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ドプテレット錠20mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善
  • ○持続性及び慢性免疫性血小板減少症

用法・用量

  • <待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善>

    • 通常、成人には、アバトロンボパグとして以下の用量を1日1回、5日間食後に経口投与する。
      • 投与開始前の血小板数が40,000/μL以上50,000/μL未満

        • 40mg
      • 投与開始前の血小板数が40,000/μL未満

        • 60mg
  • <持続性及び慢性免疫性血小板減少症>

    • 通常、成人には、アバトロンボパグとして初回投与量20mgを1日1回、食後に経口投与する。投与開始後、血小板数、症状に応じて用法・用量を適宜調節する。また、最高投与量は40mgを1日1回とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血栓症、血栓塞栓症を有する患者又はそれらの既往歴を有する患者
血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。臨床試験では除外されている。[8.6参照]
9.1.2 血栓症の発現因子を有する患者
先天性血栓症の発現因子(凝固第V因子ライデン変異・プロトロンビンG20210A変異、抗トロンビン欠損症、プロテインC又はS欠損症など)又は後天性血栓症の発現因子(抗リン脂質抗体症候群など)を有する患者は、血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。
9.1.3 門脈血流速度が低下している患者
血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。待機的な観血的手技を予定する血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者を対象とした臨床試験では門脈血流速度が10cm/秒未満の患者が除外され、慢性免疫性血小板減少症患者を対象とした臨床試験では門脈圧亢進症患者が除外されている。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与可否を慎重に判断し、投与する場合は観察を十分に行うこと。
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットで胎盤移行性が確認されている。また、器官形成期のウサギ及びラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量を超える曝露で胎児毒性が認められた(無毒性量でのウサギ及びラットのAUCに基づく曝露量は、ヒトの曝露量の35~53倍)。器官形成期及び授乳期のラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量を超える曝露で出生児の生存率低下及び発育遅延が認められた(出生児における無毒性量での母動物及び出生児のAUCに基づく曝露量は、ヒトの曝露量のそれぞれ14及び1倍)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁移行性が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 血小板数が正常範囲以下であっても血栓症が報告されているため、観察を十分に行い、血小板数にかかわらず血栓症の発現に注意すること。[11.1.1、15.1参照]
<待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善>
8.2 観血的手技の施行前には血小板数が十分に増加していることを確認すること。本剤を投与しても、観血的手技の実施に際し十分な血小板数の増加が得られない場合があるため、必要に応じて血小板輸血の準備をするなど、適切な措置を講じること。
8.3 観血的手技後に血栓症を発現した症例が報告されているため、本剤投与開始後は観察を十分に行うこと。[11.1.1参照]
8.4 本剤の投与終了又は中止後に血小板数が本剤投与開始前の値に復帰するため、易出血性となる可能性を考慮して観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
<持続性及び慢性免疫性血小板減少症>
8.5 本剤は、血液疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで使用すること。
8.6 本剤投与後は、定期的に血小板数を測定し、血小板数が治療の目標とするレベルを超えた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮するなど注意すること。[9.1.1、11.1.1、15.1参照]
8.7 本剤の投与中止により血小板減少を認めることがあるため、本剤の中止後4週間程度は血小板数を頻回に測定すること。[11.1.3参照]
8.8 本剤を含むトロンボポエチン受容体作動薬には、骨髄のレチクリン線維の形成及び線維化を進行させる可能性があるので、本剤の投与開始前には、末梢血液像(末梢血塗抹標本)、全血算(赤血球、白血球及び血小板)及び網状赤血球数の検査を行い、全ての血球系の形態異常の有無を十分観察すること。また、本剤投与中は、末梢血液像(末梢血塗抹標本)、全血算(赤血球、白血球及び血小板)及び網状赤血球数の検査を4週に1回を目安に実施し、全ての血球系の形態異常及び血球減少の存否を観察すること。[11.1.2参照]
8.9 トロンボポエチン受容体作動薬には、既存の骨髄異形成症候群等の血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 ブリスターシートから取り出して服用するよう指導すること。シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 服用直前にブリスターシートから取り出すよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

