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フリュザクラカプセル1mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

用法・用量

  • 通常、成人にはフルキンチニブとして1日1回5mgを3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療機関において、がん化学療法に十分な知識及び経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又は患者の家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 1.2 重度の消化管出血があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の出血があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.3、11.1.3参照]
  • 1.3 消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.4、11.1.4参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 高血圧症の患者
高血圧症が悪化するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 出血素因や凝固系異常のある患者
出血があらわれるおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.3 消化管出血等の出血が認められている患者
出血が増強されるおそれがある。[1.2、11.1.3参照]
9.1.4 消化管等の腹腔内の炎症を合併している患者
消化管穿孔があらわれるおそれがある。[1.3、11.1.4参照]
9.1.5 血栓塞栓症又はその既往のある患者
一過性脳虚血発作、血栓性微小血管症、肺塞栓症、門脈血栓症、深部静脈血栓症等があらわれるおそれがある。[11.1.5、11.1.6参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児毒性試験において、最大臨床用量(5mg/日)におけるフルキンチニブの曝露量(AUC)の約0.05倍の曝露量で胎児の外表、内臓及び骨格の奇形並びに内臓及び骨格の変異からなる胎児異常及び催奇形性作用が認められている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 高血圧クリーゼを含む高血圧があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.2 蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること。
8.3 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、十分な創傷治癒を確認し、患者の状態に応じて判断すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・防湿のため、ボトルから乾燥剤は取り出さず、使用の都度密栓すること。
・キャップをボトル本体に強く押しつけたまま(カチカチ音がしない状態まで)左に回して開けること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。
減量・中止する場合の投与量
減量レベル投与量
1段階減量4mg/日
2段階減量3mg/日
中止3mg/日で忍容性が得られない場合、投与を中止する。
副作用発現時の休薬、減量、中止基準
副作用程度注)処置
高血圧Grade 3・降圧剤による治療を行っても、血圧のコントロールができない場合、Grade 1又はベースラインに回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
Grade 4投与を中止する。
出血Grade 2・Grade 1以下に回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
Grade 3以上投与を中止する。
蛋白尿尿タンパク量
2g/24時間以上
・1g/24時間未満(Grade 1)又はベースラインに回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
ネフローゼ症候群投与を中止する。
肝機能検査値異常アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)若しくはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が正常値上限(ULN)の3倍超(ベースライン値が異常の場合は、ベースラインの3倍超)、又は総ビリルビンがULNの1.5倍超(ベースライン値が異常の場合は、ベースライン値の1.5倍超)・ALT及びASTがULNの3倍以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
・総ビリルビンがULNの1.5倍以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
ALT又はASTがULNの3倍超、かつ総ビリルビンがULNの2倍超で、他の原因がない場合投与を中止する。
AST若しくはALTがULNの20倍超(ベースライン値が異常の場合、ベースライン値の20倍超)、又は総ビリルビンがULNの10倍超(ベースライン値が異常の場合、ベースライン値の10倍超)投与を中止する。
皮膚障害Grade 2・Grade 1以下に回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量と同一用量で投与を再開できる。
Grade 3・Grade 1以下に回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
Grade 4投与を中止する。
消化管穿孔全Grade投与を中止する。
可逆性後白質脳症症候群全Grade投与を中止する。
動脈血栓塞栓症全Grade投与を中止する。
その他の副作用Grade 3・Grade 1又はベースラインに回復するまで休薬する。
・回復後、休薬前の用量から1段階減量して投与を再開できる。
Grade 4投与を中止する。
注)GradeはNCI-CTCAEに準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下の薬剤による治療歴のない患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
・フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、イリノテカン及び抗VEGFタンパク製剤
・抗EGFR抗体(適応となる場合のみ)
5.2 レゴラフェニブ又はトリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤のいずれの治療歴もない患者では、これらの薬剤による治療が困難な患者を対象とすること。
5.3 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者6例に本剤5mgを1日1回3週間連日経口投与し、その後1週間休薬を1サイクルとして投与したときの1サイクル目における薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。
フルキンチニブの薬物動態パラメータ
DayNTmax(hr)Cmax(ng/mL)AUC0-24h(hng/mL)
163.0(2.8,4.0)140(18.1)2109(21.8)
1464.8(3.0,7.6)333(30.2)6581(32.8)
2144.9(3.8,7.6)355(24.7)6789(35.4)
幾何平均値(%変動係数)[Tmaxは中央値(最小値,最大値)]
