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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 慢性心不全

    • ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

用法・用量

  • 通常、成人にはベルイシグアトとして、1回2.5mgを1日1回食後経口投与から開始し、2週間間隔で1回投与量を5mg及び10mgに段階的に増量する。なお、血圧等患者の状態に応じて適宜減量する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬(リオシグアト)を投与中の患者[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 投与前の収縮期血圧が100mmHg未満又は症候性低血圧の患者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。過度の血圧低下が起こるおそれがある。臨床試験では除外されている。[7.、8.1、11.1.1、17.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 eGFR15mL/min/1.73m2未満の腎機能障害患者又は透析中の患者
本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には患者の状態を十分に観察すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。臨床試験では除外されている。[16.6.1、17.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)
本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には患者の状態を十分に観察すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。臨床試験では除外されている。[16.6.2、17.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性は本剤の投与中及び投与終了後一定期間は確実な避妊法を用いること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ウサギにおける流産及び全胚吸収がヒトの6倍以上の全身曝露量で、ラットにおける出生児の死亡率の増加及び体重増加抑制がそれぞれヒトの49倍及び21倍以上の全身曝露量で発現することが報告されている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおける乳汁中移行性については不明である。動物実験(ラット、静脈内投与)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤は血管を拡張し血圧を低下させる作用を有しており、症候性低血圧があらわれるおそれがある。血液量減少、重度の左室流出路閉塞、安静時低血圧、自律神経機能障害、低血圧の既往のある患者や、降圧剤、利尿剤、硝酸剤等の降圧作用を有する薬剤を投与中の患者では、血圧等患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。[7.、9.1.1、10.2、11.1.1参照]
8.2 めまいがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

