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タダラフィル錠20mgAD「杏林」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 肺動脈性肺高血圧症

用法・用量

  • 通常、成人には1日1回タダラフィルとして40mgを経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤と硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を下降させることがあるので、本剤投与の前に、硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されていないことを十分確認し、本剤投与中及び投与後においても硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤が投与されないよう十分注意すること。[2.2、10.1参照]
    ただし、肺動脈性肺高血圧症の治療において一酸化窒素吸入療法と本剤の併用が治療上必要と判断される場合は、緊急時に十分対応できる医療施設において、肺動脈性肺高血圧症の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで、慎重に投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 硝酸剤又は一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を投与中の患者[1.、10.1参照]
  • 2.3 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.4 重度の腎障害のある患者[9.2.1参照]
  • 2.5 重度の肝障害のある患者[9.3.1参照]
  • 2.6 チトクロームP450 3A4(CYP3A4)を強く阻害する薬剤(イトラコナゾール、リトナビル含有製剤、アタザナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、ダルナビル含有製剤、クラリスロマイシン、テラプレビル、コビシスタット含有製剤、エンシトレルビル)を投与中の患者[10.1参照]
  • 2.7 CYP3A4を強く誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール)を長期的に投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳梗塞・脳出血の既往歴が最近6ヵ月以内にある患者
これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。
9.1.2 コントロール不良の不整脈、低血圧(血圧<90/50mmHg)又はコントロール不良の高血圧(安静時血圧>170/100mmHg)のある患者
これらの患者における安全性及び有効性は確立していない。
9.1.3 網膜色素変性症患者
ホスホジエステラーゼ(PDE)の遺伝的障害を持つ症例が少数認められる。
9.1.4 陰茎の構造上欠陥(屈曲、陰茎の線維化、Peyronie病等)のある患者
本剤の薬理作用により勃起が起こり、その結果陰茎に痛みを引き起こす可能性がある。
9.1.5 持続勃起症の素因となり得る疾患(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病等)のある患者
9.1.6 出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者
in vitro試験でニトロプルシドナトリウム(NO供与剤)の血小板凝集抑制作用を増強することが認められている。出血性疾患又は消化性潰瘍のある患者に対する安全性は確立していない。
9.1.7 肺静脈閉塞性疾患を有する患者
本剤を投与しないことが望ましい。肺血管拡張剤は、肺静脈閉塞性疾患を有する患者の心血管系の状態を著しく悪化させるおそれがある。肺静脈閉塞性疾患を有する患者における有効性及び安全性は確立していない。
9.1.8 重症の左室流出路閉塞、体液減少、自律神経障害に伴う低血圧や安静時低血圧等を有する患者
他のPDE5阻害剤と同様に、本剤は血管拡張作用を有するため一過性の軽度の血圧低下があらわれる場合がある。
9.1.9 出血の危険因子(ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法、抗血小板療法、結合組織疾患に伴う血小板機能異常、経鼻酸素療法)を有する患者
出血の危険性が高まるおそれがある。[10.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎障害患者
投与しないこと。本剤の血漿中濃度が上昇し、また透析によるクリアランスの促進は期待されない。また、これらの患者は臨床試験では除外されている。[2.4、16.6.1(2)参照]
9.2.2 軽度又は中等度の腎障害患者
本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。[7.1、16.6.1(1)参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝障害患者
