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メサラジン注腸1g「ケンエー」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 潰瘍性大腸炎(重症を除く)

用法・用量

  • 通常、成人には1日1個(メサラジンとして1g)を、直腸内注入する。なお、年齢、症状により適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 重篤な腎障害のある患者[9.2.1参照]
  • 2.2 重篤な肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[8.1参照]
  • 2.4 サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある患者
メサラジン錠をサラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に投与したところ、国内の臨床試験で39例中3例(7.7%)、外国において43例中2例(4.7%)に同様のアレルギー症状が認められた。そのため、サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与する場合は注意すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎障害のある患者
投与しないこと。腎障害がさらに悪化するおそれがある。[2.1参照]
9.2.2 腎機能の低下している患者(重篤な腎障害のある患者を除く)
排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。[7.1、8.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害がさらに悪化するおそれがある。[2.2参照]
9.3.2 肝機能の低下している患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがある。[7.1、8.4参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。メサラジンの動物実験(ラット)では催奇形性は認められていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している。[7.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎が悪化することがあるため、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[2.3参照]
8.2 メサラジン錠において、間質性腎炎が報告されているため、投与中はクレアチニン等の腎機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。[9.2.2、11.1.3参照]
8.3 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症があらわれることがあるので、投与期間中は血液検査等を行うこと。[11.1.4参照]
8.4 メサラジン錠において、肝炎、肝機能障害、黄疸が報告されているため、投与中はAST、ALT等の肝機能をモニターする等、患者の状態を十分に観察すること。[9.3.2、11.1.5参照]
8.5 膵炎があらわれることがあるので、投与期間中は血清アミラーゼの検査等を行うこと。[11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤はポリエチレン製の容器に入った液剤で、脱酸素剤とともにアルミの袋に入っている。使用直前に袋から取り出して使用するよう患者に指導すること。[20.参照]
14.1.2 使用方法
(1)アルミ袋から取り出し、カテーテルの目盛りを目安にして、ストッパーをスライドさせ挿入深度を合わせ、容器をよく振る。
(2)カテーテルをしっかり持ち、キャップを回すように取りはずす。
(3)左側臥位になり、カテーテルをストッパーの位置まで肛門からゆっくりと挿入する(直腸粘膜を傷つけるおそれがあるので、慎重に挿入すること)。
(4)カテーテルを挿入後、薬液をゆっくりと注入する。
(5)薬液を注入後、ゆっくりとカテーテルを抜き取る。
14.1.3 メサラジンは光及び酸素の影響で分解されやすいため、アルミ袋を開封したものは保存できない。[20.参照]
14.1.4 本品は白色~微黄色の懸濁液である。メサラジンは酸化により分解されやすく有色の分解物を生成するため、上澄液が無色~微黄色の範囲を超えて着色したものは使用しないこと。
14.2 薬剤投与後の注意
メサラジン又はその代謝物を含む尿は、次亜塩素酸塩を含有する漂白剤と接触することにより赤褐色に変色することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤をメサラジン経口剤と併用する場合には、メサラジンとしての総投与量が増加することを考慮し、特に肝又は腎機能の低下している患者並びに高齢者等への投与に際しては十分に注意すること。併用時に異常が認められた場合には、減量又は中止する等の適切な処置を行うこと。[9.2.2、9.3.2、9.8参照]

5.効能又は効果に関連する注意

脾彎曲部より口側の炎症には効果が期待できない。[16.8参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したとき、血漿中未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)は投与後3時間にそれぞれ0.35μg/mL(中央値、範囲0.1~1.77μg/mL)及び0.55μg/mL(中央値、範囲0.33~1.49μg/mL)の最高血漿中濃度に達した(外国人データ)。
16.1.2 生物学的同等性試験
メサラジン注腸1g「ケンエー」とペンタサ注腸1gを、クロスオーバー法によりそれぞれ1個(メサラジンとして1g)健康成人男子に絶食単回直腸投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-24(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
メサラジン注腸1g「ケンエー」10.81±6.911.12±0.542.5±1.86.3±3.6※1
ペンタサ注腸1g10.21±5.821.14±0.512.5±1.86.1±3.8※2
(Mean±S.D.,n=49,T1/2;※1:n=47,※2:n=46)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.4 代謝
メサラジンは全身に分布するN-アセチルトランスフェラーゼによって生体内でアセチル体に代謝される。
16.5 排泄
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したときの投与後48時間までの排泄率は、尿中では未変化体は検出せず、アセチル体が35%(中央値、範囲20~79%)であり、糞中では未変化体が26%(中央値、範囲18~43%)、アセチル体が2%(中央値、範囲0.1~6%)であった(外国人データ)。
16.8 その他
99mTcで標識したメサラジン注腸剤1g/100mLを健康成人8名に経直腸投与したときの腸内での最遠到達部位と移行量を調べた。1名では直腸とS状結腸に滞留し、7名では脾彎曲部まで達し、そのうち4名は横行結腸まで到達した(外国人データ)。[5.参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
利尿剤
フロセミド
スピロノラクトン
トリクロルメチアジド等
ステロイド剤
プレドニゾロン
デキサメタゾン
ベタメタゾン等
臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意する。動物実験(ラット)で、メサラジンの大量投与(300mg/kg)により、尿量及びこれらイオンの排泄増加がみられる。
アザチオプリン
メルカプトプリン
骨髄抑制があらわれるおそれがある。本剤は、チオプリンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するなど、これらの薬剤の代謝を阻害するとの報告がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(頻度不明)
間質性肺疾患(好酸球性肺炎、肺胞炎、肺臓炎、間質性肺炎等)が報告されているので、発熱、咳、呼吸困難、胸部X線異常等があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.2 心筋炎、心膜炎、胸膜炎(いずれも頻度不明)
胸水、胸部痛、心電図異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.3 間質性腎炎、ネフローゼ症候群、腎機能低下、急性腎障害(いずれも頻度不明)[8.2参照]
11.1.4 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少症(いずれも頻度不明)[8.3参照]
11.1.5 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.6 膵炎(頻度不明)[8.5参照]
11.1.7 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
11.1.8 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
副作用頻度は、国内のペンタサ錠250mg・500mgの臨床成績及び市販後調査結果、又は外国における市販後調査結果(経口剤、注腸剤、坐剤を区別していない)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上0.01~1%未満0.01%未満頻度不明
皮膚発疹、丘疹、蕁麻疹、紅斑脱毛そう痒感
消化器下痢、腹痛、嘔気、嘔吐血便注1)、下血注1)、アミラーゼ上昇、腹部膨満感注1)、便秘注1)、粘液便注1)食欲不振、口内炎、便の変色(黒色等)
肝臓AST・ALT・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常
腎臓尿着色注1)クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常
血液白血球減少、貧血、好酸球増多
その他頭痛CK上昇注1)筋肉痛、関節痛、ループス様症候群発熱、浮腫、全身倦怠感、めまい、末梢神経障害、肛門部位疼痛、肛門部位のかゆみ、不快感、便意切迫、胸部痛、頚部痛、CRP上昇

副作用頻度は、国内のペンタサ錠250mg・500mgの臨床成績及び市販後調査結果、又は外国における市販後調査結果(経口剤、注腸剤、坐剤を区別していない)
注1)国内でペンタサ錠250mg・500mgにおいて認められた副作用

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