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ヴィアレブ配合持続皮下注

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • レボドパ含有製剤を含む既存の薬物療法で十分な効果が得られないパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善

用法・用量

  • 本剤投与前の経口レボドパ量に応じて1時間あたりの注入速度を設定し、24時間持続皮下投与する。患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合には、持続投与開始前に負荷投与を行う。なお、必要に応じて持続投与中に追加投与を行うことができる。
  • 通常、成人には、本剤を0.15~0.69mL/時間(レボドパ換算量として約26~117mg/時間)で持続投与する。負荷投与を行う場合は本剤0.6~2.0mL(レボドパ換算量として約100~350mg)を投与する。追加投与は本剤を1回あたり0.1~0.3mL(レボドパ換算量として約17~51mg)で投与する。
    本剤の投与量は症状により適宜増減するが、1日総投与量は16.67mL(レボドパ換算量として2840mg)を超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。][8.7、11.1.6参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.2 重篤な心疾患のある患者又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 慢性開放隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、緑内障が悪化するおそれがある。
9.1.5 自殺傾向など精神症状のある患者又はその既往歴のある患者
精神症状が悪化するおそれがある。
9.1.6 糖尿病の患者
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
9.2 腎機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)でレボドパ・カルビドパの催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。レボドパはヒト乳汁中に分泌される。また、動物実験(ラット)でカルビドパの乳汁移行が報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与にあたっては、パーキンソン病治療に精通し、本剤の投与システムについて十分な知識のある医師又はその指導の下で、本投与システムの使用が適切と判断される症例においてのみ使用すること。患者が投与システムについて理解し使用できることを確認すること。
8.2 本剤の投与を受けた患者において、注入部位反応及び注入部位感染が報告されている。本剤を調製及び投与する際は、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタは単回使用とし、清潔操作(投与部位の消毒等)を行うこと。リスク低減のため、投与部位を変えながら、少なくとも3日ごとに新しい輸液セットを使用すること。新たな投与部位は、過去12日間に使用した投与部位から2.5cm以上離すことが望ましい。[5.1、11.1.7、17.1.1、17.1.2参照]
8.3 本剤投与中は幻覚の発現に注意すること。特に本剤とドパミン受容体作動薬を併用した患者では幻覚がより高い頻度で発現する可能性がある。幻覚があらわれた場合は、本剤の減量や中断等を検討すること。[11.1.2、17.1.1、17.1.2参照]
8.4 ニューロパチーがあらわれることがあるため、本剤投与中は、関連症状(感覚障害等)に注意し、必要に応じて神経伝導検査の実施や必要なビタミン等の補充を考慮すること。
8.5 溶血性貧血、血小板減少症があらわれることがあるため、定期的に血液検査を実施すること。[11.1.3参照]
8.6 本剤の急激な減量又は中止により悪性症候群があらわれることがあるため、本剤の減量、中止が必要な場合は、患者の状態を注意深く観察しながら用量を漸減すること。[11.1.1参照]
8.7 閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。[2.1、11.1.6参照]
8.8 前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。[11.1.4参照]
8.9 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.10 B型モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)との併用に際しては、使用前に必ずB型モノアミン酸化酵素阻害剤の電子添文を参照すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤の投与は専用の投与システムと組み合わせて行うため、投与システム及びその構成品(輸液ポンプ、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタ)について、電子添文、取扱説明書等を熟読し、これらの指示及び注意に従い適切に投与すること。
14.1.2 室温(30℃以下)での保管は28日間を超えないこと。
14.2 薬剤投与前の注意
