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フィアスプ注フレックスタッチ、他

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • インスリン療法が適応となる糖尿病

用法・用量

  • 本剤は持続型インスリン製剤と併用する超速効型インスリンアナログ製剤である。
  • 通常、成人では、初期は1回2~20単位を毎食事開始時に皮下投与するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日4~100単位である。
  • 通常、小児では、毎食事開始時に皮下投与するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日0.5~1.5単位/kgである。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 低血糖症状を呈している患者[11.1.1参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 手術、外傷、感染症等の患者
インスリン需要の変動が激しい。
9.1.2 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・下痢、嘔吐等の胃腸障害
・飢餓状態、不規則な食事摂取
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[8.1、11.1.1参照]
9.1.3 食物の吸収遅延が予測される疾患を有する患者又は食物の吸収を遅延させる薬剤を服用中の患者
本剤は作用発現が速いことから、低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。
9.6 授乳婦
用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。
9.7 小児等
9.7.1 定期的に検査を行い投与量を調整すること。成長、思春期及び活動性によりインスリンの需要量が変化する。
9.7.2 夕食開始後に投与する場合は、夜間低血糖の発現に注意するよう指導すること。[17.1.2参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。[11.1.1参照]

8.重要な基本的注意

<製剤共通>
8.1 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。本剤は、作用発現が速いため、ノボラピッド注と比べて低血糖が速く発現する可能性がある。[9.1.2、11.1.1、16.1、16.8.1参照]
8.2 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
8.4 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、末梢浮腫、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
8.5
<フィアスプ注 フレックスタッチ>
本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
<フィアスプ注 ペンフィル>
本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・専用のインスリンペン型注入器の取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
8.6 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
8.7 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.1.2参照]
・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
8.8 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 投与時
<製剤共通>
(1)本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を十分患者に指導すること。
(2)1本の本剤を複数の患者に使用しないこと。
(3)本剤をポータブルインスリン用輸液ポンプで使用しないこと。
(4)本剤のカートリッジ内に充填された注射液をシリンジで抜き取って使用しないこと。
<フィアスプ注 フレックスタッチ>
(5)本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
<フィアスプ注 ペンフィル>
(6)本剤は専用のインスリンペン型注入器、またJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をペンニードルで行っている。
14.1.2 投与部位
皮下注射は、腹部、上腕、大腿に行う。同じ部位に注射を行う場合は、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.7参照]
14.1.3 投与経路
静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
14.1.4 その他
(1)本剤と他の薬剤を混合しないこと。他の薬剤との混合に関するデータはない。
(2)注射後、注射針は廃棄すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
(3)インスリンカートリッジにインスリン製剤を補充してはならない。
(4)インスリンカートリッジにひびが入っている場合は使用しないこと。
(5)インスリンカートリッジの内壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられることがある。また、使用中に液が変色することがある。これらのような場合は使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は、ノボラピッド注より作用発現が速いため、食事開始時(食事開始前の2分以内)に投与すること。また、食事開始後の投与の場合は、食事開始から20分以内に投与すること。なお、食事開始後の投与については、血糖コントロールや低血糖の発現に関する臨床試験成績を踏まえた上で、患者の状況に応じて判断すること。[16.1、16.8.1、17.1.1、17.1.2参照]
7.2 他の追加インスリン製剤から本剤へ切り替える場合、前治療で使用していた製剤と同じ単位数を目安として投与を開始し、本剤への切替え時及びその後の数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。
7.3 小児では、インスリン治療開始時の初期投与量は、患者の状態により個別に決定すること。

