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ザビセフタ配合点滴静注用

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌
  • <適応症>

    • 敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍

用法・用量

  • 通常、成人には1回2.5g(アビバクタムとして0.5g/セフタジジムとして2g)を1日3回2時間かけて点滴静注する。なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.1参照]
  • 2.2 他のβ-ラクタム系抗生物質(ペニシリン系、モノバクタム系、カルバペネム系等)に対し重篤な過敏症(アナフィラキシー等)の既往歴のある患者[9.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 セフェム系以外のβ-ラクタム系抗生物質(ペニシリン系、モノバクタム系、カルバペネム系等)に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、セフェム系以外のβ-ラクタム系抗生物質に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
慎重に投与すること。アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1、2.2、11.1.1参照]
9.1.2 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
9.1.3 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。[9.8.3参照]
9.2 腎機能障害患者
用量調節が必要である。セフタジジム及びアビバクタムの血漿中濃度が増加するおそれがある。[7.1、8.3、9.8.2、11.1.8、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギにおいて、アビバクタムの胎盤通過が認められた。また、ラットにおいて、アビバクタムを妊娠及び授乳期に投与したところ、出生児において尿管と腎盂の拡張が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。セフタジジムは少量がヒト母乳中へ移行することが報告されている。アビバクタムはラットにおいて乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
9.8.1 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
9.8.2 一般的に腎機能が低下しているため、用量選択には注意が必要である。[7.1、8.3、9.2、16.6.1参照]
9.8.3 ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。[9.1.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1参照]
8.1.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
8.1.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
8.1.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
8.2 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.3 本剤の投与前及び投与中は、定期的に腎機能検査を実施すること。また、定期的に肝機能、血液等の検査を行うことが望ましい。[7.1、9.2、9.8.2、11.1.3、11.1.4、11.1.7参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤1バイアルにつき10mLの注射用水を加え、ゆっくりと振り溶解する。本剤溶解時に炭酸ガスが発生しバイアル内が陽圧になることから、注射針等を用いてガスを抜くこと。
14.1.2 溶解後速やかに、生理食塩水、5%ブドウ糖液、乳酸リンゲル液のいずれかが入った点滴ボトル/バッグに、下表を参考に、希釈後のセフタジジムとしての最終濃度が8~40mg/mLになるように適切な量の溶解液を注入して希釈する。調製した点滴バッグは静かに転倒混和すること。バイアル内の本剤溶解開始から30分以内に調製を完了すること。1回の調製にバイアル内の全量を使用しない場合、残った溶液は廃棄すること。
本剤投与量溶解後のバイアルから採取する容量点滴ボトル/バッグ中の希釈後の最終容量
2.5g(アビバクタム0.5g/セフタジジム2g)全量(約12mL)50~250mL
1.25g(アビバクタム0.25g/セフタジジム1g)6mL25~125mL
0.9375g(アビバクタム0.1875g/セフタジジム0.75g)4.5mL19~93mL
14.1.3 薬液濃度をセフタジジムとして8mg/mLに調製後、25℃で6時間まで、また、2~8℃で12時間まで保存した後、25℃で4時間まで安定性が確認されている。セフタジジムとして8mg/mLを超え、40mg/mL以下に調製後は、25℃で4時間まで安定性が確認されている。