フルキンチニブの血漿中濃度-時間プロファイル
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人14例に本剤5mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるフルキンチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.97及び1.04であった(外国人データ)。
16.3 分布
フルキンチニブの血漿中蛋白結合率は、約95%であった(in vitro)。フルキンチニブのヒト全血における血液/血漿中濃度比は、0.458~0.601であった(in vitro)。
16.4 代謝
フルキンチニブは、主にCYP3A4/5で代謝される(in vitro)。健康成人6例に14C標識したフルキンチニブ5mgを単回経口投与したとき、投与96時間後までの血漿中では主に未変化体及びM11(N-脱メチル体)が認められた(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ72.48及び17.31%)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人6例に14C標識したフルキンチニブ5mgを単回経口投与したとき、投与14日後までに投与量の約60%が尿中に、約30%が糞便中に排泄された。尿及び糞便中への未変化体としての排泄は、それぞれ投与量の0.50%及び5.34%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康成人8例に本剤5mgを単回経口投与したときに対する、中等度腎機能障害患者(CLCr:30~59mL/min)8例に本剤5mgを単回経口投与、又は重度腎機能障害患者(CLCr:15~29mL/min)8例に本剤2mg注)を単回経口投与したときの用量補正後のCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.95及び1.07、又は0.89及び1.01であった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
健康成人8例に本剤5mgを単回経口投与したときに対する、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)8例に本剤2mg注)を単回経口投与したときの用量補正後のCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.04及び0.91であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人14例に強いCYP3A誘導剤であるリファンピシン600mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.88及び0.35であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション
中程度のCYP3A誘導剤であるエファビレンツ600mgを1日1回、又は弱いCYP3A誘導剤であるデキサメタゾン8mgを1日2回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対する、エファビレンツ又はデキサメタゾン併用投与時のフルキンチニブのAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.69及び0.90と推定された。[10.2参照]
16.7.3 その他
(1)イトラコナゾール
健康成人14例にCYP3A阻害剤であるイトラコナゾール200mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与に対するイトラコナゾール併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.94及び1.10であった(外国人データ)。
(2)ラベプラゾール
健康成人12例にプロトンポンプ阻害薬であるラベプラゾール40mgを1日1回反復経口投与し、本剤5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与に対するラベプラゾール併用投与時のフルキンチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び1.08であった(外国人データ)。
(3)ダビガトランエテキシラート
健康成人20例に本剤5mgとP-gp基質であるダビガトランエテキシラート150mgを単回経口投与したとき、ダビガトランエテキシラート単独投与時に対する本剤併用投与時のダビガトランのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.90及び0.91であった(外国人データ)。
(4)ロスバスタチン
健康成人12例に本剤5mgとBCRP基質であるロスバスタチン10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対する本剤併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.84及び0.81であった(外国人データ)。
注)本剤の承認用量は、1回5mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン等
[16.7.1、16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 高血圧
高血圧(29.2%)、高血圧クリーゼ(0.7%)等があらわれることがある。血圧の上昇が認められた場合には、必要に応じて降圧剤の投与等の適切な処置、本剤の減量又は休薬を行うこと。重症、持続性あるいは通常の降圧治療でコントロールできない高血圧があらわれた場合又は高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止すること。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 皮膚障害(28.3%)
手足症候群(18.6%)、発疹(3.3%)等の皮膚障害があらわれることがある。
11.1.3 出血(7.2%)
鼻出血(3.3%)、血尿(1.3%)、胃腸出血(0.2%)、喀血(0.2%)等の出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。[1.2、9.1.2、9.1.3参照]
11.1.4 消化管穿孔(1.3%)
死亡に至る例が報告されている。[1.3、9.1.4参照]
11.1.5 動脈血栓塞栓症(0.4%)
一過性脳虚血発作(0.2%)、血栓性微小血管症(0.2%)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.5参照]
11.1.6 静脈血栓塞栓症(0.7%)
肺塞栓症(0.7%)、門脈血栓症(頻度不明)、深部静脈血栓症(頻度不明)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.5参照]
11.1.7 可逆性後白質脳症症候群(0.2%)
頭痛、痙攣、嗜眠、錯乱、精神機能の変化、失明、その他の視覚障害又は神経学的障害等があらわれた場合には投与を中止し、血圧のコントロールを含め、適切な処置を行うこと。
11.1.8 動脈解離(頻度不明)
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1~10%未満1%未満
感染肺炎、上気道感染症
血液血小板減少白血球減少、好中球減少
消化器下痢、口内炎口腔内痛、膵酵素上昇膵炎
肝臓ALT増加
筋・骨格系筋骨格不快感、関節痛
腎臓蛋白尿
その他無力症(24.6%)、疲労、発声障害、甲状腺機能低下症、食欲減退、粘膜の炎症体重減少、低カリウム血症創傷治癒遅延、咽喉頭痛
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