誤操作等により、過量投与若しくは不足となる可能性があるため、本剤及び本剤の投与システムについて、投与開始前及び必要に応じて継続的に患者にトレーニングを行うこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 本剤は皮下にのみ投与すること。本剤は、臍から半径5cmの部位を避け、腹部に皮下投与することが望ましい。腕又は大腿部への投与による長期の安全性及び有効性は確立していない。
14.3.2 本剤は、皮膚に異常(圧痛、あざ、発赤、硬結等)がある部位には投与しないこと。
14.3.3 本剤のバイアルは単回使用とし、バイアルの全量をシリンジに移すこと。24時間後、シリンジ内に残薬があれば廃棄し、新しいバイアル及びシリンジに交換すること。
14.3.4 一時的に投与を中断する場合やポンプの故障や誤作動が生じた場合等に備えて、経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤を常に用意しておくこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与には、専用の投与システム(輸液ポンプ(ヴィアフューザー)、輸液セット、シリンジ、バイアルアダプタ)を用いること。
7.2 本剤の投与開始時に使用中のすべてのレボドパ含有製剤及びCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害剤を中止すること。
7.3 本剤の投与は以下に従い行うこと。
7.3.1 レボドパ量の算出
本剤投与前の覚醒時間(通常16時間/日)に服用したすべてのレボドパ含有製剤(カルビドパ/レボドパ/COMT阻害剤の配合剤及びレボドパ・カルビドパ水和物経腸用液を含む)のレボドパ量の合計を算出する。覚醒時間以外の投与(夜間投与等)も含め、レスキュー薬のレボドパ製剤やその他のパーキンソン病治療薬は計算に含めない。COMT阻害剤を24時間以内に投与した場合、COMT阻害剤の用量にかかわらず、レボドパ量の合計に1.33を乗じること。
7.3.2 持続注入速度の決定
本剤の開始注入速度は、患者が覚醒時間に服用するレボドパ量を、24時間持続投与に換算することで決定する。算出したレボドパ量に基づき、表1に従い本剤の開始注入速度を設定する。
表1に示す本剤の1時間あたりの注入速度は、覚醒時間(通常16時間)における患者ごとのレボドパ量に基づく。16時間より長い又は短い覚醒時間に基づきレボドパ量を算出する場合、レボドパ量を16時間に換算する。16時間に換算するため、患者の通常の覚醒時間でレボドパ量を割り16を乗じて16時間のレボドパ量に調整後、表1を参照し本剤の開始注入速度を決定すること。なお、ここで算出した注入速度は、ポンプの設定時に基本注入速度として入力すること。
表1 本剤の1時間ごとの推奨開始注入速度
覚醒時間(16時間)に投与したすべての経口レボドパ含有製剤に基づくレボドパ量(mg)24時間投与における、本剤の推奨開始注入速度(mL/時間)a)
400未満0.15
400-4990.15-0.17
500-5990.17-0.20
600-6990.20-0.24
700-7990.24-0.27
800-8990.27-0.30
900-9990.30-0.34
1000-10990.34-0.37
1100-11990.37-0.40
1200-12990.40-0.44
1300-13990.44-0.47
1400-14990.47-0.51
1500-15990.51-0.54
1600-16990.54-0.57
1700-17990.57-0.61
1800-18990.61-0.64
1900-19990.64-0.68
2000以上0.69
a)1時間あたりの投与速度は以下の式を用いて算出する。Xはレボドパ量を決定するために使用する患者の覚醒時間数(例:上の表ではX=16)とする。
1時間あたりの注入速度(mL/時間)=[(レボドパ量×0.92×1.41)/240]/X
7.3.3 負荷投与量の決定
(1)本剤の投与は、患者のオフ状態、オン状態のいずれの状態でも開始できる。オン状態で本剤の投与を開始する場合、負荷投与なしに持続投与を開始することができる。
(2)患者がオフ状態で本剤の投与を開始する場合(又はポンプが3時間以上停止しており、かつレボドパ含有製剤を服用していない場合)は、症状を速やかにコントロールするために、持続投与を開始する直前に負荷投与を行う。負荷投与は、ポンプの機能又は経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤の服用のいずれで実施してもよい。なお、負荷投与量は、本剤での治療開始前の1日のうち最初の経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤の投与量に基づき決定する。ポンプに設定する本剤の推奨負荷投与量(mL)及びおおよそのレボドパ換算量(mg)を表2に示す。
表2 本剤の推奨負荷投与量
本剤の負荷投与量(mL)おおよそのレボドパ換算量(mg)
0.6100
0.9-1.2150-200
1.5-1.8250-300
2.0350
本剤0.1mL中にホスレボドパ24mgを含有する(レボドパとして約17mgに相当)。
ポンプは0.1mL単位で負荷投与量を設定することができる。
7.3.4 持続注入速度の調節
患者が最適な治療効果が得られるように、注入速度を調整し、その注入速度で24時間にわたり持続的に投与する。注入速度は0.01mL/時間(レボドパとして約1.7mg/時間に相当)単位で調節できる。
基本注入速度に加え、ポンプにはさらに2種類の注入速度(低又は高)を追加で設定できる。医師が予め設定した2種類の追加の注入速度から、活動量に応じて、夜間に投与量を減量する、又は長時間の活動のために投与量を増量するなど、患者が選択できる。