5.効能又は効果に関連する注意

2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
1型糖尿病患者43例を対象に、グルコースクランプ施行下で本剤又はノボラピッド注0.2単位/kgを単回皮下投与したときの血清中インスリン アスパルトの薬物動態パラメータ及び濃度推移は、以下のとおりであった。ノボラピッド注と比較して本剤投与後ではインスリン アスパルトは血中に速く検出され、投与後初期における曝露量(AUC0-15min、AUC0-30min及びAUC0-1h)は大きかった。本剤及びノボラピッド注の終末相半減期(平均値)は、52.00分及び46.89分であった。[7.1、8.1参照]
onset of appearance(min)t50%Cmax(min)tmax(min)
本剤(41例)2.98±1.1319.12±5.7453.41±18.66
ノボラピッド注(41例)7.05±3.2229.27±7.6668.54±27.46
差(本剤-ノボラピッド注)[95%信頼区間]-4.08[-4.99;-3.18]-10.15[-12.33;-7.98]-15.37[-24.13;-6.61]
平均値±SD、onset of appearance:投与から血清中インスリン アスパルト濃度が定量下限値に最初に達するまでの時間、t50%Cmax:血清中インスリン アスパルト濃度がCmaxの50%を超えた最初の時点までの時間
AUC0-15min(pmolh/L)AUC0-30min(pmolh/L)AUC0-1h(pmolh/L)
本剤(41例)15.8065.82201.11
ノボラピッド注(41例)4.8333.95154.04
比(本剤/ノボラピッド注)[95%信頼区間]3.26[2.65;4.02]1.94[1.68;2.25]1.31[1.17;1.47]
AUC0-12h(pmolh/L)Cmax(pmol/L)
本剤(41例)641.13318.97
ノボラピッド注(41例)644.41298.93
比(本剤/ノボラピッド注)[95%信頼区間]0.99[0.96;1.02]1.07[0.96;1.19]
幾何平均値、AUC0-12hは90%信頼区間
平均血清中インスリン アスパルト濃度の投与後5時間までの推移
16.2 吸収
健康成人21例を対象に、グルコースクランプ施行下で本剤0.2単位/kgを腹部、上腕部、大腿部に単回皮下投与又は本剤0.02単位/kgを単回静脈内投与した。
皮下投与について、それぞれの投与部位での総曝露量(AUC0-12h)及び最高血中濃度(Cmax)の幾何平均値の比とその95%信頼区間は、上腕/腹部で0.92[0.84;1.01]及び0.92[0.74;1.14]、大腿部/腹部で0.93[0.85;1.01]及び0.70[0.56;0.87]、大腿部/上腕で1.00[0.92;1.09]及び0.76[0.61;0.95]であった。
腹部、上腕部及び大腿部投与後、それぞれ3.07、2.64及び3.33分にインスリン アスパルトが血中に検出された(onset of appearanceの平均値)。絶対的バイオアベイラビリティ(平均値)は腹部、上腕部及び大腿部投与後でそれぞれ83、77及び77%であった。静脈内投与時におけるクリアランス(平均値)は1.13L/h/kgであり、終末相半減期(平均値)は9.28分であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
高齢者30例(65~73歳:平均年齢68.1歳)及び若年成人37例(22~34歳:平均年齢27.4歳)の1型糖尿病患者を対象に、グルコースクランプ施行下で本剤又はノボラピッド注0.2単位/kgを単回皮下投与した。
本剤の若年成人に対する高齢者のAUC0-12h及びCmaxの幾何平均値の比(高齢者/若年成人)とその95%信頼区間は1.30[1.07;1.57]及び1.28[1.02;1.61]であった。高齢者に対し本剤及びノボラピッド注投与後、それぞれ2.38及び5.22分にインスリン アスパルトが血中に検出された(onset of appearanceの平均値)。本剤又はノボラピッド注投与後15分までの初期における曝露量(AUC0-15min)は23.92及び7.68pmol・h/L、投与後30分までの曝露量(AUC0-30min)は86.82及び47.20pmol・h/Lであった(幾何平均値)(外国人データ)。
16.6.2 小児
小児12例(9~11歳:平均年齢10.4歳)、青少年13例(13~17歳:平均年齢15.1歳)及び成人15例(18~25歳:平均年齢20.2歳)の1型糖尿病患者を対象に、本剤又はノボラピッド注0.2単位/kgを単回皮下投与した。
本剤の成人に対する小児又は青少年のAUC0-12h及びCmaxの幾何平均値の比とその95%信頼区間は、小児/成人で0.59[0.50;0.69]及び0.91[0.70;1.17]、青少年/成人で0.78[0.67;0.90]及び0.99[0.77;1.26]であった。小児に対し本剤及びノボラピッド注投与後、それぞれ5.22及び9.83分にインスリン アスパルトが血中に検出され(onset of appearanceの平均値)、投与後15分までの初期における曝露量(AUC0-15min)は7.31及び2.26pmol・h/L、投与後30分までの曝露量(AUC0-30min)は40.64及び22.79pmol・h/Lであった(幾何平均値)。青少年では、本剤又はノボラピッド注投与後のonset of appearance(平均値)はそれぞれ5.35及び10.96分、AUC0-15min(幾何平均値)は7.24及び1.69pmol・h/L、AUC0-30min(幾何平均値)は39.88及び20.23pmol・h/Lであった(外国人データ)。
16.8 その他
16.8.1 薬力学的特性
1型糖尿病患者43例を対象に、グルコースクランプ施行下で本剤又はノボラピッド注0.2単位/kgを単回皮下投与したときの薬力学パラメータ及びグルコース注入速度の推移は、以下のとおりであった。ノボラピッド注と比較して本剤で投与後初期に速やかに血糖降下作用が現れることが認められた。[7.1、8.1参照]
onset of action(min)t50%GIRmax(min)tGIRmax(min)
本剤(43例)20.19±6.9337.49±7.57119.42±30.62
ノボラピッド注(42例)25.45±8.0447.31±12.20137.98±40.95
差(本剤-ノボラピッド注)[95%信頼区間]-5.29[-8.42;-2.16]-9.97[-12.78;-7.15]-18.54[-32.88;-4.20]
平均値±SD、onset of action:投与から血糖値がベースラインより5mg/dL以上低下するまでの時間、t50%GIRmax:グルコース注入速度(GIR)が最大値(GIRmax)の50%を超えた最初の時点までの時間、tGIRmax:GIRmax到達時間
AUCGIR0-30min(mg/kg)AUCGIR0-1h(mg/kg)AUCGIR0-12h(mg/kg)GIRmax(mg/kg/min)
本剤(43例)15.45±11.88117.191026.235.34
ノボラピッド注(42例)7.37±10.6485.841093.735.57
比(本剤/ノボラピッド注)[95%信頼区間]2.10[1.32;4.08]1.36[1.20;1.54]0.93[0.87;0.99]0.95[0.89;1.02]
幾何平均値、AUCGIR0-30minは平均値±SD
平均グルコース注入速度の投与後5時間までの推移