<待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善>
7.1 本剤の投与は観血的手技の施行予定日の10~13日前を目安に開始すること。
7.2 本剤を再投与した場合の有効性及び安全性は検討されていない。特に、血小板数が50,000/μL未満に低下していない患者では他の治療法を選択すること。
<持続性及び慢性免疫性血小板減少症>
7.3 本剤は治療上必要最小限の用法・用量で使用すること。
7.4 本剤の用法・用量は下表を参照の上、血小板数に応じて2週間ごとに、血小板数が安定する(少なくとも4週間にわたり用量調節せずに血小板数が50,000/μL以上)まで調節すること。なお、少なくとも2週間は同一用法・用量を維持すること。
ただし、血小板数が50,000/μL未満又は400,000/μL超の場合、1週間に1回、用量調節を行ってもよい。
用法・用量レベル
40mgを1日1回投与6
40mgを週3回及び20mgを各週の残り4日に投与5
20mgを1日1回投与4
20mgを週3回投与3
20mgを週2回投与又は40mgを週1回投与2
20mgを週1回投与1
*1日1回より低い頻度で本剤を投与する場合は、連日投与を避け、週ごとに一貫した方法で服薬すること。
血小板数調節方法
50,000/μL未満用量レベルを1段階上げる。
ただし、最高投与量として1日1回40mgを4週間投与しても、臨床上重大な出血リスクを回避できるレベルに血小板数が増加しなかった場合は、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
50,000/μL以上200,000/μL未満現状の用量レベルを維持する。
ただし、出血のリスクを低下できる治療上必要最小限の用法・用量となるよう、適宜減量も考慮すること。
200,000/μL以上400,000/μL以下用量レベルを1段階下げる。
400,000/μL超本剤を休薬し、血小板数を週2回測定する。休薬後、血小板数が150,000/μL未満まで減少した場合は、休薬前からの用量レベルを1段階下げて投与を再開する。
ただし、最低投与量として週1回20mgを2週間投与しても血小板数が400,000/μL超の場合は、本剤の投与を中止すること。
7.5 本剤投与中は、血小板数が安定するまで(少なくとも4週間にわたり用量調節せずに血小板数が50,000/μL以上)、血小板数を毎週測定すること。血小板数が安定した場合でも4週に1回を目安に血小板数を測定すること。
7.6 強い又は中程度のCYP2C9及びCYP3A4を同時に阻害する薬剤とともに服用すると本剤の血中濃度が上昇するため、初回投与量を週3回20mgとすること。また、本剤投与中に強い又は中程度のCYP2C9及びCYP3A4を同時に阻害する薬剤の服用を開始した場合には、血小板数が安定するまで(少なくとも4週間にわたり用量調節せずに血小板数が50,000/μL以上)、血小板数を毎週測定すること。[10.2、16.7.2参照]
7.7 強い又は中程度のCYP2C9及びCYP3A4を同時に誘導する薬剤とともに服用すると本剤の血中濃度が低下するため、初回投与量を1日1回40mgとすること。[10.2、16.7.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善>
5.1 血小板数などの臨床検査値や臨床症状、観血的手技の種類から、出血のリスクが高いと考えられる場合に使用すること。
5.2 開腹、開胸、開心、開頭又は臓器切除を伴う観血的手技の場合は、本剤の投与を避けること。有効性及び安全性は確立していない。
<持続性及び慢性免疫性血小板減少症>
5.3 免疫性血小板減少症の発症又は診断後6カ月以上経過した患者に投与すること。
5.4 他の治療にて十分な効果が得られない場合、又は忍容性に問題があると考えられる場合に使用すること。
5.5 血小板数、臨床症状からみて出血リスクが高いと考えられる場合に使用すること。
5.6 免疫性血小板減少症の発症又は診断から6~12カ月の患者における有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤20注)、40又は60mgを食後に単回経口投与したときのアバトロンボパグの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
図1 食後単回経口投与時の血漿中アバトロンボパグ濃度推移(健康成人)(算術平均+標準偏差)
表1 食後単回経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量(mg)例数Cmax*1(ng/mL)Tmax*2(hr)AUC0-inf*1(ng・hr/mL)t1/2*1(hr)
2018109(26.9)7.00(3.12,12.0)3220(831)16.4(2.09)
4023208(54.1)6.02(3.00,12.0)5870(1790)16.1(1.96)
6023332(93.3)7.00(3.00,24.0)9400(2240)16.0(1.54)
1:算術平均(標準偏差)2:中央値(最小値、最大値)
16.1.2 反復投与
健康成人に本剤10mg注)を空腹時に1日1回7日間反復経口投与したときのアバトロンボパグの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表2 空腹時反復経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量(mg)例数投与日Cmax*1(ng/mL)Tmax*2(hr)AUC0-τ*1(ng・hr/mL)t1/2*1(hr)
109175.2(43.9)6.00(4.00,8.00)1000(623)
7112.8(57.0)5.00(3.00,8.00)1584(825)15.3(2.86)
1:算術平均(標準偏差)2:中央値(最小値、最大値)
<待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善>
