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マキサカルシトール静注透析用2.5μg「VTRS」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

用法・用量

  • 通常、成人には、透析終了直前にマキサカルシトールとして、1回2.5~10μgを週3回、透析回路静脈側に注入(静注)する。なお、血清副甲状腺ホルモン(PTH)の改善効果が得られない場合は、高カルシウム血症の発現等に注意しながら、1回20μgを上限に慎重に漸増する。

禁忌 

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高カルシウム血症の患者
本剤の投与によりさらに血清カルシウムを上昇させるおそれがある。[8.2、8.3、8.5、10.2、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 透析患者
本剤の投与に際しては心電図検査等の観察を十分に行うこと。心疾患の合併がみられることが多く、また、透析時には体外循環及び除水などによる心機能への影響が大きいことなどから、心電図異常を発現しやすい。[15.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[16.3.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。周産期及び授乳期の静脈内投与試験(ラット)で、1.1μg/kg/日投与で出生児に体重増加抑制がみられた。また、分娩後哺乳中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行を示唆する報告がある。[16.5.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
9.8.1 用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。
9.8.2 本剤を65歳以上の高齢者に投与したとき、副作用発現による投与中止は、96例中12例(12.5%)であり、64歳以下の成人の場合は881例中83例(9.4%)であった。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は従来の経口活性型ビタミンD剤により効果が十分に得られない症例に対して経口活性型ビタミンD剤から切り換えて投与すること。また、本剤により改善、維持された場合には、経口活性型ビタミンD剤への切り換えも考慮すること。
8.2 本剤の投与量については、血清PTHレベル、血清カルシウム及び無機リン値に注意しながら、減量・休薬を考慮すること。[7.2、8.3-8.5、9.1.1、10.2、11.1.1参照]
8.3 本剤は血清カルシウム上昇作用を有するので、本剤投与中、血清カルシウム値を定期的(少なくとも2週に1回)に測定し、血清カルシウム値が11.5mg/dL(5.75mEq/L)を超えないよう投与量を調節し、超えた場合には投与を中止(休薬)すること。
また、目安として血清カルシウム値が11.0mg/dLを超えたときには、さらに測定頻度を高くし(週に1回以上)、減量あるいは中止すること。投与の再開については、血清カルシウム値が11.0mg/dL(5.5mEq/L)未満に回復したことを確認した後に投与量を減じて行うことが望ましい。
低アルブミン血症(血清アルブミン量が4.0g/dL未満)の場合には補正値を指標に用いることが望ましい。[8.2、9.1.1、10.2、11.1.1参照]
補正カルシウム値算出方法
補正カルシウム値(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)-血清アルブミン値(g/dL)+4.0
8.4 慢性腎不全における二次性副甲状腺機能亢進症においては、しばしば高度の高リン血症を呈し、これが増悪因子のひとつとなることがあるので、定期的に血清無機リン値を測定し、そのコントロールを行うこと。[8.2参照]
8.5 本剤の長期投与により血清カルシウム値の上昇頻度が高くなることが認められている。これは、本剤の効果により血清PTHの低下に伴って骨代謝が正常化しやすくなることによると考えられる。[7.2、8.2、9.1.1、10.2、11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
他剤との混注を行わないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 初回は血清インタクト副甲状腺ホルモン(intact-PTH)が500pg/mL未満[あるいは血清高感度副甲状腺ホルモン(HS-PTH)が40,000pg/mL未満]では、本剤を1回5μg、血清intact-PTHが500pg/mL以上(あるいはHS-PTHが40,000pg/mL以上)では、1回10μgから開始する。
7.2 血清intact-PTHが150pg/mL以下に低下した場合は本剤の投与を中止する。[8.2、8.5参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子各6例における単回静脈内投与時の薬物動態パラメータを示す。
パラメータ3.3μg6.6μg
AUCinf(pg・h/mL)354±135795±192
t1/2(min)108.1±45.9138.7±39.9
CL(mL/h/kg)237±70174±50
Vss(mL/kg)259±48362±32
平均±標準誤差
16.1.2 反復投与
<健康成人>
健康成人男子5例にマキサカルシトールとして3.3μgを1日1回、隔日4回注)反復静脈内投与したところ、初回と4回目投与時で血清中濃度は同様に推移した。
注)承認用法は、週3回、透析回路静脈側に注入(静注)である。
<二次性副甲状腺機能亢進症患者>
維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症を伴う患者11例に、26週間にわたり透析ごとに1回投与量10~17.5μgの範囲で反復投与したところ、初回に比べ最終投与時でAUCの低下傾向、t1/2の短縮傾向がみられた。また、健康成人に比べ消失は遅延しなかった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ヒト血漿蛋白への結合率は98.8%以上であった(in vitro)。
16.3.2 胎児移行性
妊娠ラットへ[3H]マキサカルシトールを投与したときの胎児組織中の放射能濃度は母動物の血漿中濃度に比較して低く、胎児組織からの消失は母動物各組織と同様に速やかであった。[9.5参照]
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄
健康成人男子6例に6.6μgを単回静脈内投与した時、尿中濃度は定量限界以下であった。
16.5.2 乳汁移行性
分娩後哺乳中のラットへ[3H]マキサカルシトールを投与したとき、乳汁中に放射能が認められた。[9.6参照]
16.7 薬物相互作用
臨床血中濃度での蛋白結合相互作用試験(in vitro)において、マキサカルシトールと種々の蛋白、結合部位に結合する薬物との間で、互いにヒト血漿蛋白結合率に影響を与えなかった。
ヒト肝ミクロゾームを用いた薬物代謝阻害試験(in vitro)において、マキサカルシトールは1μmol/LにおいてもP450(CYP1A2, 2A6, 2C9, 2C19, 2D6, 2E1, 3A4)による薬物代謝反応に対して阻害作用を示さなかった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルファカルシドール
カルシトリオール
[8.2、8.3、8.5、9.1.1、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。両剤ともに血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。
PTH製剤
テリパラチド
[8.2、8.3、8.5、9.1.1、11.1.1参照]
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。相加作用による。
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
[8.2、8.3、8.5、9.1.1、11.1.1参照]
不整脈があらわれるおそれがある。本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高カルシウム血症(22.2%)
本剤には血清カルシウム上昇作用が認められるので、高カルシウム血症によることが考えられる臨床症状(そう痒感、いらいら感など)の出現に注意すること。[8.2、8.3、8.5、9.1.1、10.2参照]
注)発現頻度は使用成績調査を含む

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.1%以上0.1%未満
皮膚そう痒症、発疹脱毛症
精神神経系いらいら感、不眠症、頭痛不穏、興奮、焦躁感
消化器胃・腹部不快感、食欲不振
肝臓AST上昇ALT上昇
代謝異常CK上昇、血中リン増加、血中ミオグロビン上昇、LDH上昇、Al-P上昇総蛋白減少、血中尿酸増加、血中アルミニウム上昇
呼吸器胸部X線異常
心・血管系高血圧
血液白血球分画異常(リンパ球、好酸球等)白血球減少
その他四肢不快感、倦怠感

注)発現頻度は使用成績調査を含む

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