薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等) | 本剤の活性本体であるピロキシカムとの併用により、クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)の作用を増強したとの報告があるので、併用する場合にはその医薬品を減量するなど、慎重に投与すること。 | ピロキシカムのヒトでの蛋白結合率が99.8%と高いため、ワルファリンの活性型が増加するためと考えられている。 |
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI) | 出血傾向が増強するおそれがある。 | SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、併用により出血傾向が増大すると考えられている。 |
アスピリン | 本剤の活性本体であるピロキシカムとの併用により、低用量アスピリンの血小板凝集抑制作用が減弱するおそれがある。 | 血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)とアスピリンの結合を阻害するためと考えられている。 |
アスピリン | 本剤の活性本体であるピロキシカムとの併用により、双方又は一方の医薬品の副作用の発現頻度が増加したとの報告がある。 | 両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられている。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 | 消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 両剤ともにプロスタグランジン生合成阻害作用を示すためと考えられている。 |
抗血小板薬 | 胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 抗血小板薬が血小板の凝集を阻害するためと考えられている。 |
リチウム(炭酸リチウム) | 本剤の活性本体であるピロキシカムとの併用により、リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があるので、併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
メトトレキサート | メトトレキサートの作用が増強するおそれがある。併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
ジゴキシン ジギトキシン | これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。併用する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられている。 |
チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等) | 他の非ステロイド性消炎鎮痛剤とチアジド系利尿剤との併用により、チアジド系利尿剤の作用が減弱したとの報告がある。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられている。 |
フロセミド | 本剤の活性本体であるピロキシカムとの併用により、フロセミドの作用が減弱したとの報告がある。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害により、水、ナトリウムの排泄が減少するためと考えられている。 |
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等) | 降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
エプレレノン | 降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがある。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
ACE阻害剤 アンジオテンシンII受容体拮抗剤 β遮断薬 | これらの薬剤の降圧作用が減弱するおそれがある。 | ピロキシカムの腎におけるプロスタグランジン生合成阻害によるためと考えられている。 |
コレスチラミン | 本剤の活性本体であるピロキシカムの排泄が促進され、血中濃度半減期が短縮したとの報告がある。 | コレスチラミンの薬物吸着作用により、本剤の活性本体であるピロキシカムの消失が速まると考えられている。 |
副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等) | 消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがある。 | 両剤とも消化管粘膜を傷害するため、併用した場合その影響が大きくなると考えられている。 |
シクロスポリン タクロリムス | これらの薬剤の腎毒性が高まるおそれがある。 | プロスタグランジン生合成阻害に伴う腎血流量低下により、腎機能障害の副作用が相互に増強されると考えられている。 |