薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
副腎皮質ステロイド剤 ブデソニド、シクレソニド、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン [16.7.2参照] | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
オピオイド系鎮痛剤 フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、オキシコドン塩酸塩水和物、メサドン塩酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
免疫抑制剤 シクロスポリン、タクロリムス水和物 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗悪性腫瘍剤 ドセタキセル、エベロリムス、テムシロリムス、ゲフィチニブ、ダサチニブ水和物、エルロチニブ塩酸塩、ラパチニブトシル酸塩水和物、ボルテゾミブ、イマチニブメシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ボスチニブ水和物、カバジタキセル、クリゾチニブ、シロリムス、パノビノスタット乳酸塩、ポナチニブ塩酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、アキシチニブ、ニロチニブ塩酸塩水和物 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
マラビロク アプレピタント ロペラミド塩酸塩 サルメテロールキシナホ酸塩 シナカルセト塩酸塩 アルプラゾラム ゾピクロン トルテロジン酒石酸塩 オキシブチニン塩酸塩 グアンファシン塩酸塩 ジエノゲスト | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
アトルバスタチンカルシウム水和物 | アトルバスタチンの血中濃度を上昇させ、横紋筋融解症やミオパチーが発現するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ミダゾラム [16.7.2参照] | ミダゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ブプレノルフィン塩酸塩 エレトリプタン臭化水素酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
カルシウム拮抗剤 ニフェジピン、フェロジピン、ベラパミル塩酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗精神病剤 ハロペリドール、アリピプラゾール、クエチアピンフマル酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗凝固剤 ワルファリンカリウム、アピキサバン | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ジソピラミド シロスタゾール | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、筋神経系の副作用を増強するおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〕 | ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
PDE5阻害剤 シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル(シアリス、ザルティア) | これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
コルヒチン [2.3、9.2.1、9.3.1参照] | コルヒチンの血中濃度上昇により、作用が増強されるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
イトラコナゾール | イトラコナゾールの血中濃度を上昇させるおそれがある。 | 本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
イリノテカン塩酸塩水和物 | イリノテカンの活性代謝物の血中濃度を上昇させるおそれがある。 | 本剤のCYP3A阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。 |
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩 | ダビガトランの血中濃度を上昇させ、抗凝固作用を増強するおそれがある。 | 本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。 |
ジゴキシン [16.7.2参照] | 本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度の上昇が認められており、ジゴキシンの作用を増強するおそれがある。 | 本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。 |
ロスバスタチンカルシウム [16.7.2参照] | 本剤との併用により、ロスバスタチンの血中濃度の上昇が認められている。 | 本剤のBCRP、OATP1B1及びOATP1B3阻害作用により、ロスバスタチンのクリアランスが低下する。 |
ボセンタン水和物 | 本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、ボセンタン水和物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | ボセンタン水和物のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。また、本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、ボセンタン水和物の代謝が阻害される。 |
中程度のCYP3A誘導剤 エファビレンツ、エトラビリン、フェノバルビタール、プリミドン等 | 本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。 |
メトトレキサート | メトトレキサートの血中濃度を上昇させ、中毒症状(口内炎、汎血球減少)が発現するおそれがある。 | in vitro試験より本剤はOAT3阻害作用を有することが示唆されており、メトトレキサートの尿中排出を遅延させるおそれがある。 |