今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

タスフィゴ錠35mg

一部のコンテンツを閲覧になるにはご契約が必要となります。

効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌

用法・用量

  • 通常、成人には、タスルグラチニブとして1日1回140mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後6日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で催奇形性(骨格、内臓及び外表異常等)が報告されている。[9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。[7.3、11.1.1参照]
8.2 網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[7.3、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、本剤のCmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して休薬・減量・中止すること。[8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照]
減量の目安
減量レベル投与量
通常投与量140mg
1段階減量105mg
2段階減量70mg
3段階減量35mg
4段階減量投与中止
副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用程度処置
高リン血症血清リン濃度が5.5mg/dL以上7.0mg/dL以下食事療法や高リン血症治療剤の投与を行う。
血清リン濃度が7.1mg/dL以上9.0mg/dL以下食事療法や高リン血症治療剤の投与を行う。
血清リン濃度が7.1mg/dL以上が2週間継続する場合、7.0mg/dL以下に回復するまで休薬する。その後、本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
血清リン濃度が9.1mg/dL以上食事療法や高リン血症治療剤の投与を行う。
血清リン濃度が7.0mg/dL以下に回復するまで休薬する。本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
角膜障害及び網膜障害忍容性がないGrade 2又はGrade 3本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4投与を中止する。
血液障害Grade 3Grade 2以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、同一用量とする。
Grade 4Grade 2以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
上記以外の副作用忍容性がないGrade 2本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
ただし、初回減量時(140mgから105mg)には、休薬せずに減量可能である。
Grade 3本剤の投与開始前の状態又はGrade 1以下に回復するまで休薬する。
本剤の投与を再開する場合、1段階減量する。
Grade 4(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade 3と同じ処置とする)投与を中止する。
:GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の原発部位等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
5.4 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、FGFR2融合遺伝子が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人進行固形癌患者3例に本剤140mgを1日1回反復経口投与したときの、投与8日目の血漿中タスルグラチニブ及びM2(タスルグラチニブの主要な活性代謝物)の濃度推移を図に、初回投与後及び反復投与8日目の薬物動態パラメータを表に示した。反復投与8日目の薬物動態は、初回投与の結果から推測可能であり、タスルグラチニブ及びM2のAUC(0-24h)の累積係数の平均値は1.97及び2.35であった。
進行固形癌患者に本剤140mgを1日1回反復経口投与したときの投与8日目の血漿中タスルグラチニブ及びM2濃度(平均値+標準偏差)
進行固形癌患者に本剤140mgを単回及び1日1回反復経口投与したときの血漿中タスルグラチニブ及びM2の薬物動態パラメータ
投与時期例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC(0-24h)(ng・h/mL)t1/2(h)
タスルグラチニブ
単回投与3227(118)4.88(3.00、5.08)2460(1580)18.3(5.13)
反復投与8日目3372(173)5.00(2.98、5.08)4800(3480)
M2
単回投与363.8(36.1)5.00(4.88、5.08)741(290)26.0(8.52)
反復投与8日目3106(51.8)5.00(2.98、5.08)1620(460)
