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シムツーザ配合錠

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、1回1錠(ダルナビルとして800mg、コビシスタットとして150mg、エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル アラフェナミドとして10mgを含有)を1日1回食事中又は食直後に経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.3参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 リファンピシン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、トリアゾラム、ミダゾラム、ピモジド、シンバスタチン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、バルデナフィル、シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、ブロナンセリン、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、ルラシドン、ロミタピド、フィネレノン、イバブラジン、ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)、イサブコナゾニウム硫酸塩、グラゾプレビル、リバーロキサバン、チカグレロルを投与中の患者[10.1参照]
  • 2.3 腎機能あるいは肝機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者[9.2.1、9.3.1、10.2参照]
  • 2.4 低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児[9.7.1、15.2.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者
HIVプロテアーゼ阻害剤で治療中の血友病患者において、皮膚血腫及び出血性関節症等の出血事象の増加が報告されている。
9.1.2 スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者
交叉過敏症があらわれる可能性がある。ダルナビルはスルホンアミド基を有する。
9.1.3 B型肝炎ウイルス(HBV)感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある。[1.参照]
9.1.4 腎機能障害のリスクを有する患者
クレアチニンクリアランス及び血清リンの検査を実施すること。[8.3参照]
9.1.5 病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤の非臨床試験及び臨床試験において、骨密度の低下と骨代謝の生化学マーカーの上昇が認められ、骨代謝の亢進が示唆された。また、抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者に対し、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤が投与された臨床試験において、骨密度が低下した症例が認められた。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。[2.3、10.2参照]
9.2.2 重度の腎機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
エムトリシタビンの血中濃度が上昇する[16.6.3参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。[2.3、10.2参照]
9.3.2 肝機能障害患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、悪化が認められた場合には休薬又は投与中止を考慮すること。ダルナビル及びコビシスタットは主に肝臓で代謝され、肝障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。[16.6.2参照]
9.3.3 慢性活動性のB型及び/又はC型肝炎患者等投与前に肝機能異常が認められる患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
定期的に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、悪化が認められた場合には休薬又は投与中止を考慮すること。ダルナビル及びコビシスタットは主に肝臓で代謝され、肝障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。また、肝機能をさらに悪化させる可能性がある。ダルナビルの海外第IIb/III相試験において、B型及び/又はC型肝炎重複感染患者では、有害事象及び臨床検査値異常のうち、肝酵素の上昇の発現頻度が非重複感染患者より高かった。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本剤投与中に妊娠が判明した場合の代替薬への変更は、変更によるリスクを考慮した上で適切な時期に実施すること。妊娠中期及び妊娠後期の妊婦にダルナビル・コビシスタット配合剤を投与したとき、出産後と比較しダルナビル及びコビシスタットの血中濃度低下が認められている。また、動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている。[16.6.4参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ダルナビル及びコビシスタットは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているが、ヒト乳汁中への移行は不明である。テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁中への移行が報告されているが、テノホビル アラフェナミドのヒト乳汁中への移行は不明である。また、HIV感染女性患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい。
9.7 小児等
9.7.1 低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児には投与しないこと。[2.4、15.2.2参照]
9.7.2 3歳~11歳又は体重40kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
8.1.3 本剤投与開始後、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。
8.2 本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
8.3 本剤投与前は、クレアチニンクリアランス等の腎機能検査を実施し、腎機能障害の有無を確認すること。投与開始時に、クレアチニンクリアランスが30mL/min以上であることを確認すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により、患者の状態を注意深く観察すること。[7.3、9.1.4、10.2参照]
8.4 HIVプロテアーゼ阻害剤による治療中の患者で、糖尿病の発症又は増悪、高血糖が発現し、その中には糖尿病性ケトアシドーシスを合併した例が報告されている。
8.5 ダルナビルの海外臨床試験において、発疹は因果関係の不明なものも含め10.3%の患者に認められ、投与中止を要する発疹は0.5%、発熱及び肝酵素値の上昇を伴う重度の発疹は0.4%、皮膚粘膜眼症候群は0.1%未満に認められた。また、発疹の多くは軽度から中等度であり、投与開始4週以内に発現したが投与継続中に寛解した。なお、治療経験のある患者を対象としたダルナビルの海外臨床試験において、ダルナビル及びラルテグラビルを含むレジメンを使用した場合、ダルナビル又はラルテグラビルの一方を含むレジメンと比較して、薬剤との因果関係が明らかでない皮疹も含めた発疹の発現率が高かった。しかし、薬剤に関連した発疹の発現率には差がなく、発疹は軽度から中等度で治療制限及び投与中止はなかった。
8.6 抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.7 ダルナビルによる治療中に浮動性めまいが報告されているので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には注意すること。
8.8 エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し、その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。