7.3.5 追加投与
持続投与中に発現する急性のオフ症状を管理するため、患者自身が追加投与できるよう、医師はポンプに追加投与機能を設定できる。追加投与量は表3に示す5つから1つを選択し設定する。1時間あたりの追加投与は1回を超えないこととし、1日24時間の投与期間中に5回以上の追加投与が行われた場合は、基本注入速度の変更を検討すること。
表3 本剤の追加投与量の選択肢
本剤の追加投与量(mL)おおよそのレボドパ換算量(mg)
0.1017
0.1525.5
0.2034
0.2542.5
0.3051
7.4 本剤の投与を1時間以上中断した場合は、輸液セットの汚染や閉塞のリスク低減のため、新しい輸液セットを使用し、投与部位を変えることが望ましい。3時間を超えて投与を中断した場合は、患者自身で負荷投与を行い、速やかに症状をコントロールするよう指導すること。本剤の投与を長時間(24時間超)中断又は中止した場合は、適切なドパミン作動薬(経口レボドパ・カルビドパ水和物製剤等)を投与すること。
7.5 投与開始時及び増量時には特に副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には本剤の減量等の適切な処置を行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 臨床試験において、本剤の投与により高頻度に注入部位関連事象が認められ、重篤な注入部位蜂巣炎や注入部位膿瘍により投与中止に至った例も報告されている。本剤の安全性、忍容性も十分に理解した上で本剤使用の適切性を慎重に判断すること。[8.2、11.1.7、17.1.1、17.1.2参照]
5.2 本剤は経口レボドパ含有製剤に対する治療反応性及び忍容性が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
外国人健康被験者を対象とした第I相臨床試験において、本剤をホスレボドパ/ホスカルビドパ 80/4mgで負荷投与後、24時間かけてホスレボドパ/ホスカルビドパ 700/35mgを持続皮下投与したとき(レジメンB)、レボドパの血中濃度は速やかに定常状態に達し、投与期間中を通じて安定した血中レボドパ濃度が維持された(図1)。また、デュオドーパ配合経腸用液をレボドパ/カルビドパ(LD/CD)50/12.5mgで負荷投与後、16時間かけてLD/CD 350/87.5mgを持続空腸投与し、さらに投与開始後18及び21時間後にそれぞれLD/CD 100/25mgを経口投与したとき(レジメンA)と比べ、レジメンBの投与開始16時間までの血漿中レボドパ濃度推移は類似しており、レジメンAに対するレジメンBのレボドパのCmax0-16h及びAUC0-16hの幾何平均値の比の点推定値及び90%信頼区間は0.8~1.25の範囲内であった(図1)。
また、日本人健康被験者に本剤をホスレボドパ/ホスカルビドパ 480/24mg(n=8)、960/48mg(n=8)及び1440/72mg(n=7)で24時間持続皮下投与したとき、レボドパのCmaxの平均値(変動係数%)は、393(28)、969(18)及び1400(20)ng/mL、AUCinfの平均値(変動係数%)は、8230(28)、19700(16)及び29700(20)ng・h/mL、t1/2の調和平均値(疑似標準偏差)は、1.57(0.24)、1.71(0.26)及び1.91(0.60)時間であり、投与量ごとの血漿中レボドパ濃度推移を図2に示した。
図1 外国人健康被験者に本剤を24時間持続皮下投与したとき又はデュオドーパ配合経腸用液を16時間持続空腸投与後に夜間にレボドパ・カルビドパ製剤を経口投与したときの血漿中レボドパ濃度推移(平均値)
レジメンA
デュオドーパ配合経腸用液をLD/CD 50/12.5mgで負荷投与後、16時間かけてLD/CD 350/87.5mgを持続投与した。その後、投与開始18及び21時間後にそれぞれLD/CD 100/25mgを経口投与した(n=20)
レジメンB
本剤をホスレボドパ/ホスカルビドパ 80/4mgで負荷投与後、24時間かけてホスレボドパ/ホスカルビドパ 700/35mgを持続投与した(n=20)
図2 日本人健康被験者に本剤(ホスレボドパ/ホスカルビドパ 480/24mg、960/48mg及び1440/72mg)を24時間持続皮下投与したときの血漿中レボドパ濃度推移(平均値+標準偏差)
16.2 吸収
日本人健康被験者24例に本剤を24時間持続皮下投与したところ、ホスレボドパ及びホスカルビドパは速やかに吸収され、レボドパ及びカルビドパに変換された。
健康被験者各12例に本剤を腹部、腕及び大腿部に24時間持続皮下投与したところ、レボドパ及びカルビドパの薬物動態は類似していた(外国人データ)。
16.3 分布
赤血球及び血漿間のレボドパの分配比は約1である。レボドパの血漿蛋白結合率はごくわずかである(約10~30%)。カルビドパは血漿蛋白に約36%結合する(in vitro)。
ラットにおいてレボドパはLNAA輸送体により脳内に移行し、カルビドパは脳血液関門を透過しなかった。
16.4 代謝