投与しないこと。これらの患者は臨床試験では除外されている。[2.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。[16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 4時間以上の勃起の延長又は持続勃起(6時間以上持続する痛みを伴う勃起)が外国にてごくまれに報告されている。持続勃起に対する処置を速やかに行わないと陰茎組織の損傷又は勃起機能を永続的に損なうことがあるので、勃起が4時間以上持続する症状がみられた場合、直ちに医師の診断を受けるよう指導すること。
8.2 臨床試験において、めまいや視覚障害が認められているので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
8.3 本剤投与後に急激な視力低下又は急激な視力喪失があらわれた場合には、速やかに眼科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[15.1.2参照]
8.4 本剤投与後に急激な聴力低下又は突発性難聴(耳鳴り、めまいを伴うことがある)があらわれた場合には、速やかに耳鼻科専門医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[15.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 軽度又は中等度の腎障害のある患者では、1日1回20mgを投与する。[9.2.2、16.6.1(1)参照]
7.2 軽度又は中等度の肝障害のある患者では、本剤の投与経験は限られていることから、リスク・ベネフィットを考慮し、本剤を投与する際には1日1回20mgを投与する。

5.効能又は効果に関連する注意

肺高血圧症に関するWHO機能分類クラスIにおける有効性・安全性は確立されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
日本人健康成人にタダラフィル20mg注1)(18例)又は40mg(18例)を1日1回10日間反復経口投与したときのタダラフィルの血漿中濃度は、投与日に関係なく投与後1~4時間(Tmaxの中央値=3時間)にピークに達した。また、タダラフィルの血漿中濃度は、反復投与5日目までに定常状態に達した。血漿中濃度の消失半減期は約14~15時間であった。タダラフィル20mg注1)又は40mgを投与したときのAUC及びCmaxの増加は、投与量に比例した増加割合より低かった。定常状態でのタダラフィルのAUC及びCmaxは、初回投与時と比べて20mg注1)及び40mgでそれぞれ約40%及び約30%増加した。[16.1.2参照]
注1)承認用量は40mgである。
表16-1 健康成人にタダラフィル20mg注1)又は40mgを1日1回10日間反復投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
投与量(mg)日数nAUC(μg・h/L)注2)Cmax(μg/L)Tmax(h)注3)T1/2(h)
201日目184478(14.9)339(16.3)3.00(1.00~4.00)
10日目176430(18.7)461(18.4)3.00(2.00~4.00)14.5(17.9)
401日目187570(24.5)557(19.0)3.00(2.00~4.00)
5日目1510300(23.8)732(19.3)3.00(2.00~4.00)
10日目159630(20.5)688(16.1)3.00(2.00~4.00)14.3(12.1)
幾何平均値(変動係数%)注2)投与間隔(24時間)での血漿中薬物濃度下面積注3)中央値(範囲)
16.1.2 母集団薬物動態解析
プラセボ対照二重盲検比較試験における母集団薬物動態解析の結果、肺動脈性肺高血圧症患者注4)に40mgを1日1回反復経口投与(ボセンタン非併用時)したときのAUCssの推定値は、外国人健康成人の値と比べて約26%高値であったが、Cmaxに顕著な差はなかった。健康成人と同様に患者でもタダラフィル20mg注1)又は40mgを投与したときのAUC及びCmaxの増加は、投与量に比例した増加割合より低かった。[16.1.1参照]また、タダラフィルとボセンタンを併用投与すると、タダラフィルの曝露量が低下した。[16.7.3参照]
注4)肺動脈性肺高血圧症患者389例、日本人患者22例を含む。
表16-2 肺動脈性肺高血圧症患者にタダラフィル20mg注1)及び40mgを1日1回反復投与したときの曝露量の推定値
投与量(mg)タダラフィルの曝露量[AUCss(μg・h/L)注5)
タダラフィル単独投与タダラフィル+ボセンタン併用投与
2011524.5(6179.6-15449.0)6874.60(4390.0-10595.0)
4014825.5(10017.0-26792.0)9600.0(5906.3-17306.0)
中央値(10-90パーセンタイル)注5)定常状態における投与間隔(24時間)での血漿中薬物濃度下面積
16.1.3 生物学的同等性試験
タダラフィル錠20mgAD「杏林」とアドシルカ錠20mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(タダラフィルとして20mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表16-3 薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-72(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
