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ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)

用法・用量

  • 通常、成人にはジルコプランとして下表に示す用量を1日1回皮下投与する。
    体重投与量
    56kg未満16.6mg
    56kg以上77kg未満23.0mg
    77kg以上32.4mg

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[2.1、5.2、9.1.1、11.1.1参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 原則本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 本剤は、全身型重症筋無力症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。[5.2、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.1、5.2、9.1.1、11.1.1参照]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症を発症しやすくなる可能性がある。[1.1、2.1、5.2、11.1.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者(髄膜炎菌感染症の患者を除く)
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.2、11.1.2参照]
9.1.3 膵炎の既往のある患者[8.1、11.1.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 膵炎、血清アミラーゼ、血清リパーゼの上昇があらわれることがあるので、本剤投与中は、定期的に膵酵素(血清アミラーゼ、血清リパーゼ)を測定し、上昇が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[9.1.3、11.1.3参照]
8.2 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。使用済みの注射器(注射針一体型)を再使用しないよう患者に注意を促し、安全な廃棄方法に関する指導を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 本剤投与前に冷蔵庫から取り出し、30分以上平らな場所に置き、室温に戻してから投与すること。その他の方法(電子レンジ、温水、直射日光等)で本剤を温めないこと。
14.1.2 本剤を投与する準備ができるまでキャップをはずさないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与部位は大腿部、腹部又は上腕部とし、投与毎に投与部位を変えること。同じ投与部位に注射する場合、新たな注射箇所は、前回の注射箇所から少なくとも2.5cm離すこと。
14.2.2 皮膚に異常のある部位(圧痛、発赤、あざ、硬結、瘢痕等の部位)には注射しないこと。
14.2.3 臍部から5cm以内に本剤を投与しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤投与開始12週後までに症状の改善が認められない患者では、他の治療法への切り替えを考慮すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に投与すること。
5.2 本剤は、補体C5の開裂及びC5bとC6の結合を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、原則本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。[1.1、1.2、2.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人に本剤0.1及び0.3mg/kg(各群4例)を単回皮下投与したときの血漿中ジルコプラン濃度時間推移及び薬物動態パラメータを図1及び表1に示す。
図1 日本人健康成人に単回皮下投与時の血漿中ジルコプラン濃度推移(幾何平均値±95%信頼区間)
表1 日本人健康成人に単回皮下投与時の血漿中ジルコプランの薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC0-last(ng・h/mL)AUC0-inf(ng・h/mL)t1/2(h)
0.11580(14.0)3.02(3.00-6.02)428000(12.5)480000(12.9)201(2.2)
0.33770(5.1)3.03(3.00-3.05)737000(8.6)808000(9.1)183(8.4)
各群4例、Cmax、AUC0-last、AUC0-inf及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 反復投与
(1)日本人健康成人6例に本剤0.3mg/kgを1日1回14日間反復投与したとき、投与1日目(初回投与時)と14日目(最終回投与時)の血漿中ジルコプラン濃度を表2に示す。
表2 日本人健康成人に反復皮下投与時の血漿中ジルコプランの薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)Cmax(ng/mL)tmax(h)AUCτ(ng・h/mL)t1/2(h)
0.3
初回投与時3890(17.3)3.04(1.00-6.00)76600(13.0)
最終回投与時13300(14.4)3.00(1.00-3.08)272000(14.6)174(3.9)
各群6例、Cmax、AUCτ及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
(2)国際共同第III相二重盲検試験(MG0010)において全身型重症筋無力症患者を対象に本剤0.3mg/kg(体重区分ごとの投与量注))を1日1回反復皮下投与したときの血漿中ジルコプラン濃度のトラフ値を表3に示す。血漿中ジルコプラン濃度は4週までに定常状態に達し、12週間を通して維持された。
表3 各測定時点における血漿中ジルコプランのトラフ濃度
測定時点評価例数ジルコプラン トラフ濃度(ng/mL)
1週目8111430.7(21.3)
2週目8212460.3(22.0)
4週目7912981.7(25.6)
8週目7712433.2(24.6)
12週目7512544.6(22.4)
幾何平均値(変動係数%)
注)体重43kg以上56kg未満:16.6mg、56kg以上77kg未満:23.0mg、77kg以上150kg以下:32.4mg
16.2 吸収
健康成人に本剤0.3mg/kgを異なる投与部位(腹部及び大腿部:8例、腹部及び上腕部:7例)に単回皮下投与したとき、腹部への投与に対する大腿部及び上腕部のAUC0-last及びCmax比の推定値及び90%信頼区間は、0.9700[0.9347;1.007]及び0.9776[0.9260;1.032]並びに0.8642[0.8017;0.9316]及び0.9579[0.8803;1.042]であった(外国人データ)。
16.3 分布
In vitro試験の結果、ジルコプラン及び主要代謝物(RA103488及びRA102758)の血漿蛋白結合率は99%超であった。
16.4 代謝
In vitro及びin vivo試験の結果、2つの主要な代謝物として、加水分解によるRA102758の生成及びパルミトイル末端のω-水酸化によるRA103488が認められた。ジルコプランはペプチドとして異化経路を介して低分子ペプチドやアミノ酸に分解されると考えられる。RA103488の生成にはCYP4F2が主に寄与した。RA102758は薬理学的に不活性であり、RA103488はジルコプランと同程度の薬理活性を有するが、日本人健康成人に本剤0.3mg/kgを投与したときの定常状態におけるジルコプランに対する血漿中濃度の割合は約7%であった。
16.5 排泄
ジルコプラン及び主要代謝物(RA103488及びRA102758)の尿中及び糞中排泄率は1%未満と推定された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
重度の腎機能障害を有する成人被験者に、本剤0.3mg/kg(各群8例)を単回皮下投与したとき、ジルコプラン及びRA102758のAUC0-last、AUC0-inf及びCmaxは腎機能正常者と比較して同程度であった。RA103488のAUC0-last、AUC0-inf及びCmaxは腎機能正常者と比較し、約1.4~1.5倍高かった(外国人データ)。
表4 腎機能正常者及び腎機能障害患者の血漿中ジルコプラン濃度の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ腎機能の程度
正常重度
CLcr(mL/min)≧90<30
Cmax(ng/mL)4830.33(18)4468.65(8)
tmax(h)4.0(2.0-12.1)6.0(2.0-12.0)
AUC0-last(ng・h/mL)789542.7(18)695854.5(17)
AUC0-inf(ng・h/mL)821508.2(20)717144.3(17)
t1/2(h)175.87(18)165.69(21)
各群8例、Cmax、AUC0-last、AUC0-inf及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)
16.6.2 肝機能障害患者
中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)を有する成人被験者に、本剤0.3mg/kg(各群8例)を単回皮下投与したとき、肝機能正常者と比較して、ジルコプランのAUC0-last及びAUC0-infは0.76倍低く、RA102758及びRA103488のAUC0-last及びCmaxは1.09~1.22倍高かった。ジルコプランのCmax及び半減期は両群で同程度であった(外国人データ)。
表5 肝機能正常者及び肝機能障害患者の血漿中ジルコプラン濃度の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータ肝機能の程度
正常中等度
Cmax(ng/mL)5128(19.3)4867(14.4)
tmax(h)8.0(2.0-12)4.0(3.8-23)
AUC0-last(ng・h/mL)769900(12.8)581400(21.3)
AUC0-inf(ng・h/mL)787000(13.3)594500(21.6)
t1/2(h)148.3(17.5)152.2(10.7)
各群8例、Cmax、AUC0-last、AUC0-inf及びt1/2:幾何平均値(変動係数[%])、tmax:中央値(最小値-最大値)

