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セトロタイド注射用0.25mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 調節卵巣刺激下における早発排卵の防止

用法・用量

  • 以下のいずれかで投与する。
    • ・卵巣刺激開始6日目から最終的な卵胞成熟の誘発まで、セトロレリクスとして0.25mgを1日1回腹部皮下に連日投与する。
    • ・卵巣の反応に応じて本剤を投与開始し、最終的な卵胞成熟の誘発まで、セトロレリクスとして0.25mgを1日1回腹部皮下に連日投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はGnRH誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性[9.5、9.6参照]
  • 2.3 卵巣、乳房、子宮、下垂体又は視床下部に腫瘍のある患者[本剤投与に先立って実施される卵巣刺激薬の投与により腫瘍が悪化あるいは顕性化するおそれがある。]
  • 2.4 診断の確定していない不正出血のある患者[悪性腫瘍の疑いがあり、その場合、卵巣刺激薬の投与により腫瘍が悪化あるいは顕性化するおそれがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アレルギー素因のある患者
アナフィラキシーが発現するおそれがある。[11.1.1参照]
9.1.2 連続した周期で卵巣刺激を受ける患者
投与経験が少ない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。初期胚発生に関する試験では、ラットに0.139mg/kg/日(臨床用量注)の27.8倍に相当)を皮下投与した群において、100%の着床後死亡率が認められた。また、胚・胎児発生に関する試験では、ラットに0.0147mg/kg/日(臨床用量注)の2.9倍に相当)以上を皮下投与した群において生存胎児数の減少、ウサギに0.00681mg/kg/日(臨床用量注)の1.4倍に相当)以上を皮下投与した群において早期吸収胚の出現が認められた。なお、いずれの動物試験においても催奇形性は認められなかった(ラット:0.0464mg/kg/日、ウサギ:0.0215mg/kg/日)。[2.2参照]
注)本剤の承認用量は1回0.25mgである(体重50kgとして0.005mg/kg/日)。
9.6 授乳婦
投与しないこと。ヒト母乳中への移行性や授乳期にある新生児及び乳児に対する影響は不明である。[2.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。調節卵巣刺激により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。
8.2 アナフィラキシーが発現することがあるので、救急処置の可能な状態で、本剤投与後の患者の状態を十分に観察すること。
8.3 本剤を用いた不妊治療において、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがある。患者に対しては、自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
8.4 卵巣刺激薬を用いた不妊治療では多胎妊娠の頻度が高くなる。多胎妊娠は単胎妊娠に比し、流・早産が多いこと、妊娠高血圧症候群等の合併症を起こしやすいこと、低出生体重児出生や奇形等のために周産期死亡率が高いこと等の異常が発生しやすいのでその旨をあらかじめ患者に説明すること。
日本産科婦人科学会の調査によると、平成28年の新鮮胚を用いた体外受精・胚移植の治療成績では、妊娠数13227例中、双胎が292例(2.21%)、三胎が5例(0.04%)、四胎が0例(0%)であった。
8.5 体外受精・胚移植等の生殖補助医療を受ける不妊女性では卵管異常がしばしば認められ、子宮外妊娠の可能性が高くなる。超音波診断法による子宮内妊娠の初期確認が重要である。
8.6 生殖補助医療を受ける女性の流産率は一般女性より高いのでその旨を患者に十分説明すること。
8.7 生殖補助医療後の先天異常の発生率は、自然受胎後に比べて高いとの報告がある。
8.8 在宅自己注射を行う場合は、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行うこと。
8.8.1 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、溶解時や投与する際の操作方法を指導すること。適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]
8.8.2 使用済みの注射針あるいは注射器を再使用しないように患者に注意を促すこと。
8.8.3 すべての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。同時に、使用済みの針及び注射器を廃棄する容器を提供することが望ましい。
8.8.4 在宅自己注射を行う前に、本剤の「在宅自己注射説明書」を必ず読むよう指導すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は注射用水1mLに溶解すること。
14.1.2 気泡発生を伴う激しい振りは避けること。
14.1.3 注射溶液が澄明でない場合は使用しないこと。
14.1.4 用時調製し、溶解後は直ちに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 皮下注射にあたっては以下の点に注意すること。
・注射部位は腹部の皮下(臍部の周辺)とすること。
・注射による局所刺激を最小限にするために、注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
・注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
・注射部位をもまないように患者に指示すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与開始は、経腟超音波検査の所見(発育卵胞の数・サイズ)等に基づき判断すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
閉経前の健康成人女性6例に、セトロレリクス0.25mgを腹部皮下に1日1回7日間連日投与したときの、未変化体の血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1・表1に示す。
図1 血漿中濃度(0.25mg反復投与時)
表1 薬物動態パラメータ(0.25mg反復投与時)
投与回数nCmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-24
(ng・hr/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
1回目611.12±2.971.1±0.581.57±40.055.6±2.1
7回目9.25±5.041.1±0.675.88±45.2093.31±70.685.9±1.4
(測定法:RIA)(mean±S.D.)
16.3 分布
セトロレリクスをヒト血漿に添加して超遠心法により測定した血漿蛋白結合率は、40~500ng/mLの濃度範囲において85.1~87.0%であった(外国人によるデータ)。
16.4 代謝
臨床試験において、セトロレリクスを単回皮下投与した健康成人女性の尿から代謝物は検出されなかったが、胆管ドレナージを受けている被験者の胆汁からは、未変化体、ヘプタペプチド(1-7)、ヘキサペプチド(1-6)、テトラペプチド(1-4)及びノナペプチド(1-9)が検出された(測定法:HPLC、外国人によるデータ)。
また、ヒト肝臓の膜分画、可溶性分画及びヒト血漿を用いたin vitro試験で代謝物を認めなかった。これらのことから、セトロレリクスの代謝は酸化反応ではなくぺプチターゼによる加水分解反応によるものと考えられている。また、本薬は、ヒト肝ミクロソームによるin vitro試験で、CYP分子種(CYP1A2、2C8/9、2C19、2D6、2E1及び3A4)の代謝活性にほとんど影響を及ぼさなかった。
16.5 排泄
閉経前の健康成人女性に、セトロレリクス3mg注)を腹部皮下に単回投与したときの、投与後72時間までの尿中排泄率は3.42±1.09%(mean±S.D.)であった。
また、胆管ドレナージ患者にセトロレリクス10mg注)を単回皮下投与したときの、24時間以内の未変化体及び代謝物の胆汁中排泄率は7.2%であった(外国人によるデータ)。
注)本剤の承認用量は1回0.25mgである。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、一時的な意識喪失・見当識喪失、咳及び紅斑を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。[8.8.1、9.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上0.1%~5%未満
内分泌系頭痛、ほてり、性器出血
消化器悪心、下痢
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
注射部位そう痒感・発赤・熱感・刺激感・腫脹等の注射部位反応
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