タダラフィル錠20mgAD「杏林」7827.2±2943.1359.87±74.142.52±1.1216.2±6.0
アドシルカ錠20mg7566.6±2901.4324.04±73.593.56±2.3316.9±6.7
(Mean±S.D.,n=27)
図16-1 血漿中タダラフィル濃度
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人15例にタダラフィル40mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmax共に食事摂取による影響は認められなかった。また、Tmaxは食後投与と空腹時投与で同程度であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
タダラフィルの血漿蛋白結合率は94%(in vitro、平衡透析法)であり、主にアルブミン及びα1酸性糖蛋白と結合する。
16.4 代謝
健康成人6例に14C-タダラフィル100mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中には主にタダラフィル未変化体及びメチルカテコールグルクロン酸抱合体が認められた。血漿中のメチルカテコール体はメチルカテコールグルクロン酸抱合体の10%未満であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に14C-タダラフィル100mg注1)を単回経口投与したときの、投与後312時間までの放射能回収率は糞便中60.5%、尿中36.1%であった。糞便中には主にメチルカテコール体、カテコール体、尿中には主にメチルカテコールグルクロン酸抱合体及びカテコールグルクロン酸抱合体が認められた(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎障害患者
(1)軽度及び中等度腎障害患者
健康成人12例、軽度腎障害患者(CLcr=51~80mL/min)8例、中等度腎障害患者(CLcr=31~50mL/min)8例にタダラフィル5mg及び10mg注1)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約100%及び20~30%増加した(外国人データ)。[7.1、9.2.2参照]
(2)血液透析を受けている末期腎不全患者
血液透析を受けている末期腎不全患者16例にタダラフィル5mg、10mg及び20mg注1)を単回経口投与したとき、AUC0-∞及びCmaxは健康成人のそれぞれ約109%及び41%増加した(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝障害患者
健康成人8例及び肝障害患者25例注6)にタダラフィル10mg注1)を単回経口投与したとき、軽度肝障害患者(Child-Pugh class A)と中等度肝障害患者(Child-Pugh class B)のAUC0-∞は健康成人とほぼ同様であった(外国人データ)。
注6)軽微肝障害(脂肪肝が認められた患者)、n=8:軽度肝障害(Child-Pugh class A)、n=8:中等度肝障害(Child-Pugh class B)、n=8:重度肝障害(Child-Pugh class C)、n=1。
16.6.3 高齢者
健康高齢者12例(65~78歳)及び健康若年者12例(19~45歳)にタダラフィル10mg注1)を単回経口投与したとき、Cmaxは高齢者と若年者とでほぼ同様であったが、高齢者のAUC0-∞は若年者に比べ約25%高値であった(外国人データ)。[9.8参照]
表16-4 高齢者及び若年者にタダラフィル10mg注1)を単回投与したときの血漿中タダラフィル濃度より算出した薬物動態パラメータ
nAUC0-∞(μg・h/L)Cmax(μg/L)Tmax(h)注7)T1/2(h)
高齢者124881(31.7)196(26.9)2.00(1.00~4.00)21.6(39.0)
若年者123896(42.6)183(25.5)2.50(1.00~6.00)16.9(29.1)
幾何平均値(変動係数%)注7)中央値(範囲)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 経口ケトコナゾール
健康成人12例にケトコナゾール400mg(1日1回経口投与、国内未発売)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxは、それぞれ312%及び22%増加した(外国人データ)。
健康成人11例にケトコナゾール200mg(1日1回経口投与)とタダラフィル10mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのAUC0-∞及びCmaxはそれぞれ107%及び15%増加した(外国人データ)。[10.1参照]
16.7.2 リトナビル
健康成人16例にリトナビル500mg又は600mg(1日2回)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは30%低下したが、AUC0-∞は32%増加した(外国人データ)。