定期的に血圧測定を行い、臨床試験で用いられた以下の基準を参考に本剤の用量を調節すること。[8.1、9.1.1、11.1.1、17.1.1参照]
臨床試験で用いられた用量調節基準
収縮期血圧(mmHg)・低血圧症状1回投与量の調節
収縮期血圧が100mmHg以上・2.5又は5mgの場合:1段階増量する。
・10mgの場合:用量を維持する。
収縮期血圧が90mmHg以上100mmHg未満用量を維持する。
収縮期血圧が90mmHg未満で低血圧症状を示さない場合・2.5mgの場合:投与を中断する。
・5又は10mgの場合:1段階減量する。
収縮期血圧が90mmHg未満で低血圧症状がある場合投与を中断する。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 左室駆出率の保たれた慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。
5.2 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、収縮期血圧等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[9.1.1、17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性36例を対象として本剤1.25、5、7.5又は10mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与1.0~2.5時間後に最高血漿中濃度に達した後、17.9~22.3時間の半減期で低下した。
1.25mg
(n=9)
5mg
(n=9)
7.5mg
(n=9)
10mg
(n=9)
AUC(μg・h/L)1190/17.54140/21.15140/38.67410/30.5
Cmax(μg/L)61.8/28.5236/28.9324/39.6365/37.1
tmax(h)1.0
(0.75-3.0)
1.0
(0.75-4.0)
1.0
(0.5-2.5)
2.5
(0.75-4.0)
t1/2(h)22.3/18.221.1/31.017.9/17.918.3/20.1
幾何平均値/幾何CV%※:中央値(範囲)
16.1.2 反復投与
健康成人男性35例を対象として本剤1.25、5、7.5又は10mgを1日1回7日間空腹時反復経口投与したとき、単回投与時と比較して本剤の薬物動態特性に大きな変化はなく、時間依存性はみられなかった。最終投与時のAUC(0-24)は単回投与時の1.4~1.7倍であった。
1.25mg
(n=9)
5mg
(n=8)
7.5mg
(n=9)
10mg
(n=9)
AUC(0-24)ss(μg・h/L)1170/14.53670/23.44810/27.66170/29.9
Cmax,ss(μg/L)89.2/18.6289/25.1407/24.2472/30.6
tmax(h)1.0
(0.75-2.5)
1.75
(0.75-4.0)
2.5
(0.75-2.5)
2.5
(0.75-2.5)
t1/2(h)27.0/23.623.5/30.622.1/15.920.7/25.2
幾何平均値/幾何CV%※:中央値(範囲)
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
本剤の食後投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは93%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
本剤を高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与したところ、tmax(中央値)は空腹時投与時の投与後1時間から4時間に延長し、薬物動態パラメータの個体間変動の程度は減少した。空腹時投与時と比較して、本剤5mg(5mg錠1錠)食後投与時のAUCは19%、Cmaxは9%上昇し、本剤10mg(10mg錠1錠)食後投与時のAUCは44%、Cmaxは41%上昇した。低脂肪・高炭水化物食摂取後投与時にも同様の食事の影響がみられた(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
本剤の静脈内投与したときの定常状態における分布容積は約44Lであった(外国人データ)。
16.3.2 タンパク結合率
本剤のヒト血漿タンパク結合率は約98%で、主にアルブミンと結合した(in vitro)。
16.4 代謝
本剤の主代謝経路はN-グルクロン酸抱合体(代謝物M-1)へのグルクロン酸抱合である。主代謝酵素はUGT1A9及びUGT1A1である。CYPによる酸化代謝は本剤の主代謝経路ではない(in vitroin vivo)。
16.5 排泄
健康成人男性10例を対象として本剤を静脈内投与したときの全身クリアランスは約1.6L/hであった。健康成人男性6例を対象として[14C]ベルイシグアトを空腹時単回経口投与したとき、投与された総放射能の53%が尿中に、45%が糞中に排泄された。また、未変化体は投与された総放射能の9%が尿中に、43%が糞中に排泄され、代謝物M-1は投与された総放射能の41%が尿中に排泄され、糞中には排泄されなかった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
中等度(eGFR30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満、14例)又は重度(eGFR30mL/min/1.73m2未満、8例)の腎機能障害患者に本剤2.5mgを食後に単回経口投与したとき、本剤の非結合型AUCは健康成人(8例)と比較してそれぞれ76%及び128%高かった(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度(Child-Pugh分類A、9例)及び中等度(Child-Pugh分類B、9例)の肝機能障害を有する患者における本剤の非結合型AUCは健康成人(9例)と比較して8%及び41%高かった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 オメプラゾール/制酸剤
健康成人10例を対象としてオメプラゾール40mgを1日1回4日間前投与した翌日に本剤5mgを空腹時注)併用投与したとき、本剤5mgを単独投与したときと比較して、本剤のAUC及びCmaxは32%及び50%低下した。水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム懸濁剤10mLと本剤5mgを空腹時注)併用投与したときには、本剤単独投与時と比較して、本剤のAUC及びCmaxは27%及び46%低下した(外国人データ)。[16.2.1参照]
16.7.2 シルデナフィル
健康成人16例を対象として本剤10mgを1日1回反復投与した定常状態下においてシルデナフィル25、50及び100mgを併用投与したときのシルデナフィルのAUC(0-22)及びCmaxは、プラセボとシルデナフィルを併用投与した健康成人16例と比較して13~22%及び14~20%高かった。シルデナフィル100mgとの併用投与時の本剤のAUC(0-24)及びCmaxは本剤単独投与時と比較して0.7%及び3%低下した。本剤とシルデナフィルを併用投与した被験者では、プラセボとシルデナフィルを併用した被験者と比較して、5.4mmHgの血圧低下が認められた(外国人データ)。[8.1、10.2参照]
16.7.3 サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物
健康成人15例を対象としてサクビトリル/バルサルタン97/103mgを1日2回反復投与した定常状態下において本剤2.5mgを単回併用投与したとき、本剤2.5mgを単独単回投与したときと比較して、本剤のAUC(0-24)及びCmaxは7%及び9%低下した。サクビトリル/バルサルタン97/103mgを1日2回単独反復投与したときと比較して、本剤2.5mg(1日1回)と反復併用投与したときには、バルサルタンのAUC(0-12)及びCmaxは12%及び13%、サクビトリルのAUC(0-12)及びCmaxは8%及び18%、サクビトリルの活性代謝物LBQ657のAUC(0-12)及びCmaxは1%及び2%上昇した。座位血圧に本剤併用投与による影響は認められなかった(外国人データ)。
16.7.4 硝酸剤
冠動脈疾患患者を対象として本剤を10mgまでの用量で1日1回反復投与した定常状態下において、短時間及び長時間作用型ニトログリセリン(速効性ニトログリセリンエアゾール製剤0.4mg及び一硝酸イソソルビド60mg)を併用投与したとき、これらの硝酸剤を単独投与したときと比較して、臨床的に意味のある血圧の変化はみられなかった。心不全患者での本剤と長時間作用型硝酸薬の併用経験は限定的である(外国人データ)。[8.1、10.2参照]
16.7.5 ジゴキシン
健康成人25例を対象として本剤10mgとジゴキシン0.375mgを1日1回反復併用投与したときの定常状態におけるジゴキシンのAUCτ,mdは、ジゴキシン0.375mgを単独で1日1回反復投与したときと比較して4%上昇した。ジゴキシン0.375mgを1日1回反復投与したときの定常状態下において本剤10mgを単回投与したとき、本剤10mgを単独で単回投与したときと比較して、本剤のAUCは2%低下しCmaxは1%上昇した(外国人データ)。
16.7.6 アスピリン
健康成人14例を対象としてアスピリン500mgを投与した翌日に本剤15mg注)を併用投与したときの本剤のAUC及びCmaxは、本剤15mg注)を単独投与したときと比較して、それぞれ5%及び7%低下した。本剤は出血時間及び抗凝固作用に影響せず、アスピリン投与時と本剤併用投与時の出血時間及び抗凝固作用にも変化はみられなかった(外国人データ)。
16.7.7 ワルファリン
健康成人23例を対象として本剤10mgを1日1回反復投与した定常状態においてワルファリン25mgを併用投与したときのPT、第VII、第II及び第X因子のAUC(0-96)は、ワルファリン25mgをプラセボと併用投与したときの97.4~100.4%であった。薬物動態にも相互作用はみられなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認用法及び用量は、「1回2.5mgを1日1回食後経口投与から開始し、2週間間隔で1回投与量を5mg及び10mgに段階的に増量する。なお、血圧等患者の状態に応じて適宜減量する。」である。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
リオシグアト(アデムパス)
[2.2参照]
症候性低血圧を起こすおそれがある。細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
PDE5阻害剤
シルデナフィルクエン酸塩等
[16.7.2参照]
症候性低血圧を起こすおそれがある。治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、治療上やむを得ないと判断された場合にのみ併用すること。細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。
硝酸剤及びNO供与剤
ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等
[16.7.4参照]
症候性低血圧を起こすおそれがある。血圧等患者の状態を継続的に観察しながら慎重に投与すること。細胞内cGMP濃度が増加し、降圧作用を増強するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血圧(7.4%)[7.、8.1、9.1.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~10%未満1%未満頻度不明
血液およびリンパ系障害貧血
神経系障害浮動性めまい頭痛
胃腸障害消化不良、胃食道逆流性疾患、悪心、嘔吐
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