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テポックスカプセル200mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○痘そう
  • ○エムポックス
  • ○牛痘
  • ○痘そうワクチン接種後のワクチニアウイルスの増殖による合併症

用法・用量

  • 通常、成人及び小児には、以下の用法及び用量で14日間、食後に経口投与する。
    • 体重13kg以上25kg未満

      • テコビリマトとして200mgを1日2回12時間毎
    • 体重25kg以上40kg未満

      • テコビリマトとして400mgを1日2回12時間毎
    • 体重40kg以上120kg未満

      • テコビリマトとして600mgを1日2回12時間毎
    • 体重120kg以上

      • テコビリマトとして600mgを1日3回8時間毎

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 免疫不全患者及び免疫抑制状態の患者
期待する効果が得られないおそれがある。ワクチニアウイルス感染動物において、本剤投与中又は投与後の免疫応答が病態の回復に重要であることが示唆されている。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 末期腎不全患者
テコビリマト代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。末期腎不全患者を対象に本剤を反復投与したときの安全性を評価する臨床試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度肝機能障害患者
テコビリマト代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスC)を対象に本剤を反復投与したときの安全性を評価する臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス)で胎盤への移行が報告されている。また、動物実験(ウサギ)において、臨床曝露量未満で一般状態悪化に伴う母動物の死亡、早産、着床後胚損失数及び早期胚吸収数増加、並びに生存胎児数減少が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(マウス)では乳汁中にテコビリマトが認められた。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

