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バンコマイシン塩酸塩散0.5g「明治」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○感染性腸炎

    • <適応菌種>

      • バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、クロストリジウム・ディフィシル
    • <適応症>

      • 感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
  • ○骨髄移植時の消化管内殺菌

用法・用量

  • <感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)>

    • 用時溶解し、通常、成人1回0.125~0.5g(力価)を1日4回経口投与する。
      なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
  • <骨髄移植時の消化管内殺菌>

    • 用時溶解し、通常、成人1回0.5g(力価)を非吸収性の抗菌剤及び抗真菌剤と併用して1日4~6回経口投与する。
      なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能・効果に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分又はペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
9.1.2 ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者
難聴が発現又は増悪するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
投与量・投与間隔の調節を行い、慎重に投与すること。偽膜性大腸炎等の重度の腸管炎症のある高度の腎機能障害患者(血液透析中等)では、吸収され、排泄が遅延して蓄積するおそれがあり、バンコマイシン塩酸塩の静脈内投与で報告されているものと同様な副作用が発現する危険性がある。[9.8、11.1.1-11.1.8、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。静脈内投与により、ヒト母乳中への移行が認められている。
9.8 高齢者
腎機能等に注意して、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。[9.2参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
8.1.1 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
8.1.2 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<骨髄移植時の消化管内殺菌>
14.1.1 本剤はバイアル入りの散剤(無菌)である。注射器を用い5~10mLの溶解液(注射用水等)で溶解する。用時溶解液は無菌のものを用いること。
<効能共通>
14.1.2 薬剤溶液そのままで服用しにくい場合には、単シロップ等で矯味してもよい。
14.2 薬剤投与時の注意
<骨髄移植時の消化管内殺菌>
溶解後は直ちに服用すること。また、服用にあたっては口腔内殺菌のために薬剤溶液で十分含嗽した後飲用することが望ましい。

7.用法・用量に関連する注意

<感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)>
7~10日以内に下痢、腹痛、発熱等の症状改善の兆候が全くみられない場合は投与を中止すること。

5.効能・効果に関連する注意

<効能共通>
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
<感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
経口投与時の血中濃度を表1に示す。
表1 経口投与時の血中濃度(健康成人)
1日投与量
投与期間
n血中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
7日
1測定限界(2.5)以下
(測定法:bioassay)
16.1.2 偽膜性大腸炎の患者
経口投与時の血中濃度を表2に示す。
表2 経口投与時の血中濃度(偽膜性大腸炎の患者)
1日投与量
投与期間
n血中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
5~7日
3測定限界(1.25)以下
(測定法:bioassay)
16.1.3 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性腸炎の患者
経口投与時の血清中濃度を表3に示す。
表3 経口投与時の血清中濃度〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性腸炎の患者〕
1日投与量
投与期間
n血清中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
2~19日※1
26測定限界(1.0)以下
※1)有効性評価対象例31例における投与期間を示した。〔測定法:FPIA(蛍光偏光免疫測定法)〕
16.2 吸収
通常、経口投与によってほとんど吸収されず、高い消化管内濃度が得られる。また、血中にはほとんど認められない。ただし、腸管に病変のある患者において、吸収され尿中に排泄されたとの報告がある。[16.5.2参照]
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
健康成人に1.0g(力価)点滴静注注)時の血清を用い、遠心限外ろ過法にて測定された血清蛋白結合率は34.3%であった。
16.4 代謝
バンコマイシン塩酸塩の代謝物は確認されていない。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人
経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度を表4に示す。なお、バンコマイシン塩酸塩は点滴静注注)後、72時間までに90%以上が尿中に未変化体として排泄された。
表4 経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度(健康成人)
1日投与量
投与期間
糞便中濃度(μg/g)尿中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
7日
2500~4750
(n=1)
検出されず
(n=1)
(測定法:bioassay)
16.5.2 偽膜性大腸炎の患者
経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度を表5に示す。[16.2参照]
表5 経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度(偽膜性大腸炎の患者)
1日投与量
投与期間
糞便中濃度(μg/g)尿中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
5~19日
726~8370
(n=5)
測定限界(1.25)以下
(n=1)
2.44~94.6
(尿中排泄率:0.15~1.65%)
(n=3)
(測定法:bioassay)
16.5.3 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性腸炎の患者
経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度を表6に示す。
表6 経口投与時の糞便中濃度、尿中濃度〔メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による感染性腸炎の患者〕
1日投与量
投与期間
糞便中濃度(μg/g)尿中濃度(μg/mL)
500mg(力価)×4/日
2~19日※1
500~5500
(n=9)
10.5~92.5※2(n=1)
測定限界(0.39)以下~23.4
(n=7)
※1)有効性評価対象例31例における投与期間を示した。※2)水様性下痢を呈した1例。(測定法:bioassay)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害を有する偽膜性大腸炎の患者
経口投与時の血清中濃度を表7に示す(外国人データ)。[9.2参照]
表7 経口投与時の血清中濃度
No.年齢、性基礎疾患1日投与量
投与期間
血清中濃度(μg/mL)
114歳、女無腎、血液透析中250mg(力価)×4/日×8日13.5~34.0
262歳、男腎不全500mg(力価)×4/日×8日
1000mg(力価)/日×9日
500mg(力価)/日×3日
11.4~20.3
332歳、男糖尿病、血液透析中250mg(力価)×4/日×11日約4.5~7.0
445歳、男血液透析中250mg(力価)×4/日
投与期間不明
2.4~2.6
545歳、男血液透析中500mg(力価)×4/日×3日11~13
125mg(力価)×4/日
投与期間不明
2.4~3.4
663歳、男糖尿病、血液透析中250mg(力価)×4/日
投与期間不明
0.0
728歳、男糖尿病性腎症500mg(力価)×4/日
投与期間不明
0.7~9.8
〔測定法:No.1;RIA(放射免疫測定法)、No.2~7;FPIA(蛍光偏光免疫測定法)〕
注)本剤の承認された用法・用量とは異なる。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
コレスチラミン同時に投与すると本剤の臨床効果が減弱するおそれがあるので、数時間間隔をあけて投与すること。コレスチラミンは腸管内でバンコマイシンと結合する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴り、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.2参照]
11.1.2 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)[9.2参照]
11.1.3 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)[9.2参照]
11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)[9.2参照]
11.1.5 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)[9.2参照]
11.1.6 第8脳神経障害(頻度不明)[9.2参照]
11.1.7 偽膜性大腸炎(頻度不明)[9.2参照]
11.1.8 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)[9.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上3%未満頻度不明
過敏症発熱発疹、潮紅、悪寒、蕁麻疹、そう痒
血液血小板減少好酸球増多白血球減少、貧血
肝臓AST上昇ALT上昇Al-P上昇
消化器下痢悪心、嘔吐、食欲不振
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
その他舌炎口内炎
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