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ファダプス錠10mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ランバート・イートン筋無力症候群の筋力低下の改善

用法・用量

  • 通常、成人にはアミファンプリジンとして初期用量1回5mgを1日3回経口投与する。患者の状態に応じて、1回投与量として5~30mgの範囲で適宜増減し、1日3~5回経口投与するが、増量は3日以上の間隔をあけて1日用量として5mgずつ行うこと。なお、1日用量は100mgを超えないこと。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 てんかん等の痙攣性疾患の患者[症状が悪化するおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分(アミファンプリジン)又は他のアミノピリジン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 痙攣発作の既往歴のある患者[11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇することがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇することがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で母体毒性による二次的な影響と考えられる死産の増加が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

浮動性めまい、疲労、霧視、痙攣発作等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 ボトル包装の薬剤はボトル開封後、使用の都度、レーヨンコイル(緩衝材)をボトル内に入れた状態でキャップをしっかり締めて保存するよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら1回用量及び投与回数を調節すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤5、10、20、30mgを食後に単回経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
表1 健康成人に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ
投与量(mg)NAT2遺伝子型例数Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)AUC0-∞(ng・h/mL)
5RA63.98±1.710.63
(0.50,1.50)
0.603±0.3043.57±0.585
SA617.9±4.430.75
(0.50,1.50)
2.22±0.85532.1±7.34
10RA69.91±5.280.75
(0.33,1.50)
1.21±0.27911.1±1.90
SA634.4±21.61.38
(0.33,1.50)
2.60±0.68868.9±12.8
20RA616.2±4.560.88
(0.75,1.50)
1.23±0.30926.2±2.62
SA656.7±16.11.25
(0.17,1.50)
2.93±0.588146±31.4
30RA625.5±7.170.75
(0.33,1.50)
1.65±0.63445.2±6.44
SA689.6±9.051.25
(0.75,2.00)
3.11±0.572234±44.7
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値,最大値)RA:rapid acetylator、SA:slow acetylator
図1 健康成人に本剤20mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの血漿中濃度推移
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
健康成人に本剤20mgを1日4回4時間間隔で食後に反復経口投与したときの投与4日目の1回目投与後のNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
表2 健康成人に本剤を反復経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ
NAT2遺伝子型例数Cmax(ng/mL)tmax(h)t1/2(h)AUC0-∞(ng・h/mL)
RA513.6±6.60.75
(0.50,1.50)
1.95±0.72331.9±10.1
SA572.5±43.91.25
(0.50,2.00)
3.24±1.03190±33.4
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値,最大値)
(2)ランバート・イートン筋無力症候群患者
ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤20mgを1日3又は4回食事とともに反復経口投与したときのNAT2遺伝子型別のアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
表3 ランバート・イートン筋無力症候群患者に本剤を反復経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ
NAT2遺伝子型例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC0-4h(ng・h/mL)
RA326.6±19.30.50
(0.50,1.50)
58.2±43.6
IM754.5±29.60.50
(0.25,4.00)
92.7±71.1
SA18108±67.11.50
(0.25,4.00)
197±69.4
平均値±標準偏差、tmaxのみ中央値(最小値,最大値)IM:intermediate acetylator
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人47例に本剤20mgを高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下投与時と比較して、Cmaxは43.7%低下し、tmaxは約0.5時間遅延し、AUC0-∞は17.7%低下した(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 血漿タンパク結合率
血漿タンパク結合率(in vitro、ヒト血漿、アミファンプリジン濃度0.3~10μmol/L)は8~12%であった。
16.4 代謝
アミファンプリジンは主にNAT2により、N-(4-aminopyridin-3-yl)acetamide(3-N-アセチル体)に代謝される。なお、NAT2には遺伝子多型(rapid acetylator(RA)、intermediate acetylator(IM)又はslow acetylator(SA))が存在し、日本人でのSAの割合は10%程度である。[10.参照]
16.5 排泄
健康な被験者に本剤を経口投与したとき、24時間以内に投与量の93~100%がアミファンプリジン又は3-N-アセチル体として尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害を有する被験者(軽度(CLcr50~80mL/min)、中等度(CLcr30~50mL/min)及び重度(CLcr30mL/min未満)、各群8例)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、軽度、中等度及び重度の腎機能障害を有する被験者におけるAUC0-∞は、腎機能が正常な被験者(CLcrが80mL/min超)と比較してSAの被験者ではそれぞれ1.3、2.1及び1.9倍、RAの被験者ではそれぞれ1.5、1.4及び3.0倍に上昇した(外国人データ)。[9.2参照]
表4 腎機能障害を有する被験者に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ
NAT2遺伝子型腎機能例数Cmax(ng/mL)t1/2(h)AUC0-∞(ng・h/mL)
RA正常47.65±3.231.63±0.7510.73±0.20a)
軽度411.08±4.691.86±0.2516.05±3.46a)
中等度48.33±2.741.72±0.6314.34±6.80a)
重度49.48±5.301.64±1.17a)11.9,53.6b)
SA正常438.63±9.162.71±1.2659.07±10.28
軽度433.48±13.102.95±0.3281.29±33.37
中等度452.53±5.163.89±0.32126.06±17.51
重度444.05±12.883.17±1.07118.60±37.12
平均値±標準偏差a)3例、b)個別値
16.6.2 肝機能障害患者
中等度の肝機能障害を有する被験者(Child-Pugh分類B)に本剤10mgを単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータは次のとおりであり、肝機能が正常な被験者と比較して、中等度の肝機能障害を有するIMの被験者では、Cmaxは1.4倍、AUC0-∞は1.7倍に上昇した(外国人データ)。[9.3参照]
表5 肝機能障害を有する被験者に本剤を単回経口投与したときのアミファンプリジンの薬物動態パラメータ
NAT2遺伝子型肝機能例数Cmax(ng/mL)t1/2(h)AUC0-∞(ng・h/mL)
IM正常419.72±9.341.97±0.5333.63±24.20
中等度329.92±18.941.78±0.8551.46±29.59
SA正常533.43±12.112.78±1.1261.66±21.20
中等度437.96±18.433.05±0.87a)67.85±28.68a)
平均値±標準偏差a)3例