血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の成績を用いた母集団薬物動態解析により推定した、本剤40又は60mgを食後に1日1回5日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表3 母集団薬物動態解析により推定した血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の薬物動態パラメータ
投与量(mg)例数Cmax*1(ng/mL)AUC*1*2(ng・hr/mL)CL/F*1(L/hr)
40115214.3(42.6)3717(62.4)7.24(15.6)
60160352.2(47.3)4820(85.1)7.46(19.6)
1:幾何平均値(幾何変動係数%)2:定常状態での1日あたりのAUC
<持続性及び慢性免疫性血小板減少症>
慢性免疫性血小板減少症患者の成績を用いた母集団薬物動態解析により推定した、本剤20mgを食後に1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表4 母集団薬物動態解析により推定した慢性免疫性血小板減少症患者の薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
例数Cmax*1
(ng/mL)
AUC0-24*1
(ng・hr/mL)
CL/F*1
(L/hr)
2012263(37.2)4991(35)5.22(14.6)
*1:幾何平均値(幾何変動係数%)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤40又は60mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUC0-infの幾何平均値の比は、40mgでそれぞれ0.841及び0.922、60mgでそれぞれ0.958及び1.09であった。
表5 空腹時又は食後単回経口投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量(mg)空腹時/食後例数Cmax*1(ng/mL)Tmax*2(hr)AUC0-inf*1(ng・hr/mL)
40空腹時18239(46.1)5.00(3.00,12.0)6130(47.9)
食後23201(26.0)6.02(3.00,12.0)5650(30.5)
60空腹時18334(53.0)5.00(4.00,7.00)8420(51.7)
食後23320(28.1)7.00(3.00,24.0)9160(23.8)
1:幾何平均値(幾何変動係数%)2:中央値(最小値、最大値)
16.3 分布
アバトロンボパグのヒト血漿蛋白結合率は96%以上であった(in vitro)。
16.4 代謝
16.4.1 代謝物
健康成人6例に[14C]-アバトロンボパグ20mg注)を単回経口投与したとき、血漿中に代謝物は検出されなかった。約88%が糞中に排泄され、そのうち33.5%が未変化体、43.8%が4-ヒドロキシ体であった(外国人データ)。
16.4.2 代謝酵素
アバトロンボパグは主にCYP2C9及びCYP3A4により代謝された(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人6例に[14C]-アバトロンボパグ20mg注)を単回経口投与したとき、投与された総放射能の約88%が糞中に、約6%が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の成績を用いた母集団薬物動態解析により推定した、腎機能正常患者(CLcr 90mL/min以上)、軽度の腎機能障害患者(CLcr 60mL/min以上90mL/min未満)及び中等度の腎機能障害患者(CLcr 30mL/min以上60mL/min未満)に本剤40又は60mgを食後に1日1回5日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表6 母集団薬物動態解析により推定した血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の腎機能障害の程度別の薬物動態パラメータ
投与量(mg)CLcr(mL/min)例数Cmax*1(ng/mL)AUC*1*2(ng・hr/mL)
4090以上71172(56.8)3670(55.4)
60以上90未満26156(69.6)3260(76.2)
30以上60未満14199(64.3)4290(62.3)
6090以上104219(63.8)4670(64.8)
60以上90未満37289(77.6)6060(83.3)
30以上60未満15186(112)3750(122)
1:幾何平均値(幾何変動係数%)2:定常状態での1日あたりのAUC
16.6.2 肝機能障害患者
血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の成績を用いた母集団薬物動態解析により推定した、軽度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)、中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)及び重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)に本剤40又は60mgを食後に1日1回5日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表7 母集団薬物動態解析により推定した血小板減少症を伴う慢性肝疾患患者の肝機能障害の程度別の薬物動態パラメータ
投与量(mg)Child-Pugh分類例数Cmax*1(ng/mL)AUC*1*2(ng・hr/mL)
40A63182(61.7)3870(59.1)
