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エゼチミブ錠10mg「DSEP」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症

用法・用量

  • 通常、成人にはエゼチミブとして1回10mgを1日1回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者[8.3、9.3.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 糖尿病患者
空腹時血糖の上昇が報告されている。[17.1.5参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。[2.2、8.3参照]
9.3.2 中等度又は重度の肝機能障害のある患者
投与しないことが望ましい。本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2参照]
9.3.3 軽度の肝機能障害のある患者[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。なお、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対して禁忌であるため、本剤との併用投与は行わないこと。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
ヒト母乳中への移行の有無は不明であるが、妊娠後から授乳期まで投与したラットで乳児への移行が認められている。なお、HMG-CoA還元酵素阻害剤は、授乳婦に対して禁忌であるため、本剤との併用投与は行わないこと。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
8.2 甲状腺機能低下症、閉塞性胆のう胆道疾患、慢性腎不全、膵炎等の疾患の合併、血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は、原疾患の治療、薬剤の切り替え等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること。
8.3 本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合、併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の添付文書を必ず参照し、禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、重大な副作用等の記載を確認すること。また、肝機能検査を、併用開始時及び併用するHMG-CoA還元酵素阻害剤の添付文書で推奨されている時期に実施すること。[2.2、9.3.1、11.1.2参照]
8.4 フィブラート系薬剤との併用に関しては、使用経験が限られている。併用する場合は、胆石症などの副作用の発現に注意すること。フィブラート系薬剤では胆汁へのコレステロール排泄を増加させ、胆石形成がみられることがある。本剤はイヌで胆のう胆汁中のコレステロール濃度の上昇が報告されている。[15.1、15.2参照]
8.5 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、ホモ接合体性シトステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
5.2 ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については、HMG-CoA還元酵素阻害剤及びLDLアフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(20例)に本剤10mgを食後に単回経口投与したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度の薬物動態パラメータは表1に、濃度推移は図に示したとおりであった。
表1 本剤10mg単回経口投与時のエゼチミブ及びエゼチミブ抱合体の薬物動態パラメータ
エゼチミブ(非抱合体)エゼチミブ抱合体
Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)Tmax(hr)Cmax(ng Eq/mL)AUC0-t(ng Eq・hr/mL)
2.10(92)6.03(56)55.6(30)1.48(28)72.3(38)333(40)
各値は20例の平均値(CV%)†血漿中エゼチミブ抱合体濃度は、等モルのエゼチミブ相当量として表記
図 本剤10mg単回経口投与時の血漿中エゼチミブ及びエゼチミブ抱合体濃度
16.1.2 反復投与
健康成人男性(9例)に本剤20mg注1)を1日1回14日間経口投与したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度はいずれも連投開始後3日までに定常状態に到達し、AUCについて算出した累積係数はエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体についてそれぞれ1.54及び1.37であった。
16.2 吸収
健康成人男性(20例)に本剤10mgを食後又は空腹時に単回経口投与したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のいずれにおいても、食事によるAUCへの明らかな影響は認められなかった。
健康成人男性(各6例)に本剤10、20注1)、40mg注1)を食後に単回経口投与したとき、エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体のいずれについても投与量に応じたCmax及びAUCの上昇が認められた。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
ヒト血漿に添加したときの蛋白結合率は、3H-エゼチミブ99.5%~99.8%、3H-エゼチミブ抱合体87.8%~92.0%であった。肝機能障害や腎機能障害による血漿蛋白結合率への影響は認められていない。
16.4 代謝
エゼチミブは、主に小腸における初回通過効果によって主要活性代謝物であるエゼチミブ抱合体(フェノール性水酸基におけるグルクロン酸抱合体)に代謝される。
健康成人男性(外国人8例)に14C-エゼチミブカプセル20mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中の総放射能に占めるエゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体の割合(AUC比)はそれぞれ11%及び82%(合計93%)であった。
16.5 排泄
16.5.1 尿・糞中排泄
健康成人男性(外国人8例)に14C-エゼチミブカプセル20mg注1)を単回経口投与したとき、投与後240時間までの放射能排泄率は糞中に78%、尿中に11%であった。
