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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • パーキンソン病

用法・用量

  • 通常、成人にはロピニロール塩酸塩として1日1回8mgから始め、以後経過を観察しながら、必要に応じて1週間以上の間隔で、1日量として8mgずつ増量する。いずれの投与量の場合も1日1回、胸部、腹部、側腹部、大腿部又は上腕部のいずれかの皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロール塩酸塩として1日量64mgを超えないこととする。

禁忌 

【警告】

  • 前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、またドパミン受容体作動薬の投与において、突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤使用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。[8.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者
症状が増悪又は発現しやすくなることがある。[11.1.2参照]
9.1.2 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者
薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。
9.1.3 低血圧症の患者
症状が悪化することがある。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者
主として腎臓で排泄される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。なお、血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない。
9.3 肝機能障害患者
主として肝臓で代謝される。また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないこと。動物実験(ラット)で胎児毒性(体重減少、死亡数増加及び指の奇形)が報告されている。[2.2参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて血漿中プロラクチン濃度の低下が認められることが報告されており、乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 ドパミン受容体作動薬の投与において、突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されている。患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。[1.、11.1.1参照]
8.2 起立性低血圧がみられることがあるので、使用は少量から始め、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は使用中止等の適切な処置を行うこと。
8.3 減量、中止が必要な場合は、漸減すること。急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがある。また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある。[11.1.3参照]
8.4 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は使用を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
8.5 貼付により皮膚症状を起こすことがあるので、貼付箇所を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏等を投与する、本剤を使用中止するなど適切な処置を行うこと。
8.6 貼付してある製剤を除去せずに新たな製剤を貼付した場合、血中濃度が上昇するため、貼り替えの際は先に貼付した製剤を除去したことを十分に確認するよう患者及び介護者等に指導すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 貼付時
(1)使用する際にはライナーを剥がして使用すること。
(2)1日毎に貼り替えるため、貼付開始時刻の設定にあたって入浴等の時間を考慮することが望ましい。
14.1.2 保管・廃棄
(1)小児の手の届かない場所に保管すること。
(2)貼付24時間後も成分が残っているので、使用済みの製剤は接着面を内側にして折りたたみ、小児の手及び目の届かない所に安全に廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 創傷面又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位は避けて貼付すること。
14.2.2 貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから貼付すること。また、貼付部位の水分は十分に取り除くこと。
14.2.3 貼付による皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更すること。
14.3 薬剤投与中の注意
14.3.1 途中で剥がれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付すること。また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。
14.3.2 貼付部位を外部熱(過度の直射日光、あんか、サウナなどのその他の熱源)に曝露させないこと。貼付部位の温度が上昇すると本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