B45155(61.0)3290(66.5)
C7223(30.1)5070(29.2)
60A92243(79.4)5070(81.2)
B58216(63.2)4620(68.2)
C7211(49.7)4640(60.3)
1:幾何平均値(幾何変動係数%)2:定常状態での1日あたりのAUC
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
アバトロンボパグはBCRPに対する阻害作用を示し、IC50値は16.4μmol/Lであった。
16.7.2 その他の薬剤
(1)イトラコナゾール
健康成人16例を対象にイトラコナゾール(CYP3A4阻害剤)200mgを16日間反復経口投与(投与1日目のみ1日2回投与し、以降は1日1回投与)し、イトラコナゾールの投与7日目に本剤20mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは7%、AUC0-infは37%増加した(外国人データ)。
(2)フルコナゾール
健康成人16例を対象にフルコナゾール(CYP2C9及びCYP3A4阻害剤)400mgを1日1回16日間反復経口投与し、フルコナゾールの投与7日目に本剤20mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは17%、AUC0-infは116%増加した(外国人データ)。
慢性免疫性血小板減少症患者の成績を用いた母集団薬物動態/薬力学シミュレーションにより、目標血小板数(50,000/μL以上200,000/μL未満)を達成した慢性免疫性血小板減少症患者の割合を推定したところ、フルコナゾールを併用せずに本剤20mgを1日1回投与したときと、フルコナゾールを併用して本剤20mgを週3回投与したときで同程度あった。[7.6、10.2参照]
(3)リファンピシン
健康成人16例を対象にリファンピシン(CYP2C9及びCYP3A4誘導剤)600mgを食事1時間前に1日1回16日間反復経口投与し、リファンピシンの投与7日目に本剤20mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは4%増加、AUC0-infは43%減少した(外国人データ)。
慢性免疫性血小板減少症患者の成績を用いた母集団薬物動態/薬力学シミュレーションにより、目標血小板数(50,000/μL以上200,000/μL未満)を達成した慢性免疫性血小板減少症患者の割合を推定したところ、リファンピシンを併用せずに本剤20mgを1日1回投与したときと、リファンピシンを併用して本剤40mgを1日1回投与したときで同程度であった。[7.7、10.2参照]
(4)シクロスポリン
健康成人36例を対象にシクロスポリン(P-糖蛋白質阻害剤)400mg及び本剤20mg注)を併用して単回経口投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは34%、AUC0-infは17%減少した(外国人データ)。
(5)ベラパミル
健康成人36例を対象にベラパミル(P-糖蛋白質及びCYP3A4阻害剤)240mgを1日1回11日間反復経口投与し、ベラパミルの投与7日目に本剤20mg注)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時と比較して、本剤のCmaxは26%、AUC0-infは61%増加した(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善に対しては40又は60mgの1日1回5日間投与、持続性及び慢性免疫性血小板減少性症に対しては初回投与量として20mgの1日1回投与、最高投与量は40mgの1日1回である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP2C9及びCYP3A4の阻害剤
(フルコナゾール等)
[7.6、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強する可能性がある。これらの薬剤等がCYP2C9及びCYP3A4の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP2C9及びCYP3A4の誘導剤
(リファンピシン等)
[7.7、16.7.2参照]
本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱する可能性がある。これらの薬剤等がCYP2C9及びCYP3A4の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 血栓症、血栓塞栓症
門脈血栓症(0.3%)、脳卒中(0.3%)、その他の動脈又は静脈血栓症(頻度不明)があらわれることがある。[8.1、8.3、8.6、15.1参照]
11.1.2 骨髄線維症(頻度不明)
骨髄線維症があらわれることがある。血球系の形態異常又は血球減少を認めた場合は、本剤の投与を中止すること。また、線維化状態の確認のため骨髄生検・特殊染色等の実施を考慮すること。[8.8参照]
11.1.3 出血(0.3%)
本剤の投与中止後に出血を生じることがある。[8.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1-5%1%未満頻度不明
血液およびリンパ系障害貧血
胃腸障害悪心腹痛歯肉出血
一般・全身障害および投与部位の状態疲労発熱末梢性浮腫
免疫系障害過敏症(そう痒、発疹、息詰まり、紅斑、咽頭浮腫、全身性そう痒症、斑状皮疹、顔面腫脹、舌腫脹、蕁麻疹など)
感染症および寄生虫症上咽頭炎、上気道感染
傷害、中毒および処置合併症挫傷
代謝および栄養障害低ナトリウム血症
筋骨格系および結合組織障害筋肉痛関節痛
神経系障害頭痛
呼吸器、胸郭および縦隔障害鼻出血
皮膚および皮下組織障害点状出血
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