健康成人男性(各6例)に本剤10、20注1)、40mg注1)を単回経口投与したとき、投与後72時間までのエゼチミブ(非抱合体)としての尿中排泄率は0.05%未満であり、尿中総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)排泄率は8.7%~11%であった。
16.5.2 胆汁中排泄(腸肝循環)
エゼチミブ抱合体は胆汁中に排泄されたのち、腸内細菌叢による脱抱合をうけ、一部はエゼチミブ(非抱合体)として再吸収される(腸肝循環)。
胆管カニューレを施した雌雄ラットに14C-エゼチミブを単回経口投与したとき、投与後48時間までに排泄された放射能は、胆汁中に40%~63%、尿中には3%以下であり、未吸収のまま糞中に排泄された放射能は21%~32%であった。採取された胆汁を別ラットの十二指腸内へ投与したとき、投与放射能の54%~81%が再吸収ののち再び胆汁中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度の慢性腎機能障害患者(外国人8例、クレアチニンクリアランス10~29mL/min)に本剤10mgを単回経口投与したとき、健康成人(外国人9例、クレアチニンクリアランス>80mL/min)と比較して血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCにそれぞれ約1.6倍及び1.5倍の上昇が認められた。
16.6.2 肝機能障害患者
軽度、中等度又は重度の慢性肝機能障害患者(外国人、各4例)若しくは健康成人(外国人8例)に本剤10mgを単回経口投与したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度の薬物動態パラメータは表2に示したとおりであった。肝機能障害患者では肝機能障害の程度に応じた血漿中薬物濃度の上昇が認められた。[9.3.2、9.3.3参照]
表2 肝機能障害患者における本剤10mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
肝機能障害エゼチミブ(非抱合体)エゼチミブ抱合体
Tmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)Tmax(hr)Cmax(ng Eq/mL)AUC0-t(ng Eq・hr/mL)
正常(n=8)7.00(59)3.86(118)54.6(36)1.81(95)95.3(50)864(45)
軽度(n=4)6.25(72)4.10(37)75.8(54)1.25(23)138(32)1468(14)
中等度(n=4)9.50(26)13.1(41)316(51)2.75(79)171(24)2685(16)
重度(n=4)7.00(49)16.2(43)265(57)2.88(46)178(31)3418(41)
各値は平均値(CV%)†血漿中エゼチミブ抱合体濃度は、等モルのエゼチミブ相当量として表記
16.6.3 高齢者
高齢者(12例、年齢65~75歳)に本剤10mgを1日1回10日間経口投与したとき、非高齢対照群(11例、年齢20~24歳)と比較して血漿中エゼチミブ抱合体濃度のAUCに約2.4倍の上昇が認められたが、血漿中エゼチミブ(非抱合体)濃度のAUCに明らかな変化は認められなかった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 チトクロムP450酵素系への影響
健康成人(外国人12例)を対象として、本剤20mg注1)と各種チトクロムP450酵素系の基質となる代表的な指標薬を併用したとき、CYP1A2、CYP2C8/9、CYP2D6及びCYP3A4活性、並びにN-アセチルトランスフェラーゼ活性への影響は認められなかった。
16.7.2 HMG-CoA還元酵素阻害剤との相互作用
成人を対象として、各種HMG-CoA還元酵素阻害剤(シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン)と本剤10mgを併用で1日1回、7又は14日間経口投与した結果注2)、エゼチミブはいずれのHMG-CoA還元酵素阻害剤の薬物動態に対しても明らかな影響を及ぼさず、また、いずれのHMG-CoA還元酵素阻害剤もエゼチミブの薬物動態に明らかな影響を与えなかった。
16.7.3 コレスチラミンによる影響
成人(外国人8例、LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として、コレスチラミン4g(1日2回)と本剤10mg(1日1回)を併用したとき、血漿中エゼチミブ(非抱合体)及びエゼチミブ抱合体濃度のAUCはそれぞれ約1/5及び1/2に低下した。[10.2参照]
16.7.4 フェノフィブラートとの相互作用
成人(外国人8例、LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象として、フェノフィブラート200mg(1日1回)と本剤10mg(1日1回)を併用したとき、血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmax及びAUCはそれぞれ約1.7倍及び1.5倍上昇したが、臨床上意味のあるものではなかった。フェノフィブラートの薬物動態に及ぼすエゼチミブの影響は認められなかった。
16.7.5 シクロスポリン製剤との相互作用
クレアチニンクリアランスが50mL/minを超え、かつ、一定用量(75~150mg1日2回)のシクロスポリン製剤を服用中の腎移植患者(外国人8例)に本剤10mgを単回投与したとき、総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)のAUCは健康成人と比較して約3.4倍高値を示した。別の試験で、重度の腎機能障害のため腎移植を行い、シクロスポリン製剤を含む複数の薬剤による治療を受けていた患者(外国人1例、クレアチニンクリアランス:13.2mL/min)に本剤10mgを単回投与したとき、総エゼチミブ(非抱合体+抱合体)のAUCは健康成人と比較して約12倍高値を示した。健康成人(外国人12例)を対象として、本剤20mg注1)(1日1回8日間)の連投7日目にシクロスポリン製剤100mgを単回経口投与したとき、血液中シクロスポリン濃度のCmax及びAUCはシクロスポリン単独投与と比較してそれぞれ10%及び15%上昇した。[10.2参照]
16.7.6 その他の薬物動態学的相互作用
薬物相互作用に関する臨床試験(外国人)で、本剤10mgとワルファリン、ジゴキシン、経口避妊薬(エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル)を併用した結果、これらの薬物動態への影響は認められなかった。シメチジンと本剤10mgを併用した結果、本剤のバイオアベイラビリティに対する影響は認められなかった。制酸剤(水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムを含有)と本剤10mgを併用したとき、血漿中エゼチミブ抱合体濃度のCmaxは約30%低下したが、AUCへの影響は認められなかった。
注1)本剤の承認用量は1日1回10mgである。
注2)ピタバスタチン以外は外国人(LDLコレステロール値≧130mg/dL)を対象とした試験