プロドラッグであるホスレボドパ及びホスカルビドパは、生体内に広範に分布するホスファターゼによりレボドパ及びカルビドパに速やかに変換されるため、循環血から速やかに消失する。レボドパは主として芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AAAD)及びカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)による代謝を介して消失する。その他の代謝経路としてアミノ基転移及び酸化がある。酵素阻害剤を併用投与しないとき、AAADを介するレボドパからドパミンへの脱炭酸が主代謝経路になる。COMTを介するレボドパのO-メチル化により3-O-メチルドパが生成する。カルビドパとの併用時、レボドパの消失半減期は約1.5時間であった。カルビドパは2種類の主代謝物(α-メチル-3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸及びα-メチル-3,4-ジヒドロキシフェニルプロピオン酸)に代謝される。これら2種類の代謝物は未変化体又はグルクロン酸抱合体として主として尿中に排泄される。カルビドパの消失半減期は約2時間であった(外国人データ)。
16.5 排泄
パーキンソン病患者に放射能標識したレボドパを経口投与したところ、24時間までに投与量の約85%の放射能及び0.8%の未変化体が尿中に排泄された。糞中の放射能排泄率は2%未満であった。パーキンソン病患者に放射能標識したカルビドパを経口投与したところ、投与量の約50%及び35%の放射能がそれぞれ尿中及び糞中に排泄された。尿中の標識物質の32%が未変化体であった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
血圧降下剤
メチルドパ水和物
レセルピン
節遮断剤 等
起立性低血圧等の症候性低血圧が発現するおそれがある。本剤開始時や増量時には血圧降下剤の減量を考慮すること。レボドパの血圧降下作用により、相加的に血圧降下作用が増強すると考えられている。
レセルピン製剤
テトラベナジン
本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。左記薬剤の脳内ドパミン減少作用により、パーキンソン症状が悪化する。
ドパミンD2受容体遮断作用を有する薬剤(抗精神病薬等)
フェノチアジン系薬剤
ブチロフェノン系薬剤
リスペリドン
ペロスピロン塩酸塩 等
本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。ドパミン作動性神経において本剤と作用が拮抗するため。
イソニアジド本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。機序不明であるが、イソニアジドによるドパ脱炭酸酵素阻害により脳内でのドパミンへの変換が抑制されるためと考えられている。
パパベリン塩酸塩本剤の作用が減弱するおそれがある。パーキンソン症状の悪化についてモニタリングすること。機序不明
NMDA受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩 等
本剤の作用を増強するおそれがある。左記薬剤がドパミン遊離を促進する可能性がある。
他の抗パーキンソン剤
抗コリン剤
アマンタジン塩酸塩
ブロモクリプチンメシル酸塩
精神神経系等の副作用が増強することがある。併用によりレボドパの効果増強につながるが、同時に精神神経系等の副作用が増強する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋強剛、不随意運動、ショック状態、精神状態変化(激越、錯乱、昏睡等)、自律神経症状、CK上昇等があらわれ、まれに横紋筋融解症を続発するおそれがある。本剤の急激な減量又は中止は避けるとともに、このような症状が認められた場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。[8.6参照]
11.1.2 幻覚(20.4%)、錯乱(2.2%)、抑うつ(0.3%)[8.3、17.1.1、17.1.2参照]
11.1.3 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少症(頻度不明)[8.5参照]
11.1.4 突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。[8.8参照]
11.1.5 悪性黒色腫(頻度不明)
11.1.6 閉塞隅角緑内障(頻度不明)
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。[2.1、8.7参照]
11.1.7 注入部位感染(32.7%)
注入部位蜂巣炎(22.0%)、注入部位膿瘍(8.5%)等があらわれることがある。[5.1、8.2、17.1.1、17.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1%以上5%未満1%未満頻度不明
代謝および栄養障害食欲減退
精神障害不眠症、不安、妄想、精神病性障害妄想症、衝動制御障害、激越、自殺念慮ドパミン調節障害症候群
神経系障害ジスキネジア、浮動性めまい、オンオフ現象傾眠、錯感覚、体位性めまい、頭痛、ジストニア、平衡障害感覚鈍麻、認知障害
血管障害起立性低血圧、低血圧高血圧
胃腸障害悪心便秘、口内乾燥腹痛、嘔吐下痢
腎および尿路障害尿失禁尿閉
一般・全身障害および投与部位の状態注入部位紅斑(44.7%)、注入部位結節(23.6%)、注入部位浮腫(16.4%)、注入部位疼痛(15.7%)、注入部位反応、注入部位内出血、注入部位血管外漏出、注入部位丘疹、注入部位血腫注入部位硬結、注入部位炎症、注入部位腫瘤、注入部位出血、注入部位腫脹、注入部位そう痒感、疲労、注入部位発疹、注入部位刺激感、注入部位皮膚剥脱、注入部位蒼白倦怠感、末梢腫脹、注入部位熱感、無力症、末梢性浮腫
臨床検査体重減少ビタミンB6減少
傷害、中毒および処置合併症転倒
呼吸器、胸郭および縦隔障害呼吸困難
皮膚および皮下組織障害そう痒症、発疹
心臓障害動悸
筋骨格系および結合組織障害筋痙縮
感染症尿路感染
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