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
ビグアナイド薬
スルホニルウレア薬
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害薬
チアゾリジン薬
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。
三環系抗うつ剤
ノルトリプチリン塩酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体
アスピリン
エテンザミド
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤
シクロホスファミド水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
ピンドロール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。機序不明
クロラムフェニコール血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。機序不明
ベザフィブラート血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること[11.1.1参照]。インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド
プレドニゾロン
トリアムシノロン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
ACTH
テトラコサクチド酢酸塩
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。
アドレナリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。
グルカゴン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
甲状腺ホルモン
レボチロキシン ナトリウム水和物
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。
成長ホルモン
ソマトロピン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
結合型エストロゲン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
ニコチン酸血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。
ダナゾール血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。
フェニトイン血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド
メテノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1参照]、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(頻度不明)
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので継続的に観察すること。[2.1、8.1、8.2、9.1.2、9.1.3、9.2.1、9.3.1、9.8、10.2参照]
11.1.2 アナフィラキシーショック(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.2~3%未満頻度不明
免疫系障害過敏症
代謝及び栄養障害抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良
眼障害糖尿病網膜症の顕在化又は増悪
皮膚及び皮下組織障害リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、アレルギー性皮膚疾患(発疹、じん麻疹、そう痒等)皮膚アミロイドーシス
全身障害及び投与部位状態注射部位/注入部位反応
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