8.9 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤を粉砕して使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は、ダルナビル エタノール付加物、コビシスタット、エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩の4成分を含有する配合剤であるので、これらの成分を含有する製剤と併用しないこと。また、コビシスタットと同じ薬物動態学的増強因子であるリトナビルを含有する製剤及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤とも併用しないこと。
7.2 本剤は、HIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬と併用しないこと。また、エムトリシタビンと類似の薬剤耐性、ウイルス学的特性を有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。
7.3 本剤投与後、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満に低下した場合は、投与の中止を考慮すること。[8.3参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下のいずれかのHIV-1感染患者に使用すること。
・抗HIV薬の治療経験がない患者
・本剤への切り替え前に、抗HIV薬による治療が6ヵ月間以上変更なく継続され、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ダルナビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切と判断される患者
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。[17.1.1、17.1.2、18.3.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人8例に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータを表1に示す。
表1 日本人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
8例8例8例8例
ダルナビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミド
tmax(hr)3.00
(1.50-4.00)
2.50
(2.00-4.00)
1.75
(1.00-3.00)
1.25
(0.75-2.50)
Cmax(ng/mL)5965
(958)
1094
(273)
2671
(431)
183
(71.2)
AUC∞(ng・hr/mL)58441
(20276)
7325
(2754)
11342
(1262)
132
(38.4)
t1/2(hr)6.39
(2.41)
3.69
(0.70)
18.71
(2.97)
0.26
(0.06)
健康成人96例に本剤を食後に単回投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータを表2に示す。(外国人データ)
表2 外国人健康成人に本剤を食後に単回経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
93例93例93例94例
ダルナビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミド
tmax(hr)4.00
(1.50-8.00)
4.00
(1.50-6.00)
2.00
(0.60-5.00)
1.50
(0.25-3.50)
Cmax(ng/mL)7042
(1481)
894
(254)
2041
(481)
110
(54.1)
AUC∞(ng・hr/mL)87280注1)
(28097)
6785
(2518)
11882注2)
(2002)
127注3)
(39.4)
t1/2(hr)5.9注1)
(2.1)
3.7
(0.7)
16.5注2)
(3.3)
0.3注3)
(0.1)
注1)87例注2)85例注3)79例
16.1.2 反復投与
健康成人10例に本剤を1日1回食後に反復経口投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ(12日目)を表3に示す。(外国人データ)
表3 外国人健康成人に本剤を食後に反復投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax,t1/2:中央値(範囲)
10例
ダルナビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミド
tmax(hr)3.00
(3.00-4.00)
3.00
(2.00-4.00)
1.75
(1.50-2.00)
0.50
(0.50-1.00)
Cmax(ng/mL)9743.2
(1391.01)
1305.2
(179.95)
2198.9
(455.01)
130.7
(51.19)
AUCtau(ng・hr/mL)113654.8
(27016.15)
10097.3
(2395.47)
12602.1
(2067.52)
AUClast(ng・hr/mL)116.4
(30.27)
t1/2(hr)7.13
(6.53-9.01)
2.90
(2.81-3.42)
5.48
(4.74-6.96)
0.41
(0.33-0.51)
抗HIV薬の治療経験がない成人HIV感染症患者又はダルナビル、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド耐性関連変異を持たない抗HIV薬既治療のHIV感染患者21例に、本剤を1日1回食後に反復投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの定常状態における薬物動態パラメータを表4に示す。(外国人データ)
表4 HIV感染患者に本剤を食後に反復投与したときの血漿中ダルナビル及びコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(変動係数)、tmax,t1/2:中央値(範囲)
21例
ダルナビルコビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミド
tmax(hr)3.00
(2.00-4.00)
3.03
(3.00-4.00)
1.52
(1.50-2.00)
0.53
(0.50-1.00)
Cmax(ng/mL)8826.2
(33.3)
1128.7
(35.3)
2056.4
(25.3)
163.0
(51.9)
AUCtau(ng・hr/mL)99301.8
(45.3)
8744.5
(43.9)
11918.0
(35.9)
AUClast(ng・hr/mL)130.5
(34.1)
t1/2(hr)9.42
(6.31-13.87)
3.16
(2.77-3.70)
7.51
(6.40-8.79)
0.45
(0.38-0.66)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
本剤を空腹時に投与した結果、ダルナビルのAUClast及びCmaxは高脂肪食と共に投与した時と比較してそれぞれ34%及び45%低く、コビシスタットのAUClast及びCmaxは高脂肪食と共に投与した時と比較してそれぞれ29%及び23%低かった。また、エムトリシタビンのCmaxは高脂肪食と共に投与した時と比較して、空腹時に投与した時の方が26%高く、AUClastは同程度であった。テノホビル アラフェナミドのCmaxは高脂肪食と共に投与した時と比較して、空腹時に投与した時の方が82%高く、AUClastは同程度であった。なお、食事の内容は、AUC及びCmaxの変動の程度には影響しない。(外国人データ)
16.3 分布
16.3.1 ダルナビル
ヒト血漿蛋白結合率は約95%であり、主にα1-酸性糖蛋白に結合した。(in vitro試験、平衡透析法)
16.3.2 コビシスタット
ヒト血漿蛋白結合率は、97~98%であった。(ex vivo試験、平衡透析法)
16.3.3 エムトリシタビン
ヒト血漿蛋白結合率は、0.02~200μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず4%未満であった。
16.3.4 テノホビル アラフェナミド
ヒト血漿蛋白結合率は、77~86%であった。
16.4 代謝
16.4.1 ダルナビル
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験で、ダルナビルは主にCYP3A4により酸化的に代謝されることが示唆された。In vivo試験よりダルナビルの主な代謝物は3種類あり、野生型HIV株に対する活性はいずれも未変化体の10%以下であった。健康成人に14C標識したダルナビル/リトナビル400/100mgを単回経口投与したとき、血漿中放射能の大部分は未変化体由来であることが示された。
16.4.2 コビシスタット
ヒト肝ミクロソーム及びCYPアイソザイムを用いたin vitro試験で、コビシスタットは主にCYP3Aにより酸化的に代謝され、一部CYP2D6で代謝されることが示唆された。また、グルクロン酸抱合体は検出されなかった。
16.4.3 エムトリシタビン
エムトリシタビンは主に尿中に排泄され、代謝の影響をほとんど受けない。
16.4.4 テノホビル アラフェナミド
