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ゾコーバ錠125mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • SARS-CoV-2による感染症

用法・用量

  • 通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 次の薬剤を投与中の患者:ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、ベプリジル塩酸塩水和物、チカグレロル、エプレレノン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、シンバスタチン、トリアゾラム、アナモレリン塩酸塩、イバブラジン塩酸塩、ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕、イブルチニブ、ブロナンセリン、ルラシドン塩酸塩、アゼルニジピン、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル、スボレキサント、タダラフィル(アドシルカ)、バルデナフィル塩酸塩水和物、ロミタピドメシル酸塩、リファブチン、フィネレノン、リバーロキサバン、リオシグアト、アパルタミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[10.1参照]
  • 2.3 腎機能又は肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者[9.2.1、9.3.1、10.2参照]
  • 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 腎機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。[2.3、10.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者
投与しないこと。コルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがある。[2.3、10.2参照]
9.3.2 重度の肝機能障害患者(コルヒチンを投与中の患者を除く)
重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[2.4、9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
ウサギにおいて、臨床曝露量の5.0倍相当以上で胎児に催奇形性が認められるとともに、臨床曝露量の5.0倍に相当する用量で流産が、臨床曝露量の7.4倍に相当する用量で胚・胎児生存率の低下が認められている。[2.4、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。
ラットにおいて、乳汁への移行が認められるとともに、母動物に毒性が認められた用量(臨床曝露量の6.6倍相当)で出生児の生後4日生存率低下及び発育遅延が認められている。
9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服薬中のすべての薬剤を確認すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に相談するよう患者に指導すること。[10.、16.7.1、16.7.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから72時間以内に投与を開始すること。臨床試験において、症状発現から72時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。[17.1.1参照]

5.効能・効果に関連する注意

5.1 本剤の投与対象については最新のガイドラインを参考にすること。
5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。[17.1.1参照]
5.3 重症度の高いSARS-CoV-2による感染症患者に対する有効性は検討されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人女性8例に本剤を5日間空腹時反復経口投与した(エンシトレルビルとして1日目は375mg、2日目から5日目は125mg)ときの血漿中濃度推移を図16-1に、薬物動態パラメータを表16-1に示す。
反復投与時の平均血漿中濃度推移(健康成人)
表16-1 反復投与時の薬物動態パラメータ
投与日例数Cmax※1(μg/mL)Tmax※2(hr)AUC0-τ※1(μg・hr/mL)T1/2※1(hr)
1日目822.3(14.8)2.50(1.50,8.00)372.9(12.0)
5日目728.1(15.6)2.00(1.00,8.00)518.3(13.0)51.4(19.0)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値、最大値)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人14例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を空腹時又は高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に示す。
表16-2 375mg単回投与時の薬物動態パラメータ
食事条件例数Cmax※1(μg/mL)Tmax※2(hr)AUC0-inf※1(μg・hr/mL)
空腹時1321.4(23.5)2.50(1.50,4.00)1236(23.2)
食後※31420.0(16.4)6.00(1.50,16.00)1538(15.8)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:中央値(最小値、最大値)※3:高脂肪・高カロリー食
16.3 分布
エンシトレルビルのヒト血清蛋白結合率は、97.7~98.7%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性6例に[14C]-エンシトレルビル フマル酸375mgを空腹時単回投与したとき、血漿中では主に未変化体が検出され、代謝物としてエンシトレルビルのクロル付加体が検出された。尿中及び糞便中では主に未変化体が検出された(外国人データ)。
