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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○膠芽腫
  • ○骨髄腫
  • ○悪性リンパ腫
  • ○慢性骨髄性白血病
  • ○真性多血症
  • ○本態性血小板増多症

用法・用量

  • 通常、下記用量を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100~250mLに溶解し、30~90分で点滴静注するか、又は10~20mLに溶解し、ゆっくり(30~60秒)静脈内に投与する。
    ラニムスチンとして1回投与量は50~90mg/m2とし、次回の投与は血液所見の推移にしたがって6~8週後に行う。悪性リンパ腫のうち成人T細胞白血病リンパ腫に対して他の抗悪性腫瘍剤と本剤を併用する場合は、投与間隔は4週間以上とする。
    なお、患者の状態により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄機能抑制のある患者
骨髄機能抑制が増悪するおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.2 感染症を合併している患者
骨髄機能抑制により、感染症が増悪するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用が強くあらわれるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
小児等及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットを用いた器官形成期投与試験(妊娠7~17日)で、ラニムスチン5.0mg/kgの投与により外形異常(頭頂部水疱形成、水頭症、全身性浮腫等)及び骨格異常(頸椎・胸椎椎弓の癒着、肋骨癒着、肩甲骨異常等)が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
副作用(血小板・白血球減少等)の発現に特に注意し、観察を十分に行い、慎重に投与すること。代謝系が未発達であるため、副作用があらわれやすい。
9.8 高齢者
用量並びに投与間隔に留意すること。生理機能が低下していることが多く副作用があらわれやすい。

8.重要な基本的注意

8.1 遅延性の骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、投与後少なくとも6週間は、1週間ごとに臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[11.1.1参照]
8.2 感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
8.3 二次性悪性腫瘍として骨髄異形成症候群(MDS)、急性白血病、骨髄線維症、慢性骨髄性白血病を起こすことがあるので、これらの発現には十分注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 他剤と配合した場合は変化することがあるので注意すること。特に、中性~アルカリ性を示す薬剤との配合では分解しやすく、また、構造上アミノ基を有する化合物を含む薬剤との配合では反応生成物が認められることがあるので注意すること。
14.1.2 眼には接触させないこと。眼に入った場合は、直ちに水で洗浄すること。
14.1.3 本剤溶解後は速やかに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 皮下又は筋肉内に投与しないこと。
14.2.2 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に腫脹、硬結・壊死を起こすことがあるので、慎重に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
脳腫瘍患者6例(悪性グリオーマ3例、転移性脳腫瘍3例)にラニムスチン150mg(2.34~3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて測定した。血中濃度は投与5分後に9.1μg/mLを示し、その後二相性に推移した。α相の半減期は4.4分(n=5)、β相の半減期は41.0分(n=6)であった。
16.3 分布
16.3.1 髄液中濃度
転移性脳腫瘍2例にラニムスチン150mg(2.34~3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて髄液中濃度を測定した結果、投与5分後から移行が認められた。投与40分後には、それぞれ0.36、0.40μg/mLを認めた。
16.3.2 脳腫瘍組織内濃度
ラニムスチン150mg(2.34~3.75mg/kg)を静注後、高速液体クロマトグラフィにて測定した。悪性グリオーマ患者(3例)では10分で最高濃度2.38μg/g、転移性脳腫瘍患者(3例)では20分で最高濃度3.31μg/gを認め、投与後30~50分にわたり腫瘍/血液比は1以上を示した。
16.3.3 ラットでの分布
ラットに14Cで標識したラニムスチン(Chloroethyl-14C-標識体、Glucose-14C-標識体)を静脈内投与した場合、両標識体とも、投与3時間後では腎、肝、腸などに多く分布し、以後、Chloroethyl-14C-標識体は腎、胸腺、肝、膵に、Glucose-14C-標識体は腎、筋肉、骨髄、脾、血液に多く分布した。腫瘍組織内濃度は、投与15分及び1時間後に血漿中の1.4~1.8倍を示し、腫瘍外縁部に多く分布した。
血漿中の未変化体(Glucose-14C-標識体)の割合は、投与15分後、6%以下と少なく、胸腺、腫瘍組織及び睾丸における未変化体の割合は、それぞれ69.3%、44.1%、35.9%と高かった。
16.5 排泄
16.5.1 尿中濃度
150mg(2.34~3.75mg/kg)のラニムスチンを静脈内投与した悪性グリオーマ患者(3例)では5~20分で95.9~86.9μg/mLと高濃度を認め30分以降は59.3~24.4μg/mLと漸減した。転移性脳腫瘍患者(3例)においてもほぼ同様に5分で75.4μg/mLから20分では69.9μg/mL、30分で48.3μg/mL、120分で18.8μg/mLと30分以降急速に排泄された。両者ともほぼ同様の未変化体ラニムスチンの尿中排泄パターンを認めた。
16.5.2 ラットでの排泄
ラットに14Cで標識したラニムスチン(Chloroethyl-14C-標識体、Glucose-14C-標識体)を静脈内投与した場合、14C-標識体1mg/kg投与後96時間までの尿中、糞中及び48時間までの呼気中排泄率(% of dose)を表に示す。
Chloroethyl-14C-標識体Glucose-14C-標識体
尿中71.778.7
糞中5.113.6
呼気中15.61.1

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤
放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
患者の状態を観察しながら減量するか又は投与間隔を延長する。
併用により殺細胞作用が増強すると考えられる。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
白血球減少(22.2%)、血小板減少(20.6%)、貧血、汎血球減少、出血傾向があらわれることがある。異常が認められた場合には、減量、休薬、輸血等の適切な処置を行うこと。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 間質性肺炎(0.10%)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1~5%未満
肝臓AST上昇、ALT上昇Al-P上昇、総ビリルビン上昇、総蛋白低下、A/G比低下
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、高尿酸血症、血尿
消化器食欲不振、悪心・嘔吐下血、下痢
過敏症発疹
皮膚色素沈着、毛のう炎
その他全身倦怠感頭重、発熱、耳鳴、めまい、手のしびれ、不快感

注:使用成績調査を含む

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