今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

ジャイパーカ錠50mg、他

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫

用法・用量

  • 通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。生殖発生毒性試験(ラット)において、器官形成期の妊娠ラットに本剤を投与したところ臨床曝露量注)に相当する用量で胎児体重の減少、胚胎児の死亡及び催奇形性(腎臓欠損・形態異常・位置異常・小型化、尿管欠損、卵巣位置異常、子宮形態異常、胸骨分節形態異常)が認められている。[9.4、9.6参照]
注)臨床推奨用量を投与時の定常状態のAUC
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 出血があらわれることがあり、外科的処置に伴って大量出血が生じる可能性があることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては、術前術後の3~5日程度は本剤の投与中断を考慮すること。[11.1.2参照]
8.2 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと。[11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与によりグレード注)3以上の副作用が発現した場合には、ベースライン又はグレード1以下に回復するまで本剤を休薬すること。また、以下の目安を参考に用量調節すること。
注)グレードはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
用量調節の目安
発現回数回復後の再開時投与量
1回目200mg
2回目100mg
3回目50mg
4回目投与中止

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人の再発又は難治性のB細胞性悪性腫瘍患者3例に本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与後(投与開始1日目)及び定常状態(投与開始8日目)での血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
図1)本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与及び定常状態での血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
表1)本剤200mgを1日1回反復経口投与したときの初回投与及び定常状態での薬物動態パラメータ(幾何平均値及び変動係数%)
初回投与(投与開始1日目)定常状態(投与開始8日目)
例数33
Cmax(ng/mL)5060(30.6)8610(28.1)
tmax注1)(hr)4.02(2.00-4.15)7.55(2.05-7.75)
AUC注2)(ng・hr/mL)26500(29.0)142000(25.5)
注1)中央値(最小値-最大値)注2)投与開始1日目は投与後0~8時間のAUC、投与開始8日目は投与間隔(24時間)のAUC
健康成人及び血液悪性腫瘍患者の両方において、tmaxはおよそ2時間であり、AUCの増加は線形を示し、定常状態にはおよそ5日で達した。また、血液悪性腫瘍患者においてAUCに基づく累積係数[幾何平均値(変動係数%)]は1.63(26.7%)であった(外国人データ)。
16.2 吸収
16.2.1 絶対的バイオアベイラビリティ
健康成人5例に本剤200mgを単回経口投与したときのピルトブルチニブの絶対的バイオアベイラビリティは85.5%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人20例に本剤200mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ0.929及び0.775であった(外国人データ)。
16.3 分布
平均血液/血漿濃度比は0.79であった。ヒト血漿蛋白結合率は96%であり、0.5~50μmol/Lの濃度範囲で濃度依存性は認められなかった(in vitro)。
16.4 代謝
ピルトブルチニブは主にCYP3A4により不活性代謝物に代謝される(in vitro)。健康成人4例に[14C]-ピルトブルチニブ約200mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中には主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は86.7%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人に[14C]-ピルトブルチニブ200mgを単回経口投与したとき、投与量の37%(未変化体として18%)が糞便中に排泄され、57%(未変化体として10%)が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
本剤200mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者(8例)に対する重度の腎機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.34及び0.825であった(外国人データ)。なお、透析患者における薬物動態は検討していない。
16.6.2 肝機能障害患者
本剤200mgを単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(14例)に対する軽度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.39であった。肝機能正常被験者(14例)に対する中等度の肝機能障害患者(8例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.956及び1.11であった。
肝機能正常被験者(14例)に対する重度の肝機能障害患者(6例)の非結合形ピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.05及び1.00であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人12例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.293及び0.576であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 エファビレンツ、ボセンタン、モダフィニル
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対する[1]エファビレンツ、[2]ボセンタン及び[3]モダフィニル(それぞれ600mgを1日1回反復経口投与、125mgを1日2回反復経口投与及び400mgを1日1回反復経口投与)(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ[1]0.51及び0.67、[2]0.73及び0.80並びに[3]0.80及び0.86と推定された。[10.2参照]
16.7.3 レパグリニド
健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、レパグリニド(CYP2C8の基質)0.5mgを単回経口投与したとき、レパグリニド単独投与時に対する本剤併用投与時のレパグリニドのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.30及び1.98であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 ジゴキシン
健康成人16例に本剤200mgとジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを併用して1日1回反復経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.35及び1.55であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ロスバスタチン
健康成人31例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)20mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ2.40及び2.46であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 オメプラゾール、カフェイン、S-ワルファリン
健康成人16例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、オメプラゾール(CYP2C19の基質)40mg、カフェイン(CYP1A2の基質)200mg、及びS-ワルファリン(CYP2C9の基質)10mg(ワルファリンとして)をカクテル基質として単回経口投与したとき、カクテル基質単独投与時に対する本剤併用投与時の[1]オメプラゾール、[2]カフェイン及び[3]S-ワルファリンのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ[1]1.56及び1.49、[2]0.940及び0.986並びに[3]1.11及び1.02であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 ミダゾラム
健康成人15例に本剤200mgを1日1回反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)0.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.70及び1.58であった。ミダゾラム0.25mgを単回静脈内投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.12及び0.993であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.8 その他
(1)健康成人10例にオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを空腹時に単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するオメプラゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.01であった(外国人データ)。
(2)健康成人12例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のピルトブルチニブのAUCinf及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ1.49及び1.04であった(外国人データ)。
(3)健康成人12例にリファンピシン(P-gp阻害剤)600mgを1日1回単回経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のピルトブルチニブのAUC24h及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.968及び0.929であった(外国人データ)。
(4)生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(200mgを1日1回反復経口投与)単独投与時に対するモダフィニル(200mg1日1回反復経口投与)(弱いCYP3A誘導剤)併用投与時のピルトブルチニブのAUCtau及びCmaxの幾何平均値の比は、それぞれ0.86及び0.90と推定された。
(5)ピルトブルチニブはBCRPの基質である(in vitro)。
(6)ピルトブルチニブはCYP2B6及びCYP2D6を阻害し、CYP2B6を誘導する(in vitro)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン
カルバマゼピン
エファビレンツ等
[16.7.1、16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C8の基質となる薬剤
レパグリニド
ピオグリタゾン
モンテルカスト等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
ジゴキシン
ダビガトランエテキシラート
エベロリムス等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
ロスバスタチン
イマチニブ
サラゾスルファピリジン等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2C19の基質となる薬剤
オメプラゾール
ジアゼパム
ランソプラゾール等
[16.7.6参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤(経口剤)
ミダゾラム
トリアゾラム
ロミタピド等
[16.7.7参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤が主に消化管におけるCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症
肺炎(3.0%)等があらわれることがある。
11.1.2 出血
消化管出血(0.6%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.3 骨髄抑制
好中球減少症(9.1%)、血小板減少症(7.9%)、貧血(6.1%)等があらわれることがある。[8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満
血液及びリンパ系障害リンパ球増加症
胃腸障害下痢悪心、腹痛
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労末梢性浮腫
感染及び寄生虫症上気道感染、尿路感染
傷害、中毒及び処置合併症挫傷
筋骨格系及び結合組織障害関節痛
神経系障害頭痛
腎及び尿路障害血尿
呼吸器、胸郭及び縦隔障害鼻出血
皮膚及び皮下組織障害発疹、点状出血
心臓障害心房細動、心房粗動
血管障害血腫
戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから