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ボイデヤ錠50mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症

用法・用量

  • 通常、成人には、補体(C5)阻害剤との併用において、ダニコパンとして1回150mgを1日3回食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、1回200mgまで増量することができる。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は補体経路を阻害するため、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[5.2、9.1.1、11.1.1参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 髄膜炎菌ワクチンの接種歴を確認し、接種が確認できない場合又は追加接種が必要な場合は、原則、本剤投与前にワクチンを接種すること。必要に応じて、本剤投与中のワクチンの追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、当該感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 発作性夜間ヘモグロビン尿症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[1.1、5.2参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[11.1.2参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)のある患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ウサギ)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 肝機能検査値異常(ALT増加等)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を実施すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 ラブリズマブ(遺伝子組換え)及びエクリズマブ(遺伝子組換え)以外の補体(C5)阻害剤と併用したときの有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
7.2 本剤を漸減せずに中止した場合に肝機能障害があらわれるおそれがあるため、本剤の投与を中止する場合は、最低6日間かけて漸減すること。漸減する際は、1回100mgを1日3回3日間、その後1回50mgを1日3回3日間投与してから投与を中止すること。なお、本剤の漸減・中止は、原則、補体(C5)阻害剤の併用投与下で行うこと。
7.3 本剤の漸減及び中止により重篤な溶血があらわれるおそれがあるため、漸減期間中は溶血及びそれに付随する症状を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 補体(C5)阻害剤による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合に、補体(C5)阻害剤と併用して投与すること。
5.2 本剤は、補体D因子のセリンプロテアーゼ活性を阻害し、補体介在性の感染防御機能の一部を阻害すると考えられるため、髄膜炎菌感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、髄膜炎菌に対するワクチンの接種歴を確認し、接種が確認できない場合又は追加接種が必要な場合は、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までにワクチンを接種すること。[1.1、9.1.1、11.1.1、17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人9例に本剤200mgを高脂肪食摂取後又は絶食下で単回経口投与したときのダニコパンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
投与量
(食事条件)
Cmax(ng/mL)Tmaxa)(h)AUC0-inf(ng・h/mL)T1/2(h)
200mg
(高脂肪食摂取後)
883.2(347.76)3.0[2.0,8.4]4201(849.41)6.9(2.48)
200mg
(絶食下)
651.4(412.00)2.5[1.0,6.0]3059(1042.3)9.0(5.59)
9例の算術平均値(標準偏差)a)9例の中央値[範囲]
16.1.2 反復投与
(1)健康成人8例にダニコパンの液体充填カプセル75mg注)を1日3回7日間経口投与したときのダニコパンの血漿中濃度は、投与2日目で定常状態に達し、蓄積性は認められなかった(外国人データ)。
(2)発作性夜間ヘモグロビン尿症患者69例に本剤150mg又は200mgを1日3回経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータの母集団薬物動態解析に基づく推定値は以下のとおりであった。
投与量
(1日3回投与)
Cmax,ss(ng/mL)Ctrough,ss(ng/mL)AUC0-24h,ss(ng・h/mL)
150mg558(172)169(68.1)8350(2420)
200mg694(214)211(84.7)10400(3010)
69例の算術平均値(標準偏差)
注)本剤の承認用量は1回150mg又は200mgを1日3回経口投与である。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人17例に本剤200mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したときのダニコパンのCmax及びAUC0-infは、絶食下投与と比較してそれぞれ約93%及び約25%上昇した(外国人データ)。
16.3 分布
ダニコパンのヒト血漿タンパク結合率は91.3%~94.3%であった。ダニコパンは主にヒト血清アルブミンに結合していると考えられる(in vitroデータ)。
16.4 代謝
健康成人8例にダニコパンの14C標識体150mgを単回経口投与したとき、ダニコパンは主にアミドの加水分解による代謝で消失した。ヒト血漿中総放射能の約23%が未変化体、約53%がアミドの加水分解により生成した代謝物であった(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人8例にダニコパンの14C標識体150mgを単回経口投与したとき、投与後216時間までの糞中に投与量の約69%(投与後168時間までの糞中において、未変化体は投与量の3.57%)が排泄され、投与後216時間までの尿中に投与量の約25%(投与後24時間までの尿中において、未変化体は投与量の0.48%)が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
重度腎機能障害を有する成人(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)8例に本剤200mgを単回経口投与したときのダニコパンのAUC0-infは、腎機能が正常な成人と比較して52%上昇したが、Cmaxは同様であった(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害
中等度肝機能障害を有する成人(Child-Pugh分類B)8例に本剤200mgを単回経口投与したときのダニコパンのCmax及びAUC0-infは、肝機能が正常な成人と比較してそれぞれ約27%及び約8%低下した(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 C5阻害剤(ラブリズマブ及びエクリズマブ)
母集団薬物動態解析の結果から、C5阻害剤(ラブリズマブ(遺伝子組換え)及びエクリズマブ(遺伝子組換え))はダニコパンの薬物動態に有意な影響を及ぼさないことが示された。
16.7.2 フェキソフェナジン
健康成人12例に本剤150mgを1日3回6日間反復経口投与し、投与4日目にフェキソフェナジン(P-gp基質)180mgを併用して単回経口投与したときのフェキソフェナジンのCmax及びAUC0-infは、フェキソフェナジンを単独投与したときと比較して、それぞれ約42%及び約62%上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 タクロリムス
健康成人28例に本剤200mgを1日3回10日間反復経口投与し、投与5日目にタクロリムス(CYP3A基質、P-gp基質)2mgを併用して単回経口投与したときのタクロリムスのCmax及びAUC0-infは、タクロリムスを単独投与したときと比較して、それぞれ約13%及び約49%上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 ロスバスタチン
健康成人19例に本剤200mgを1日3回7日間反復経口投与し、投与4日目にロスバスタチン(BCRP基質)20mgを併用して単回経口投与したときのロスバスタチンのCmax及びAUC0-infは、ロスバスタチンを単独投与したときと比較して、それぞれ約229%及び約125%上昇した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 その他の薬剤
ミダゾラム(CYP3A基質)、ミコフェノール酸モフェチル(ミコフェノール酸:UGT基質)、シクロスポリン(CYP3A基質、P-gp阻害薬)、制酸剤(炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム/水酸化アルミニウム/simethicone)、オメプラゾール(CYP2C19基質)、ワルファリン(S体:CYP2C9基質)、ブプロピオン(CYP2B6基質)、経口避妊薬(エチニルエストラジオール/ノルエチステロン)と本剤の併用投与において、臨床上問題となる薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
P-gpの基質薬剤
ジゴキシン
タクロリムス
フェキソフェナジン等
[16.7.2、16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤のP-gp阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
BCRPの基質薬剤
ロスバスタチン
アトルバスタチン
メトトレキサート等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急速に生命を脅かす、あるいは死亡に至るおそれがある。本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.1、5.2参照]
11.1.2 重篤な感染症(頻度不明)
肺炎球菌、インフルエンザ菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症があらわれることがある。[9.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満
神経系障害頭痛
臨床検査肝酵素上昇(ALT増加、トランスアミナーゼ上昇等)
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