健康成人8例にリトナビル200mg(1日2回)とタダラフィル20mg注1)を併用投与したとき、タダラフィルのCmaxは同程度であったが、AUC0-∞は124%増加した(外国人データ)。[10.1参照]
16.7.3 ボセンタン
健康成人15例にタダラフィル40mg(1日1回)及びボセンタン125mg(1日2回)を10日間併用投与した。投与1日目におけるタダラフィルのAUC及びCmaxはタダラフィルを単独投与時の値と同程度であったが、投与10日目におけるタダラフィルのAUC及びCmaxはタダラフィルを単独投与時の値と比べてそれぞれ41.5%及び26.6%低下した。[16.1.2参照]一方、タダラフィルによるボセンタンのAUC及びCmaxに対する影響は認められなかった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 ジゴキシン
健康成人20例にジゴキシン0.25mgを1日1回反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル40mgを1日1回10日間反復経口投与した結果、タダラフィルによるジゴキシンのAUC、Cmax及びCminに対する明らかな影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.5 α遮断剤
(1)ドキサゾシン
健康成人18例にドキサゾシン8mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル20mg注1)を単回経口投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.64mmHg及び2.78mmHgであった(外国人データ)。
健康成人45例にドキサゾシン(4mgまで漸増)とタダラフィル5mg注1)を1日1回反復経口投与したとき、ドキサゾシンの血圧降下作用に増強がみられた。この試験において、失神等の症状を伴う血圧変化に関する有害事象がみられた(外国人データ)。[10.2参照]
(2)タムスロシン
健康成人18例にタムスロシン0.4mgを反復経口投与時の定常状態で、タダラフィル10mg又は20mg注1)を単回投与したとき、立位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ2.3mmHg及び2.2mmHg、臥位の収縮期及び拡張期血圧の最大下降量はそれぞれ3.2mmHg及び3.0mmHgであり、明らかな血圧への影響は認められなかった(外国人データ)。
健康成人39例にタムスロシン0.4mgとタダラフィル5mg注1)を1日1回反復経口投与したとき、明らかな血圧への影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.6 経口避妊薬
健康成人26例に経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.03mg及びレボノルゲストレル0.15mg含有製剤)とタダラフィル40mgを21日間併用投与した結果、エチニルエストラジオールのAUC及びCmaxは、経口避妊薬とプラセボを併用投与したときの値と比べてそれぞれ26%及び70%増加した。タダラフィル併用投与時とプラセボ併用投与時でレボノルゲストレルの血漿中濃度に統計学的に有意な差は認められなかった(外国人データ)。
16.7.7 その他の薬剤
他剤(ニザチジン、制酸配合剤)又はアルコールがタダラフィル(10又は20mg注1))に及ぼす影響について検討した結果、ニザチジン、制酸配合剤又はアルコールによるタダラフィルの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった。また、タダラフィル(10又は20mg注1))が他剤(ミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン及びアムロジピン)又はアルコールに及ぼす影響について検討した結果、タダラフィルによるミダゾラム、テオフィリン、ワルファリン、アムロジピン又はアルコールの薬物動態に対する明らかな影響は認められなかった(外国人データ)。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
硝酸剤及びNO供与剤
ニトログリセリン
亜硝酸アミル
硝酸イソソルビド
ニコランジル等
[1.、2.2参照]
併用により、降圧作用を増強するとの報告がある。NOはcGMPの産生を刺激し、一方、本剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介するNOの降圧作用が増強する。
sGC刺激剤
リオシグアト(アデムパス)
[2.3参照]
併用により、血圧低下を起こすおそれがある。併用により、細胞内cGMP濃度が増加し、全身血圧に相加的な影響を及ぼすおそれがある。
CYP3A4を強く阻害する薬剤
イトラコナゾール(イトリゾール)
リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド)
アタザナビル(レイアタッツ)
インジナビル(クリキシバン)
ネルフィナビル(ビラセプト)
サキナビル(インビラーゼ)
ダルナビル含有製剤(プリジスタ、プレジコビックス)
クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
テラプレビル(テラビック)
