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タブネオスカプセル10mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症

用法・用量

  • 通常、成人にはアバコパンとして1回30mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類:C)のある患者
肝機能が悪化するおそれがあるので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。本剤は主に肝臓で代謝される。重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類:C)を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2、11.1.1、16.4参照]
9.5 妊婦
投与しないことが望ましい。ハムスターを用いた生殖発生毒性試験において、骨格変異の増加が認められている。ウサギを用いた生殖発生毒性試験において、流産の増加が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ハムスターを用いた生殖発生毒性試験において、本剤を母動物に強制経口投与すると出生児の血漿中にアバコパンが検出されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。
8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.3.1、11.1.1参照]
8.3 本剤の投与中はニューモシスティス肺炎に対する適切な予防措置を考慮すること。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

抗好中球細胞質抗体陰性の顕微鏡的多発血管炎及び多発血管炎性肉芽腫症患者を対象とした臨床試験は実施していないため、ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に使用すること。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性に本剤10~100mg注)を空腹時に単回経口投与したときのアバコパン及び主要代謝物であるM1の血漿中薬物動態パラメータは以下の通りであった。
用量Tmaxa)(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)t1/2(hr)
アバコパン10mg1.50
(1.00-3.00)
37.5
(19.6)
117.3
(33.7)
3.89
(34.3)
30mg1.50
(1.00-2.00)
122.5
(36.4)
607.3
(44.7)
39.36
(63.8)
100mg2.00
(1.50-3.00)
515.4
(17.4)
4036.1
(27.0)
80.52
(15.3)
M110mg1.75
(1.50-3.00)
17.6
(23.9)
146.1
(29.9)
15.40
(29.7)
30mg2.25
(2.00-2.50)
54.6
(26.7)
594.8
(40.1)
30.07
(28.0)
100mg2.50
(2.00-4.00)
169.0
(9.0)
2568.5
(20.4)
40.08
(23.5)
8例の幾何平均値(幾何CV%)を示す。a)中央値(最小値-最大値)
注)本剤の承認されている用法及び用量は「通常、成人にはアバコパンとして1回30mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。」である。
16.1.2 反復投与
日本人健康成人男性に本剤30mgを食後に1日2回7日間反復経口投与したとき、アバコパンの血漿中薬物濃度は投与5日目に定常状態に達した。投与1日目及び投与7日目におけるアバコパン及びM1の薬物動態パラメータ及び7日間反復投与におけるアバコパン及びM1の血漿中濃度推移は以下の通りであった。
Tmaxa)(hr)Cmax(ng/mL)AUCτ(ng・hr/mL)t1/2(hr)
アバコパン投与1日目2.50
(2.00-4.00)
136.3
(19.4)
624.4
(30.8)
5.93
(32.7)
投与7日目2.75
(2.00-4.00)
246.6
(23.3)
1479.3
(36.0)
146.9
(22.3)
M1投与1日目2.50
(2.00-4.00)
36.6
(14.7)
246.4
(15.8)
13.51
(28.5)
投与7日目4.00
(2.50-4.00)
79.9
(19.1)
700.1
(25.0)
63.63
(7.9)
8例の幾何平均値(幾何CV%)を示す。a)中央値(最小値-最大値)
16.2 吸収
日本人健康成人男性8例における食事(低脂肪食)の影響を検討した結果、Tmax(空腹時:1.50時間、食後:2.50時間)及びt1/2(空腹時:44.3時間、食後:109時間)に影響を及ぼし、食後投与時のCmax及びAUC0-∞は、空腹時投与に比較してそれぞれ約1.08及び2.11倍であった。白人健康成人男性16例における食事(高脂肪食)の影響を検討した結果、Tmax(空腹時:2.01時間、食後:6.00時間)及びt1/2(空腹時:73.5時間、食後:97.6時間)に影響を及ぼし、食後投与時のCmax及びAUC0-∞は、空腹時投与に比較してそれぞれ約1.08及び1.72倍であった(外国人データ)。
16.3 分布
ヒト血漿、ヒト血清アルブミン及びヒトα1-酸性糖タンパクに対するアバコパンの結合率はいずれも99.9%超であり、活性代謝物であるM1の結合率は、α1-酸性糖タンパクでは約99%、ヒト血漿及びヒト血清アルブミンでは99.9%超であった(in vitro試験)。
日本人健康成人に本剤30mgを食後に単回経口投与したときの見かけの分布容積(Vz/F)は3351.3Lであった。
16.4 代謝
アバコパンは主にCYP3A4、その他2D6、2C19、2C8、2B6等を介して肝臓で酸化的に代謝された(in vitro試験)。[9.3.1、10.参照]
健康成人に[14C]アバコパン100mgを経口投与したとき、血漿中にはアバコパン及びM1(メチル基の水酸化体)を含む複数の第一相代謝物が検出された。血漿中総放射能に対して血漿中のアバコパン及びM1の占める割合は、それぞれ約18%及び約12%であった(外国人データ)。主要代謝物であるM1は、アバコパンと同程度の薬理活性を有した。
16.5 排泄
健康成人に[14C]アバコパン100mgを経口投与したとき放射能の尿中総排泄率は投与量の約10%、糞中総排泄率は投与量の約77%であった。また、アバコパン(未変化体)の尿及び糞中総排泄率は、それぞれ0.1%未満及び7%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
アバコパンを投与された368例(日本人51例を含む)を対象とした母集団薬物動態解析の結果より、軽度から重度の腎障害を有する患者におけるアバコパンのAUCτ,ssは、正常な腎機能の患者とおおむね同様であった。
16.6.2 肝機能障害患者
軽度から中等度の肝機能障害患者15例(Child-Pugh分類:A及びB)に本剤30mgを単回経口投与したとき、アバコパン及びM1のCmax及びAUC0-∞は肝機能正常者と比較していずれも1.3倍以内の増加であった(外国人データ)。
正常(n=8)軽度(n=7)中等度(n=8)
アバコパンAUC0-∞(ng・hr/mL)1220(37.0)※11370(30.4)※21360(0.4)※3
AUC0-t(ng・hr/mL)940(35.5)1030(22.7)955(35.0)
Cmax(ng/mL)123(21.8)107(21.5)102(33.0)
M1AUC0-∞(ng・hr/mL)799(36.0)885(26.6)943(36.5)
AUC0-t(ng・hr/mL)665(32.7)766(25.4)776(34.7)
Cmax(ng/mL)48.2(27.1)46.0(25.4)40.4(31.5)
幾何平均値(幾何CV%)※1:n=6 ※2:n=4 ※3:n=2
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人16例に本剤単回30mgと強いCYP3A4誘導剤であるリファンピシン1日1回600mgを併用投与したとき、アバコパン及びM1のAUC0-∞及びCmaxは本剤を単独投与したときと比べて、アバコパンでそれぞれ93%及び79%低下し、M1でそれぞれ93%及び73%低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 イトラコナゾール
健康成人16例に本剤単回30mgと強いCYP3A4阻害剤であるイトラコナゾール1日1回200mgを併用投与したとき、アバコパン及びM1のAUCτ及びCmaxは本剤を単独投与したときと比べて、アバコパンでそれぞれ2.19倍及び1.87倍、M1でそれぞれ1.19倍及び1.03倍であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 ミダゾラム
健康成人16例に本剤1日2回30mgとCYP3A4基質であるミダゾラム単回2mgを併用投与したとき、ミダゾラムのAUC0-∞及びCmaxはミダゾラムを単独投与したときと比べて、それぞれ1.81倍及び1.55倍であった(外国人データ)。[10.参照]
16.7.4 セレコキシブ
健康成人16例に本剤1日2回30mgとCYP2C9基質であるセレコキシブ単回200mgを併用投与したとき、セレコキシブのAUC0-∞及びCmaxはセレコキシブを単独投与したときと比べて、それぞれ1.15倍及び1.64倍であった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A4誘導剤
カルバマゼピン
フェニトイン
リファンピシン

セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)
[16.7.1参照]
アバコパンの血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱する可能性があるため、これらの薬剤との併用は避け、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤等のCYP3A4誘導作用による。
強いCYP3A4阻害剤
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
リトナビル

グレープフルーツジュース
[16.7.2参照]
アバコパンの血漿中濃度が増加する可能性がある。
併用時には患者の状態を十分観察すること。
これらの薬剤及びグレープフルーツジュースの強いCYP3A4阻害作用による。
シクロスポリン
シロリムス
タクロリムス

[16.7参照]
治療域が狭くCYP3A4で代謝される薬剤を併用する場合は、必要に応じて適切に血漿中濃度をモニタリングすること。アバコパンはCYP3A4の弱い阻害作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害
肝細胞損傷(0.6%)、胆汁うっ滞性肝炎(0.6%)等の重篤な肝胆道系障害(2.4%)、および重篤な肝機能検査値上昇(1.2%)があらわれることがある。[8.2、9.3.1参照]
11.1.2 重篤な感染症
肺炎(1.2%)等の重篤な感染症があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上~10%未満1%未満
感染症および寄生虫症上気道感染、鼻咽頭炎、鼻炎
血液およびリンパ系障害好中球減少症
胃腸障害悪心、下痢、嘔吐、上腹部痛
神経系障害頭痛
皮膚および皮下組織障害血管浮腫
臨床検査血中クレアチンホスホキナーゼ増加、白血球数減少
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