経口投与後、末梢血単核球及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝され、その後、テノホビル二リン酸に代謝された。CYP分子種発現系酵素を用いた検討において、テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝された。
16.5 排泄
16.5.1 ダルナビル
健康成人に14C標識したダルナビル/リトナビル400/100mgを単回経口投与したとき、投与放射能の約79.5%が糞中に、約13.9%が尿中に排泄された。また、未変化体の排泄率は、糞中が約41.2%、尿中が約7.7%であった。ダルナビル150mgを単独で静脈内投与したときの全身クリアランスは32.8L/h(平均値)であり、リトナビル100mgと併用したときの全身クリアランスは5.9L/h(平均値)であった。本剤を投与したときのダルナビルの消失半減期は、約6~7時間(中央値)であった。(外国人データ)
16.5.2 コビシスタット
コビシスタット150mgを6日間反復投与した後に14C-コビシスタット150mgを経口投与したところ、投与量の86.2%(平均値)が糞中に、8.2%(平均値)が尿中に排泄された。経口投与後のコビシスタットの消失半減期は、約3~4時間(中央値)であった。(外国人データ)
16.5.3 エムトリシタビン
健康被験者にエムトリシタビン200mgを反復投与後14C-エムトリシタビンを単回投与したところ、投与量の86%は尿中に、14%は糞中に回収された。また、14C-エムトリシタビンを単回投与したところ、投与量の13%の代謝物がヒト尿中に検出された。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから、糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された。(外国人データ)
16.5.4 テノホビル アラフェナミド
健康被験者に14C-テノホビル アラフェナミドフマル酸塩25mgを単回投与したところ、投与量の47.2%が糞中に、36.2%が尿中に排泄された。その主成分はテノホビルであり、糞中の99%、尿中の86%を占めた。また、投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児HIV-1感染患者
本剤を用いた小児HIV-1感染患者を対象とした試験は実施していない。
(1)ダルナビル
12歳以上18歳未満で体重40kg以上の小児HIV-1感染患者を対象とし、2剤のNRTIを併用したダルナビル及びリトナビル(800/100mg)の非盲検試験における、小児HIV-1感染患者のダルナビルの薬物動態パラメータを表5に示す。(外国人データ)
表5 小児HIV-1感染患者にダルナビル、リトナビル及び2剤のNRTIを食後に反復投与したときの血漿中ダルナビルの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)、tmax:中央値(範囲)
12例
tmax(hr)3.00(1.00-6.00)
Cmax(ng/mL)6721(1700)
Cmin(ng/mL)1589(768.2)注1)
AUC24h(ng・hr/mL)81880(26300)注1)
注1)10例
(2)コビシスタット、エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミド
12歳以上18歳未満で体重35kg以上の小児HIV-1感染患者を対象としたエルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤(150・150・200・10mg)の非盲検試験における、小児HIV-1感染患者のコビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表6に示す。(外国人データ)
表6 小児HIV-1感染患者にエルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を食後に反復投与したときの血漿中コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド、テノホビルの薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ平均値(変動係数)、tmax:中央値(範囲)
24例
コビシスタットエムトリシタビンテノホビル アラフェナミドテノホビル
tmax(hr)4.00
(2.01-5.00)
2.00
(1.00-4.00)
1.48
(0.50-2.00)
3.00
(1.00-4.00)
Cmax(ng/mL)1202
(35.0)
2265
(22.5)
167
(64.4)
18
(23.7)
AUCtau(ng・hr/mL)8241
(36.1)注1)
14424
(23.9)
288
(18.8)注1)
AUClast(ng・hr/mL)189
(55.8)
注1)23例
16.6.2 肝機能障害患者
(1)ダルナビル
軽度(Child-Pugh分類クラスA、8例)及び中等度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスB、8例)にダルナビル/リトナビル600/100mgを1日2回反復投与したときのダルナビルの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。なお、重度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.2参照]
(2)コビシスタット
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB)を有する被験者において、コビシスタット150mg投与時の薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。なお、重度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.2参照]
(3)エムトリシタビン
肝機能障害患者を対象とした試験は実施していない。
(4)テノホビル アラフェナミド
軽度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスA)及び中等度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスB)にテノホビル アラフェナミド25mgを単回投与したときのテノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。なお、重度肝障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)
16.6.3 腎機能障害患者
(1)ダルナビル
中等度腎障害(CLCRが30~60mL/min)を有するHIV-1感染患者(20例)において、腎機能の低下によりダルナビル600mgの薬物動態に有意な影響がないことが示された。重度腎障害又は末期腎疾患を有するHIV-1感染患者における試験は実施されていない。(外国人データ)
(2)コビシスタット
重度腎障害(CLCRが30mL/min未満)を有する被験者において、コビシスタット150mgの薬物動態を検討した。コビシスタットの薬物動態を健康被験者と比較したとき、顕著な差は認められなかった。(外国人データ)
(3)エムトリシタビン
重度腎機能障害を有する被験者(CLCRが30mL/min未満)における、エムトリシタビン200mg単回投与時のエムトリシタビンのCmax及びAUCは、CLCRが80mL/min超の被験者に対し、それぞれ約30%及び約200%上昇した。(外国人データ)[9.2.2参照]
(4)テノホビル アラフェナミド
重度腎機能障害を有する被験者(CLCRが15mL/min以上30mL/min未満の非透析患者)における、テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは、CLCRが90mL/min超の被験者に対してそれぞれ79%及び92%上昇し、テノホビルのCmax及びAUCは、それぞれ179%及び474%上昇した。CLCRが15mL/min未満の腎機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。(外国人データ)
16.6.4 妊婦、産婦
妊娠中期のHIV感染患者(7例)に、ダルナビル・コビシスタット配合剤(800・150mg)を1日1回投与したとき、ダルナビルのCmax、AUC24h及びCminは、出産後(6~12週;6例)と比較してそれぞれ49%、56%及び92%減少した。妊娠後期(6例)では、ダルナビルのCmax、AUC24h及びCminはそれぞれ37%、50%及び89%減少した。(外国人データ)[9.5参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
(1)ダルナビル
CYP3Aで代謝され、CYP3A(Ki:0.4μmol/L)及びCYP2D6(Ki:41μmol/L)を阻害し、またP糖蛋白(IC50:32.9μmol/L)を阻害する。[10.参照]
(2)コビシスタット
CYP3A及びCYP2D6で代謝され、CYP3A(IC50:0.03~0.29μmol/L)及びCYP2D6(IC50:9.17μmol/L)を阻害し、またP糖蛋白、BCRP(IC50:59μmol/L)、OATP1B1(IC50:3.50μmol/L)、OATP1B3(IC50:1.88μmol/L)及びMATE1(IC50:1.87μmol/L)を阻害する。[10.参照]