14.1.4 他の薬剤との混合は避けること。配合変化のデータは限られている。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 腎機能障害のある患者(CLcrが50mL/min以下)に対しては下表を参考に本剤の用量を調節すること。[8.3、9.2、9.8.2、11.1.8、16.6.1参照]
クレアチニンクリアランス(CLcr)a)本剤投与量b)
31~50mL/min本剤1回1.25g(アビバクタム0.25g/セフタジジム1g)を1日3回投与
16~30mL/min本剤1回0.9375g(アビバクタム0.1875g/セフタジジム0.75g)を1日2回投与
6~15mL/minc)本剤1回0.9375g(アビバクタム0.1875g/セフタジジム0.75g)を1日1回投与
血液透析中の末期腎不全患者
(6mL/min未満)c,d)
本剤1回0.9375g(アビバクタム0.1875g/セフタジジム0.75g)を2日に1回投与
a)Cockcroft-Gault式により算出b)いずれの用量も2時間かけて投与する。c)本剤は血液透析により除去されるため、血液透析日は透析後に投与すること。[13.参照]d)臨床試験において、CLcrが6mL/min未満で血液透析をしていない患者における臨床推奨用量の根拠となるデータは得られていない。
<腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍>
7.2 本剤単独投与時の有効性及び安全性の検討を目的とした臨床試験は実施していない。併用するメトロニダゾール注射液の用法及び用量、使用上の注意等は、メトロニダゾール注射液の電子添文に従うこと。[17.1.1、17.1.2、17.1.5参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤の使用に際しては、β-ラクタマーゼの関与が考えられ、本剤に感性の原因菌による感染症である場合に投与すること。
<肺炎>
5.2 臨床試験の対象が院内肺炎(人工呼吸器関連肺炎を含む)患者であったことを踏まえ、適切な患者に投与すること。[17.1.4参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性にアビバクタム0.5g及びセフタジジム2gを併用して、2時間かけて単回点滴静注したときのアビバクタム及びセフタジジムの薬物動態パラメータは以下のとおりである。
例数Cmax(μg/mL)Tmaxa)(h)AUCinf(μg・h/mL)t1/2b)(h)
アビバクタム715.9(14)1.97(1.97-1.97)45.5(12)1.35±0.113
セフタジジム7110(14)1.97(1.97-2.25)354(13)1.68±0.156
幾何平均値(%幾何変動係数)a)中央値(範囲)b)算術平均値±標準偏差
図1 日本人健康成人男性にアビバクタムとセフタジジムを併用して単回点滴静注したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差)
16.1.2 反復投与
日本人複雑性腹腔内感染症、複雑性尿路感染症及び院内肺炎患者に本剤2.5gを2時間かけて点滴静注で1日3回反復投与したときの、母集団薬物動態解析に基づく定常状態時のアビバクタム及びセフタジジムの薬物動態パラメータは以下のとおりである。
複雑性腹腔内感染症患者複雑性尿路感染症患者院内肺炎患者
アビバクタムセフタジジムアビバクタムセフタジジムアビバクタムセフタジジム
例数585832321313
Cmax(μg/mL)13.3(27)76.9(22)16.9(59)96.5(19)14.4(46)76.9(35)
AUC0-24(μg・h/mL)123(34)797(29)166(51)1060(22)160(60)935(53)
幾何平均値(%幾何変動係数)
16.3 分布
日本人健康成人男性7例にアビバクタム0.5gとセフタジジム2gを併用して1日3回反復点滴静注したとき、定常状態時のアビバクタム及びセフタジジムの分布容積(幾何平均値)はそれぞれ19.9L及び13.3Lであった。
健康成人男性43例にアビバクタムとセフタジジムを2時間かけて1日3回反復点滴静注したとき、気管支気道上皮被覆液中のアビバクタム及びセフタジジムの曝露量は血漿中の約30%であり、気道上皮被覆液中に移行することが示された(外国人データ)。
アビバクタム及びセフタジジムのヒト血漿タンパク結合率はそれぞれ約8%及び15%であった(in vitro)。
16.4 代謝
アビバクタム及びセフタジジムはほとんど代謝を受けない。
16.5 排泄
アビバクタム及びセフタジジムは主に尿中に未変化体として排泄される。日本人健康成人男性7例にアビバクタム0.5gとセフタジジム2gを併用して1日3回反復点滴静注したとき、最終投与開始後24時間までの尿中未変化体の排泄率(幾何平均値)はアビバクタムで95%、セフタジジムで96%であった。
健康成人男性6例に14C-アビバクタム0.5gを60分かけて点滴静注したとき、投与放射能の約97%が尿中、約0.2%が糞中に排泄された。血漿中及び尿中の主要な薬物関連成分は未変化体であり、アビバクタムは主に腎臓から排泄されることが示唆された。アビバクタムの腎クリアランスは糸球体ろ過量を上回っていたことから、アビバクタムの腎排泄には糸球体ろ過だけでなく能動的尿細管分泌が関与していることが示唆された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
