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セプトカイン配合注カートリッジ

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 歯科領域及び口腔外科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔

用法・用量

  • 歯科領域における浸潤麻酔又は伝達麻酔の場合、通常、成人には0.5~2.5mL(アルチカイン塩酸塩として20~100mg、アドレナリン酒石酸水素塩として0.009~0.045mg)、口腔外科領域における局所麻酔の場合、通常、成人には1.0~5.1mL(アルチカイン塩酸塩として40~204mg、アドレナリン酒石酸水素塩として0.018~0.0918mg)を使用する。
    なお、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減するが、増量する場合には注意すること。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 次の患者は、症状が悪化するおそれがあるため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り、慎重に投与すること。
(1)高血圧のある患者
(2)動脈硬化のある患者
(3)心不全のある患者
(4)甲状腺機能亢進のある患者
(5)糖尿病のある患者
(6)血管攣縮の既往のある患者
9.1.2 心刺激伝導障害のある患者
症状を悪化させることがある。
9.1.3 全身状態が不良な患者
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。[8.2.6参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重症の腎機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重症の肝機能障害のある患者
中毒症状が発現しやすくなる。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
国内において小児等を対象とした臨床試験は実施していない。海外において4歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2.6参照]
9.8 高齢者
患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。また、本剤に含まれているアドレナリンの作用に対する感受性が高いことがある。[8.2.6参照]

8.重要な基本的注意

8.1 まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。
8.2 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、以下の点に留意すること。
8.2.1 患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
8.2.2 できるだけ必要最少量にとどめること。
8.2.3 血管の多い部位(顔面等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
8.2.4 注射針が、血管に入っていないことを確かめること。
8.2.5 注射の速度はできるだけ遅くすること。
8.2.6 前投薬や術中に投与した鎮静薬、鎮痛薬等による呼吸抑制が発現することがあるので、これらの薬剤を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい。なお、高齢者、小児、全身状態が不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと。[9.1.3、9.7、9.8参照]
8.3 注射針が適切に位置していないなどにより、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと。[11.1.3参照]
8.4 本剤の投与により、誤嚥・口腔内咬傷の危険性を増加させるおそれがあるので注意すること。

14.適用上の注意

14.1 使用回数
本品は一回限り使用のディスポーザブル製剤であるので、再度の使用は避けること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 使用前にカートリッジの頭部(アルミキャップ)メンブランをアルコールで軽く消毒すること。
14.2.2 本剤は、金属を侵す性質があるので、長時間注射針に接触させないことが望ましい。
14.2.3 強圧をかけずにできるだけゆっくり注射すること。骨膜下への強圧注射は組織の損傷又はガラスカートリッジの破折につながるおそれがある。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人健常成人男性を対象に、1.7mL(1カートリッジ)又は5.1mL(3カートリッジ)を単回口腔粘膜下投与したときのアルチカインの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータはそれぞれ以下のとおりであった。
日本人健康成人に本剤を口腔粘膜下投与したときのアルチカインの血漿中薬物動態パラメータ
投与量評価例数Cmax(ng/mL)Tmax(h)a)AUC(h・ng/mL)t1/2(h)
1.7mL
(アルチカイン塩酸塩68mg)
6374.35±97.650.25(0.25,0.25)361.10±116.100.753±0.210
5.1mL
(アルチカイン塩酸塩204mg)
6694.00±175.230.5(0.25,0.5)924.27±231.470.839±0.127
平均値±標準偏差、a)中央値(最小値,最大値)
アルチカインの血漿中濃度推移(a:1カートリッジ投与 b:3カートリッジ投与)
a
b
16.3 分布
アルチカイン及びアルチカイン酸のヒト血清タンパクとの結合率は、pH7.5及びpH8.5においてアルチカインでそれぞれ54及び76%、アルチカイン酸でそれぞれ51及び83%であった(in vitro)。
ヒト血清アルブミン、ヒトγグロブリン又はヒトα/β-グロブリンに対するアルチカインの結合率は、それぞれ80.8、23.7又は73.4%であった(in vitro)。
16.4 代謝
アルチカインは主に血中のカルボキシエステラーゼにより非活性代謝物であるアルチカイン酸に代謝される。
また、肝ミクロソームにおいてもP450各分子種によりアルチカイン酸に代謝される(in vitro)。
16.5 排泄
本剤1.7又は5.1mLを単回口腔粘膜下投与したとき、投与24時間後までに投与量の53~57%がアルチカイン及びアルチカイン酸として尿中に排泄され、うち、95%がアルチカイン酸、2%がアルチカインとして排泄された(外国人データ)。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ハロゲン含有吸入麻酔薬
ハロタン等
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。これらの薬剤は、心筋のアドレナリン受容体の感受性を亢進させる。
三環系抗うつ薬
イミプラミン等
MAO阻害薬
血圧上昇を起こすことがある。これらの薬剤は、アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを阻害し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させ、アドレナリン作動性神経刺激作用を増強させる。
非選択性β遮断薬
プロプラノロール等
血管収縮、血圧上昇、徐脈を起こすことがある。これらの薬剤のβ受容体遮断作用により、アドレナリンのα受容体刺激作用が優位になり、血管抵抗性を上昇させる。
抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等)
ハロペリドール
クロルプロマジン等
α遮断薬
過度の血圧低下を起こすことがある。これらの薬剤のα受容体遮断作用により、アドレナリンのβ受容体刺激作用が優位になり、血圧低下があらわれる。
分娩促進薬
オキシトシン等
麦角アルカロイド類
エルゴメトリン等
血圧上昇を起こすことがある。併用により血管収縮作用が増強される。
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン等
心機能抑制作用が増強するおそれがある。作用が増強することが考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
11.1.2 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[13.参照]
11.1.3 異常感覚、知覚・運動障害(いずれも頻度不明)
注射針の留置時に神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害等の神経学的疾患があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
中枢神経注)眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、頭痛
循環器動悸、頻脈、血圧上昇
消化器注)悪心・嘔吐
過敏症蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫
投与部位潰瘍、壊死

注)このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒へ移行することがあるので、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。

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