(3)エムトリシタビン
OAT3の基質である。
(4)テノホビル アラフェナミド
CYP3Aで代謝される。P糖蛋白、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3の基質である。[10.参照]
(5)テノホビル
OAT1、OAT3及びMRP4の基質であり、OAT1に対する阻害作用(IC50:29.3μmol/L)は弱かった。
16.7.2 臨床成績
本剤を用いた薬物相互作用試験は実施されていないため、ダルナビル・コビシスタット配合剤、ダルナビル、コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミドを用いた試験成績を示す。
(1)ダルナビル・コビシスタット配合剤
ダルナビル・コビシスタット配合剤が併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表7に示す。[10.2参照]
表7 ダルナビル・コビシスタット配合剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の用法・用量ダルナビル・コビシスタット配合剤の用法・用量例数併用薬の薬物動態パラメータ:幾何最小二乗平均の比[90%信頼区間]
CmaxAUC
ダビガトランエテキシラート150mg
単回
ダルナビル・コビシスタット 800・150mg
単回
142.64[2.29,3.05]2.64[2.32,3.00]
ダルナビル・コビシスタット 800・150mg
1日1回注1)
141.99[1.72,2.30]1.88[1.65,2.13]
注1)ダルナビル・コビシスタット800・150mgを1日1回17日間反復経口投与し、投与15日目にダビガトランエテキシラート150mgを単回経口投与
(2)ダルナビル
併用薬がダルナビルの薬物動態に及ぼす影響及びダルナビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表8、9に示す。[10.1、10.2参照]
表8 併用薬投与時のダルナビルの薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量ダルナビルの用法及び用量リトナビルの用法及び用量例数他剤併用時/非併用時のダルナビルの薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
エファビレンツ600mg
1日1回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
120.85
[0.72,1.00]
0.87
[0.75,1.01]
0.69
[0.54,0.87]
ネビラピン200mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
81.40
[1.14,1.73]
1.23
[0.97,1.57]
1.02
[0.79,1.32]
セルトラリン50mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
131.01
[0.89,1.14]
0.98
[0.84,1.14]
0.94
[0.76,1.16]
パロキセチン20mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
160.97
[0.92,1.02]
1.02
[0.95,1.10]
1.07
[0.96,1.19]
ラニチジン150mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
160.96
[0.89,1.05]
0.95
[0.90,1.01]
0.94
[0.90,0.99]
オメプラゾール20mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
161.02
[0.95,1.09]
1.04
[0.96,1.13]
1.08
[0.93,1.25]
ジダノシン400mg
1日1回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
170.93
[0.86,1.00]
1.01
[0.95,1.07]
1.07
[0.95,1.21]
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
121.16
[0.94,1.42]
1.21
[0.95,1.54]
1.24
[0.90,1.69]
ケトコナゾール200mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
141.21
[1.04,1.40]
1.42
[1.23,1.65]
1.73
[1.39,2.14]
クラリスロマイシン500mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
170.83
[0.72,0.96]
0.87
[0.75,1.01]
1.01
[0.81,1.26]
リファブチン150mg
隔日1回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
11注1)1.42
[1.21,1.67]
1.57
[1.28,1.93]
1.75
[1.28,2.37]
カルバマゼピン200mg
1日2回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
11注1)1.04
[0.93,1.16]
0.99
[0.90,1.08]
0.85
[0.73,1.00]
リルピビリン150mg
1日1回
800mg
1日1回
100mg
1日1回
14注2)0.90
[0.81,1.00]
0.89
[0.81,0.99]
0.89
[0.68,1.16]
エトラビリン200mg
1日2回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
10注2)1.11
[1.01,1.22]
1.15
[1.05,1.26]
1.02
[0.90,1.17]
アルテメテル・ルメファントリン配合剤アルテメテル・ルメファントリン配合剤
80・480mg,3日間投与(0,8,24,36,48及び60時間に投与)
600mg
1日2回
100mg
1日2回
141.00
[0.93,1.07]
0.96
[0.90,1.03]
0.87
[0.77,0.98]
ロピナビルロピナビル・リトナビル配合剤
400・100mg
1日2回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
90.61
[0.51,0.74]
0.47
[0.40,0.55]
0.35
[0.29,0.42]
NA80.67
[0.53,0.84]
0.47
[0.37,0.59]
0.36
[0.29,0.46]
インジナビル800mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
91.11
[0.98,1.26]
1.24
[1.09,1.42]
1.44
[1.13,1.82]
アタザナビル300mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
131.02
[0.96,1.09]
1.03
[0.94,1.12]
1.01
[0.88,1.16]
NA:未投与注1)非併用投与時:16例注2)非併用投与時:15例
表9 ダルナビル投与時の併用薬の薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量ダルナビルの用法及び用量リトナビルの用法及び用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
エファビレンツ600mg
1日1回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
121.15
[0.97,1.35]
1.21
[1.08,1.36]
1.17
[1.01,1.36]
ネビラピン200mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
81.18
[1.02,1.37]
1.27
[1.12,1.44]
1.47
[1.20,1.82]
プラバスタチン40mg
単回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
141.63
[0.95,2.82]
1.81
[1.23,2.66]
NC
セルトラリン50mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
130.56
[0.49,0.63]
0.51
[0.46,0.58]
0.51
[0.45,0.57]
パロキセチン20mg
1日1回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
160.64
[0.59,0.71]
0.61
[0.56,0.66]
0.63
[0.55,0.73]
ジダノシン400mg
