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エルレフィオ皮下注44mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)

用法・用量

  • 通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。2週間間隔で24週間以上投与した場合は、投与間隔を4週間間隔とすることができる。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  • 1.2 重度のサイトカイン放出症候群(CRS)及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)があらわれることがあるので、特に治療初期は入院管理等の適切な体制下で本剤の投与を行うこと。[8.1、11.1.1、11.1.2参照]
  • 1.3 重度のCRSがあらわれることがあるので、CRSに対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。[7.2、8.2、11.1.1参照]
  • 1.4 重度又は生命を脅かす神経学的事象(ICANS含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンス等に従い、適切な処置を行うこと。[8.3、8.4、11.1.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
血球減少により感染症が悪化するおそれがある。[8.5、11.1.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。ヒトIgGは胎盤通過性があることが知られており、本剤の作用機序から、本剤の妊娠中の曝露により、B細胞リンパ球減少症及び発育遅延等、胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 サイトカイン放出症候群(CRS)及び免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は投与初期に多く認められることから、少なくとも初回投与(12mg投与)後48時間及び2回目の投与(32mg投与)後24時間は必ず入院管理とし、以降の投与についても患者の状態に応じて入院管理を検討すること。[1.2、11.1.1、11.1.2参照]
8.2 CRSがあらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、以下の事項に注意すること。[1.3、7.2、11.1.1参照]
8.2.1 CRSに対する前投与薬の投与等の予防的措置を行うこと。
8.2.2 本剤の投与中は発熱、低酸素症、悪寒、低血圧、頻脈、頭痛、肝酵素増加等について、観察を十分に行うこと。また、CRSが疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
8.2.3 緊急時に備えてトシリズマブ(遺伝子組換え)を速やかに使用できるように準備しておくこと。
8.3 神経学的事象(ICANS含む)があらわれることがあるので、本剤の投与中は、失語症、意識レベルの変化、認知能力の障害、筋力低下、痙攣発作、脳浮腫等について、観察を十分に行うこと。また、ICANSが疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[1.4、11.1.2参照]
8.4 神経学的事象(ICANS含む)として意識レベルの変化、痙攣発作等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。[1.4、11.1.2参照]
8.5 感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは悪化、又はサイトメガロウイルス感染等の再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立ってニューモシスチス・イロベチイ等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤の投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。[9.1.1、11.1.3参照]
8.6 血球減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を実施すること。[11.1.5参照]
8.7 低γグロブリン血症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に免疫グロブリンの値を測定すること。[11.1.6参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 使用前にバイアルに粒子や変色がないかを目視で確認すること。粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
14.1.2 投与量に合わせて、バイアルから必要量を抜き取り、希釈せずに使用すること。
14.1.3 調製後は速やかに使用すること。直ちに使用しない場合はシリンジを2~30℃で保管し、4時間以内に使用すること。
14.1.4 本剤のバイアルは使い切りであり、保存剤を含まない。バイアルから必要量を1回抜き取った後は、バイアルごと残液を適切に廃棄すること。
14.1.5 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は皮下注射で投与すること。注射部位は腹部が推奨されるが、腹部に注射ができない場合は、大腿部を選択することもできる。