7.用法及び用量に関連する注意

使用は「6.用法及び用量」に従い少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行いながら慎重に増量し、患者毎に適切な維持量を定めること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性12例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として1.2及び4.8mg注))を胸部に24時間単回投与した際、血漿中ロピニロールの薬物動態パラメータ(Cmax、AUC0-t及びAUC0-∞)の1.2~4.8mg間における線形性が確認された。
血漿中ロピニロール濃度推移(平均値+標準偏差、11~12例)
薬物動態パラメータ
投与量
(例数)
Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)AUC0-∞(ng・hr/mL)tmaxa)(hr)t1/2(hr)
1.2mg
(12)
0.254±0.08556.66±2.486.86±2.4720.0,24.08.44±2.07
4.8mg
(11)
1.02±0.27927.8±8.3328.1±8.2820.016.0±8.34
平均値±標準偏差a)最頻値
16.1.2 反復投与
(1)パーキンソン病患者24例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として6.8、13.5又は20.3mg注))を胸部に1日1回7日間反復投与した際、血漿中ロピニロールの薬物動態パラメータ(Cmax及びAUC0-24)は、6.8~20.3mg間でほぼ投与量に比例して増加することが確認された。また、血漿中ロピニロール濃度はおおむね投与開始後48~72時間で定常状態に達した。
投与1及び7回目の薬物動態パラメータ
投与量
(例数)
Cmax(ng/mL)AUC0-24(ng・hr/mL)tmaxa)(hr)t1/2(hr)
1日目6.8mg
(8)
2.17±1.0327.9±14.924.0
13.5mg
(8)
2.89±0.56733.1±6.1324.0
20.3mg
(8)
5.91±1.3189.4±30.016.0,20.0
7日目6.8mg
(8)
1.88±0.96638.5±20.620.020.3±4.84
13.5mg
(7)
4.21±3.3184.8±69.524.020.8±4.03
20.3mg
(7)
7.16±4.40154±10416.019.0±4.30
平均値±標準偏差a)最頻値
(2)用量と血漿中濃度との関係
パーキンソン病患者199例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として8~64mg)を任意漸増法にて1日1回長期投与した際、投与2、4、8、12、24及び52週の血漿中ロピニロール濃度の8~64mg間における線形性が確認された。(パワーモデル:log(y)=-0.721+1.075・log(x))
16.2 吸収
16.2.1 単回投与
健康成人男性15例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として4.8mg注))を胸部、腹部、側腹部、大腿部及び上腕部にそれぞれ24時間単回投与した際、各投与部位間における幾何平均値の比(推定値)は、AUC0-tで0.738~1.308、Cmaxで0.763~1.295であり、各投与部位間の血漿中ロピニロール濃度に大きな差はないと考えられた。また、tmax(最頻値)は各投与部位において20.0~24.0hr、t1/2(平均値)は10.5~11.5hrであり、いずれの投与部位においても同様の値を示した。
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合
14C]ロピニロール塩酸塩のヒト血漿蛋白結合率は35~42%であることが報告されている(in vitro)。
16.3.2 胎児・乳汁移行
14C]ロピニロール塩酸塩を妊娠ラットに反復経口投与したとき、胎児中へ放射能の移行が認められた。また、授乳期ラットにおいては乳汁中への移行が認められた。
16.4 代謝
ロピニロールは主に肝臓で脱プロピル体に代謝される。ロピニロールの代謝にはCYP1A2が関与することが報告されている(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性12例を対象に本剤(ロピニロール塩酸塩として1.2及び4.8mg注))を胸部に24時間単回投与した際、投与開始後0~96時間のロピニロールの累積尿中排泄率(平均値)は1.2mg投与時3.4%、4.8mg投与時3.6%であった。
注)本剤の承認された1日量は8~64mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ドパミン拮抗剤
抗精神病薬
メトクロプラミド
スルピリド等
本剤の作用が減弱することがある。本剤はドパミン受容体作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。
CYP1A2阻害作用を有する薬剤
シプロフロキサシン
フルボキサミン等
ロピニロール速放錠とシプロフロキサシンとの併用によりロピニロールのCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されている。本剤使用中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
エストロゲン含有製剤高用量のエストロゲンを投与した患者でロピニロールの血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤使用中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること。機序不明
抗パーキンソン剤
レボドパ
抗コリン剤
アマンタジン塩酸塩
ドロキシドパ
エンタカポン
セレギリン塩酸塩
ゾニサミド等
[11.1.2参照]
ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。相互に作用が増強することがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 突発的睡眠(0.7%)、極度の傾眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠、極度の傾眠があらわれることがある。[1.、8.1参照]
11.1.2 幻覚(3.6%)、妄想(0.4%)、興奮(0.1%)、錯乱(頻度不明)、譫妄(0.7%)
幻覚、妄想、興奮、錯乱、譫妄等の精神症状があらわれることがある。[9.1.1、10.2参照]
11.1.3 悪性症候群(頻度不明)
使用後、減量後又は中止後に、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、使用開始初期の場合は中止し、また、継続使用中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの使用量に戻した後、慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。なお、使用継続中にも同様の症状があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1%以上5%未満1%未満頻度不明
精神神経系傾眠、ジスキネジア幻視、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、不眠錯覚、ジストニア、幻聴、リビドー亢進、回転性めまい衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)、躁状態
肝臓ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇肝機能異常、ビリルビン上昇、AL-P上昇
筋・骨格系姿勢異常、CK上昇背部痛
循環器起立性低血圧、起立血圧低下上室性期外収縮、心室性期外収縮、動悸、低血圧、血圧上昇
消化器悪心、便秘食欲不振、嘔吐、腹部不快感下痢、消化不良
腎臓尿潜血陽性BUN上昇、尿蛋白陽性
皮膚適用部位紅斑、適用部位そう痒感適用部位皮膚炎、適用部位発疹、適用部位刺激感、適用部位腫脹、適用部位色素沈着
過敏症発疹、湿疹、そう痒、顔面浮腫、じん麻疹
その他けん怠感、末梢性浮腫、LDH上昇異常感、転倒、胸部不快感、浮腫、口渇、挫傷、咳嗽、好酸球増加、尿糖陽性薬剤離脱症候群注)(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等)

注)異常が認められた場合には、投与再開又は減量前の投与量に戻すなど、適切な処置を行うこと。

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