1日1回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
170.84
[0.59,1.20]
0.91
[0.75,1.10]
NC
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
121.24
[1.08,1.42]
1.22
[1.10,1.35]
1.37注1)
[1.19,1.57]
R(-)メサドンメサドン
55~150mg
1日1回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
160.76
[0.71,0.81]
0.84
[0.78,0.91]
0.85
[0.77,0.94]
S(+)メサドン0.56
[0.51,0.62]
0.64
[0.58,0.71]
0.60
[0.53,0.69]
シルデナフィルシルデナフィル
25mg
単回注2)/100mg単回注3)
400mg
1日2回
100mg
1日2回
160.62
[0.55,0.70]
0.97
[0.86,1.09]
NC
N-デスメチルシルデナフィル0.05
[0.04,0.05]
0.05
[0.04,0.08]
NC
ケトコナゾール200mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
152.11
[1.81,2.44]
3.12
[2.65,3.68]
9.68
[6.44,14.55]
エチニルエストラジオールエチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合剤(各35μg・1.0mg含有)
1日1回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
11注4)0.68
[0.61,0.74]
0.56
[0.50,0.63]
0.38
[0.27,0.54]
ノルエチステロン0.90
[0.83,0.97]
0.86
[0.75,0.98]
0.70
[0.51,0.97]
アトルバスタチンアトルバスタチン
10mg
1日1回注2)/40mg1日1回注3)
300mg
1日2回
100mg
1日2回
150.56
[0.48,0.67]
0.85
[0.76,0.97]
1.81
[1.37,2.40]
アトルバスタチンラクトン0.85
[0.76,0.96]
1.07
[0.96,1.19]
2.08
[1.63,2.65]
クラリスロマイシン500mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
171.26
[1.03,1.54]
1.57
[1.35,1.84]
2.74
[2.30,3.26]
ジゴキシン0.4mg
単回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
81.15
[0.89,1.48]
1.36
[0.81,2.26]
NC
リファブチンリファブチン
150mg
隔日1回注2)/300mg1日1回注3)
600mg
1日2回
100mg
1日2回
11注5)0.72
[0.55,0.93]
0.93
[0.80,1.09]
1.64
[1.48,1.81]
25-脱アセチル体代謝物4.77
[4.04,5.63]
9.81
[8.09,11.9]
27.1
[22.15,33.16]
ブプレノルフィンブプレノルフィン・ナロキソン配合剤
1日1回最大16・4mg
600mg
1日2回
100mg
1日2回
170.92
[0.79,1.08]
0.89
[0.78,1.02]
0.98
[0.82,1.16]
ノルブプレノルフィン171.36
[1.06,1.74]
1.46
[1.15,1.85]
1.71
[1.29,2.27]
カルバマゼピン200mg
1日2回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
161.43
[1.34,1.53]
1.45
[1.35,1.57]
1.54
[1.41,1.68]
カルバマゼピンエポキシド160.46
[0.43,0.49]
0.46
[0.44,0.49]
0.48
[0.45,0.51]
ラルテグラビル400mg
1日2回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
60.67注6)
[0.33,1.37]
0.71注6)
[0.38,1.33]
NC
マラビロク150mg
1日2回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
122.29注6)
[1.46,3.59]
4.05注6)
[2.94,5.59]
8.00
[6.35,10.1]
リルピビリン150mg
1日1回
800mg
1日1回
100mg
1日1回
141.79
[1.56,2.06]
2.30
[1.98,2.67]
2.78
[2.39,3.24]
エトラビリン200mg
1日2回注2)/100mg1日2回注3)
600mg
1日2回
100mg
1日2回
10注7)1.81
[1.56,2.11]
1.80
[1.56,2.08]
1.67
[1.38,2.03]
アルテメテルアルテメテル・ルメファントリン配合剤
80・480mg,3日間投与(0,8,24,36,48及び60時間に投与)
600mg
1日2回
100mg
1日2回
14注5)0.82
[0.61,1.11]
0.84
[0.69,1.02]
0.97
[0.90,1.05]
ジヒドロアルテミシニン0.82
[0.66,1.01]
0.82
[0.74,0.91]
1.00
[0.82,1.22]
ルメファントリン1.65
[1.49,1.83]
2.75
[2.46,3.08]
2.26注8)
[1.92,2.67]
ロピナビルロピナビル・リトナビル配合剤
400・100mg
1日2回
300mg
1日2回
100mg
1日2回
91.22
[1.12,1.32]
1.37
[1.27,1.49]
1.72
[1.46,2.03]
NA80.83
[0.70,0.99]
0.81
[0.70,0.94]
0.65
[0.48,0.88]
インジナビル800mg
1日2回
400mg
1日2回
100mg
1日2回
91.08
[0.95,1.22]
1.23
[1.06,1.42]
2.25
[1.63,3.10]
S-ワルファリンワルファリン 10mg+ビタミンK1 10mg+デキストロメトルファン 30mg+オメプラゾール 40mg
単回
600mg
1日2回
100mg
1日2回
120.92
[0.86,0.98]
0.79
[0.74,0.86]
NC
7-OH-S-ワルファリン121.43
[1.24,1.64]
1.24
[0.97,1.58]
NC
デキストロメトルファン122.27
[1.59,3.26]
2.70
[1.80,4.05]
NC
デキストルファン120.87
[0.77,0.98]
0.96
[0.90,1.03]
NC
オメプラゾール120.66
[0.48,0.91]
0.58
[0.51,0.67]
NC
5-OH-オメプラゾール120.94
[0.72,1.22]
0.85
[0.77,0.93]
NC
NA:未投与、NC:未算出注1)11例注2)ダルナビル/リトナビル併用投与時の用法及び用量注3)非併用投与時の用法及び用量注4)非併用投与時:13例注5)非併用投与時:15例注6)幾何平均の比注7)非併用投与時:11例注8)13例
(3)コビシスタット
併用薬がコビシスタットの薬物動態に及ぼす影響及びコビシスタットが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表10、11に示す。[10.2参照]
表10 併用薬投与時のコビシスタットの薬物動態パラメータの比注1)
併用薬併用薬の用法及び用量コビシスタットの用法及び用量例数他剤併用時/非併用時のコビシスタットの薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCtau
ファモチジン40mg
1日1回
夜,食後,エルビテグラビル,コビシスタット投与後12時間後
150mg
1日1回,朝,食後
101.04
[0.99,1.08]
1.05
[1.02,1.08]
1.15
[1.06,1.26]
40mg
1日1回
朝,食後
161.06
[0.99,1.13]
1.03
[0.97,1.11]
1.11
[1.00,1.24]
オメプラゾール20mg
1日1回,朝,絶食下
110.90
[0.82,0.99]
0.92
[0.85,1.01]
0.93
[0.74,1.17]
20mg
1日1回,夜,絶食下,エルビテグラビル,コビシスタット投与後12時間後
110.94
[0.85,1.05]
0.99
[0.89,1.09]
1.02注2)
[0.82,1.28]
注1)エルビテグラビル150mg1日1回との併用投与注2)10例
表11 コビシスタット投与時の併用薬の薬物動態パラメータの比注1)
併用薬併用薬の用法及び用量コビシスタットの用法及び用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCtau
デシプラミン(国内未承認)50mg
単回
150mg
1日1回
81.24
[1.08,1.44]
1.58
[1.35,1.84]
NC
ジゴキシン0.5mg
単回
221.41
[1.29,1.55]