腎機能正常患者、軽度、中等度及び重度腎機能障害患者並びに血液透析を要する末期腎不全患者にアビバクタム0.1gを30分かけて単回点滴静注又はセフタジジム15mg/kgを3分かけて単回点滴静注したときのAUCinfは以下のとおりであり、アビバクタム及びセフタジジムのAUCinfは腎機能障害の程度に応じて増大した。血液透析を要する末期腎不全患者では、4時間の血液透析により、アビバクタム及びセフタジジムのいずれも約55%が除去された(外国人データ)。[7.1、9.2、9.8.2、13.参照]
腎機能の分類(クレアチニンクリアランス)a)AUCinf(μg・h/mL)
アビバクタムセフタジジム
例数幾何平均値正常との比例数幾何平均値正常との比
腎機能正常(81mL/min以上)66.685126
軽度腎機能障害(51~80mL/min)617.52.6232942.33
中等度腎機能障害(31~50mL/min)625.63.8323422.71
重度腎機能障害(16~30mL/min)448.17.2057606.03
重度腎機能障害(6~15mL/min)245.16.75411509.13
末期腎不全(血液透析後投与)613119.64228418.1
a)Cockcroft-Gault式を用いて算出
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
アビバクタムはOAT1及びOAT3の基質である。In vitroで、プロベネシドはOAT1及びOAT3を介したアビバクタムの取り込みを56%~70%阻害した。[10.2参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
プロベネシド
[16.7.1参照]
アビバクタムの血中濃度が上昇する可能性がある。プロベネシドの併用は推奨しない。プロベネシドがOAT1及びOAT3を阻害し、腎尿細管からの排泄を阻害することによりアビバクタムの血中濃度が上昇する可能性がある。
利尿剤
フロセミド等
動物実験(ラット)でフロセミド等の利尿剤との併用により腎障害が増強されることが報告されている。
腎機能に注意する。
機序は不明であるが、フロセミド投与による利尿のためレニン-アンジオテンシン系の賦活又は利尿剤による脱水等で尿細管細胞へのセフェム系抗生物質の取り込みが亢進し、腎毒性を発揮すると考えられている。
危険因子:高度の腎障害
経口避妊薬経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症反応があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎(0.16%)
クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
11.1.3 急性腎障害等の重篤な腎障害(頻度不明)[8.3参照]
11.1.4 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、溶血性貧血(いずれも頻度不明)[8.3参照]
11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
11.1.6 間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.7 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の著しい上昇を伴う急性肝炎、肝機能障害や黄疸があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.8 精神神経症状(頻度不明)
脳症、昏睡、意識障害、痙攣、振戦、ミオクローヌス等の精神・神経症状があらわれることがある。特に、腎機能障害患者で減量を行わなかった場合にあらわれやすい。[7.1、9.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
感染症及び寄生虫症カンジダ症(外陰部膣カンジダ症、口腔カンジダ症を含む)、尿路感染
血液及びリンパ系障害直接クームス試験陽性白血球減少、リンパ球増加、血小板増加、好酸球増加
代謝及び栄養障害低カリウム血症、食欲減退、低ナトリウム血症
神経系障害頭痛、浮動性めまい、錯感覚
心臓障害頻脈
血管障害静脈炎、高血圧
胃腸障害下痢、悪心嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満、便秘、味覚不全
肝胆道系障害AST増加、ALT増加、トランスアミナーゼ上昇、肝機能異常、肝機能検査値上昇、胆汁うっ滞γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、血中アルカリホスファターゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加
皮膚及び皮下組織障害発疹、そう痒症、紅斑、皮膚炎、蕁麻疹斑状丘疹状皮疹
筋骨格系及び結合組織障害背部痛
腎及び尿路障害血中クレアチニン増加血中尿素増加
一般・全身障害及び投与部位の状態注入部位疼痛、疲労、発熱注入部位静脈炎
臨床検査心電図QT延長
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