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
陰イオン交換樹脂
(コレスチミド、コレスチラミン等)
[16.7.3参照]
本剤の血中濃度の低下がみられた。本剤は陰イオン交換樹脂の投与前2時間あるいは投与後4時間以上の間隔をあけて投与すること。本剤が陰イオン交換樹脂と結合し、吸収が遅延あるいは減少する可能性がある。
シクロスポリン
[16.7.5参照]
本剤及びシクロスポリンの血中濃度の上昇がみられた。併用する場合は、シクロスポリンの血中濃度のモニターを十分に行うこと。機序不明
クマリン系抗凝固剤
(ワルファリン等)
プロトロンビン時間国際標準比(INR)の上昇がみられた。併用する場合には適宜INR検査を行うこと。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
アナフィラキシー、血管神経性浮腫、発疹を含む過敏症状があらわれたとの報告がある。
11.1.2 横紋筋融解症(頻度不明)
本剤との因果関係は確立していないが、まれに横紋筋融解症、ミオパチーの報告があるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.3 肝機能障害(頻度不明)
AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
精神神経系頭痛、しびれ、めまい、坐骨神経痛抑うつ、錯感覚
消化器便秘、下痢、腹痛、腹部膨満、悪心・嘔吐アミラーゼ上昇、食欲不振、消化不良、逆流性食道炎、鼓腸放屁、口内炎、胃炎膵炎、胆石症、胆のう炎、口内乾燥
肝臓ALT上昇注1)、γ-GTP上昇AST上昇、ビリルビン上昇肝炎
腎臓蛋白尿BUN上昇
循環器期外収縮、動悸、血圧上昇、胸痛ほてり
筋肉CK上昇注2)関節痛、背部痛、四肢痛筋肉痛、筋力低下、筋痙縮
血液白血球減少血小板減少
皮膚発疹そう痒蕁麻疹、多形紅斑
その他コルチゾール上昇テストステロン低下、TSH上昇、尿酸上昇、リン値上昇、疲労、浮腫(顔面・四肢)、帯状疱疹、単純疱疹、結膜炎、咳嗽無力症、疼痛

注1)本剤単独投与時は1.5%、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用した場合は3.5%
注2)本剤単独投与時は1.7%、HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用した場合は2.7%

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