また、in vitro代謝試験の結果、尿及び糞便中の代謝物であるエンシトレルビルのトリアゾール脱メチル体及びインダゾール脱メチル体は、CYP3Aを含む複数のCYP分子種により生成されると推定された。
16.5 排泄
健康成人男性6例に[14C]-エンシトレルビル フマル酸375mgを空腹時単回投与したとき、投与量の64.8%及び25.8%がそれぞれ糞便中及び尿中に排泄された。未変化のエンシトレルビルの糞便中排泄率は投与量の50.7%、尿中排泄率は投与量の19.0%であり、投与量の18.7%(糞便中に投与量の12.0%、尿中に投与量の6.8%)が代謝物として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度(60≦推算糸球体ろ過量[eGFR]<90mL/min)、中等度(30≦eGFR<60mL/min)、重度(eGFR<30mL/min)の腎機能障害患者各8例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を単回経口投与したときの薬物動態の比較を表16-3に示す。軽度、中等度及び重度腎機能障害患者のエンシトレルビルのAUCは、健康成人と比較してそれぞれ1.44倍、1.49倍及び1.60倍であった(外国人データ)。[9.2参照]
表16-3 腎機能障害患者と健康成人との薬物動態比較
投与群例数Cmax※1(μg/mL)AUC0-inf※1(μg・hr/mL)健康成人に対する比※2
CmaxAUC0-inf
健康成人815.5(34.7)996.0(26.0)
腎機能障害軽度820.5(18.9)1432(20.8)1.32(1.04-1.68)1.44(1.17-1.76)
中等度820.5(12.6)1483(26.0)1.33(1.06-1.66)1.49(1.19-1.86)
重度817.2(19.8)1596(26.1)1.11(0.87-1.42)1.60(1.28-2.01)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)
16.6.2 肝機能障害患者
軽度(Child-Pugh分類A)肝機能障害患者9例及び中等度(Child-Pugh分類B)肝機能障害患者8例に本剤(エンシトレルビルとして375mg)を単回経口投与したときの薬物動態の比較を表16-4に示す。軽度及び中等度肝機能障害患者のエンシトレルビルのAUCは、健康成人と比較してそれぞれ1.03倍及び0.87倍であった(外国人データ)。[9.3参照]
表16-4 肝機能障害患者と健康成人との薬物動態比較
投与群例数Cmax※1(μg/mL)AUC0-inf※1(μg・hr/mL)健康成人に対する比※2
CmaxAUC0-inf
健康成人820.5(15.1)1150(24.4)
肝機能障害軽度918.2(17.0)1180(30.1)0.89(0.77-1.02)1.03(0.81-1.29)
中等度815.3(30.4)1003(24.6)0.74(0.60-0.91)0.87(0.71-1.08)
※1:幾何平均値(%変動係数)※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
エンシトレルビルはCYP3Aを時間依存的に阻害し、CYP2B6及びCYP3Aを誘導する。
また、エンシトレルビルはP糖蛋白質(P-gp)及び乳がん耐性蛋白質(BCRP)の基質であり、P-gp、BCRP、有機アニオントランスポーターポリペプチド(OATP)1B1、OATP1B3、有機アニオントランスポーター(OAT)3及び有機カチオントランスポーター(OCT)1を阻害する。[8.、10.参照]
16.7.2 臨床試験
健康成人を対象に薬物相互作用を評価した。併用薬の薬物動態に及ぼすエンシトレルビルの影響及びエンシトレルビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響を表16-5及び表16-6に示す。[8.、10.、10.2参照]
表16-5 併用薬の薬物動態に及ぼすエンシトレルビルの影響
併用薬用法・用量例数併用薬の単独投与時に対する比※1
本薬併用薬評価日CmaxAUC0-inf
ミダゾラム
(CYP3A基質)
1日目375mg、2~5日目125mg(本剤)2mg単回本薬投与5日目142.80(2.38,3.30)6.77(6.16,7.44)
デキサメタゾン
(合成副腎皮質ホルモン製剤)
1日目750mg、2~5日目250mg(錠剤)※2、注1mg単回本薬投与5日目141.47(1.30,1.67)3.47(3.23,3.72)※3、※4
本薬最終投与から5日目141.24(1.09,1.40)2.38(2.23,2.54)※4
本薬最終投与から10日目141.17(1.04,1.33)1.58(1.47,1.70)※3、※4
プレドニゾロン
(合成副腎皮質ホルモン製剤)
10mg単回本薬投与5日目141.11(1.00,1.24)1.25(1.22,1.28)
本薬最終投与から5日目141.10(0.99,1.22)1.12(1.10,1.15)
本薬最終投与から10日目140.99(0.89,1.10)1.04(1.01,1.07)
ジゴキシン
(P-gp基質)
500mg単回(本剤)0.25mg単回本薬投与1日目142.17(1.72,2.73)1.31(1.13,1.52)※3、※4
ロスバスタチン
(BCRP、OATP1B1及びOATP1B3基質)
2.5mg単回本薬投与1日目141.97(1.73,2.25)1.65(1.47,1.84)
メトホルミン
(OCT1、OCT2、MATE1及びMATE2基質)
500mg(塩酸塩として)単回本薬投与1日目141.03(0.91,1.16)1.02(0.94,1.11)
※1:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)※2:250mg錠※3:併用時11例※4:非併用時13例
表16-6 エンシトレルビルの薬物動態に及ぼす併用薬の影響
併用薬投与量例数本薬の単独投与時に対する比※1
併用薬本薬本薬投与
1日目
本薬投与
5日目
CmaxAUC0-τCmaxAUC0-τ
イトラコナゾール200mg
1日1回※2
1日目375mg、2~5日目125mg(本剤)141.05(0.98,1.14)※41.10(1.03,1.18)※41.24(1.18,1.30)※41.31(1.26,1.38)※4
