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リトゴビ錠4mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌

用法・用量

  • 通常、成人には、フチバチニブとして1日1回20mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B又はC)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後一週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児の内臓及び骨格異常の発生が報告されている。[9.4.1、9.4.2、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[7.3、11.1.1参照]
8.2 高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。[7.3、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、本剤のCmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して休薬・減量・中止すること。[8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照]
減量の目安
減量レベル投与量
通常投与量20mg
1段階減量16mg
2段階減量12mg
3段階減量投与中止
副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用程度注)処置
網膜剥離・症状がある場合又は検査で悪化が認められた場合は、本剤を休薬する。
・休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。改善しない場合は、本剤の投与を中止する。
高リン血症血清リン濃度5.5mg/dL以上~7mg/dL以下・リン制限食に加え、高リン血症治療剤を投与する。
血清リン濃度7mg/dL超~10mg/dL以下・リン制限食に加え、1段階減量し、高リン血症治療剤を投与する。
・1段階減量後2週間以内に血清リン濃度が7mg/dL以下に改善した場合は、1段階減量の用量で本剤の投与を継続できる。
・1段階減量後2週間以内に血清リン濃度が7mg/dL以下に改善しない場合は、さらに1段階減量する。
・2段階減量後2週間以内に血清リン濃度が7mg/dL以下に改善しない場合は、7mg/dL以下になるまで本剤を休薬する。休薬後7mg/dL以下に改善した場合は、休薬前の用量で本剤の投与を再開できる。
血清リン濃度10mg/dL超・リン制限食に加え、高リン血症治療剤を投与する。
・血清リン濃度が7mg/dL以下になるまで本剤を休薬する。休薬後7mg/dL以下に改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
・2段階減量後、血清リン濃度が10mg/dLを超えた場合は、本剤の投与を中止する。
上記以外の副作用Grade3・Grade1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。回復後、1段階減量して本剤の投与を再開できる。なお、血液毒性について、1週間以内に回復した場合は、同一用量で本剤の投与を再開できる。
Grade4・本剤の投与を中止する。
注)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の一次治療としての有効性及び安全性は確立していない。
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の原発部位等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
5.4 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、FGFR2融合遺伝子が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人進行固形癌患者に本剤20mgを空腹時に単回経口投与したときのフチバチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
日本人進行固形癌患者に本剤20mgを単回経口投与したときのフチバチニブの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)
日本人進行固形癌患者に本剤20mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータの要約
投与量
(症例数)
Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUC0-24(h・ng/mL)
20mg
(n=7)
253±1612.00(1.00、3.95)981±716
値は平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(最小値、最大値)で示した。
16.1.2 反復投与
外国人進行固形癌患者に本剤20mgを1日1回反復経口投与したときのフチバチニブの蓄積率は、1.06~1.27であった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人16例に本剤20mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.576及び0.888であった(外国人データ)。[7.2参照]
16.3 分布
フチバチニブのヒト血漿タンパク結合率は約95%であり、主にヒト血清アルブミン及びα1酸性糖タンパク質と結合した(in vitro)。
16.4 代謝
フチバチニブは主にCYP3Aによって代謝される(in vitro)。
健康成人6例に14C標識体を含むフチバチニブ20mgの溶液を単回経口投与したとき、血漿中の主な本剤由来成分は未変化体であった(血漿中総放射能に対する割合は59.19%)。血漿中における主な代謝物はシステイニルグリシン抱合体であった(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人6例に14C標識体を含むフチバチニブ20mgの溶液を単回経口投与したとき、投与336時間までに投与した放射能の63.6%が糞中、6.47%が尿中に排泄された。尿中及び糞中に未変化体はほとんど排泄されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤20mgを単回投与したとき、肝機能正常被験者(16例)に対する[1]軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(8例)、[2]中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)及び[3]重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(6例)におけるフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ[1]1.14及び0.857、[2]1.18及び1.22、[3]1.18及び1.19であった。また、肝機能正常被験者(16例)に対する[4]軽度の肝機能障害患者(7例)、[5]中等度の肝機能障害患者(8例)及び[6]重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形フチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ[4]1.21及び0.937、[5]1.50及び1.56、[6]2.30及び2.32であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人20例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.472及び0.361であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 カルバマゼピン、エファビレンツ
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤20mg単独投与時に対するカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)(400mgを1日2回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は0.646と推定された。また、本剤20mg単独投与時に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は0.521と推定された。[10.2参照]
16.7.3 イトラコナゾール
健康成人20例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回6日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.51及び1.41であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 クラリスロマイシン、フルコナゾール
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤20mg単独投与時に対するクラリスロマイシン(強いCYP3A阻害剤)(500mgを1日2回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は1.47と推定された。また、本剤20mg単独投与時に対するフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)(200mgを1日1回投与)併用投与時のフチバチニブのAUCtauの幾何平均値の比は1.40と推定された。[10.2参照]
16.7.5 その他
(1)ランソプラゾール
健康成人20例にランソプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)60mgを1日1回5日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するランソプラゾール併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.08及び1.05であった(外国人データ)。
(2)ミダゾラム
健康成人24例に本剤20mgを1日1回7日間反復投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.946及び0.911であった(外国人データ)。
(3)ジゴキシン、ロスバスタチン
健康成人20例に本剤20mgを1日1回7日間反復投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mg及びロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを単回併用投与したとき、ジゴキシン及びロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.951及び1.002、ロスバスタチンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.102及び1.135であった(外国人データ)。
(4)キニジン
健康成人15例にキニジン(P-gp阻害剤)200mgを1日4回4日間反復投与し、本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するキニジン併用投与時のフチバチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.08及び1.17であった(外国人データ)。
(5)フチバチニブはCYP1A2の誘導作用を示した(in vitro)。
(6)フチバチニブはBCRPの基質である(in vitro)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン、カルバマゼピン、エファビレンツ等
[16.7.1、16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
イトラコナゾール、クラリスロマイシン、フルコナゾール等
[16.7.3、16.7.4参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 網膜剥離
漿液性網膜剥離(1.0%)、網膜色素上皮剥離(1.0%)等があらわれることがある。霧視、飛蚊症、視野欠損、光視症、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.3、8.1参照]
11.1.2 高リン血症(91.3%)[7.3、8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上5~20%未満5%未満
眼障害ドライアイ、睫毛の異常、霧視眼瞼炎、視力障害
消化器障害口内乾燥(30.1%)、下痢、口内炎便秘、悪心、嘔吐
一般全身障害疲労
肝胆道系障害AST増加、ALT増加
腎障害血中クレアチニン増加
代謝、栄養障害食欲不振高カルシウム血症、低ナトリウム血症、脱水
筋骨格系筋肉痛、関節痛、筋痙縮、CK上昇四肢痛
神経障害味覚異常末梢性ニューロパチー浮動性めまい
皮膚障害爪の異常(46.6%)、脱毛症(33.0%)、皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群そう痒症発疹
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