1.20
[1.10,1.30]
NC
エファビレンツ600mg
単回
170.87
[0.80,0.94]
0.93
[0.90,0.96]
NC
ロスバスタチン10mg
単回
150mg
1日1回
101.89
[1.48,2.42]
1.38
[1.14,1.67]
1.43
[1.08,1.89]注2)
リファブチンリファブチン
150mg
隔日1回注3)/300mg1日1回注4)
150mg
1日1回
121.09
[0.98,1.20]
0.92
[0.83,1.03]
0.94
[0.85,1.04]
25-脱アセチル体代謝物4.84
[4.09,5.74]
6.25
[5.08,7.69]
4.94
[4.04,6.04]
ノルゲスチメート及びエチニルエストラジオール0.180/0.215/0.250mg
ノルゲスチメート
1日1回
150mg
1日1回注5)
152.08
[2.00,2.17]
2.26
[2.15,2.37]
2.67
[2.43,2.92]
0.025mg
エチニルエストラジオール
1日1回
0.94
[0.86,1.04]
0.75
[0.69,0.81]
0.56
[0.52,0.61]
ブプレノルフィンブプレノルフィン
16~24mg
1日1回
150mg
1日1回
171.12
[0.98,1.27]
1.35
[1.18,1.55]
1.66
[1.31,1.93]
ノルブプレノルフィン1.24
[1.03,1.49]
1.42
[1.22,1.67]
1.57
[1.31,1.88]
R-メサドンメサドン
80~120mg
1日1回
150mg
1日1回
111.01
[0.91,1.13]
1.07
[0.96,1.19]
1.10
[0.95,1.28]
S-メサドン0.96
[0.87,1.06]
1.00
[0.89,1.12]
1.02
[0.89,1.17]
ナロキソン4~6mg
1日1回
150mg
1日1回
170.72
[0.61,0.85]
0.72
[0.59,0.87]
NC
NC:未算出注1)エルビテグラビル150mg1日1回との併用投与(デシプラミン、ジゴキシン及びエファビレンツとの薬物相互作用試験はコビシスタットを単独投与)注2)Clast注3)コビシスタット併用投与時の用法及び用量注4)非併用投与時の用法及び用量注5)エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤を用いた試験
(4)エムトリシタビン
併用薬がエムトリシタビンの薬物動態に及ぼす影響及びエムトリシタビンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表12、13に示す。[10.2参照]
表12 併用薬投与時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
ダルナビル800mg+コビシスタット150mg
1日1回
200mg
1日1回注1)
111.13
[1.02,1.24]
1.24
[1.17,1.31]
1.31
[1.24,1.38]
エファビレンツ600mg
1日1回
200mg
1日1回
110.90
[0.81,0.99]
0.92
[0.87,0.96]
0.92
[0.86,0.98]
セルトラリン50mg
単回
200mg
1日1回注2)
190.90
[0.82,0.98]
0.84
[0.81,0.88]
0.94
[0.90,0.99]
タクロリムス0.05mg/kg
1日2回
200mg
1日1回注3)
210.89
[0.83,0.95]
0.95
[0.91,0.99]
1.03
[0.96,1.10]
ファムシクロビル500mg
単回
200mg
単回
120.90
[0.80,1.01]
0.93
[0.87,0.99]
NC
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
170.96
[0.87,1.06]
1.07
[1.00,1.14]
1.20
[1.12,1.29]
インジナビル800mg
単回
200mg
単回
120.92
[0.82,1.04]
1.01
[0.94,1.09]
NC
サニルブジン40mg
単回
200mg
単回
61.04
[0.94,1.16]
1.02
[0.94,1.11]
NC
ジドブジン300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
270.97
[0.90,1.04]
0.97
[0.93,1.01]
0.96
[0.88,1.04]
ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤400・100mg
1日1回
200mg
1日1回注2)
241.02
[0.97,1.06]
1.01
[0.98,1.04]
1.02
[0.97,1.07]
NC:未算出注1)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド配合剤を用いた薬物動態試験注2)エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(10mg)配合剤を用いた薬物動態試験注3)エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩配合剤を用いた薬物動態試験
表13 エムトリシタビン投与時の併用薬の薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量エムトリシタビンの用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg
1日1回
7日間
200mg
1日1回
7日間
171.03
[0.95,1.11]
1.00
[0.92,1.09]
1.02
[0.92,1.13]
インジナビル800mg
単回
200mg
単回
120.98
[0.84,1.13]
1.02
[0.89,1.17]
NC
サニルブジン40mg
単回
200mg
単回
61.05
[0.95,1.16]
1.09
[0.83,1.44]
NC
ジドブジン300mg
1日2回
7日間
200mg
1日1回
7日間
271.17
[1.00,1.38]
1.13
[1.05,1.20]
0.98
[0.89,1.09]
NC:未算出
(5)テノホビル アラフェナミド
併用薬がテノホビル アラフェナミドの薬物動態に及ぼす影響及びテノホビル アラフェナミドが併用薬の薬物動態に及ぼす影響について表14、15に示す。[10.1、10.2参照]
表14 併用薬投与時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量テノホビル アラフェナミドの用量例数他剤併用時/非併用時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
カルバマゼピン300mg
1日2回
25mg
単回
260.43
[0.36,0.51]
0.45
[0.40,0.51]
NC
アタザナビル300mg+リトナビル100mg
1日1回
10mg
単回
101.77
[1.28,2.44]
1.91
[1.55,2.35]
NC
コビシスタット150mg
1日1回
8mg
1日1回
122.83
[2.20,3.65]
2.65
[2.29,3.07]
NC
ダルナビル800mg+コビシスタット150mg
1日1回
25mg
1日1回注1)
110.93
[0.72,1.21]
0.98
[0.80,1.19]
NC
800mg+リトナビル100mg
1日1回
10mg
単回
101.42
[0.96,2.09]
1.06
[0.84,1.35]
NC
ドルテグラビル50mg
1日1回
10mg
単回
101.24
[0.88,1.74]
1.19
[0.96,1.48]
NC
エファビレンツ600mg
1日1回
40mg
1日1回
110.78
[0.58,1.05]
0.86
[0.2,1.02]
NC
ロピナビル・リトナビル配合剤800mg+リトナビル200mg
1日1回
10mg
単回
102.19
[1.72,2.79]
1.47
[1.17,1.85]
NC
セルトラリン50mg
単回
10mg
1日1回注2)
191.00
[0.86,1.16]
0.96
[0.89,1.03]
NC
リルピビリン25mg
1日1回
25mg
1日1回
321.01
[0.84,1.22]
1.01
[0.94,1.10]
NC
ソホスブビル・ベルパタスビル配合剤400・100mg
1日1回
10mg
1日1回注2)
240.80
[0.68,0.94]
0.87
[0.81,0.94]
NC
NC:未算出注1)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いた薬物動態試験注2)エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(10mg)配合剤を用いた薬物動態試験
表15 テノホビル アラフェナミドフマル酸塩製剤、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤又はテノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン配合剤投与時の併用薬の薬物動態パラメータの比