カルバマゼピン300mg
1日2回※3
140.92(0.66,1.28)※50.79(0.63,0.99)※50.62(0.55,0.69)※50.54(0.50,0.59)※5
※1:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)※2:イトラコナゾールは投与1日目のみ1日2回投与※3:カルバマゼピンは1~3日目は100mgを1日2回投与、4~7日目は200mgを1日2回投与し,8日目から300mgを1日2回投与※4:併用時13例※5:併用時3例
注)本薬の承認された剤形は125mg錠であり、用法・用量は「通常、12歳以上の小児及び成人にはエンシトレルビルとして1日目は375mgを、2日目から5日目は125mgを1日1回経口投与する」である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ピモジド
(オーラップ)
キニジン硫酸塩水和物
ベプリジル塩酸塩水和物
(ベプリコール)
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、QT延長が発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
チカグレロル
(ブリリンタ)
[2.2参照]
チカグレロルの血中濃度上昇により、血小板凝集抑制作用が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エプレレノン
(セララ)
[2.2参照]
エプレレノンの血中濃度上昇により、血清カリウム値の上昇を誘発するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
(クリアミン)
エルゴメトリンマレイン酸塩
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩
(パルタンM)
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、血管攣縮等の重篤な副作用が発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
シンバスタチン
(リポバス)
[2.2参照]
シンバスタチンの血中濃度上昇により、横紋筋融解症が発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
トリアゾラム
(ハルシオン)
[2.2参照]
トリアゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アナモレリン塩酸塩
(エドルミズ)
[2.2参照]
アナモレリン塩酸塩の血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イバブラジン塩酸塩
(コララン)
[2.2参照]
過度の徐脈があらわれることがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕
(ベネクレクスタ)
[2.2参照]
ベネトクラクスの血中濃度が上昇し、腫瘍崩壊症候群の発現が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イブルチニブ
(イムブルビカ)
[2.2参照]
イブルチニブの血中濃度が上昇し、副作用の発現が増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ブロナンセリン
(ロナセン)
ルラシドン塩酸塩
(ラツーダ)
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アゼルニジピン
(カルブロック)
アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル
(レザルタス配合錠)
[2.2参照]
アゼルニジピンの作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
スボレキサント
(ベルソムラ)
[2.2参照]
スボレキサントの血中濃度上昇により、作用を著しく増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
タダラフィル
(アドシルカ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
[2.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ロミタピドメシル酸塩
(ジャクスタピッド)
[2.2参照]
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
リファブチン
(ミコブティン)
[2.2参照]
リファブチンの血中濃度上昇により、作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
フィネレノン
(ケレンディア)
[2.2参照]
フィネレノンの血中濃度を著しく上昇させるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
リバーロキサバン
(イグザレルト)
[2.2参照]
リバーロキサバンの血中濃度上昇により、抗凝固作用が増強し、出血の危険性が増大するおそれがある。本剤のCYP3A及びP-gp阻害作用により、リバーロキサバンのクリアランスが低下することが考えられる。
リオシグアト
(アデムパス)
[2.2参照]
リオシグアトの血中濃度を上昇させるおそれがある。ケトコナゾールとの併用によりリオシグアトの血中濃度が上昇し、クリアランスが低下したとの報告がある。本剤のCYP3A及びP-gp/BCRP阻害作用により、リオシグアトのクリアランスが低下することが考えられる。
アパルタミド
(アーリーダ)
カルバマゼピン
(テグレトール)
[2.2参照]
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。また、本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝を阻害する。
エンザルタミド
(イクスタンジ)
ミトタン
(オペプリム)
フェニトイン
(ヒダントール、アレビアチン)
ホスフェニトインナトリウム水和物
(ホストイン)
リファンピシン