平均値(標準偏差)、ただしtmaxは中央値(最小値、最大値)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人14例に本剤35mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食(約800-1000kcal、脂質含量約50%)後投与におけるタスルグラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.672及び0.771であり、tmaxは1時間遅延した。また、M2のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.532及び0.702であり、tmaxは空腹時投与と高脂肪食後投与で同程度であった。[7.2参照]
16.3 分布
タスルグラチニブ及びM2のヒト血漿蛋白結合率(in vitro)は、それぞれ約93.7%(検討濃度:100~3000ng/mL)及び約90.0%(検討濃度:30~1000ng/mL)であった。タスルグラチニブ及びM2は、アルブミン、α1-酸性糖蛋白質及びγ-グロブリンのうち、アルブミンに対して最も強い結合を示した。
16.4 代謝
タスルグラチニブは、主としてCYP4F12を介してM2に代謝され、CYP2J2及びCYP3A4によっても代謝された。M2はCYP2J2、CYP3A4及びCYP4F12によって代謝された(in vitro)。健康成人8例に14C標識体を含む本剤35mgを単回経口投与したとき、投与後48時間までの血漿中において主に未変化体、M2及びM9(M2の酸化誘導体)が検出された(血漿中総放射能に対する割合は、それぞれ30.9、20.6及び12.3%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人8例に14C標識体を含む本剤35mgを単回投与したとき、投与後672時間までに投与した放射能の79.7%が糞中、5.84%が尿中に排泄された。投与後672時間までの糞及び尿中における未変化体の割合(投与放射能に対する割合)は、それぞれ32.08及び2.05%であった。また、糞及び尿中における主な代謝物としてM2が検出された(投与放射能に対する割合は、それぞれ30.53及び2.55%)(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ラベプラゾール
健康成人14例にラベプラゾール20mgを1日1回反復経口投与し、本剤35mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するラベプラゾール併用時のタスルグラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.07及び1.08であり、M2のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.09及び1.18であった。
16.7.2 リファンピシン
健康成人14例にリファンピシン600mgを1日1回反復経口投与し、本剤35mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用時のタスルグラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.02及び0.841であり、M2のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.25及び0.878であった。
16.7.3 その他
タスルグラチニブ及びM2はP-gpの基質である。また、タスルグラチニブはCYP3A、CYP4F12及びMATE1を阻害し、CYP1A2、CYP2B6及びCYP3Aを誘導した。さらに、タスルグラチニブがP-gp及びBCRPを阻害する可能性が示唆された。M2はMATE1を阻害した(in vitro)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高リン血症(82.6%)[7.3、8.1参照]
11.1.2 網膜剥離
網膜剥離(8.7%)、漿液性網膜剥離(8.7%)等があらわれることがある。霧視、飛蚊症、視野欠損、光視症、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.3、8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上5~20%未満5%未満
血液及びリンパ系障害血小板減少、白血球減少、好中球減少リンパ球減少、ヘモグロビン減少
眼障害ドライアイ、角膜炎、角膜上皮欠損、眼球乾燥症、黄斑浮腫、霧視、網膜下液白内障、角膜混濁、角膜障害、黄斑変性、点状角膜炎
胃腸障害下痢(33.3%)、口内炎(24.6%)口内乾燥、便秘、悪心、嘔吐腹痛、口腔内潰瘍形成、腹部膨満、食道炎
一般・全身障害倦怠感疲労、口渇
肝胆道系障害AST増加、ALT増加、ALP増加、血中ビリルビン増加肝損傷、抱合ビリルビン増加、γ-GTP増加
感染症爪囲炎(26.1%)咽頭炎、鼻炎
代謝及び栄養障害リパーゼ増加、食欲減退、高カルシウム血症、高尿酸血症低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン血症、低アルブミン血症、低クロール血症、低カリウム血症
筋骨格系及び結合組織障害関節痛CK増加
神経系障害味覚障害(24.6%)
精神障害不眠症
腎及び尿路障害血中クレアチニン増加尿中蛋白陽性、尿中白血球陽性
呼吸器、胸郭及び縦隔障害鼻出血、鼻乾燥
皮膚及び皮下組織障害爪障害(72.5%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(49.3%)脱毛症、皮膚乾燥、発疹過角化、そう痒症、皮膚亀裂
その他高血圧
戻る

さらなるご利用にはご登録が必要です。

こちらよりご契約または優待日間無料トライアルお申込みをお願いします。

(※トライアルご登録は1名様につき、一度となります)


ご契約の場合はご招待された方だけのご優待特典があります。

以下の優待コードを入力いただくと、

契約期間が通常12ヵ月のところ、14ヵ月ご利用いただけます。

優待コード: (利用期限:まで)

ご契約はこちらから