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化するおそれがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。類薬において、髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある。[1.1、1.2、2.1、5.2、9.1.1参照]
11.1.2 重篤な感染症(1.4%)
肺炎、敗血症等の重篤な感染症があらわれることがある。また、肺炎球菌、インフルエンザ菌、淋菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症があらわれることがある。[5.2、9.1.2参照]
11.1.3 膵炎(0.5%)
膵炎(0.5%)、血清アミラーゼの上昇(1.9%)、血清リパーゼの上昇(4.2%)等があらわれることがある。[8.1、9.1.3参照]
11.1.4 重篤な過敏症(0.5%)
アナフィラキシー(血管性浮腫、蕁麻疹等)等の重篤な過敏症があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1~5%未満1%未満
一般・全身障害及び投与部位の状態注射部位反応(注射部位内出血、注射部位疼痛等)(22.2%)
感染症及び寄生虫症感染症(上気道感染、上咽頭炎、副鼻腔炎、尿路感染等)
胃腸障害下痢、アフタ性潰瘍
皮膚及び皮下組織障害限局性強皮症
臨床検査アミラーゼ増加、リパーゼ増加、肝逸脱酵素上昇(アラニンアミノトランスフェラーゼ増加等)血中好酸球増加
その他過敏症(注射部位発疹、発疹、蕁麻疹、血管性浮腫、湿疹)
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