(リファジン)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
副腎皮質ステロイド剤
ブデソニド、シクレソニド、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
オピオイド系鎮痛剤
フェンタニル、フェンタニルクエン酸塩、オキシコドン塩酸塩水和物、メサドン塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
免疫抑制剤
シクロスポリン、タクロリムス水和物
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
抗悪性腫瘍剤
ドセタキセル、エベロリムス、テムシロリムス、ゲフィチニブ、ダサチニブ水和物、エルロチニブ塩酸塩、ラパチニブトシル酸塩水和物、ボルテゾミブ、イマチニブメシル酸塩、スニチニブリンゴ酸塩、ボスチニブ水和物、カバジタキセル、クリゾチニブ、シロリムス、パノビノスタット乳酸塩、ポナチニブ塩酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、アキシチニブ、ニロチニブ塩酸塩水和物
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
マラビロク
アプレピタント
ロペラミド塩酸塩
サルメテロールキシナホ酸塩
シナカルセト塩酸塩
アルプラゾラム
ゾピクロン
トルテロジン酒石酸塩
オキシブチニン塩酸塩
グアンファシン塩酸塩
ジエノゲスト
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
アトルバスタチンカルシウム水和物アトルバスタチンの血中濃度を上昇させ、横紋筋融解症やミオパチーが発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ミダゾラム
[16.7.2参照]
ミダゾラムの血中濃度上昇により、過度の鎮静や呼吸抑制が発現するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ブプレノルフィン塩酸塩
エレトリプタン臭化水素酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
カルシウム拮抗剤
ニフェジピン、フェロジピン、ベラパミル塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
抗精神病剤
ハロペリドール、アリピプラゾール、クエチアピンフマル酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
抗凝固剤
ワルファリンカリウム、アピキサバン
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ジソピラミド
シロスタゾール
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩
これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、筋神経系の副作用を増強するおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〕ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
PDE5阻害剤
シルデナフィルクエン酸塩、タダラフィル(シアリス、ザルティア)
これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
コルヒチン
[2.3、9.2.1、9.3.1参照]
コルヒチンの血中濃度上昇により、作用が増強されるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イトラコナゾールイトラコナゾールの血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。
イリノテカン塩酸塩水和物イリノテカンの活性代謝物の血中濃度を上昇させるおそれがある。本剤のCYP3A阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩ダビガトランの血中濃度を上昇させ、抗凝固作用を増強するおそれがある。本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。
ジゴキシン
[16.7.2参照]
本剤との併用により、ジゴキシンの血中濃度の上昇が認められており、ジゴキシンの作用を増強するおそれがある。本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の排出を遅延させる。
ロスバスタチンカルシウム
[16.7.2参照]
本剤との併用により、ロスバスタチンの血中濃度の上昇が認められている。本剤のBCRP、OATP1B1及びOATP1B3阻害作用により、ロスバスタチンのクリアランスが低下する。
ボセンタン水和物本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、ボセンタン水和物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。ボセンタン水和物のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。また、本剤のCYP3Aに対する阻害作用により、ボセンタン水和物の代謝が阻害される。
中程度のCYP3A誘導剤
エファビレンツ、エトラビリン、フェノバルビタール、プリミドン等
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
メトトレキサートメトトレキサートの血中濃度を上昇させ、中毒症状(口内炎、汎血球減少)が発現するおそれがある。in vitro試験より本剤はOAT3阻害作用を有することが示唆されており、メトトレキサートの尿中排出を遅延させるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒
消化器悪心、嘔吐、下痢、腹部不快感
精神神経系頭痛
代謝脂質異常症
その他HDLコレステロール低下(16.6%)トリグリセリド上昇、ビリルビン上昇、血中コレステロール低下血清鉄上昇
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