7.用法及び用量に関連する注意

症状の発現後速やかに投与を開始すること。[18.3.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 痘そう、エムポックス、牛痘又は痘そうワクチン接種後のワクチニアウイルスの増殖による合併症の患者を対象にテコビリマトの有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。
5.2 本剤の有効性及び安全性に関する情報を十分に理解した上で、最新のガイドライン等も参照の上、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。
<エムポックス>
5.3 最新のガイドライン等も参照の上、本剤は、重症例及び重症化ハイリスク例に対して投与を検討すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人健康成人(20例)にテコビリマト600mgを1日2回、14日間反復経口投与したときのテコビリマトの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
薬物動態パラメータ
評価時点Cmax(μg/mL)AUC0-12h(μg・h/mL)Tmax(h)t1/2(h)
1日目1.73±0.3309.70±1.924.00[4.00,16.0]
14日目1.94±0.51512.6±3.264.00[0.00,8.00]16.4±5.98
-:算出できず、Cmax、AUC0-12h及びt1/2は平均値±標準偏差、Tmaxは中央値[範囲]
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人にテコビリマト600mgを空腹時又は中脂肪食(約600kcal、脂肪25g)摂取後、1日2回14日間反復経口投与したときの、14日目のテコビリマトの薬物動態パラメータは以下のとおりであり、空腹時投与と比較して食後投与時に曝露量は上昇した(外国人データ)。
食事条件例数Cmax(μg/mL)AUC0-24h(μg・h/mL)Tmax(h)
空腹時151.71±0.76823.5±11.314.0[1.00,18.0]
中脂肪食摂取後162.47±0.95832.5±14.23.92[0.00,18.0]
Cmax及びAUC0-24hは平均値±標準偏差、Tmaxは中央値[範囲]
16.3 分布
テコビリマトのヒト血漿タンパク結合率は、テコビリマト14C標識体0.03~50μmol/Lの濃度範囲で77.3~82.2%であった(in vitro)。健康成人にテコビリマト14C標識体600mgを単回投与したとき、すべての測定時点で全血液中の総放射能濃度は血漿中と比較して低く、血漿中に対する血液中の放射能濃度のAUCinf比は0.435~0.814であった(外国人データ)。
16.4 代謝
テコビリマトは主に加水分解体であるM4、M5及びTFMBAに代謝される。また、グルクロン酸抱合にはUGT1A1、UGT1A3及びUGT1A4が関与すると考えられる(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人(6例)にテコビリマト14C標識体600mgを単回経口投与したとき、投与192時間後までに72.5%が尿中、22.7%が糞中に排泄された。尿中には主にグルクロン酸抱合体が、糞中には主に未変化体が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常被験者に対する腎機能障害被験者(軽度、中等度、重度又は血液透析を要する末期腎不全)におけるテコビリマト600mg単回経口投与時のテコビリマト及び主要代謝物(M4、M5及びTFMBA)の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人データ)。[9.2.1参照]
薬物動態パラメータ比(幾何平均値の比[90%信頼区間])
腎機能障害の程度/eGFR区分(mL/min/1.73m2
軽度
60以上90未満
(8例)
中等度
30以上60未満
(8例)
重度
30未満
(7例)
末期腎不全
血液透析後投与
(8例)
テコビリマト
Cmax1.17[0.87,1.56]1.16[0.87,1.55]0.66[0.49,0.89]0.66[0.48,0.89]
AUClast1.17[0.85,1.60]1.41[1.02,1.93]1.07[0.77,1.48]0.55[0.39,0.77]
M4
Cmax1.11[0.83,1.49]1.44[1.08,1.94]1.02[0.75,1.39]1.27[0.93,1.73]
AUClast1.26[0.89,1.77]1.73[1.23,2.44]1.63[1.14,2.33]2.30[1.63,3.24]
M5
Cmax1.15[0.85,1.56]1.67[1.23,2.27]0.98[0.71,1.34]1.21[0.87,1.67]
AUClast1.37[0.97,1.93]1.79[1.23,2.62]1.35[0.94,1.92]1.45[1.00,2.10]
TFMBA
Cmax1.16[0.87,1.54]1.30[0.98,1.72]0.90[0.67,1.21]1.13[0.84,1.53]
AUClast1.33[0.92,1.93]1.49[1.03,2.15]1.56[1.06,2.28]2.60[1.76,3.85]
幾何平均値の比[90%信頼区間]
16.6.2 肝機能障害患者
肝機能正常被験者に対する肝機能障害被験者(軽度、中等度又は重度、それぞれChild-Pugh分類クラスA、B又はC)におけるテコビリマト600mg単回経口投与時のテコビリマト及び主要代謝物(M4、M5及びTFMBA)の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人データ)。[9.3.1参照]
薬物動態パラメータ比(幾何平均値の比[90%信頼区間])
肝機能障害の程度
軽度
(8例)
中等度
(8例)
重度
(8例)
テコビリマト
Cmax0.81[0.63,1.04]1.14[0.89,1.47]1.08[0.84,1.39]
AUClast0.59[0.42,0.84]1.09[0.78,1.52]0.93[0.65,1.34]
M4
Cmax1.02[0.78,1.34]1.49[1.14,1.94]1.94[1.46,2.56]
AUClast0.80[0.57,1.13]1.41[1.02,1.96]1.99[1.39,2.83]
