘍,リンパ節症,血清カリウム上昇,血清アミラーゼ上昇手指関節拘縮,ヘモグロビンA1C上昇

注1)発現頻度は製造販売後調査を含む。
注2)発熱に対しては解熱剤の投与等適切な処置を行うこと。
注3)皮膚悪性黒色腫への局所投与時に認められた副作用。
注4)飛蚊視,視力低下感等を伴うことがある。

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<リバビリンとの併用の場合>
11.2.2

5%以上5%未満頻度不明
全身症状発熱(98.3%)注6),悪寒(82.2%),全身倦怠感(88.5%),かぜ症候群インフルエンザ様症状
過敏症発疹,そう痒感蕁麻疹
血液白血球減少(75.3%),血小板減少(62.1%),顆粒球減少(81.6%),白血球分画異常(96.6%),赤血球減少(70.7%),ヘモグロビン減少(76.4%),ヘマトクリット減少(71.3%),網状赤血球減少,網状赤血球増多(75.9%),好酸球増多,好中球増多,血小板増多出血傾向,白血球増多
肝臓AST上昇,ALT上昇,Al-P上昇,LDH上昇,総ビリルビン上昇,γ-GTP上昇
腎臓蛋白尿(50.6%),BUN上昇,血尿クレアチニン上昇,膀胱炎,頻尿,排尿障害
精神神経系頭痛・頭重(80.5%),不眠,めまい,抑うつ,焦燥,手足のしびれ,不安意識障害,傾眠,知覚異常,振戦,無気力,歩行困難,健忘,異常感,感情不安定,耳閉,注意力障害妄想,怒り
循環器血圧上昇,動悸,潮紅,四肢冷感不整脈,血圧低下
呼吸器咳嗽,上気道炎,呼吸困難,鼻出血肺炎,鼻漏,血痰,嗄声,鼻炎,気管支炎,鼻閉
消化器食欲不振(59.2%),悪心・嘔吐,下痢,腹痛,消化不良,便秘,口内・口唇炎,味覚異常腹部膨満感,口渇,歯周・歯髄・歯肉炎,歯痛,胃炎,歯の異常,排便障害,腸炎,舌炎,痔核,おくび,鼓腸放屁,腸管機能異常膵炎
皮膚湿疹,脱毛ざ瘡,発汗,皮膚乾燥,白癬,紅斑,紫斑,脂漏,爪の異常,過角化,皮膚潰瘍,毛質異常,落屑丘疹
眼底出血等の網膜の微小循環障害注7)眼痛,視力異常,結膜下出血,眼球充血,結膜炎,眼の異和感,眼そう痒症,眼精疲労,硝子体浮遊物,羞明,視覚異常,視野欠損,麦粒腫
注射部位発赤疼痛,熱感,腫脹,色素沈着,そう痒,出血
その他節痛(58.0%),筋肉痛,肩こり等の緊張亢進,背部・腰部痛,浮腫,胸部圧迫感,疼痛,咽頭炎,体重減少,尿糖,血清アルブミン低下(54.0%),血清総蛋白減少,血清コレステロール上昇,血中コレステロール低下,血中尿酸上昇,血清カルシウム低下,血清無機リン低下,CRP上昇疲労,脱力感,難聴,単純疱疹,帯状疱疹,蜂窩織炎,筋痙直,手指関節拘縮,耳鳴,冷汗,不正出血,神経痛,頚部痛,易感染性,花粉症,外耳炎,耳痛,中耳炎,前立腺炎,嗅覚異常,四肢不快感,サルコイドーシス,トリグリセライド上昇,血清アミラーゼ上昇,血糖上昇CK上昇,血清カリウム上昇,ヘモグロビンA1C上昇

注5)発現頻度は製造販売後臨床試験を含む。
注6)発熱に対しては解熱剤の投与等適切な処置を行うこと。
注7)飛蚊視,視力低下感等を伴うことがある。

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