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
痙攣発作の閾値を低下させる薬剤
三環系抗うつ薬
イミプラミン塩酸塩等
フェノチアジン系及びブチロフェノン系抗精神病薬
クロルプロマジン、ハロペリドール等
非定型抗精神病薬
リスペリドン等
痙攣発作のリスクが高まる可能性がある。本剤と併用することにより、痙攣発作の閾値を低下させる。
コリン作動薬
アセチルコリン塩化物等
本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
コリンエステラーゼ阻害薬
ピリドスチグミン、リバスチグミン等
本剤及びこれらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬では痙攣発作のリスクが高まる可能性があることに注意すること。
本剤と併用することにより、コリン作動性作用を増大させる可能性がある。
中枢性のコリンエステラーゼ阻害薬は痙攣発作の閾値を低下させる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣発作(頻度不明)
本剤は痙攣閾値を低下させ、痙攣発作を引き起こすおそれがある。特に痙攣発作の既往歴のある患者では注意深く観察を行うこと。痙攣発作を引き起こした場合には減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.1参照]
11.1.2 過敏症反応(頻度不明)
アナフィラキシー等の過敏症反応があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上3%以上10%未満3%未満頻度不明
血液およびリンパ系障害貧血
心臓障害動悸心房細動、頻脈
耳および迷路障害耳鳴
眼障害眼瞼下垂眼瞼痙攣、複視、眼痛、霧視白内障、視力障害
胃腸障害口の錯感覚悪心、腹痛、便秘、上腹部痛、下痢、口の感覚鈍麻、嘔吐腹部不快感、腹部膨満、口内乾燥、口腔内潰瘍形成、胃炎、排便回数増加嚥下障害、消化不良、胃腸障害、胃食道逆流性疾患
一般・全身障害および投与部位の状態無力症、疲労冷感、口腔内痛胸部不快感、胸痛、悪寒、状態悪化、異常感、歩行障害、歩行不能、全身健康状態悪化、倦怠感、末梢腫脹、発熱
代謝および栄養障害食欲減退、脱水、低ナトリウム血症
傷害、中毒および処置合併症転倒挫傷、頭部損傷、関節損傷、肋骨骨折
筋骨格系および結合組織障害筋痙縮、筋肉痛四肢痛関節痛、背部痛、四肢不快感、運動性低下、筋骨格硬直
神経系障害錯感覚浮動性めまい、頭痛、注意力障害、振戦、異常感覚アカシジア、コリン作動性症候群、健忘、味覚異常、不随意性筋収縮、筋力低下、感覚障害片頭痛、記憶障害、運動障害、感覚鈍麻、平衡障害、傾眠、会話障害、ブレインフォグ、構語障害、灼熱感、嗜眠、意識消失、失語症、末梢性ニューロパチー
精神障害不眠症不安、譫妄、うつ病、怠惰、気分変化錯乱状態、睡眠障害、ストレス
腎および尿路障害頻尿急性腎障害、腎結石症
呼吸器、胸郭および縦隔障害呼吸困難鼻漏咳嗽、発声障害、呼吸不全、口腔咽頭痛、胸水、肺腫瘤、咽喉刺激感、鼻閉、急性呼吸不全、息詰まり、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、湿性咳嗽
皮膚および皮下組織障害多汗症接触性皮膚炎、そう痒症、蕁麻疹発疹
血管障害末梢冷感ほてり、高血圧、レイノー現象低血圧
臨床検査アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、体重減少血圧上昇、心拍数増加、血中カリウム減少、酸素飽和度低下、体重増加
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