14.2.2 他の薬剤と混合しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与によるサイトカイン放出症候群(CRS)を軽減させるため、1日目、4日目及び8日目の投与については、本剤投与開始の約1時間前に、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤を投与すること。[1.3、7.4、8.2、11.1.1参照]
7.3 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に本剤を休薬又は中止すること。
副作用発現時の本剤の休薬又は中止基準
副作用重症度注)処置
サイトカイン放出症候群(CRS)Grade1、2又は3(初発)回復するまで本剤を休薬する。
Grade3(再発)又はGrade4本剤の投与を中止する。
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)Grade1、2又は3(初発)回復するまで本剤を休薬する。
Grade3(再発)又はGrade4本剤の投与を中止する。
血液学的毒性好中球数が500/μL未満500/μL以上に回復するまで本剤を休薬する。
発熱性好中球減少症好中球数が1,000/μL以上に回復し発熱が治まるまで本剤を休薬する。
ヘモグロビンが8g/dL未満8g/dL以上に回復するまで本剤を休薬する。
血小板数が25,000/μL未満
血小板数が25,000/μL~50,000/μLの間で出血がある
25,000/μL以上に回復し出血が治まるまで本剤を休薬する。
その他の非血液学的毒性Grade3又は4・Grade1以下又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。
・回復しない場合は本剤の投与を中止する。
注)CRS及びICANSのGradeはASTCT 2019に準じ、その他の非血液学的毒性のGradeはNCI-CTCAE Version 5.0に準じる。
7.4 副作用等の理由による休薬後に本剤を再開する場合は、下表を参考に投与すること。以降は、用法・用量の投与スケジュールに準じること。[7.2参照]
休薬後に再開する場合の用量
休薬直前の用量休薬期間再開時の用量
12mg2週間(14日)以内の休薬4日目の投与量(32mg)で投与する注)
2週間(14日)を超える休薬1日目の投与量(12mg)で投与する注)
32mg2週間(14日)以内の休薬8日目の投与量(76mg)で投与する注)
2週間を超え、4週間以内(15日から28日まで)の休薬32mgで投与する注)。忍容性が認められた場合には1週間後に76mgを投与する注)
4週間(28日)を超える休薬1日目の投与量(12mg)で投与する注)
76mg12週間(84日)以内の休薬76mgで投与する。
12週間(84日)を超える休薬1日目の投与量(12mg)で投与する注)
注)本剤投与開始の約1時間前に前投与(解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤及び抗ヒスタミン剤)を行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤による治療は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。[17.1.1参照]
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
日本人再発又は難治性の多発性骨髄腫患者4例に、1日目に本剤600μg/kg注)、8日目に本剤1,000μg/kg注)を皮下投与したときの可溶性B細胞成熟抗原(sBCMA)非結合型エルラナタマブ並びに総エルラナタマブ[sBCMA非結合型及びsBCMA結合型]の薬物動態パラメータを下表に示す。
注)本剤の承認された用法及び用量は、下記のとおりである。
通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。2週間間隔で24週間以上投与した場合は、投与間隔を4週間間隔とすることができる。
測定対象投与量(μg/kg)薬物動態パラメータ
AUCtau(μg・day/mL)Cmax(μg/mL)Tmaxa)(day)
非結合型エルラナタマブ6004.04(33)0.853(39)7.00(2.96-8.00)
10005.83,15.1b)2.10(91)5.99(2.99-8.97)
総エルラナタマブ60021.2(42)4.38(33)7.00(2.96-8.00)
100043.1,47.3b)8.85(39)2.98(2.08-5.98)
幾何平均値(%幾何変動係数)a)中央値(最小値-最大値)b)個別値(2例)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者(日本人を含む)に、1サイクルを28日とし、第1サイクルの第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第1サイクルの第8日目以降は76mgを1週間に1回皮下投与したときの第7サイクル(定常状態)における非結合型エルラナタマブ及び総エルラナタマブのトラフ濃度を下表に示す。
測定対象例数トラフ濃度(μg/mL)
非結合型エルラナタマブ3833.8(60)
総エルラナタマブ3835.6(55)