コビシスタット含有製剤(スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス)
エンシトレルビル(ゾコーバ)
[2.6、16.7.1、16.7.2参照]
強いCYP3A4阻害作用を有するケトコナゾール(400mg/日:経口剤、国内未発売)との併用により、本剤(20mg)のAUC及びCmaxが312%及び22%増加するとの報告がある。また、リトナビル(200mg/1日2回投与)との併用により、本剤(20mg)のAUCが124%増加するとの報告がある。CYP3A4を強く阻害することによりクリアランスが高度に減少し、本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。また、臨床試験では除外されている。
CYP3A4を強く誘導する薬剤
リファンピシン(リファジン)
フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール)
[2.7参照]
リファンピシン(600mg/日)との併用により、本剤(10mg)のAUC及びCmaxがそれぞれ88%及び46%低下するとの報告がある。CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤
ホスアンプレナビル
ジルチアゼム
エリスロマイシン
フルコナゾール
ベラパミル
グレープフルーツジュース等
本剤のAUC及びCmaxが増加するおそれがある。CYP3A4阻害によるクリアランスの減少。
CYP3A4を誘導する薬剤本剤のAUC及びCmaxが低下するおそれがある。CYP3A4誘導によるクリアランスの増加。
ボセンタン
[16.7.3参照]
ボセンタン(125mg/1日2回投与)との10日間併用により、本剤(40mg)の10日目におけるAUC及びCmaxが初日と比べてそれぞれ41.5%及び26.6%低下するとの報告がある。本剤によるボセンタンのAUC及びCmaxに対する影響はみられなかった。CYP3A4誘導によるクリアランスの増加により本剤の血漿中濃度が低下する。
α遮断剤
ドキサゾシン
テラゾシン等
[16.7.5(1)参照]
ドキサゾシン(8mg)と本剤(20mg)の併用により、立位収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ9.81mmHg及び5.33mmHg下降するとの報告がある。また、α遮断剤との併用で失神等の症状を伴う血圧低下を来したとの報告がある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤
アムロジピン
メトプロロール
エナラプリル
カンデサルタン等
アンジオテンシンII受容体拮抗剤(単剤又は多剤)と本剤(20mg)の併用により、自由行動下収縮期血圧及び拡張期血圧は最大それぞれ8mmHg及び4mmHg下降するとの報告がある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
カルペリチド併用により降圧作用が増強するおそれがある。本剤は血管拡張作用による降圧作用を有するため、併用により降圧作用を増強するおそれがある。
ビタミンK拮抗薬
ワルファリン
[9.1.9参照]
本剤(10及び20mg/日)との併用において、ワルファリン(25mg)の薬物動態及び抗凝固作用に対する影響は認められなかったが、併用により出血の危険性が高まるおそれがある。ビタミンK拮抗薬等の抗凝固療法を施行している患者では出血の危険性が高まるおそれがある。
ベルイシグアト症候性低血圧を起こすおそれがある。治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること。細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏症(頻度不明)
発疹、蕁麻疹、顔面浮腫、剥脱性皮膚炎、Stevens-Johnson症候群等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
循環器潮紅ほてり、低血圧失神動悸、胸痛、心不全、心筋梗塞注1)、心突然死注1)、頻脈、高血圧、レイノー現象、血腫
感覚器霧視眼充血、眼痛、結膜出血、視力低下、眼の異常感回転性めまい、眼乾燥、非動脈炎性前部虚血性視神経症注2)、網膜静脈閉塞、視野欠損、視覚障害、中心性漿液性脈絡網膜症
消化器悪心、消化不良下痢、胃食道逆流性疾患、嘔吐、上腹部痛、腹部不快感、胃炎鼓腸腹部膨満、腹痛、胃不快感、口内乾燥
肝臓AST増加
筋骨格筋痛、背部痛四肢痛、筋痙縮、関節痛、筋骨格硬直関節炎、四肢不快感
精神・神経系頭痛浮動性めまい、睡眠障害うつ病、下肢静止不能症候群、感覚鈍麻、錯感覚、片頭痛脳卒中注1)
泌尿・生殖器月経過多持続勃起症、勃起延長
呼吸器鼻閉、鼻出血、呼吸困難副鼻腔うっ血
皮膚発疹そう痒症多汗症
血液貧血、INR増加
その他末梢性浮腫、疲労、挫傷、疼痛顔面浮腫、貪食細胞性組織球症体重増加、食欲不振、腫脹、浮腫

注1)これらのほとんどの症例が本剤投与前から心血管系障害等の危険因子を有していたことが報告されており、これらの事象が本剤、性行為又は患者が以前から有していた心血管系障害の危険因子に起因して発現したものなのか、又は、これらの要因の組合せにより発現したものなのかを特定することはできない。
注2)[15.1.2参照]

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