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ベリナート皮下注用2000

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他剤形 薬剤一覧

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制

用法・用量

  • 本剤を添付の溶解液全量で溶解し、皮下投与する。
    通常、1回体重1kg当たり60国際単位を週2回投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 溶血性・失血性貧血の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。[8.2参照]
9.1.2 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。[8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。また、本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。[8.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
8歳未満の小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
8.2 本剤の原材料となる血漿については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体及び抗HIV-2抗体が陰性であることを確認している。さらに、プールした試験血漿については、HIV-1、HBV、HCV及びHAVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、ヒトパルボウイルスB19についてもNATによるスクリーニングを実施し、適合した血漿を用いている。
その後の製造工程である60℃、10時間液状加熱処理及びナノフィルトレーションは、HIV、HBV、HCV等のエンベロープを有するウイルス及びエンベロープを有しないHAV、ヒトパルボウイルスB19をはじめとする各種ウイルス除去・不活化効果が確認されているが、投与に際しては、次の点に十分に注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。[9.1.1、9.1.2、9.5参照]
8.3 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
8.4 肝炎ウイルス等の感染症の危険性を完全に否定できないので、観察を十分に行い、肝障害があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
8.5 頻回輸注した場合、患者の血清中にC1-インアクチベーターに対するインヒビターの発生を完全に否定できないので、観察を十分に行うこと。
8.6 在宅自己注射を行う場合、患者に投与方法及び製剤と医療機器の安全な廃棄方法の指導を行うこと。
8.6.1 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者又は介護者が本剤投与による危険性と対処法について理解し、確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させるなど、適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤及び添付溶解液を冷所保存している場合、調製前に室温に戻しておくこと。
14.1.2 本剤の溶解及び注射器への吸引は衛生的な環境で行うこと。
14.1.3 添付の溶解液以外は使用しないこと。本剤に溶解液全量を加えた後、バイアルを静かに円を描くように回して溶解すること(激しく振とうしないこと)。
14.1.4 他剤と混合しないこと。
14.1.5 本剤は溶解後速やかに使用することが望ましいが、すぐに投与しない場合は、バイアル内で室温保存(30℃以下)し、8時間以内に使用しない場合は廃棄すること。本剤は細菌の増殖に好適な蛋白であり、保存剤を含有していない。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注射器に吸引後、投与前に微粒子又は変色の有無を目視検査すること。濁り又は沈殿のある薬液は使用しないこと。
14.2.2 本剤は腹部等に皮下投与すること。
14.3 薬剤交付時の注意
使用後の残液や医療機器は施設の指示に従い適切に廃棄すること。

7.用法及び用量に関連する注意

投与間隔は原則3~4日間隔とすること。

5.効能又は効果に関連する注意

臨床試験において、侵襲を伴う処置による急性発作の発症抑制に対する有効性及び安全性は検討されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人遺伝性血管性浮腫(HAE)患者9例における本剤60国際単位(IU)/kg週2回16週間皮下投与後の実測値に基づく定常状態でのC1-インアクチベーター活性の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
薬物動態パラメータ平均値(標準偏差)
Ctrough(%)注1)59.8(19.5)
AUC0-τ(%・hr)5317(1348)
Ctrough=血漿中C1-インアクチベーター活性トラフ値、AUC0-τ=投与後0時間から投与期間終了時までの血漿中C1-インアクチベーター活性-時間曲線下面積注1)最終投与前の濃度
本剤の薬物動態は母集団薬物動態解析を用いて検討した(外国人データ)。母集団薬物動態解析に基づく本剤60IU/kg週2回皮下投与後のC1-インアクチベーター活性の薬物動態パラメータを以下に示す。
日本人HAE患者の薬物動態は外国人と同様であり、人種は統計的に有意な影響を及ぼさないことが示された。
薬物動態パラメータ平均値95%CI
CL(mL/hr/kg)注2)1.030.90-1.17
Vd(L/kg)注2)0.050.04-0.06
Bioavailability(%)42.735.2-50.2
Cmax(%)注3)60.7注4)31.8-128注5)
Ctrough(%)注3)48.0注4)25.1-102注5)
Tmax(hr)注3)58.7注6)23-134注5)
Half-life(hr)注7)68.7注6)24.0-251注5)
AUC0-τ(%・hr)注3)2540注4)837-7670注5)
CI=信頼区間、CL=クリアランス、Vd=分布容積、Cmax=最高血漿中C1-インアクチベーター活性、Ctrough=最低(トラフ)血漿中C1-インアクチベーター活性、Tmax=Cmax到達時間、AUC0-τ=投与後0時間から投与期間終了時までの血漿中C1-インアクチベーター活性-時間曲線下面積注2)体重の中央値80.7kgに基づき算出注3)定常状態での薬物動態パラメータ注4)幾何平均値注5)2.5~97.5パーセンタイル注6)中央値注7)見かけの半減期
性別、人種又は腎機能障害や肝機能障害を有する特定の患者集団を対象とした薬物動態試験は実施していない。母集団薬物動態解析(年齢範囲:8~72歳)において体重は統計的に有意な共変量であったが、年齢及び人種は有意な共変量ではなかった。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
頻脈、血圧上昇、血圧低下、潮紅、じん麻疹、呼吸困難、頭痛、めまい、悪心等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、アナフィラキシーは遺伝性血管性浮腫の発作と同様の症状を示すため、観察を十分に行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
一般・全身障害及び投与部位の状態注射部位反応(紅斑[18.7%]、疼痛[16.8%]、内出血[9.3%]、反応[8.4%]、硬結[6.5%]、腫脹[4.7%]、出血[3.7%]、血腫[3.7%]、そう痒感[1.9%]、発疹[1.9%]、分泌物[0.9%]、熱感[0.9%]、冷感[0.9%]、浮腫、じん麻疹)(43.0%)
免疫系障害じん麻疹過敏症、そう痒症、発疹
感染症及び寄生虫症上咽頭炎
神経系障害浮動性めまい
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