幾何平均値(%幾何変動係数)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者321例(日本人を含む)のデータを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。第1日目及び第4日目にそれぞれ本剤12及び32mgを皮下投与、第8日目以降は76mgを1週間に1回24週目まで皮下投与し、その後2週間に1回24週間皮下投与し、さらに4週間に1回皮下投与したときの、定常状態における非結合型エルラナタマブの薬物動態パラメータの推定値を下表に示す。また、母集団薬物動態解析に基づき、非結合型エルラナタマブの半減期の幾何平均値は22日と推定された。
薬物動態パラメータa)
Cavgb)(μg/mL)Cmax(μg/mL)Ctrough(μg/mL)
24週目32.0(46)33.0(46)30.5(48)
48週目17.7(53)19.5(51)15.1(60)
72週目8.8(58)11.5(54)5.9(78)
幾何平均値(%幾何変動係数)a)奏効が認められた患者における結果b)平均血清中濃度
16.2 吸収
母集団薬物動態解析に基づき、皮下投与時のエルラナタマブの絶対的バイオアベイラビリティの平均値は56.2%と推定された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
治療域の狭いCYP基質
シクロスポリン、フェニトイン、シロリムス等
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤の投与開始から32mg投与の14日後まで、並びにサイトカイン放出症候群発現時及び発現後一定期間は、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の投与によりサイトカインが放出され、CYPが抑制されることにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
生ワクチン又は弱毒生ワクチン接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 サイトカイン放出症候群(CRS)(57.9%)
異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するCRS管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤、トシリズマブ(遺伝子組換え)の投与等の適切な処置を行うこと。[1.2、1.3、7.2、8.1、8.2参照]
11.1.2 神経学的事象(免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)含む)
末梢性ニューロパチー(10.4%)、頭痛(9.3%)、ICANS(3.3%)、錯乱状態(2.7%)、ギラン・バレー症候群(0.5%)、浮動性めまい(0.5%)、意識レベルの低下(頻度不明)、失神(頻度不明)等の神経学的事象があらわれることがある。異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するICANS管理ガイダンス等に従い、本剤の投与中止、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.2、1.4、8.1、8.3、8.4参照]
11.1.3 感染症
上気道感染(18.6%)、サイトメガロウイルス感染(7.1%)、肺炎(7.1%)、尿路感染(4.4%)、敗血症(3.8%)、敗血症性ショック(0.5%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.6%)等の感染症があらわれることがある。[8.5、9.1.1参照]
11.1.4 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
死亡に至った症例も報告されているので、本剤の投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 血球減少
好中球減少症(36.6%)、貧血(26.8%)、リンパ球減少症(24.0%)、血小板減少症(19.7%)、白血球減少症(13.1%)、発熱性好中球減少症(2.2%)等があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.6 低γグロブリン血症(12.0%)
異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の兆候等に対する観察を十分に行うこと。[8.7参照]
11.1.7 間質性肺疾患(1.6%)
異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上2%以上10%未満2%未満
皮膚発疹、皮膚乾燥皮膚剥脱、紅斑、そう痒症、多汗症手足症候群、皮膚病変
消化器下痢、悪心嘔吐、便秘胃食道逆流性疾患、口内乾燥、腹痛、口内炎
代謝・栄養障害食欲減退低カリウム血症、低マグネシウム血症低アルブミン血症、低ナトリウム血症、低リン血症、高カルシウム血症、腫瘍崩壊症候群、鉄欠乏
精神・神経系味覚異常、平衡障害錯感覚、失神寸前の状態、不眠症
呼吸器呼吸困難、咳嗽、湿性咳嗽、口腔咽頭痛、鼻閉低酸素症、気管支拡張症、急性呼吸不全、上気道咳症候群、鼻漏、慢性気管支炎
筋骨格系関節痛、骨痛、筋肉痛、筋痙縮四肢痛、背部痛、関節炎
肝臓ALT増加AST増加、ALP増加、GGT増加、LDH増加血中ビリルビン増加
循環器洞性頻脈低血圧、頻脈
視覚障害ドライアイ、眼充血
腎臓急性腎障害、血中クレアチニン増加
その他注射部位反応(37.7%)、疲労、無力症発熱、悪寒、体重減少、浮腫、C-反応性蛋白増加、倦怠感全身健康状態悪化、インフルエンザ様疾患、SARS-CoV-2検査陽性、サイトメガロウイルス検査陽性、眼球浮腫、顔面浮腫
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