併用薬併用薬の用法及び用量テノホビル アラフェナミドの用量例数他剤併用時/非併用時の併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
CmaxAUCCmin
カルバマゼピン300mg
1日2回
25mg
単回
260.70
[0.65,0.74]
0.77
[0.74,0.81]
NC
アタザナビル300mg+リトナビル100mg
1日1回
10mg
単回
100.98
[0.89,1.07]
0.99
[0.96,1.01]
1.00
[0.96,1.04]
コビシスタット150mg
1日1回
25mg
1日1回注1)
141.06
[1.00,1.12]
1.09
[1.03,1.15]
1.11
[0.98,1.25]
ダルナビル800mg+コビシスタット150mg
1日1回
25mg
1日1回注1)
141.02
[0.96,1.09]
0.99
[0.92,1.07]
0.97
[0.82,1.15]
800mg+リトナビル100mg
1日1回
10mg
単回
100.99
[0.91,1.08]
1.01
[0.96,1.06]
1.13
[0.95,1.34]
ドルテグラビル50mg
1日1回
10mg
単回
100.87
[0.79,0.96]
0.98
[0.93,1.03]
0.95
[0.88,1.03]
ロピナビル・リトナビル配合剤800mg+リトナビル200mg
1日1回
10mg
単回
101.00
[0.95,1.06]
1.00
[0.92,1.09]
0.98
[0.85,1.12]
ミダゾラム2.5mg
単回経口
25mg
1日1回
181.02
[0.92,1.13]
1.12
[1.03,1.22]
NC
1mg
単回静脈内
25mg
1日1回
180.99
[0.89,1.11]
1.08
[1.04,1.14]
NC
セルトラリン50mg
単回
10mg
1日1回注2)
201.14
[0.94,1.38]
1.09
[0.90,1.32]
NC
リルピビリン25mg
1日1回
25mg
1日1回
320.93
[0.87,0.99]
1.01
[0.96,1.06]
1.13
[1.04,1.23]
ベルパタスビルベルパタスビル100mg+ソホスブビル+400mg
1日1回
10mg
1日1回注2)
241.30
[1.17,1.45]
1.50
[1.35,1.66]
1.60
[1.44,1.78]
ソホスブビル1.23
[1.07,1.42]
1.37
[1.24,1.52]
NC
ソホスブビルの主代謝物1.29
[1.25,1.33]
1.48
[1.43,1.53]
1.58
[1.52,1.65]
NC:未算出注1)エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いた薬物動態試験注2)エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビル アラフェナミド(10mg)・エムトリシタビン配合剤を用いた薬物動態試験

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
リファジン
フェノバルビタール
フェノバール等
フェニトイン
アレビアチン等
ホスフェニトイン
ホストイン
カルバマゼピン
テグレトール
[2.2、16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A及びP糖蛋白誘導作用による。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A及びP糖蛋白誘導作用による。
トリアゾラム
ハルシオン
ミダゾラム
ドルミカム
ミダフレッサ
ブコラム
[2.2、16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ピモジド
オーラップ
[2.2参照]
ピモジドの血中濃度上昇により、不整脈等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シンバスタチン
リポバス
[2.2参照]
シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
クリアミン
ジヒドロエルゴタミン
ジヒデルゴット
エルゴメトリン
メチルエルゴメトリン
パルタンM
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、末梢血管痙縮、虚血等の重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象が起こる可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
バルデナフィル
レビトラ
シルデナフィル
レバチオ
タダラフィル
アドシルカ
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ブロナンセリン
ロナセン
[2.2参照]
ブロナンセリンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アゼルニジピン
カルブロック
アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル
レザルタス配合錠
[2.2参照]
アゼルニジピンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ルラシドン
ラツーダ
[2.2参照]
ルラシドンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ロミタピド
ジャクスタピッド
[2.2参照]
ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フィネレノン
ケレンディア
[2.2参照]
フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン
コララン
[2.2参照]
イバブラジンの血中濃度が上昇し、過度の徐脈があらわれることがある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)
ベネクレクスタ
[2.2参照]
ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、腫瘍崩壊症候群の発現が増強する可能性がある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イサブコナゾニウム硫酸塩
クレセンバ
[2.2参照]
イサブコナゾールの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
グラゾプレビル
グラジナ
[2.2参照]
グラゾプレビルの血中濃度が上昇する可能性がある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用及びOATP1B阻害作用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇することがある。
リバーロキサバン
イグザレルト
チカグレロル
ブリリンタ
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用又はP糖蛋白阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デキサメタゾン(全身投与)ダルナビル及びコビシスタットの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。併用する場合には注意して投与すること。デキサメタゾンのCYP3A誘導作用により、ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進される。
アトルバスタチン
[16.7.2参照]
アトルバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。併用する場合には必要に応じてアトルバスタチンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
サルメテロールサルメテロールの血中濃度上昇により、QT延長、動悸、洞性頻脈等の心血管系事象の発現リスクが増大する可能性がある。併用する場合には必要に応じてサルメテロールの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シルデナフィル
バイアグラ
タダラフィル
シアリス、ザルティア
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
クロラゼプ酸
ジアゼパム
エスタゾラム
フルラゼパム
ゾルピデム
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アミオダロン
ベプリジル
ジソピラミド
リドカイン(全身投与)
キニジン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シクロスポリン
タクロリムス
シロリムス
テムシロリムス
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
クロナゼパム
エトスクシミド
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
Ca拮抗剤
(フェロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル等)
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フルチカゾン
ブデソニド
プレドニゾロン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ダサチニブ
エベロリムス
ニロチニブ
ラパチニブ
ビンブラスチン
ビンクリスチン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ボセンタンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アピキサバンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エプレレノンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
トルバプタン
エレトリプタン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ダビガトランエテキシラート
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白阻害作用による。
アミトリプチリン
イミプラミン
パロキセチン
ノルトリプチリン
セルトラリン
トラゾドン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
リスペリドン
ペルフェナジン
クエチアピン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フェンタニル
オキシコドン
トラマドール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
プロパフェノンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
トルテロジンこれらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
デキストロメトルファン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A又はCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、副作用が増強するおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに患者の状態を慎重に観察すること。コビシスタットのCYP3A阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
カルベジロール
メトプロロール
チモロール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フレカイニド
メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。コビシスタットのCYP2D6阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ロスバスタチン
プラバスタチン
ピタバスタチン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、横紋筋融解症が起こる可能性がある。併用する場合には必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど注意して投与すること。機序不明
ジゴキシン
[16.7.2参照]
ジゴキシンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてジゴキシンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白阻害作用による。
コルヒチン
[2.3、9.2.1、9.3.1参照]
コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてコルヒチンの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用又はP糖蛋白阻害作用による。
グレカプレビル・ピブレンタスビルグレカプレビルの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてグレカプレビル・ピブレンタスビルの投与量を減量するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットのP糖蛋白、BCRP又はOATP1B阻害作用による。
ドロスピレノンドロスピレノンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じてドロスピレノンの投与量を減量するなど注意して投与すること。機序不明
経口避妊剤
(エチニルエストラジオール、ノルエチステロン等)
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。本剤を投与する場合は、別の避妊方法を行うことが望ましい。機序不明
メサドン
[16.7.2参照]
メサドンの血中濃度を低下させる可能性がある。併用する場合には注意して投与すること。機序不明
リファブチン
[16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。また、リファブチンの血中濃度を上昇させる可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はリファブチンの投与量を調節するなど注意して投与すること。リファブチンのCYP3A及びP糖蛋白誘導作用、及びダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用による。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
[16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットとこれらの薬剤のCYP3A阻害作用により、相互に代謝が阻害される。
イトラコナゾール
ケトコナゾール注)
ボリコナゾール
フルコナゾール
[16.7.2参照]
ダルナビル、コビシスタット、テノホビル アラフェナミド又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドとこれらの薬剤のCYP3A及びP糖蛋白阻害作用による。
ワルファリン
[16.7.2参照]
ワルファリンの血中濃度に影響を与えることがある。併用する場合には必要に応じて本剤又はワルファリンの投与量を調節するなど注意して投与すること。ダルナビル及びコビシスタットの薬物代謝酵素阻害作用により、血中濃度に変化がおこることがある。
アシクロビル
バラシクロビル
ガンシクロビル
バルガンシクロビル等
これらの薬剤、テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し、有害事象を増強する可能性がある。併用する場合には必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど注意して投与すること。尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により排泄が遅延する。
腎毒性を有する薬剤
[8.3、11.1.4参照]
これらの薬剤との併用は避けることが望ましい。これらの薬剤との併用により血中濃度が上昇するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
重度の発疹があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.9参照]
11.1.3 急性膵炎(0.1%)
11.1.4 腎不全又は重度の腎機能障害(頻度不明)
腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがある。臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[10.2参照]
11.1.5 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)
乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
免疫系障害過敏症、免疫再構築症候群
代謝及び栄養障害糖尿病、食欲不振、体脂肪の再分布/蓄積高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症
精神障害異常な夢
神経系障害頭痛
胃腸障害下痢、腹痛悪心、嘔吐、消化不良、腹部膨満、鼓腸膵酵素増加
肝胆道系障害急性肝炎、肝酵素増加
皮膚及び皮下組織障害発疹そう痒症、蕁麻疹、血管性浮腫
筋骨格系及び結合組織障害筋肉痛、骨壊死
生殖系及び乳房障害女性化乳房
全身障害及び投与局所様態疲労、無力症
臨床検査総コレステロール増加、LDLコレステロール増加、トリグリセリド増加、ブドウ糖増加、AST増加、ALT増加、膵型アミラーゼ増加、血中クレアチニン増加ALP増加リパーゼ増加
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