M5
Cmax1.02[0.78,1.34]1.38[1.06,1.81]1.84[1.39,2.43]
AUClast0.98[0.72,1.33]1.29[0.95,1.75]1.63[1.20,2.21]
TFMBA
Cmax1.16[0.88,1.52]1.38[1.05,1.81]1.45[1.10,1.90]
AUClast1.10[0.77,1.56]1.40[0.98,1.99]1.49[1.05,2.12]
幾何平均値の比[90%信頼区間]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
(1)CYP阻害作用
テコビリマトの主要代謝物M4はCYP2C19(IC50=71.5μmol/L)及びCYP3A(IC50=77μmol/L)の阻害作用を示し、主要代謝物M5及びTFMBAは検討された最高濃度(100μmol/L)でCYP3Aをそれぞれ33.3%及び31.7%阻害した。
(2)CYP誘導作用
テコビリマトはCYP2B6、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4に対して誘導作用を示した。また、主要代謝物M4及びM5はCYP2B6及びCYP3A4に対する誘導作用を示した。
(3)トランスポーター阻害作用
テコビリマトはBCRP(IC50=6.03μmol/L)に対して阻害作用を示した。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
(1)CYP分子種基質薬
テコビリマト非併用時に対する併用時(600mg1日2回反復経口投与)の各CYP分子種基質薬の薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人データ)。[10.2参照]
薬物動態パラメータ比(幾何平均値の比[90%信頼区間])
併用薬併用薬の用法・用量例数併用薬のCmax併用薬のAUClast
フルルビプロフェン(CYP2C9基質)50mg単回経口投与241.07[0.98,1.17]1.04[1.00,1.09]
オメプラゾール(CYP2C19基質)20mg単回経口投与24オメプラゾール
1.87[1.51,2.31]
オメプラゾール
1.90[1.59,2.28]
5-ヒドロキシオメプラゾール
1.34[1.15,1.56]
5-ヒドロキシオメプラゾール
1.50[1.36,1.66]
ミダゾラム(CYP3A基質)2mg単回経口投与24ミダゾラム
0.61[0.54,0.68]
ミダゾラム
0.68[0.64,0.73]
1-ヒドロキシミダゾラム
2.28[2.01,2.58]
1-ヒドロキシミダゾラム
3.57[3.29,3.87]
レパグリニド(CYP2C8基質)2mg単回経口投与301.27[1.12,1.44]1.23[1.14,1.32]
bupropion(CYP2B6基質)150mg単回経口投与240.86[0.79,0.93]0.83[0.78,0.89]
フルルビプロフェン、オメプラゾール及びミダゾラムは同時投与。
(2)リン酸吸着剤
リン酸吸着剤非併用時に対する併用時(600mg単回経口投与)のテコビリマトの薬物動態パラメータ比は以下のとおりであった(外国人データ)。
薬物動態パラメータ比(幾何平均値の比[90%信頼区間])
併用薬併用薬の用法・用量例数テコビリマトのCmaxテコビリマトのAUClast
sevelamer carbonate1,600mg単回経口投与391.16[1.08,1.26]1.26[1.17,1.36]
スクロオキシ水酸化鉄500mg単回経口投与371.15[1.06,1.24]1.21[1.12,1.31]
calcium acetate1,334mg単回経口投与371.09[1.01,1.18]1.16[1.07,1.25]
炭酸ランタン500mg単回経口投与381.21[1.12,1.30]1.21[1.12,1.31]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4で代謝される薬剤
ミダゾラム
リルピビリン
マラビロク
アトルバスタチン
タクロリムス
シルデナフィル
タダラフィル
バルデナフィル
ダルナビル
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。本剤はCYP3A4を誘導する。
メサドン
[16.7.2参照]
メサドンの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。本剤はCYP2B6を誘導する。
レパグリニド
[16.7.2参照]
レパグリニドの血漿中濃度が上昇する可能性があるため、併用する場合は、低血糖症状等の副作用の発現に十分に注意すること。本剤はCYP2C8を阻害する。
CYP2C19で代謝される薬剤
オメプラゾール
ランソプラゾール
ラベプラゾール
ボリコナゾール
[16.7.2参照]
これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがあることから、併用する場合はこれらの薬剤の副作用発現に十分に注意すること。本剤はCYP2C19を阻害する。
乾燥細胞培養痘そうワクチン乾燥細胞培養痘そうワクチンの効果が減弱するおそれがある。本剤の抗ワクチニアウイルス作用により、ワクチンに対する免疫応答が低下するおそれがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1%以上1%未満
血液およびリンパ系障害ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、白血球減少症、血小板減少症
代謝および栄養障害食欲減退
肝胆道系障害肝機能検査値上昇
精神障害不安、うつ病、不快気分、易刺激性、パニック発作
神経系障害頭痛浮動性めまい注意力障害、味覚不全、脳波異常、不眠症、片頭痛、傾眠、錯感覚
心臓障害心拍数増加、動悸
呼吸器、胸郭および縦隔障害口腔咽頭痛
胃腸障害上腹部痛、腹部不快感、下痢、悪心、嘔吐腹部膨満、アフタ性潰瘍、口唇のひび割れ、便秘、口内乾燥、消化不良、おくび、鼓腸、胃食道逆流性疾患、排便回数減少、口の錯感覚
皮膚および皮下組織障害触知可能紫斑病、全身性そう痒症、発疹、そう痒性皮疹
筋骨格系および結合組織障害関節痛、変形性関節症
一般・全身障害および投与部位の状態悪寒、疲労、びくびく感、倦怠感、疼痛、発熱、口渇
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